JPS5856223Y2 - 易開封性容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は易開封性容器に関するものであり、さらに詳し
くは、多層合成樹脂製容器本体と蓋材とからなる易開封
性容器に関するものである。

現在、食品包装容器として、ポリスチレン、ポリカーボ
ネート、ポリ塩化ビニル、ポリエステルなどの成型容器
が広く使用されており、その蓋材は、合成樹脂の単層又
は積層材やアルミニウム箔にヒートシール剤をコートし
たものが使用されている。

これらの容器の開封には、種々の方法がとられている。

たとえば第１図示の如く、容器本体１の上端部に段差を
設け、蓋材２との間に未シール部３を作り、その部分よ
り開封する方法や、第２図示の如く蓋材２の一部につま
み部４を設け、これにより開封する方法などがある。

これらの方法は、食品容器として用いる場合、未シール
部にほこりが付着したり、つまみ部が折れ曲りしわがは
いるなど、商品外観の面から好ましくないものである。

上記のような欠点を改良する方法として、第３図示の如
く、容器本体１の上端部に設けたフランジ５の蓋材２と
接しない側の任意個所に切欠部６を設けておき、これに
より開封時にフランジの一部を容器本体より切り放して
蓋材を一緒に剥離開封する方法が考えられる。

この方法によると、容器本体を構成する材料がポリスチ
レン、ポリ塩化ビニルなどの一層である場合には比較的
有効であるが、ポリエチレンをラミネートしたような多
層の合成樹脂より構成されている場合には折り曲げても
上記切欠部が切断しないことがある。

たとえば、第４図示の如く、外側がポリスチレン層７、
内側がポリエチレン層８より構成される容器本体１のフ
ランジ５のポリスチレン層７側にのみ切欠部６を設けた
場合、ポリスチレンだけが切れ、ポリエチレンはそのま
ま残るため開封が困難となる。

本考案者は、上記の欠点を解消することを目的として研
究した結果、容器本体が多層合成樹脂よりなる場合、フ
ランジの任意個所の両面に、対応する切欠部を設けてお
くことにより、極めて容易に蓋材を剥離しうることを見
い出して本考案を完全したものである。

すなわち、本考案は上端部にフランジを設けた多層合成
樹脂製容器本体に対して蓋材を易開封性に密封してなる
容器であって、上記フランジの任意個所の両面に、対応
する切欠部を設けてなる易開封性容器を要旨とする。

以下、上記の本考案について詳細に説明する。

まず、図面により本考案を説明すると、本考案の易開封
性容器は、第５図に示すように、上端部にフランジ１１
を設けた多層合成樹脂容器本体１２に対して蓋材１３を
易開封性に密封してなる容器であって、上記フランジ１
１の任意個所の両面に対応する切欠部１４および１５を
設けてなる。

上記に於いて切欠部１４および１５の断面形状はＶ字形
、Ｕ字型などいずれでもよく、またその形態はフランジ
１１の任意個所に設けられていればいずれであってもよ
いが、フランジ１１の外周輪郭線状の２点を直線状に結
ぶ線を形成していることが望ましい。

そして、切欠部１４および切欠部１５はフランジ１１の
両面に於いて対応する位置になければならない。

また、容器本体１２および蓋材１３の構成材料の組み合
わせが易開封性ヒートシール可能でない、ないしは充分
でない場合には、上記フランジ１１の上面および／また
は蓋材１３の下面には両者間が易開封性密封しうるよう
に応じてヒートシール層が設けられる。

またさらに、切欠部の深さは層構成及び樹脂の種類によ
って適宜調整される。

上記において容器本体１２の形状は全く任意であって、
その上端部のフランジは容器本体１２の底部に対して通
常平行に設けられる。

また、蓋材１３はフランジ１１の外周輪郭と同一ないし
ほは゛同一の外周輪郭に形成される。

次に、上記の容器本体１２は、各種合成樹脂の多層構造
を持つが、特に本考案に於いては、容器本体の内面材に
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、アイオノマーなどの切れにくい材料を使用し
たものに対して効果的である。

一方の外面材あるいは二層以上の多層構造の場合の中間
層材としては、たとえば、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、スチレン−ブタジェン共重合体、エチレン−プロピ
レンラバーなどが適用できる。

組み合わせの一例としてはポリエチレン（内層）とポリ
スチレン（外層）からなる容器本体が挙げられる。

また、蓋材１３にはポリエチレンテレフタレート、ポリ
アミドなどの合成樹脂、アルミニウム箔、その他の材料
が用いられる。

上記本体１２のフランジ上面と蓋材１３の下面とは易開
封性にヒートシールされ、本考案の易開封性容器が得ら
れる。

この本考案の易開封性容器においては、上述の両面で対
応する切欠部１４および１５の部分を上下に折り曲げる
ことにより容易に容器本体１２のフランジ１１を切断な
いしは分離可能な状態にでき、次いでこのフランジ切片
上の蓋材を該切片と共に、あるいは予め切片を剥離して
蓋材のみをつまむことにより、上記切断個所から蓋材を
非常に簡単に剥離しうるものである。

このように本考案の易開封性容器は容器本体１２のフラ
ンジ１１の両面に切欠部を設けたことを特徴とし、従来
のものに比して、はこりが付着したりすることなく衛生
的であり、特に食品容器として好ましいものである。

また、本考案の易開封性容器は、ポーションパック向き
であり、内容物を１回で使い切るか又は食べ切る容器と
して便利なので、第６図示の如く、注ぎ’（ｊ１６を設
けた容器に適する。

本考案の易開封性容器は密封保存性が高いので、プリン
、アイスクリーム、コーヒーミルク、ジャムなどの食品
類の他、種々の材料の密封容器として有効である。

次に実施例を示して本考案をさらに具体的に説明する。

実施例１ 第７図の如く、ハイインパクトスチロール（ＨＩＰＳ）
０．６ ｍ ７ｍ （外層１７）と、ポリエチレン０゜
１ｍ／ｍ（内層１８）を積層したものを成型し、フラン
ジ１１の両面に断面Ｖ字状の切欠部１４および１５を設
けた。

ここで切欠部１４は深さ約０．２ｍ／ｍ、切欠部１５は
深さＱ、１ｍ／ｍに設けた。

次いで、アルミニウム箔４０μよりなる蓋材１３にヒー
トシール剤を５ｇ／ｍ２コートしたものとヒートシール
し密封した容器は、第８図示の如く、容易に開封できた
。

実施例 ２ 第９図の如く、ポリスチレン０．５５ ｍ／ｍ （外層
２１）スチレン−ブタジェン共重合体０．０５ ｍ／ｍ
（中間層２０）／ポリエチレン０．２ｍ／ｍ（内層１９
）からなる積層体を成型しフランジ１１の両面に断面Ｖ
字状の切欠部１４および１５を設けた。

ここで切欠部１４は深さ約０．２５ ｍ／ｍ、切欠部１
５は深さ約０．２ｍ、’ｍに設けた。

次いで、実施例１と同様にして蓋板をヒートシールした
（図示せず）ところ、この容器は密封性良く、かつ容易
に開封できた。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来の易開封性容器を例示する断
面図、第３図および第４図は７ランジ下面に切欠部を設
けた易開封性容器を例示する断面図、第５図は本考案の
易開封性容器を例示する断面図、第６図は本考案の易開
封性容器の一例を示す斜視図、第７図および第８図は本
考案の一実施例を説明するための斜視図であって、第７
図は容器本体、第８図は開封した状態を示す。 また、第９図は本考案の一実施例を説明するための容器
本体の断面図である。 １１・・・・・・フランジ、１２・・・・・・多層合成
樹脂製容器本体、１３・・・・・・蓋材、１４ｊ５・・
・・・・切欠部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上端部にフランジを設けた多層合成樹脂製容器本体に対
   して蓋材を易開封性に密封してなる容器であって、上記
   フランジの任意個所の両面に、対応する切欠部を設けて
   なる易開封性容器。