JPS6236928B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は部品整送装置に係り、特に回転可能な
整送環の外周上に形成されたポケツト溝にコンデ
ンサ等の電子部品を収容し定間隔をおいて電子部
品を送り出せるようにした部品整送装置に関す
る。

〔発明の技術的背景と問題点〕

振動ボウルフイーダ中に貯蔵されたコンデンサ
等の電子部品を定間隔をおいて送出するために、
通称矢車盤と呼ばれる整送環が使われる。この整
送環は、その外周面上に一定ピツチをおいて形成
された多数のポケツト溝を備え、これらのポケツ
ト溝内に部品を収容して整送環を回転させること
により電子部品を定間隔をおいて送り出すことが
できる。この整送環は、通常回転駆動される回転
テーブル上に設置され、回転軸線まわりに回動駆
動されるようになつている。この整送環のポケツ
ト溝内に部品を供給するには、整送環上の供給位
置の直上より電子部品をランダム状に落下供給す
る。すると、電子部品のあるものはポケツト溝内
に正規の姿勢で収容されるが、大部分の部品は外
側にこぼれたり、あるいは横になつたりして正規
の姿勢でポケツト溝内に入り込めず、確実性に欠
けていた。また、整送環のポケツト溝内に不正規
の姿勢で入り込んだ部品をそのまま送り出した場
合には次工程で種々のトラブルの原因となつた。

〔発明の目的〕

そこで、本発明の目的は、整送環のポケツト溝
内に部品を正規の姿勢で確実に収容させる一方、
不正規の姿勢でポケツト溝内に入り込んだ部品を
排出できるようにした部品整送装置を提供するこ
とにある。

〔発明の概要〕

上記目的を達成するために、本発明は定間隔を
おいた複数個のポケツト溝を外周上に備えた整送
環を振動ボウルフイーダのテーブルの上に載置
し、上記ポケツト溝内に部品を収納したまま整送
環をテーブル上で回転させ部品を定間隔をおいて
移送するようにした部品整送装置において、ノズ
ル口の中心が上記整送環の上面よりもわずかに高
くなるように設定され、かつ外側に向かつて圧縮
空気を噴出する空気ノズルを上記整送環の内方に
設置すると共に、上記整送環の直下のテーブル
に、上記ポケツト溝の溝底に向かつて部品を内方
に引込む力を作用させる吸引手段を設けたことを
特徴とするものであつて、部品を整送環のポケツ
ト溝内に確実に捕捉できると共に、誤つて不正規
の姿勢でポケツト溝内に入り込んだ部品を空気ノ
ズルからの空気噴流で外側へ排出するようにした
ものである。

〔発明の実施例〕

以下本発明による部品整送装置の実施例を図面
を参照して説明する。

第１図は、部品供給システムの平面図を示し、
この部品供給システムは、部品供給装置Ａと、部
品整送装置Ｂと、部品送り出し装置Ｃとから構成
されている。

部品供給装置Ａはあらかじめ貯蔵されたコンデ
ンサ等の電子部品を振動フイーダを利用して部品
整送装置Ｂに部品を供給する装置であり、部品整
送装置Ｂは、供給された部品を定間隔に整位整列
して次の部品送り出し装置Ｃに向けて送り出す装
置である。

上記部品供給装置Ａは、振動ボウルフイーダで
構成され、この振動ボウルフイーダ１はそれ自体
公知であつて、うず巻形の振動ボウル２を有し、
その内側にはスパイラル状の給送トラツク３が形
成されている。この振動ボウル２の底面には、部
品を送るための振動を発生させる電磁石およびボ
ウルを支持し輸送性の振動に変換させる振動板ば
ねおよびコントローラが装備されている。したが
つて、電磁石を励磁したときに、振動ボウル２内
に貯蔵された電子部品を給送トラツク３に沿つて
内方から外方へ送出することができる。

この給送トラツク３の出口端には供給ステーシ
ヨン４が設けられ、この供給ステーシヨン４より
部品整送装置Ｂに電子部品をランダム状態で落下
供給できるようになつている。

しかして、部品整送装置Ｂは、通称矢車盤と呼
ばれる整送環５を備え、この整送環５の外周上に
は、一定のピツチをおいて複数個のポケツト溝
６，６，………，６が形成されている。このポケ
ツト溝６の大きさは、電子部品を正規の姿勢で収
容できる大きさに設定され、電子部品が例えばコ
ンデンサの場合には第１図に示したようにコンデ
ンサ７の本体部７ａをポケツト溝６内に収容し、
リード線７ｂを半径方向外方へ突き出した姿勢で
ある。上記整送環５は、振動ボウルフイーダのテ
ーブル８の上に設置され、このテーブル８はアル
ミ合金で作られ、第１図に破線で示した位置のテ
ーブル内には吸引板１０が埋設されている。

この吸引板１０は、整送環５のポケツト溝６内
に部品が積極的に入り込もうとする力を与えるも
のであつて、本発明の一実施例によれば、第２図
に示したようにセグメント状の永久磁石で構成さ
れる。この永久磁石は、厚さ方向の上端面がＮ極
で下端面がＳ極となるように着磁処理されてい
る。この永久磁石はポケツト溝の溝底よりも内方
へ片寄つた位置のテーブル内に埋設されている。
このような永久磁石によれば、部品の一部が磁性
体で構成されているものに対して吸引作用を及ぼ
す。

一方、上記吸引板１０を埋設した振動ボウルフ
イーダを加振駆動すると、テーブル８は、整送環
５に対して第１図中時計方向の回転駆動力を与え
る。この振動ボウルフイーダは、それ自体公知の
ものであつて、振動を発生させる電磁石およびテ
ーブル８に対して時計方向の輸送性の振動に変換
させる振動板ばねを有している。電磁石を励磁し
たとき、整送環５は、振動作用により時計方向へ
回転し、その回転速度は振幅を調節することで制
御できる。

しかして、前記供給ステーシヨン４の近傍の整
送環５の内側には、一対の空気ノズル１１，１１
がノズル口１１ａを外側に向けて配置されてい
る。これらの空気ノズル１１のノズル口の中心の
高さは、上記整送環５の上面５ａよりもわずかに
高くなるように設定されている。これらの空気ノ
ズル１１，１１はホルダ１２によつて支えられ、
ホルダ１２はブラケツト１３に対してねじ結合さ
れ、ホルダ１２の取付高さは調節できるようにな
つている。したがつて、ホルダ１２の高さを変化
させれば、空気ノズル１１のノズル口１１ａの高
さが変るから、部品の大きさに応じて最適な高さ
を設定できる。また、上記空気ノズル１１，１１
のホルダ１２には図示を省略した圧縮空気源から
の空気供給管１４の一端が接続され、空気ノズル
１１のノズル口１１ａより圧縮空気を噴出できる
ようになつている。

さらに、上記空気ノズル１１，１１のノズル口
は、ガード１５に形成されたスリツト１６，１６
に内側から差し込まれている。このガード１５
は、供給ステーシヨン４より落下供給された部品
が整送環５の内側へこぼれることを効果的に防止
することができる。

他方、前記部品送り出し装置Ｃは、本実施例に
おいては、直進フイーダ１７が使用され、この直
進フイーダ１７は、給送トラツク１８を有し、そ
の中央には長手方向に沿つて一条の案内溝１９が
形成されている。

本発明は上述のように構成されているから、部
品供給装置Ａの振動ボウルフイーダ１を加振駆動
すると、ボウル内のコンデンサ７は、給送トラツ
ク３に沿つて内方から、外方に向つて搬送され、
供給ステーシヨン４にまで達する。一方、振動ボ
ウルフイーダ９を同時に駆動すると、テーブル８
の振動が整送環５に伝播され、整送環５は時計方
向に連続的に回転する。そして、供給ステーシヨ
ン４から多数のコンデンサ７がランダム状態で整
送環５のポケツト溝６，６，………６に向つて自
然落下供給される。このときに、吸引板１０が永
久磁石で構成されているからポケツト溝６の入口
には磁場が形成されている。したがつて、コンデ
ンサ７のリード線７ｂが鉄線で作られている場合
には、ポケツト溝６内に磁気吸引力の影響を受け
て引き込まれる。そして正規の状態では第４図に
示したように、コンデンサ７の本体部７ａがポケ
ツト溝６内に収容されリード線７ｂは半径方向外
方へ延出した状態で保持される。この状態ではコ
ンデンサ７の本体部７ａは整送環５の上面から突
き出ないから、空気ノズル１１のノズル口１１ａ
から噴出される空気ジエツトによつて吹き飛ばさ
れることはなくポケツト溝６内に保持される。

ところが、第５図に示したように、供給ステー
シヨン４から自然落下したコンデンサ７がポケツ
ト溝６内に正規の状態で入らず、横になつたり、
斜めにおかれたときには、整送環５の上面５ａよ
り上方へ突き出る。したがつて、空気ノズル１
１，１１のノズル口からの空気ジエツトによる影
響を受けて外方へ吹き飛ばされる。このようにし
て吹き飛ばされたコンデンサ７は部品供給装置Ａ
の振動ボウル内へ戻せば良い。

第６図は本発明の他の実施例を示したものであ
り、コンデンサ７のリード線が例えば銅で作られ
ていた場合のように磁気吸引力の影響を受けない
場合に好適な例である。すなわち、この例では、
第６図に示されるように、整送環５のポケツト溝
６が通過するテーブル８に真空吸引孔２０，２０
を開口させた例であり、真空吸引孔２０は、例え
ばホースを介して真空吸引源と接続されているこ
とはもちろんである。このような例によれば、真
空吸引力が電子部品をポケツト溝６内に引き込ま
せるように作用する。

〔発明の効果〕

以上の説明から明らかなように、本発明によれ
ば、整送環の下方の振動テーブルに吸引手段を設
けて部品をポケツト溝の溝底に向かつて内方へ引
き込む力を与えるようにしたから、供給ステーシ
ヨンより部品をランダム状態で落下供給したとき
にポケツト溝内に部品を確実に捕捉することがで
きる。また、整送環の内側に空気噴流を外側に向
けて噴出する空気ノズルを配置したから、誤つた
姿勢でポケツト溝内に落ち込んだ部品を空気噴流
で吹き飛ばし、次工程へ送られることを未然に防
ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による部品整送装置の一実施例
を示した平面図、第２図は吸引手段の一例として
永久磁石を示した斜視図、第３図は空気ノズルと
整送環の一部を示した斜視図、第４図はポケツト
溝内にコンデンサが正規の状態で収納された態様
を示した斜視図、第５図はポケツト溝内にコンデ
ンサが不正規の状態で収納された態様を示した斜
視図、第６図は吸引手段の他の例を示した斜視図
である。 ５……整送環、６……ポケツト溝、７……部品
（コンデンサ）、８……吸引盤、１１……空気ノズ
ル、１２……ホルダ、１５……ガード、１６……
スリツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 定間隔をおいた複数個のポケツト溝を外周上
   に備えた整送環を振動ボウルフイーダのテーブル
   の上に載置し、上記ポケツト溝内に部品を収納し
   たまま整送環をテーブル上で回転させ部品を定間
   隔をおいて移送すようにした部品整送装置におい
   て、ノズル口の中心が上記整送環の上面よりもわ
   ずかに高くなるように設定され、かつ外側に向か
   つて圧縮空気を噴出する空気ノズルを上記整送環
   の内方に設置すると共に、上記整送環の直下のテ
   ーブルに、上記ポケツト溝の溝底に向かつて部品
   を内方に引込む力を作用させる吸引手段を設けた
   ことを特徴とする部品整送装置。 ２ 上記吸引手段は、一方の端面側をＮ極とし他
   方の端面側をＳ極としたセグメント状の永久磁石
   であつて、この永久磁石を整送環のポケツト溝の
   溝底よりも内方に偏つた位置に配置したことを特
   徴とする特許請求の範囲第１項記載の部品整送装
   置。 ３ 上記吸引手段は、上記整送環のポケツト溝に
   開口するするように上記振動テーブルに穿孔され
   た複数個の真空吸引孔によつて構成されているこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の部品
   整送装置。 ４ 上記空気ノズルは、ホルダを介してブラケツ
   トに高さ調節可能に取付けられ、ノズル口の整送
   環上面からの高さを調節できるようにしたことを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載の部品整送
   装置。