JPS6232146Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、二輪車におけるフロントフエンダの
取付装置に関する。

主として、オフロード用の二輪車にあつて、そ
のフロントフエンダをステアリングステムパイプ
の下部を固定するステアリングボトムブリツジに
直接取付けるには、従来、このステアリングボト
ムブリツジ下面にボスを形成し、このボスにネジ
加工を施すことによつて取付けるようにしている
が、ステアリングボトムブリツジが鋳造品である
ことから、この手法では、金型の新規作製が必要
となるだかりでなく、ネジ加工を追加しなければ
ならなくなつてコストの大幅な増加を招く結果と
なつている。

本考案はこのような点に鑑み、ステアリングボ
トムブリツジの金型を新規に作製することなく、
ボスなしのステアリングボトムブリツジをそのま
ま利用して、ステアリングステムパイプにフロン
トフエンダを取付け、コストの大幅削減に寄与し
得るようになすとともに、ステアリングステムパ
イプの水抜きを容易としたフロントフエンダの取
付け装置を提供することを目的とするもので、そ
の特徴とするところは、上部がステアリングトツ
プブリツジに固定されたステアリングステムパイ
プの下部をステアリングボトムブリツジに固着す
ると共に、該ステアリングボトムブリツジを貫通
したステアリングステムパイプの下端に、外周に
該ステアリングステムパイプ内と外気とを連通す
る為の切欠部を外周に形成してなるフロントフエ
ンダ取付けナツトあるいはボルトを固着し、フロ
ントフエンダを上記取付けナツトあるいはボルト
に締結するようにしたことにある。

以下図示した実施例に基づいて、本考案を詳細
に説明する。第１図乃至第３図は本考案の一実施
例に係る装置を示しており、ステアリングステム
パイプ１は、その上部がメクラナツト２を介して
トツプブリツジ３に固定される一方、その下部が
ボトムブリツジ４に形成された孔５を貫通して溶
接されており、またこのステアリングステムパイ
プ１はベアリング６，７を介してヘツドパイプ８
に嵌持されハンドル９による操舵が行えるように
なつている。

ボトムブリツジ４を貫通したステアリングステ
ムパイプ１の下端には、切欠部１０が形成された
フロントフエンダ取付けナツト１１が溶着されて
おり、このフロントフエンダが取付けナツト１１
にフロントフエンダ１２をボルト１３を介して固
定するようにしてある。そして、ステアリングス
テムパイプ１の下端は、この取付けナツト１１の
切欠部１０によつてその一部が開放されるよう構
成されている。切欠部１０の形状は第３図に示す
もの以外に種々のものが考えられ、例えば、第４
図に示すように、取付けナツト１１を直線的に切
取つて対向位置に弧状の切欠部１０，１０を形成
したり、第５図に示すようにフロントフエンダ取
付けナツト１１の一部を円弧状に切欠いた切欠部
１０であつても良く、ステアリングステムパイプ
１内と連通し得るものであれば、その形状の如何
を問うものでない。

而して、フロントフエンダ１２は、その下方か
らボルト１３を取付けナツト１１に螺着すること
により、ステアリングボトムブリツジ４に取付け
られるが、ステアリングステムパイプ１の下端の
取付けナツト１１には、切欠部１０が形成されて
いるから、メクラナツト２とステアリングステム
パイプ１の隙間から侵入した水滴は第１図に示す
ようにステアリングステムパイプ１の内壁を伝わ
つて下降し、この切欠部１０から外部に放出され
ることとなる。尚、取付けナツト１１の代りにボ
ルト頭部の外周に切欠部を形成し、フロントフエ
ンダ１２の下方からナツトで締結してもよい。

次に第６図を参照して本考案の他の実施例を説
明する。本実施例は、ステアリングステムパイプ
１の上部をトツプブリツジ３に螺着するナツト１
４に孔１５を穿設し、この孔１５にオフロードタ
イプの機種に多く見かけられるフユエルブリーザ
パイプ１６の自由端を挿通するようにしたもの
で、他の部材の構造は上記実施例と同様である。

而して、本実施例によれば、上記水滴の放出の
みならず、フユエルタンク１７内の空気をフユエ
ルブリーザパイプ１６及びステアリングステムパ
イプ１を介して、取付けナツト１１の切欠部１０
より外部に逃がすことができる。

以上説明したように、本考案によれば、ステア
リングステムパイプの下端にフロントフエンダ取
付けナツトあるいはボルトを固着させ、これにフ
ロントフエンダを取付けるようにしたもので、ボ
スとネジ孔を有するボトムブリツジの新規な金型
を製作する必要がなくなり、従来のボトムブリツ
ジをそのまま使用して、ステアリングステムパイ
プに上記取付けナツトあるいはボルトの追加工を
するだけで済むため、コストの低減を図ることが
でき、またフロントフエンダ取付けナツトの一部
に切欠部を形成しているので、別な水抜き孔の加
工をする必要もなくなるなど、優れた効果を奏す
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示すも
ので、第１図は組立状態を示す一部断面正面図、
第２図は要部を示す一部縦断面図、第３図は第２
図の底面図、第４図及び第５図はフロントフエン
ダ取付けナツトの夫々他の実施例を示す底面図、
第６図はステアリングステムパイプにフユエルブ
リーザパイプを装着した実施例の一部断面正面図
である。 １はステアリングステムパイプ、２はメクラナ
ツト、３はトツプブリツジ、４はボトムブリツ
ジ、１０は切欠部、１１は取付けナツトである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部がステアリングトツプブリツジに固定され
   たステアリングステムパイプの下部をステアリン
   グボトムブリツジに固着すると共に、該ステアリ
   ングボトムブリツジを貫通したステアリングステ
   ムパイプの下端に、外周に該ステアリングステム
   パイプ内と外気とを連通する為の切欠部を外周に
   形成してなるフロントフエンダ取付けナツトある
   いはボルトを固着し、フロントフエンダを上記取
   付けナツトあるいはボルトに締結するようにした
   ことを特徴とする二輪車におけるフロントフエン
   ダの取付装置。