JPH0316786Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、リヤサスペンシヨンのスプリング
サポートの上位置に配置されるパツケージトレイ
サイドの取付構造に関する。

（従来の技術とその問題点） 第３図は、自動車の車室後部を示す。同図に示
すように、ホイルハウスカバー１や、デツキサイ
ドトリム２などからなるボデーサイドで囲まれる
図示しないリヤサスペンシヨンのスプリングサポ
ートの上位置に配置されるパツケージトレイサイ
ド３については、従来より第４図および第５図に
示す取付構造や、第６図および第７図に示す取付
構造によつてボデーサイド４に固定するのが通例
である。

すなわち、第４図に斜視図を、第５図に断面図
をそれぞれ示す取付構造は、パツケージトレイサ
イド３の裏面部３ａをねじ５でボデーサイド４に
締付固定するものである。また、第６図に斜視図
を、第７図に断面図をそれぞれ示す取付構造は、
先ずボデーサイド４にリテーナ６を溶接などによ
り固着し、パツケージトレイサイド３を上記リテ
ーナ６に装着して、パツケージトレイサイド３の
表面部３ｂをねじ７で上記リテーナ６の前面部に
締付固定するものである。

しかしながら、第４図および第５図に示す取付
構造ではパツケージトレイサイド３が片持支持と
なり、その先端部に加わる荷重Ｆに対する耐強度
が弱く、またねじ５による締付固定作業の邪魔に
ならないように、パツケージトレイサイド３の表
面部３ｂは大きく欠除した形状とする必要があ
り、そのためパツケージトレイサイド３の裏面側
が露出し見栄えを悪くするという問題があつた。

一方、第６図および第７図に示す取付構造につ
いては、上記の欠点は解消されるものの、パツケ
ージトレイサイド３の取付けに先立ち、比較的に
大形のリテーナ６をボデーサイド４に固着する必
要があり、コストがかかるばかりでなく、全体の
重量も大幅に増大するという問題があつた。

（考案の目的） この考案は、上記問題を解決するためになされ
たもので、十分な取付強度を確保でき見栄えもよ
く、重量、コストを低減できるパツケージトレイ
サイドの取付構造を提供することを目的とする。

（目的を達成するための手段） この考案のパツケージトレイサイドの取付構造
は、上記目的を達成するために、リヤサスペンシ
ヨンのスプリングサポート上面に、断面ハツト形
で上向き突出状とされた中間の突曲部に係止穴を
有するブラケツトが固着され、スプリングサポー
ト上面と突曲部間にリテーナの略方形の着座部が
嵌着されると共に、着座部上面に備えられた係合
突部が前記係止穴に係止され、リテーナを覆うよ
うにパツケージトレイサイドを配置して、前記リ
テーナに対し前記パツケージトレイサイドをねじ
で締付固定することにより、前記スプリングサポ
ートの上位置にパツケージトレイサイドを取り付
けるように構成している。

（実施例） 第１図はこの考案の一実施例であるパツケージ
トレイサイドの取付構造の分解斜視図を示し、第
２図はその組付状態の縦断面図を示す。

この取付構造は、パツケージトレイサイド８を
リヤサスペンシヨンのスプリングサポート９の上
位置に取り付けるためのものであつて、パツケー
ジトレイサイド８の下面側は開放された形状とな
つており、その一側面部８ａおよび前面部８ｂに
はそれぞれねじ受け座１０が凹陥して形成され、
各ネジ受け座１０にはねじ挿通穴１１が形成され
ている。

一方、、上記スプリングサポート９の上面部９
ａには、前記パツケージトレイサイド８の各ねじ
挿通穴１１に対応し、突出高さを十分低く設定し
た断面ハツト形のブラケツト１２が溶接して固着
されている。そして、これらブラケツト１２の突
曲部１２ａの中央には後述するリテーナの係合突
部の係止する係止穴１２ｂが形成されている。

上記各ブラケツト１２には、パツケージトレイ
サイド８の組付工程においてそれぞれリテーナ１
３が嵌着される。このリテーナ１３には、上記ブ
ラケツト１２の突曲部１２ａに嵌着しうる方形の
着座部１３ａと、円柱形の取付部１３ｂとが一体
に形成され、着座部１３ａの上面には上記ブラケ
ツト１２の係止穴１２ｂに係止する係合突部１３
ｃが突設されている。各リテーナ１３の取付部１
３ｂは、それぞれ対応するブラケツト１２に嵌着
した状態において、各取付部１３ｂの前面が、パ
ツケージトレイサイド８の対応する各ねじ挿通穴
１１に対向するように、その向きが設定されてい
る。また上記取付部１３ｂには、取付ねじ１４の
螺着する小孔１３ｄが形成されている。

なお、前記スプリングサポート９を囲んでボデ
ーサイドの一部を構成するデツキサイドトリム１
５の上辺部の、上記リテーナ１３の１つに対応す
る部分についても、上記取付ねじ１４を挿通する
ねじ挿通穴１５ａが形成されている。

上記パツケージトレイサイド８の組付手順は次
のようして行なわれる。

先ずスプリングサポート９の上面部９ａの各ブ
ラケツト１２に、それぞれ第１図に矢印で示すよ
うにリテーナ１３を嵌着する。この嵌着は、リテ
ーナ１３の着座部１３ａをブラケツト１２の突曲
部１２ａに無理嵌めすることにより行う。上記嵌
着により、リテーナ１３の係合突部１３ｃがブラ
ケツト１２の係止穴１２ｂに係止して、リテーナ
１３の抜止めがはかられる。

ついで、スプリングサポート９の前面にデツキ
サイドトリム１５を配置し、パツケージトレイサ
イド８を、その前面部８ｂが上記デツキサイドト
リム１５の前面に重なり、スプリングサポート９
の上面部９ａを覆うように配置する。そして、取
付ねじ１４を、パツケージトレイサイド８のねじ
挿通穴１１よりデツキサイドトリム１５のねじ挿
通穴１５ａを介してリテーナ１３の取付部１３ｂ
の小孔１３ｄに螺合させる。これによりパツケー
ジトレイサイド８は、デツキサイドトリム１５を
介してリテーナ１３に締付固定される。なお、各
リテーナ１３の対応するブラケツト１２への嵌着
の向きはそれぞれ異なる方向に設定されているの
で、パツケージトレイサイド８に任意の方向の外
力が働いても、これによりブラケツト１２に対す
るリテーナ１３の嵌着が解けることはない。

（考案の効果） 以上のように、この考案のパツケージトレイサ
イドの取付構造によれば、極く小形のブラケツト
をリヤサスペンシヨンのスプリングサポート上面
部に設け、このブラケツトにリテーナを嵌着する
だけでパツケージトレイサイドをねじで締付固定
できるので、全体の重量が増大することもなく低
コストで取付けできるとともに、取付けが片持支
持になることもなく、パツケージトレイサイドの
裏面部が露出するということもないので、十分な
耐強度が得られ見栄えもよい利点がある。またリ
テーナの着座部をスプリングサポート上面と断面
ハツト形のブラケツトの突曲部間に嵌着すれば、
係合突部が係止穴に係止されて抜止め状に容易に
固定できると共に、略方形の着座部を嵌着させる
構成であり、リテーナの縦軸回りの回動も有効に
防止できるため所定姿勢に保持でき、パツケージ
トレイサイドに覆われたリテーナに対し該パツケ
ージトレイサイドにねじで締結固定する際の取付
作業が容易に行える利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例であるパツケージ
トレイサイドの取付構造の分解斜視図、第２図は
パツケージトレイサイドの組付状態を示す縦断面
図、第３図はパツケージトレイサイドの取付位置
を示す自動車内部の斜視図、第４図および第５図
はそれぞれ従来例の分解斜視図および縦断面図、
第６図および第７図はそれぞれ他の従来例の分解
斜視図および縦断面図である。 ８……パツケージトレイサイド、９……スプリ
ングサポート、１２……ブラケツト、１２ａ……
突曲部、１２ｂ……係止穴、１３……リテーナ、
１３ａ……着座部、１３ｃ……係合突部、１４…
…取付ねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リヤサスペンシヨンのスプリングサポート上面
   に、断面ハツト形で上向き突出状とされた中間の
   突曲部に係止穴を有するブラケツトが固着され、
   スプリングサポート上面と突曲部間にリテーナの
   略方形の着座部が嵌着されると共に、着座部上面
   に備えられた係合突部が前記係止穴に係止され、
   リテーナを覆うようにパツケージトレイサイドを
   配置して、前記リテーナに対し前記パツケージト
   レイサイドをねじで締付固定することにより、前
   記スプリングサポートの上位置にパツケージトレ
   イサイドを取り付けたことを特徴とするパツケー
   ジトレイサイドの取付構造。