JPH0132407Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車載アンテナ支持機構の考案に係り、
自動車のトランク部などの開披部体及びその嵌合
座部分を利用して支持設定し、洗車時などにおい
て取外し得るようにしたアンテナ支持機構におい
て、その着脱操作を容易ならしめ、しかも盗難を
適切に防止し、又その支持関係が安定且つ的確
で、アンテナに接続されるケーブルの太さに制限
を受けることのないようにしたものである。

自動車のトランク部のような開披部体とその嵌
合座部分を利用して車載アンテナを支持させるこ
とについては従来から若干の提案がなされてい
る。即ち従来の一般的な車載アンテナ取付けは車
体に孔を明けてケーブルの導入或いはビス止めを
なすものであるが、上記のようなトランク部の如
き開披部体とその嵌合座部分を利用するならばそ
のような車体に対する加工損傷を必要としないで
アンテナを取付け得るメリツトがあり、本出願人
において実願昭56−196794（実開昭58−101510）
の如きを提案している。ところがこのようにトラ
ンク部を利用したアンテナ支持機構においては車
体部材との間に的確な固結手段が存しないのでア
ンテナ盗難の可能性があり、又その支持関係が必
ずしも安定せず、これらの不利を解消しようとす
るとビス止めなどを多用し又複雑に係止し合うよ
うな構造を採用することが必要で、それらの加工
工作が煩雑なものとならざるを得ず、開閉部体か
ら該開閉部体と嵌合座との間の間隙から引込まれ
るケーブルの太さに制限を受け、アンテナ受信機
能自体にも影響するなどの不利がある。

本考案は上記したような実情に鑑み検討を重ね
て考案されたものであつて、その実施態様を添附
図面に示すものについて説明すると、第１図に示
すように自動車２０のトランク部分を利用して車
体に取付けるようにした本考案の支持機構は第２
図に分解して示すようにアンテナ５の基端に取付
けられケーブル６を導入接続するようにされた基
端部材３に取付けられる支持板１とトランクリツ
ド１１の端縁部に対して第３図に示すように装着
されるベース部体２を有し、支持板１は第２図以
下に明かなように基端部材３の下端部に挿着固定
されるもので、基端部材３の下端部には鍔部３１
を形成し、該鍔部３１から下方に螺筒３２が突設
されており、該螺筒３２を支持板１の挿嵌孔１ａ
に挿嵌し、螺筒３２にナツト８を締着して固定す
るように成つており、又斯かる支持板１の一側に
は第３図に示すようにトランクリツド１１が閉鎖
された状態でリヤフエンダー１２上に接合する折
曲部１４が形成されている。又上記のような基端
部材３における前記鍔部３１より上方には縮径部
３３を介して係合螺条３４が形成され、該係合螺
条３４には前記したベース部体２を締着するため
のロツクナツト４が螺合され、ベース部体２は上
記したような鍔部３１を受入れる嵌合口２１と上
記縮径部３３をスライドして受入れるだけの幅員
をもつた開口部２３を該嵌合口２１の一側に形成
し、しかもこれらの嵌合口２１および開口部２３
部分を第２図に示すように膨出させて形成した中
央部の両側に第２図に示すようにトランクリツド
１１に対する設定座２２が形成され、それらの設
定座２２における一側に係着部２５を折返し屈曲
して形成せしめ、該係着部２５を第３，４図に示
すようにトランクリツド１１の端縁に嵌合して固
定螺子９でトランクリツド１１に定着するように
成つている。

上記したような本考案によるものの作用につい
て説明すると、第２図に示すような状態において
基端部材３の縮径部３３を開口部２３に沿わせて
支持板１を取付けた基端部材３をベース部体２に
嵌合させ、嵌合口２１と同軸に基端部材３を位置
させた状態でロツクナツト４を締着すると第３図
に示すように支持板１に対してベース部体２を締
着し、又このような支持板１をトランクリツド１
１の端縁に固定螺子９を裏面から締着しておくこ
とによつてアンテナ５を有する基端部材３および
支持板１、ベース部体２をトランクリツド１１に
定着することができる。然してこのようなトラン
クリツド１１をリヤフエンダー１２に対して閉鎖
した状態はこの第３図において併せて示されてい
る通りであつて、基端部材３から引出されたケー
ブル６はトランクリツド１１の端縁と嵌合座であ
るリヤフエンダー１２との間の間隙からトランク
内に引込まれているものであり、斯うした開閉部
体としてのトランクリツド１１の閉鎖状態では鍔
部３１が嵌合口２１に嵌合し基端部材３がベース
部体２および車体に対し適切に固着し、ロツクナ
ツト４を弛緩させても該ロツクナツト４が第３図
の状態で単に上方に移動するだけで支持板１の接
曲部１４がリヤフエンダー１２面に接合してベー
ス部体２に対する鍔部３１のトランクリツド１１
からの高さ位置を一定に保持しているので鍔部３
１が嵌合口２１から軸方向にスライドすることが
なく、所定の定着関係を確保し、アンテナの盗難
などを有効に防止し得る。又トランクリツド１１
を開披した第４図の状態ではロツクナツト４が少
許弛緩されることによつて鍔部３１は嵌合口２１
から抜け出し縮径部３３が嵌合口２１内に位置す
るのでアンテナ５をベース部体２および支持板１
と共にトランクリツド１１から容易に取外してト
ランク内に格納することができる。なお支持板１
は螺筒３２の鍔部３１に対して締着ナツト８で締
着され、鍔部３１が嵌合口２１に受入れられてい
るのでアンテナ基端部材３の支持板１に対する取
付けは振動などによつても変動することがなく、
略全周方向において嵌合した頗る安定強固なもの
となり、このような支持板１に対するベース部体
２のロツクナツト４による締着もベース部体２が
支持板１とロツクナツト４との間にワツシヤ的に
介在して安定となり、上記のように装脱の容易な
構成であつてもアンテナ５の取付支持状態は頗る
安定であり、特に支持板１にはフエンダー部上に
接合する折曲部１４が形成されているのでトラン
クリツド閉塞時に該支持板１を介してアンテナ５
の設定状態が安定し、しかも折曲部１４が接合状
態であることが盗難防止を高めることとなる。

以上説明したような本考案によるときはトラン
クリツドに対する洗車時などに対する装脱が容易
で、しかも盗難の如きを的確に防止し、又安定強
固な取付支持状態を形成し得ると共にトランク内
に引込まれるケーブル太さなどに制限を受けるこ
とがなく受信特性に制約を受けないなどの作用効
果を有しており、実用上その効果の大きい考案で
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を示すものであつて、
第１図は本考案による機構で車体にアンテナを支
持せしめたものの斜面図、第２図は本考案による
機構の分解状態を示した斜面図、第３図はそのト
ランクリツドに取付けた状態の断面図、第４図は
そのトランクリツドからの装脱操作関係を示した
断面図である。 然してこれらの図面において、１は支持板、２
はベース部体、３は基端部材、４はロツクナツ
ト、５はアンテナ、６はケーブル、８は締着ナツ
ト、９は固定螺子、１１はトランクリツド、１２
はリヤフエンダー、２１は嵌合口、２２は設定
座、２３は開口部、３１は鍔部、３２は螺筒、３
３は縮径部、３４は係合螺条を示すものである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケーブルを直接に接続したアンテナの基端に基
   端部材を連結し、該基端部材と、トランクリツド
   のような開閉部体に装着されるベース部体および
   前記基端部材に取付けられる支持板により前記開
   閉部体の端縁部に対し着脱可能に設けるようにし
   たものにおいて、前記基端部材の中間部に形成さ
   れた係合螺条にロツクナツトを螺合せしめると共
   に該基端部材の下端側に縮径部を介して鍔部を形
   成し、しかも該鍔部より下端部に上記支持板を固
   定し、該支持板にはフエンダー部上に接合する折
   曲部を形成し、前記ベース部体には上記基端部材
   の縮径部を受入れる開口部を形成すると共に該開
   口部に連続して前記したロツクナツトの締着で上
   記した基端部材の鍔部と嵌合せしめられる嵌合口
   を形成したことを特徴とする車載アンテナ支持機
   構。