JPS62380B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は振動体を支持装置に装着する弾力的な
支持装置に関し、特には支持構造に固定される管
状支持ボデイと振動体に取り付け可能な取り付け
部材を有し、該取り付け部材は、外側面が管状支
持ボデイに固定され且つ内側面が取り付け部材に
固定される環状高弾性部材を介在して管状支持ボ
デイの一端に管状支持ボデイの軸線と同軸に連結
され、さらに、取り付け部材の振動を管状支持ボ
デイに相対的に吸収する流体力学的ダンパを具え
る形式の弾性的振動吸収装置に関する。

本発明の目的は、上述の形式の弾性的支持装置
を提供することにより、低振動数の振動に対して
は吸収作用を非常に柔軟にかつ大きく作用させ、
同時に高振動数の振動に対しては伝達を低減して
小さな吸収作用を作用させるために、上記流体力
学的ダンパは振動体の振動数が或る与えられた量
を超過する時にのみ作用するようにしたものであ
る。

従つて、本発明は上述の形式において以下に述
べる特徴を有する。

管状支持ボデイは上記取り付け部材との反対端
に堅い横方向の壁を有し、 取り付け部材は管状支持ボデイの中に管状支持
ボデイの軸線と同軸をなす柄を有し、その柄の内
端部には横方向の板材を設けて、 環状高弾性ダイヤフラムが上記取り付け部材と
横方向の板材間に、管状支持ボデイの軸線と同軸
をなし且つ上記環状高弾性部材と軸方向に間隔を
おいて挿入され、環状ダイヤフラムの内側面は取
り付け部材の柄に固定され且つその外側面は管状
支持ボデイに固定されて、この高弾性ダイヤフラ
ムは管状支持ボデイの横方向の壁と共に管状支持
ボデイの内部に室を形成し、その室は横方向の板
材を浸す振動吸収用液体で満たされる。

本発明による支持装置は上記の特徴ある構成を
なしているので、取り付け部材を支持ボデイに連
結する環状高弾性部材の弾性変形によつて完全に
吸収されるような振幅の小さい振動に関しては制
限された振動吸収効果を有し、一方低振動数の又
は振幅の大きな振動に関しては流体充填室内に取
り付け部材に担持される横方向の板材によつて力
強い粘性振動吸収作用が及ぼされる。振動吸収用
液体は取り付け部材と支持ボデイを連絡している
環状高弾性部材に接触しないので、室内の圧力変
化による環状部材の堅さの変化がない。このこと
により環状高弾性部材の動的挙動は振動吸収用液
体の動圧の影響を受けず、特に高振動数の場合に
は運動反作用とその伝達性を低下する。さらに環
状高弾性ダイヤフラムの圧力によつて、環状高弾
性部材は流体密封の必要がなく、あらゆる形状を
具えることができ、支持の適用上の要求があれば
穴をあけることもできる。

さらに、本支持装置の流体力学的ダンパは流体
の内圧を利用するものでなく取り付け部材と管状
支持ボデイを連結する環状高弾性部材の静止荷重
下の変形によるものであつて、環状高弾性ダイヤ
フラムは動荷重がある時にのみ機能する。

本発明によつて、高弾性ダイヤフラムは変形し
ない支持状態において室内に突き出る円状凹部を
有する。

独特の振動吸収特徴により、本発明による弾性
的支持装置は自動車のシヤシーにエンジンを装着
するのに有利に使用される。この支持装置は低速
走行時のエンジンの振動又は道路の不規則さによ
りもたらされるガタツキを効率的に吸収し、一
方、高速走行時においてはエンジンをシヤシーか
ら分離して快適なドライブをなさしめるために振
動吸収作用は大きく減少する。

以下本発明の特徴と利点を有する実施例につい
て添付図面を参照して詳細に説明する。支持ボデ
イ１０には複数の側部突起１２が設けられ、突起
に具えられた穴によつてボデイ１０は支持構造に
固定される。

支持ボデイ１０の一端には堅い横方向の基板１
４が設けられ、その基板はボデイ１０の内径面に
沿つて密接に嵌入されるスリーブ１６によつて支
えられ、ボデイ１０の端部のスエージングによつ
て締められる。

管状支持ボデイの他端には環状の内側フレア面
部分１８が設けられ、その面にほぼ鐘形の環状高
弾性部材２０の外面が接合される。環状部材２０
の内面は支持ボデイ１０の軸線と同軸をなす金属
取り付け部材の中央部分２２の円錐面に接合され
る。取り付け部材２４には軸線方向の穴２６が設
けられて金属柄２８が挿入され、その柄２８の一
端部はねじ切られていて取り付け部材２４の端部
３４にはめこまれたナツト３２に螺着され、さら
に取り付け部材２４から突出していて振動体への
結合部分を形成する。柄２８の他端は支持ボデイ
１０の中に延びて横方向の板材４０の軸方向の空
洞３８の中に頭端３６を置く。取り付け部材２４
に面する側に横方向の板材４０は切頭錐体差口４
２を設け、その小径面は前記切頭錐体の延長をな
す切頭錐体管状スペーサ部材４４の大径面に係合
する。スペーサ部材４４は柄２８に取り付けられ
て、その小径面は取り付け部材２４の内端部に係
合する。

環状高弾性ダイヤフラム４６が、管状支持ボデ
イ１０の軸線と同軸をなし且つ環状高弾性部材２
０から軸方向に間隔をおいて、スペーサ部材４４
の外面に固定される。環状高弾性ダイヤフラム４
６の外面は金属リング４８に固定され、そのリン
グ４８は支持ボデイ１０の内径面に接して、スリ
ーブ１６と支持ボデイ１０の内部環状肩部５０間
に軸方向にロツクされる。環状高弾性ダイヤフラ
ム４６と基板１０とによつて管状支持ボデイ１０
の内部に密封室５２を形成し、その室には高粘性
振動吸収用液体を充填されて、横方向の板材４０
がその中に浸つている。

第１図は本発明による支持装置が変形しない支
持状態即ち支持に装着前の形状を示す。この状態
では、環状高弾性ダイヤフラム４６は室５２の中
に円状凹部４６ａをなして突出している。第２図
は操作状態にある支持形状を示し、支持ボデイ１
０が支持構造に結合され、取り付け部材２４が振
動体に結合されたところである。振動体に静止荷
重をかけた状態において、環状高弾性部材２０の
弾性降伏と柄２８の軸方向の降下によつて、高弾
性ダイヤフラム４６はほぼ平らな形状とされる。

本発明による弾力的支持装置を組み立てて振動
吸収用液体を充填する前に、第１図に示される架
空状態から第２図に示される静止荷重下の降伏状
態への環状高弾性部材２０の初期変形は外部組み
立て工具（図示せず）によつてなされ、同時に柄
２８のねじ部分３０とナツト３２によつて取り付
け部材２４、スペーサ部材４４及び横方向の板材
４０も締め付けられる。それから、室５２には振
動吸収用液体を充填され、基板１４を取り付けス
エージングによつて締め付けてこの室５２を液体
密封する。組み立て工具を取り外すと、環状高弾
性部材２０は環状高弾性ダイヤフラム４６の内
部々分を伴つてひずまない状態へ戻ろうとし、第
１図に示される形状となる。使用状態で支持装置
が荷重を受けると、組み立て工具によつて作り出
された第２図の形状を再現する。

本発明による弾性的支持装置を使用すると、振
巾の大きい振動に対しては力強い振動吸収作用を
及ぼし、小さい振動に対しては小巾な振動吸収作
用を及ぼす。第一の場合には、環状高弾性部材２
０の弾性変形は環状高弾性ダイヤフラム４６の弾
性変形により初めに吸収される室５２の体積変化
を伴う。それから、ダイヤフラム４６は非弾性部
材のように作用し、更に応力をかけても振動吸収
用液体を横方向の板材４０の側端部と支持ボデイ
１０の内面間を通つて室５２の一方から他方へ移
動させるだけであり、粘性抵抗をもたらすもので
ある。

他方、振巾が小さい時、即ち室５２の体積変化
が環状高弾性ダイヤフラム４６の弾性変形によつ
て完全に吸収される変化の時は、室５２内の二部
分を流れる振動吸収用液体の流動は無視できるも
のであり、粘性抵抗は取るに取らないものとな
る。

当然のことであるが、室５２に相対的に横方向
の板材４０の大きさを変えることによつて粘性抵
抗量を変えることは可能である。

振動吸収用液体は環状高弾性部材２０と接触し
ないから、部材２０の弾性は室５２内に発生する
圧力に影響されず、環状高弾性部材２０の運動挙
動は室５２内の連動圧力の変化に影響されない。
その結果、特に高振動数において部材２０の運動
反作用即ち部材２０による振動の伝達は減少す
る。更に、環状高弾性部材２０は流体密封シール
をする必要がないので、あらゆる形状に形成さ
れ、さらには支持の操作上要求に従つて穴をあけ
ることもできる。

当然のことであるが、本発明の範囲を越えるこ
となく種々の変化ある構成や態様がなされるもの
であるが、本発明の原理に基くこれらの変化が等
しく請求の範囲に網羅されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による弾力的支持装置の軸方向
断面図であり、変形しない支持状態即ち支持に装
着される前を示し、第２図は第１図と同様の断面
図であり、静止荷重下で装着された状態を示す。 １０……管状支持ボデイ、１２……側部突起、
１４……横方向の基板、１６……スリーブ、１８
……フレア表面、２０……高弾性部材、２２……
中央部分、２４……取り付け部材、２６……穴、
２８……シヤンク、３０……ねじ切り部分、３２
……ナツト、３４……端部、３６……端部、３８
……凹部、４０……横断板、４２……受口、４４
……スペーサ、４６……ダイヤフラム、４８……
リング、５０……肩部、５２……室。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 支持構造に固定される管状支持ボデイと振動
   体に取り付け可能な取り付け部材を有し、該取り
   付け部材は、外側面が管状支持ボデイに固定され
   且つ内側面が取り付け部材に固定される環状高弾
   性部材を介在して管状支持ボデイの一端に管状支
   持ボデイの軸線と同軸に連結され、さらに、取り
   付け部材の振動を管状支持ボデイに相対的に吸収
   する流体力学的ダンパを具えてなる支持構造に振
   動体を装着するための弾力的支持装置において、 管状支持ボデイは上記取り付け部材２４との反
   対端に堅い横方向の壁１４を有し、 取り付け部材２４は管状支持ボデイ１０の中に
   管状支持ボデイの軸線と同軸をなす柄２８を有
   し、その柄の内端部３６には横方向の板材４０を
   設けて、 環状高弾性ダイヤフラム４６が上記取り付け部
   材２４と横方向の板材４０間に、管状支持ボデイ
   の軸線と同軸をなし且つ上記環状高弾性部材２０
   と軸方向に間隔をおいて挿入され、環状ダイヤフ
   ラムの内側面は取り付け部材の柄２８に固定され
   且つその外側面は管状支持ボデイ１０に固定され
   て、この高弾性ダイヤフラム４６は管状支持ボデ
   イの横方向の壁１４と共に管状支持ボデイの内部
   に室５２を形成し、その室は横方向の板材４０を
   浸す振動吸収用液体で満たされることを特徴とす
   る振動体の弾力的支持装置。 ２ 上記高弾性ダイヤフラム４６は変形しない支
   持状態において室５２の内側に突き出る円状凹部
   ４６ａを有することを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の振動体の弾力的支持装置。 ３ 上記取り付け部材の柄２８は取り付け部材を
   振動体に固定するために支持装置から突出するね
   じ切られた部分３０を有することを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載の振動体の弾力的支持装
   置。 ４ 上記取り付け部材の柄２８に管状スペーサ部
   材４４が嵌合され、スペーサ部材４４の外面は切
   頭錐体面をなしてそこに環状高弾性ダイヤフラム
   ４６が固定され、スペーサ部材４４の大径面は横
   方向の板材４０を保持し、その小径面は取り付け
   部材２４を保持することを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載の振動体の弾力的支持装置。