JPS6232888Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用空気調和装置に関し、特に、
乗員の有無、自動車の速度、空気調和装置のレバ
ー位置により内外気切換ダンパを自動的に切換え
て空気調和装置の能力を十分に発揮させるように
した自動車用空気調和装置に関する。

自動車の空気調和装置は車内の換気、暖房、、
冷房等を行なうものであるが、運転者がその使用
方法を認識していないために、空気調和装置の性
能が十分発揮されないことが多い。例えば、外気
導入状態で暖房を行なつている時、自動車がしば
らく停車状態のまま動かないとすると、エンジン
の暖房性能が低下するために外気導入では車内が
暖まらず、暖めるためには内気循環に切換えなけ
ればならないのに運転者がそれに気付かないとい
う欠点がある。

そこで本考案は内外気切換レバーが空調パネル
上で他の操作レバーから全く独立して設けられて
いることに着目し、内外気切換ダンパを乗員の有
無、自動車の運転状態、吹出口切換レバーの位置
に応じて切換え、空気調和装置を常に効果的に作
動させるようにすることを目的としている。

前記目的を達成する本考案の自動車用空気調和
装置は、停車検出装置と、乗員有無検出装置と、
内外気取入れ口切換え装置と、空気吹出し口切換
え装置とを設け、前記取入れ口が外気側に切換え
られており、且つ停車と検出されたきに、前記吹
出し口がデフロスト側に切換えられている場合
と、デフロスト口側以外で、しかも乗員がいない
と検出された場合には前記取入れ口を自動的に内
気側に切換える切換え装置を設けたことを特徴と
している。

以下図面を用いて本考案の一実施例を詳しく説
明する。

第１図は本考案の自動車用空気調和装置の一実
施例の構成図であり、空気調和装置本体１のブロ
ワ２の上流側に設けられた内外気取入れ口を切換
える内外気切換ダンパ３は、アクチユエータ４に
より回転して外気取入口１ａまたは内気取入口１
ｂのどちらかを塞ぐようになつている。前記アク
チユエータ４には３本の線４ａ，４ｂ，４ccが接
続しており、線４ａは電源に、線４ｂ，４ｃは内
外気切換ダンパ３を切換えるための各種スイツチ
に接続している。そして線４ｂが接地状態の時、
アクチユエータ４は内外気切換ダンパ３を外気取
入口１ａ側に回転させて内気取入口１ｂから内気
を矢印Ｂのように取入れ、線４ｃが接地状態の
時、逆に外気取入口１ａから外気を矢印Ａのよう
に空気調和装置本体１に取入れる。なお、線４
ｂ，４ｃが同時に接地されることはない。

５は、内外気取入れ口切換装置の内外気切換レ
バーで、RECIRC位置の時連動して動くスイツチ
SW₁およびSW₂を接点ｂ側にし、FRESH位置の
時、スイツチSW₁およびSW₂を接点ｃ側にする。
前記スイツチSW₁、ダンパ３、アクチユエータ４
及び内外気切換えレバー５で本考案の内外気取入
れ口切換え装置を構成する。６は空気吹き出し口
切換え装置の吹出し口切換えレバーであり、本実
施例は、デフロスター、暖房、冷房切換えと、自
動的に空気取入れ口を内気側に切換える切換え装
置のスイツチ作動レバーとを兼用しているもので
ある。

そして６は切換えレバーでDEF位置の更、連
動して動くスイツチSW₃およびSW₄を接点ｃ側に
し、それ以外の位置の時スイツチSW₃およびSW₄
を接点ｂ側にする。即ち、スイツチSW₂〜SW₄及
びリレー１０で本考案の吹出し口を自動的に内気
側に切換える装置を構成する。

７は座席のシートクツシヨンで人が着座した時
に連動するスイツチSW₅およびSW₆が接点ｃ側に
なり、無人の時に接点ｂ側になるようになつてい
る。即ち、シートクツシヨン７、スイツチSW₅及
びSW₆が乗員有無検出装置を構成する。また、８
は車速検出装置であり、自動車に車速がある時は
OFFデイレー９を介してスイツチSW₇をONに
し、車速がない時にこれをOFFにする。この
OFFデイレー９の働きは第２図に示すように時
間t₁で車速ｌが０になり、車速検出装置８の出力
ｍがOFFになつても時間t₂までデイレー出力ｎを
保持するものであり、自動車が信号待ち等で僅か
な時間停止しても内外気切換ダンパ３が切換わら
ないようにする。そしてスイツチSW₇，SW₅に直
列に接続されているリレー１０は、常時は接点ａ
と接点ｂを接続しているが、スイツチSW₇がON
かつスイツチSW₅が接点ｃに接続された時は接続
a′と接点ｃとを接続する。

以上のような装置およびスイツチ類を備えた本
考案の自動車用空気調和装置の動作を説明する。

まず、本考案では内外気切換レバー５が
RECIRC位置、即ち内気循環状態になつている時
にはアクチユエータ４の線４ｂに接続するスイツ
チSW₁により、接点ｂは常に接地状態になり、線
４ｃに接続するスイツチSW₂は接点ｃを開放状態
に保つので、その他の装置およびスイツチ類がど
のような状態になろうと内外気切換ダンパは切換
わらず、内気循環状態が保持される。

次に、内外気切換レバー５をFRESH位置、即
ち外気取入状態にした時には、スイツチSW₁およ
びスイツチSW₂にそれぞれ接続するスイツチSW₃
およびスイツチSW₄の接点を切換える空気吹出口
切換レバー６の位置により内外気切換ダンパ３の
動作が異なるので、吹出し口切換レバー６が
DEF位置の時とそれ以外の位置の時に分けて説
明する。

吹出口切換レバー６をDEF位置にして自動車
のデフロスター（図示せず）を作動させている時
には、乗員がある時には外気を導入して行ない、
無人の時には内気を循環させて行なうのが好まし
いので、乗員検出スイツチSW₆により乗員がある
時にはこれに接続するスイツチSW₄の接点ｃ、即
ち、アクチユエータ４の線４ｃを接地させて外気
導入状態を保持し、無人の時にはスイツチSW₆に
接続するスイツチSW₃の接点ｃ、即ち、アクチユ
エータ４の線４ｂを接地させて内外気切換ダンパ
３を回転させ、内気循環状態に切換えるのであ
る。

吹出口切換レバー６がDEF位置以外の位置に
ある時は、スイツチSW₃，SW₄は共にリレー１０
に接続されている。そして自動車が停車状態の時
は、車速検出装置８に出力がなく、スイツチSW₇
がOFF状態であるので、乗員の有無にかかわら
ずアクチユエータ４の線４ｂがリレー１０により
接地されて空気調和装置は内気循環状態となり、
自動車が運転状態の時はスイツチSW₇がONかつ
スイツチSW₅が接点ｃに接続し、リレー１０が働
いてアクチユエータ４の線４ｃを接地するので空
気調和装置は外気取入状態に復帰する。従つて内
外気切換レバー５が外気取入状態であつても自動
車が停車してエンジンの暖房や冷房能力を低下し
ても本考案の空気調和装置は車内の温度調整を効
果的に行なうことができる。

なお、前述したOFFデイレー９の遅延時間は
車種によつても異なるが一般に５〜10分程度であ
り、また、乗員検出スイツチにも遅延回路を追加
して短時間の下車では内外気切換ダンパが作動し
ないようにしても良い。

更にエアコンデイシヨナやクーラーを備えた車
に対してはそれぞれの使用目的に合わせて内気循
環、外気取入状態を容易に設定することができ
る。

以上説明したように、本考案の自動車用空気調
和装置は、乗員の有無、自動車の運転状態、空気
調和装置のレバー位置により、内外気切換ダンパ
を自動的に切換えて常に空気調和装置の能力が十
分に発揮されるように構成したので、運転者が空
気調和装置の使用法を認識していなくても常に快
適な状態で自動車を運転することができるという
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の自動車用空気調和装置の一実
施例の構成を示す説明図、第２図は第１図の車速
検出装置およびOFFデイレーの動作を示す波形
図である。 １……空気調和装置本体、３……内外気切換ダ
ンパ、４……アクチユエータ、５……内外気切換
レバー、６……吹出口切換レバー、７……シート
クツシヨン、８……車速検出装置、９……OFF
デイレー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 停車検出装置と、乗員有無検出装置と、内外気
   取入れ口切換え装置と、空気吹出し口切換え装置
   とを設け、前記取入れ口が外気側に切換えられて
   おり、且つ停車と検出されたきに、前記吹出し口
   がデフロスト側に切換えられている場合と、デフ
   ロスト口側以外で、しかも乗員がいないと検出さ
   れた場合には前記取入れ口を自動的に内気側に切
   換える切換え装置を設けたことを特徴とする自動
   車用空気調和装置。