JPS6238892Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は容器に関し、側壁のうち口縁部の下
方外周での皺発生および亀裂発生の防止に適する
と共にスタツク時の容器どうしの密着防止に好適
なものを得ようとしている。

従来より容器の成形については、熱可塑性発泡
樹脂シートに対し、真空成形方法等種々の成形方
法が採用され成形されていた。しかしながら容器
成形の場合、扁平なシートを絞り込んで成形する
ため、深絞りによればよるほど側壁のうち口縁部
の下方外周部分では皺発生および亀裂発生を起し
易くなるほか、側壁は容器どうしの嵌合によるス
タツク時に互に強く密着し合い、外し難くなる欠
点があつた。

そこで、この考案では上記従来の容器のもつ欠
点を解消できるようにしたものであり、その構成
としては、熱可塑性発泡樹脂シートまたはこれに
非発泡樹脂シートあるいはフイルムを積層したシ
ートに対して、シート成形にてコツプ形状に深く
絞り込んで形成した容器であつて、側壁のうち口
縁部の下方外周には、他部分より厚肉に形成する
と共に縦溝を多数形成してなる凹凸状部を設けて
あることを特徴としている。

次いで、この考案の実施態様について図を参照
しながら以下に例示する。

１は容器の全体を示しており、２は底部、３は
側壁、４は口縁部を示している。さらに５は側壁
３のうち口縁部４の下方外周に設けた凹凸状部で
あり、多数の縦溝５０の形成にて凹凸状をなして
いる。この凹凸状部５の側壁に占める割合は容器
１の大きさと肉厚によつても多少異なるが、側壁
長さの1/4〜1/5程度の長さが好ましい。

なお、縦溝５０による上記凹凸状部５は、その
形成個所が他部分より厚肉に形成されている。

さらに容器１を形成する素材としては、発泡ポ
リスチレンシートその他による熱可塑性発泡樹脂
シートのみの単層体ａによる場合と、発泡ポリス
チレンシートにハイインパクトポリスチレンシー
トまたはフイルム等をラミネートさせたごとき熱
可塑性発泡樹脂シートに非発泡樹脂のシートある
いはフイルムを積層した積層体ｂを用いて形成し
てもよい（例えば第４図参照）。

上記この考案による容器を得るための真空成形
等による成形時には、使用する雌型として容器の
口縁下部外周に相当する内壁一部に縦溝をローレ
ツト加工等にて形成してあるものを用いると、離
型に何等支障なく容器側壁の口縁部下方に縦溝形
成による凹凸状部を容器成形と同時に成形できる
ことになる。

以上のようにこの考案によると、容器側壁のう
ち、口縁部の下部外周に縦溝を多数形成している
凹凸状部を設けているので、縦リブが入つたよう
な状態となり、熱可塑性発泡樹脂シートまたはこ
れに非発泡樹脂のシートあるいはフイルムを積層
したシートにて形成される容器、特に深く絞り込
まれて成形されるほど起り易い口縁部下方での皺
発生および亀裂発生等を防止でき、口縁部下方で
の強化をはかり得ることになり、素材シートから
深絞り成形された容器の弱体化防止に貢献できる
ことになる。また、この凹凸状部は、他部分より
厚肉に形成しているので、その部分に縦溝を形成
することによつて強度が弱くなる虞はない。さら
に容器どうしが嵌合されてスタツクされた場合の
容器相互の密着を上記凹凸状部にて弱め、取り出
し易いスタツク状態にできる。しかも凹凸状部に
て容器把持上のすべり止め効果をも発揮し得る等
優れた実用的効果をもたらすことができる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施態様を例示するものであ
り、第１図は正面図、第２図は底面図、第３図は
断面図、第４図は実施の変更例を示す要部の横断
拡大断面図である。 １……容器、３……側壁、４……口縁部、５…
…凹凸状部、５０……縦溝、ａ……単層体、ｂ…
…積層体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 熱可塑性発泡樹脂シートまたはこれに非発泡
   樹脂シートあるいはフイルムを積層したシート
   に対して、シート成形にてコツプ形状に深く絞
   り込んで形成した容器であつて、側壁のうち口
   縁部の下方外周には、他部分より厚肉に形成す
   ると共に縦溝を多数形成してなる凹凸状部を設
   けてあることを特徴とする容器。 ２ 熱可塑性発泡樹脂シートが発泡ポリスチレン
   シートからなる上記実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の容器。 ３ 非発泡樹脂シートあるいはフイルムがハイイ
   ンパクトポリスチレンシートあるいはフイルム
   からなる上記実用新案登録請求の範囲第１項記
   載のの容器。