JPH0547119Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、リング状アイスクリーム、ゼリー、
プリン等のデザート食品の簡易プラスチツク製モ
ールド容器に関するものである。

（従来の技術） 従来、リング状のアイスクリーム、ゼリー、プ
リン等のデザート食品を製造するために、開放側
に向かつて開いた傾斜面をもつ断面Ｗ形の簡易プ
ラスチツク製モールド容器を用いていた。

（考案が解決しようとする問題点） 上記のような容器にあつては、容器内において
固形化したアイスクリーム、ゼリー、プリン等の
デザート食品を取出す際に、ステイツク等を予め
埋め込んでないから、容器をその外面より温水に
て温めても、内容物のデザート食品を取出すこと
は困難であり、その上、デザート食品の見栄えを
良くするため、容器本体の外壁面にスパイラル状
の斜溝を形成したような場合には、なお一層その
取出しを困難にするものである。

これがため、内容物のデザート食品を取出すに
は、容器本体を引裂く必要があるが、この場合、
容器本体の開放端の鍔縁より引裂くとしても、第
８図に示すように容器本体の開放側を下にした場
合、引裂き線は上面の内側縁Ｓにて止まり、それ
以上の引裂きは困難となり、それを無理して引裂
くと、形崩れを起こし、製品を傷付けることにな
る。

本考案は、このような点に鑑みて案出されたも
ので、その目的とするところは、リング状のデザ
ート食品を容器中より形崩れを生ずることなく、
容易に取出すことができる簡易プラスチツク製モ
ールド容器を提供するにある。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するために、本考案にあつて
は、開放側に向かつて開いた傾斜面をもつリング
状容器本体を、剥離し得る内層が薄いプラスチツ
クフイルムと、外層がプラスチツクシートとの２
層にて形成していることと、リング状の容器本体
の中央部に摘み部を形成していることと、鍔縁の
突出部における外層プラスチツクシートのみに引
裂き用のＶノツチを設けることによつて、問題点
の解決を図つている。

すなわち、本考案は、内層が薄いプラスチツク
フイルムにして、外層がプラスチツクシートの剥
離し得る２層よりなるリング状容器本体が、その
開放側に向かつて開いた傾斜面を有するととも
に、リング状容器本体の中央部を閉鎖側に向かつ
て突出させて摘み部を形成し、リング状容器本体
の開放側の鍔縁には、突出部における外層のプラ
スチツクシートのみに引裂き用のＶノツチを設け
た構成をとつている。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

本考案の容器本体の素材としては、通常の共押
出法によつて積層成形されるもので、100μ以下
の薄い柔軟性の優れたポリエチレン、ポリプロピ
レン、あるいはその共重合体のフイルムと、容器
の形状を保持し得る限度の厚みを有する成形性に
優れたポリスチレンのシートとを剥離可能にした
積層材であつて、その積層間の剥離強度は15mm幅
で30gf以下で、輸送時等に剥離のない強度であれ
ばよい。

以上のような積層材を用いて、真空成形、また
は圧空成形により薄いフイルムの側を内に、成形
性のあるシート側を外にして容器本体ａを成形し
たもので、１がフイルム層、２がシート層であ
る。

この容器本体ａは、開放端３側に開いた傾斜面
４，５を有するリング状のアイスクリーム、ゼリ
ー、プリン等のデザート食品を充填して形成する
室６、及びこのリング状の室６の中央部におい
て、容器本体ａの閉鎖方向に突出した摘み部７よ
り構成されている。

開放端３側には、外方に鍔縁８があり、この鍔
縁８には、相対してＶノツチ９を設けた突出部１
０，１０があり、これらの突出部１０と１０との
間には、相対して摘み用のタブ部１１，１１があ
る。

また、突出部１０，１０には、内側の薄いフイ
ルム層１がカツト１２，１２されており、したが
つてＶノツチ９のあるこの部分は、外層のシート
層２のみである。

また、容器本体ａの外側傾斜面４、及びこれに
続く底面１３〔開放端３を上方にした場合〕に
は、デザート食品の形状の見栄えをよくするため
に、スパイラル状の凹溝１４が斜方向に形成され
ている。

以上のような構成の容器本体に対し、アイスク
リーム、ゼリー、プリン等のデザート食品をゾル
状において充填し、これを冷凍室、あるいは常温
で固形化することにより、第２図に示すようなデ
ザート食品ｂが固形化した製品となる。

デザート食品ｂの使用に当たり、容器本体ａか
ら固形化したデザート食品ｂを取出すには、第３
図に示すように先ず皿ｃ等に容器本体ａの開放端
３側を下にして伏せる。

次いで、中央の突出した摘み部７を摘んで第４
図に示すように、上方に引抜く。

この状態で、第５図、第６図に示すように、外
側シート層２のＶノツチ９を有する両側の突出部
１０を摘んで引裂く。

このとき、素材として一般成形により配向した
プラスチツク容器は、配向の方向に容易に引裂く
ことができるから、引裂き線１５は、第５図に仮
想線で示すように、傾斜側面４より頂面１３〔底
面１３〕に至り、この頂面１３と摘み部７との接
合部１６に停まることなく、摘み部７の頂部１７
まで至る。

引裂き線１５が摘み部７の頂部１７まで至る
と、この外側シート層２は、下側フイルム層１を
残して取去られる。

この外側シート層２が取り去られると、第６図
に示すように、残つた内側のフイルム層１は、そ
れのタブ部１１，１１を摘んで上方に引剥がされ
る。

そして、デザート食品ｂは、第７図に示す状態
となる。

（考案の効果） 本考案は、リング状のアイスクリーム、ゼリ
ー、プリン等のデザート食品を製造するための簡
易プラスチツク性モールド容器であつて、この容
器から固形化されたデザート食品を取出し易くす
るために、開放側に向かつて開いた傾斜面をもつ
リング状容器本体は、剥離し得る内層が薄いプラ
スチツクフイルムと外層がプラスチツクシートと
の２層にて形成するとともに、容器本体の中央部
を、閉鎖側に向かつて突出させて摘み部を形成し
たものであるから、デザート食品の取出しに当た
り、中央の摘み部をもつて外方に引張つてこれを
引出すとともに、開放側の鍔縁に形成された突出
部の外層のプラスチツクシートのみに形成されて
いるＶノツチから外方に突出した中央の摘み部に
向かつて引裂く場合、その引裂き線は摘み部の付
根で停まることなく摘み部まで達し、容器本体を
構成する外層のプラスチツクシートを剥離するこ
とができ、次いで薄い内層のプラスチツクフイル
ムを剥離することができるから、リング状のデザ
ート食品を形崩れすることなく容易に取り出すこ
とができる。

これを要するに、本考案は、開放側に向かつて
開いた傾斜面をもつリング状容器本体を、剥離し
得る内層が薄いプラスチツクフイルムと、外層が
プラスチツクシートとの２層にて形成しているこ
とと、リング状容器本体の中央部に引出すことが
できる摘み部を設けていることと、リング状容器
本体の開放側の鍔部に形成した突出部の外層のプ
ラスチツクのみにＶノツチを設けていることが相
俟つて、リング状のデザート食品を、その形崩れ
を生ずることなく、容易に容器より取出すことが
できるようにしたところに特徴を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の容器であつて、イは斜視図、
ロは半分を断面にした正面図、第２図はデザート
食品が容器に充填固形化された斜視図、第３図乃
至第６図はデザート食品を容器を引裂いて取出す
工程を示す斜視図、第７図は取出されたデザート
食品の斜視図、第８図は従来容器を引裂くところ
の斜視図である。 符号、ａ……容器本体、ｂ……デザート食品、
ｃ……皿、１……フイルム層、２……シート層、
３……開放端、４，５……傾斜面、６……形成
室、７……摘み部、８……鍔縁、９……Ｖノツ
チ、１０……突出部、１１……タブ部、１２……
カツト線、１３……底面、１４……凹溝、１５…
…引裂き線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内層が薄いプラスチツクフイルムにして、外層
   がプラスチツクシートの剥離し得る２層よりなる
   リング状容器本体は、その開放側に向かつて開い
   た傾斜面を有するとともに、リング状容器本体の
   中央部を閉鎖側に向かつて突出させて摘み部を形
   成し、リング状容器本体の開放側の鍔縁には、突
   出部における外層のプラスチツクシートのみに引
   裂き用のＶノツチを設けたことを特徴とするリン
   グ状アイスクリーム等のデザート食品の簡易プラ
   スチツク製モールド容器。