JPH0342225Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、車両、特に自動車に用いられ、シー
トバツク等の可動部品又は車体のどちらか一方へ
取り付けられ他方に取り付けられるフツクが係合
されて可動部品を車体へ固定するためのストライ
カの取付用とされるブラケツトを覆うための車両
用ストライカカバーの取付構造に関する。

〔従来の技術〕

車体へ取り付けられるシートバツク等の可動部
品の取付構造では、一般にフツクがストライカへ
係合されて可動部品を車体へ固定するようになつ
ている。一例として到伏可能に構成されるリアシ
ートバツク取付構造では、車体又はリアシートバ
ツク側のどちらか一方にフツクが取り付けられ、
他方にストライカが取り付けられており、フツク
がストライカへ係合されてリアシートバツクを起
立状態で車体へ固定するようになつている。

このストライカは一般にブラケツトを介して車
体又はリアシートバツクへ取り付けられており、
このブラケツトには、カバーが覆われてブラケツ
トのカバー外部への露出を防止している。

このカバーはビス等の締付手段により２箇所以
上でブラケツトが取り付けられている車体又はリ
アシートバツクへ固定されている。

しかしながら、上記リアシートバツク取付構造
では、カバーをビスなどにより少なくとも２箇所
で螺着させた場合には、カバーとブラケツトとの
組付バラツキが生ずるので、カバーとブラケツト
端部との間の隙間を充分に確保する必要があるた
めブラケツトに対するカバーの大きさを大きくす
る必要があり、これによつて重量が重くなるとと
もにコスト高となる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は上記事実を考慮し、組付精度を向上す
ることができるとともに小型のカバーを得ること
のできる車両用ストライカカバーの取付構造を得
ることが目的である。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案に係る車両用ストライカカバーの取付構
造では、シートバツク等の可動部品又は車体へ取
り付けられるブラケツトと、このブラケツトへ取
り付けられフツク係合用とされるストライカと、
前記ブラケツトを覆うカバーと、このカバーとブ
ラケツトとの間に設けられカバーの一部をブラケ
ツトへ掛止する掛止手段と、前記カバーの他の一
部をブラケツトが取り付けられた可動部品又は車
体へ固定する締付手段と、を有している。

〔作用〕

したがつて、本考案に係る車両用ストライカカ
バーの取付構造では、組付時には、カバーは一部
が掛止手段により可動部品又は車体の一方へ取り
付けられたブラケツトへ掛止され、他の一部が締
付手段によりブラケツトが取り付けられた車体又
は可動部品へ取り付けられてブラケツトを覆う。

〔実施例の構成〕

第１図乃至第６図には、本考案に係る車両用ス
トライカカバーの取付構造の実施例が示されてお
り、第１図には、車室内部に配置されているリア
シート１０の構造が示されている。

このリアシート１０はシートクツシヨン１２と
シートバツク１４とから構成されて乗員の着座用
とされていると共にシートバツク１４が到伏可能
に取り付けられている。

このシートバツク１４の乗員着座側と反対の裏
面には、取付ブラケツト１６が取り付けられてお
り、この取付ブラケツト１６には、支持軸１８を
介してフツク２０が軸支されている。

このフツク２０はねじりコイルばね（図示省
略）により第１図時計方向に付勢されていると共
に、時計方向の回転位置が第１図の図示状態で最
大回転位置となつている。 また、このフツク２
０はリアシート１０の車体後方側の車体２２側か
ら突出されているストライカ２４へ係合されてシ
ートバツク１４を起立状態で車体２２へ固定して
いる。

さらに、このフツク２０はシートバツク１４の
上方に設けられているノブ（図示省略）と連結さ
れており、このノブにより上記ねじりコイルばね
の付勢力に抗して反時計方向へ回転され、先端部
がストライカ２４から取り外されてシートバツク
１４が到伏状態１４Ａ（二点鎖線状態参照）とな
るように配置されている。

このストライカ２４は第２図に示される如く、
丸棒から軸線が略コ字状とされて、両端部が第３
図に示される如く、車体後方へ向つてブラケツト
２６側へ延びている。

このブラケツト２６は車体２２を覆つているト
リム２７の開口部２７Ａへ配置されており、第３
図に示される如く、薄板から断面形状が略コ字状
に屈曲され、中間部２６Ａには、第５図に示され
る如くストライカ２４の両端部がかしめ固着さ
れ、ストライカ２４の中間部が車体前方へ突出さ
れている。また、ブラケツト２６はコ字状の両端
部先端がさらに屈曲されて一対のフランジ部２８
が形成している。これらのフランジ部２８の中央
部付近には、それぞれ取付孔３０が穿設されてブ
ラケツト２６の車体２２への取付用となつてお
り、ブラケツト２６は一対のフランジ部２８が車
体２２へ上下に配置されてそれぞれ密着され、一
対のボルト３２を介して車体２２へ取り付けられ
ている。これらのボルト３２は車体２２へ固着さ
れている一対のナツト３４へ螺合されている。

また、ブラケツト２６は車体上方側へ配置され
たフランジ部２８の先端がさらに車体前方へ向け
て略直角方向へ屈曲されており、この先端部の幅
方向中央部付近には、掛止突起３６が延長されて
いる。この掛止突起３６は先端が車体上方へ向つ
て延び、フランジ部２８と略平行に形成されてい
る。

このブラケツト２６はカバー３８で覆われてお
り車室側への露出が防止されている。

このカバー３８は薄肉の合成樹脂から箱状に形
成されて一方が開口されており、内部にブラケツ
ト２６を収容できるようになつている。

このカバー３８の外側面を形成している露出面
４０には、座グリ部４１が形成されている。この
座グリ部４１は平担部がカバー３８の内部側へ突
出されている。この座グリ部４１には取付孔４２
が穿設されてカバー３８の車体２２への取付用と
なつており、カバー３８は座グリ部４１がブラケ
ツト２６の車体下方へ密着され締付手段であるビ
ス４３を介して車体２２へ取り付けられている。
また座グリ部４１の上方の露出面４０には、一対
の貫通孔４４が穿設されており、これらの貫通孔
４４はストライカ２４の貫通用となつている。

これらの貫通孔４４は細幅部４６で互いに連結
されている。

この細幅部４６の周縁はカバー３８の内部側が
薄肉とされストライカ２４の貫通時に弾性変形し
易くなつている。

また、カバー３８の内部には略コ字状に形成さ
れた掛止部５０が取り付けられている。この掛止
部５０はカバー３８の上端内周へ一体的に固着さ
れて第４図に示される如く、カバー３８の内部に
車体下方側が開口された箱状部を形成している。

この掛止部５０には、ブラケツト２６の掛止突
起３６が掛止され、この掛止突起３６の先端がカ
バー３８の内周面へ当接されている。掛止部５０
及び掛止突起３６はカバー３８の一部をブラケツ
ト２６へ掛止する掛止手段とされている。

〔実施例の作用〕

カバー３８の組付時には、第６図に示される如
く、ストライカ２４の取り付けられたブラケツト
２６を車体２２へ取り付けた後に、カバー３８の
掛止部５０をブラケツト２６の掛止突起３６へ掛
止しながらカバー３８を回転させると、細幅部４
６がストライカ２４へ当接される。さらにカバー
３８を回転させると、細幅部４６が弾性変形され
てストライカ２４がカバー３８を貫通する。さら
に、座グリ部４１を車体２２へ密着させてビス４
３を介してカバー３８を車体２２へ固定する。

このように本実施例では、カバー３８は掛止部
５０がブラケツト２６の掛止突起３６へ掛止され
ていると共に、組付時には掛止突起３６の先端が
カバー３８へ当接されるので、カバー３８はブラ
ケツト２６に対して位置決めされるため組付精度
を向上することができる。

このため、本実施例では、従来のようにブラケ
ツト２６の端部とカバー３８との間の隙間を充分
に確保する必要がないので、カバー３８を従来よ
りも小さくすることができる。

尚、本実施例では、カバー３８の掛止部５０は
断面形状が略コ字状に形成されてブラケツト２６
の掛止突起３６へ掛止されているが、これに限ら
ず、掛止部５０を平板状に形成して掛止突起３６
へ掛止する等の他の構造であつてもよい。

また、本実施例では、カバー３８はシートバツ
ク１４の車体２２への固定用とされるストライカ
２４の取付用ブラケツト２６を覆つているが、こ
れに限らず、乗員乗降用のドア等の他の可動部品
の固定手段として用いられるストライカを車体へ
取り付ける部分に用いて、このストライカを車体
へ取り付けるブラケツトを覆うものとしてもよ
い。

〔考案の効果〕

以上説明した如く、本考案に係る車両用ストラ
イカカバーの取付構造では、シートバツク等の可
動部品又は車体へ取り付けられるブラケツトと、
このブラケツトへ取り付けられフツク係合用とさ
れるストライカと、前記ブラケツトを覆うカバー
と、このカバーとブラケツトとの間に設けられカ
バーの一部をブラケツトへ掛止する掛止手段と、
前記カバーの他の一部をブラケツトが取り付けら
れた可動部品又は車体へ固定する締付手段と、を
有しているので、組付精度を向上することができ
るとともに小型のカバーを得ることのできる優れ
た効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る車両用ストライカカバー
の実施例が示され車室内部に取り付けられるリア
シートのシートバツクの車体への取り付け状態を
示す説明図、第２図は第１図の一部を示す斜視
図、第３図は第２図の−線の断面を示す断面
図、第４図は第２図の−線の断面を示す断面
図、第５図は第２図の分解斜視図、第６図は組付
途中の状態を示す説明図である。 １４……シートバツク、２０……フツク、２２
……車体、２４……ストライカ、２６……ブラケ
ツト、３６……掛止突起、３８……カバー、４３
……ビス、５０……掛止部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートバツク等の可動部品又は車体へ取り付け
   られるブラケツトと、このブラケツトへ取り付け
   られフツク係合用とされるストライカと、前記ブ
   ラケツトを覆うカバーと、このカバーとブラケツ
   トとの間に設けられカバーの一部をブラケツトへ
   掛止する掛止手段と、前記カバーの他の一部をブ
   ラケツトが取り付けられた可動部品又は車体へ固
   定する締付手段と、を有したことを特徴とする車
   両用ストライカカバーの取付構造。