JPS6229216Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は樹脂成形機のトリミング装置に関す
るものである。

固定金型と可動金型の型締めによつて閉じられ
たキヤビテイに溶融樹脂を圧入して成型した製品
には、溶融樹脂の圧送口（ゲート）及び通路（ラ
ンナ）等にバリが付着している。従来、バリは金
型より製品排出後に手動あるいはトリミングプレ
ス機によりトリミングして除去しており、製品の
成形作業と別系統でトリミング作業が行われてい
るため、作業能率が非常に悪い欠点がある。従
来、上記欠点を解消するため、樹脂又はダイカス
トの成形機の成形作動より連続してトリミング作
動を行うトリミング装置が提案されているが、下
記の欠点がある。

即ち、従来装置では射出成形後の型開状態のま
まエジエクターピンによつて成形品を搬送された
トリミングダイスに移し、トリミングダイスに取
り付けられたガイド治具に、ランナー部分に成形
品と同時に成形されたガイドをはめ込み、成形品
全部をトリミングダイスに固定し、トリミングダ
イスを搬送して、トリミング金型に戻し、トリミ
ング加工を行うため、ガイド治具が破損しやす
く、かつ、成形品のトリミングダイスへの移送不
完全及び、成形金型にガイド成形する必要がある
等の欠点がある。

この考案は上記した欠点を解消せんとするもの
であり、成形用の可動金型をトリミングダイスに
仮型締した状態でエジエクター作動を行つて、可
動型内に残された成形品をトリミングダイスに完
全確実に移し、その後に再び可動型を開いてトリ
ミングダイスをトリミング金型と対向する位置に
移送し、次の射出成形の型締の際に成形用可動金
型にトリミング金型を連動させて、成形品のトリ
ミング加工（ゲートカツト、ランナーカツト、バ
リ取りを含む）を行うようにしたことを特徴とす
る樹脂成形機のトリミング装置を提供するもので
ある。

以下、この考案を図面に示す実施例により詳細
に説明する。

樹脂成形機の左右一対の壁枠１Ａ，１Ｂには、
取付金具２Ａ，２Ｂを介して固定側ダイセツト３
Ａ、可動側ダイセツト３Ｂを取り付けている。固
定側ダイセツト３Ａには樹脂成形用の固定金型４
Ａを固定する一方、可動側ダイセツト３Ｂには可
動金型４Ｂを固着し、可動側壁枠１Ｂを移動手段
（図示せず）で固定側へ進退させることにより可
動金型４Ｂを移動し、固定金型４Ａと型締、型開
を行うようにしている。上記可動金型４Ｂには型
穴５Ｂと対向する背面側に空隙７を設けており、
該空隙７に、エジエクタープレート８を摺動自在
に介装し、金型４Ｂ、ダイセツト３Ｂ、壁枠１Ｂ
を摺動自在に貫通する押し出し棒９の先端に上記
エジエクタープレート８を固着している。該エジ
エクタープレート８には、可動金型４Ｂを摺動自
在に貫通して型穴５Ｂ内に突出する成形品移送用
エジエクターピン１０Ａ、及びガイド用エジエク
ターピン１０Ｂを突設している。上記押し出し棒
９の壁枠１Ｂより突出した後端部には、近接して
エアーシリンダ１１を配置し、エアーシリンダ１
１のピストン１２が押し出されると、押し出し棒
９に当接して、押し出し棒９を介してエジエクタ
ープレート８、エジエクターピン１０Ａ，１０Ｂ
を押し出すようにしている。また、エジエクター
プレート８と可動金型４Ｂの背面との間にスプリ
ング１３を縮装し、ピストン１２による押圧力が
解除された時に、エジエクタープレート８及びエ
ジエクターピン１０Ａ，１０Ｂを後退位置に戻す
ようにしている。

上記成形用金型４Ａ，４Ｂの下方位置には、型
開時に金型４Ａ，４Ｂの中間位置に相応する位置
に、エアーシリンダー１５を上向きに配置し、昇
降作動するピストン１６にトリミングダイス１７
を連結し、該トリミングダイス１７を固定側ダイ
セツト３Ａに取り付けたガイドプレート１８に昇
降自在に支持している。

上記トリミングダイス１７は上昇時、ガイドプ
レート１８の側方上端に突設したストツパー１９
で規定された位置で停止するようにし、該位置に
おいて可動金型４Ｂの型孔５Ｂと対向する位置に
成形品の形状寸法に合致したトリミング穴１７Ａ
および該トリミング穴１７Ａの上方に、ガイド用
エジエクターピン１０Ｂが嵌入するガイド穴１７
Ｂを穿設している。また、可動側ダイセツト３Ｂ
には、可動金型４Ｂの取付位置より下方に、トリ
ミング金型２０を取り付けている。該トリミング
金型２０の取付位置は、前記トリミングダイス１
７の下限位置（ピストン１６の引限）においてト
リミング穴１７Ａと対向する位置であり、可動側
ダイセツト３Ｂが可動金型４Ｂの型締作動のため
に前進すると、トリミング金型２０がトリミング
穴１７Ａに嵌入し、成形品のトリミングを行うよ
うにしている。

次に、上記装置による射出成形及びトリミング
作動を、第３図に基き説明する。

第３図イから第３図ニ迄に示す射出成形作動は
通常の成形機と同じであり、まず、第３図イに示
す如く可動側壁枠１Ｂを固定側へ前進させ、可動
金型４Ｂを固定金型４Ａと当接して型締めを行
う。次に、ロに示す如く、可動金型４Ｂの型穴５
Ｂと固定金型４Ａの型穴５Ａで構成される密閉キ
ヤビテイ２１内に射出機２２より溶融樹脂をゲー
ト２３より圧入する。ついで、ハに示す如く、冷
却し、溶融樹脂を凝固させ、凝固完了後にニに示
す如く、可動側の壁枠１Ｂを後退させることによ
り、可動側ダイセツト３Ｂ、可動金型４Ｂを後退
させ型開きを行う。その際、従来と同様に図示の
如く、キヤビテイ２１内の成形品２５は可動金型
４Ｂ側に付着して携行される。

その後、ホに示す如く、エアーシリンダ１５を
作動してトリミングダイス１７を上昇させ、図示
の位置に停止させる。その際、トリミングダイス
１７と可動金型４Ｂより突出している成形品２５
との間には若干のクリアランスがある。ついで、
ヘに示す如く、可動金型４Ｂを可動壁枠１Ｂによ
り前進させ、トリミングダイス１７に可動金型４
Ｂを当接させて、仮型締動作を行う。この仮型締
状態で、エアーシリンダ１１のピストン１２を前
進させ、押し出し棒９を介してエジエクタープレ
ート８を押し出し、エジエクターピン１０Ａ，１
０Ｂを前進させる。該作動で型穴５Ｂ内に突出し
ているエジエクターピン１０Ａは成形品２５を対
向するトリミングダイス１７のトリミング孔１７
Ａに成形品２５を移す。その際、ガイド用エジエ
クターピン１０Ｂはトリミングダイス１７のガイ
ド穴１７Ｂに挿入し、成形品移送用エジエクター
ピン１０Ａのガイドを行う。成形品２５をトリミ
ングダイス１７側へ移して後に、エアーシリンダ
１１の作動を切り、ピストン１２が後退すると、
エジエクタープレート８及びエジエクターピン１
０Ａ，１０Ｂはスプリング１３により後退し、ト
に示すエジエクター動作を完了する。つぎに、チ
に示す如く、可動金型４Ｂを可動ダイセツト３Ｂ
及び壁枠１Ｂと共に後退させ、型開する。その
後、リに示す如く、エアーシリンダ１５により成
形品２５を保持したトリミングダイス１７を下降
する。上記イ〜リまでで、いわば、１回目の工程
が終了したこととなり、継続して２回目の動作に
入り、ヌに示す如く、前記イと同一の可動金型４
Ｂの型締作動を行う。該型締作動により、可動側
ダイセツト３Ａの前進でトリミング金型２０は前
進し、トリミングダイス１７のトリミング穴１７
Ａに挿入し、成形品２５のトリミング（ゲートカ
ツト、ランナーカツト、バリ取り等）加工を行
う。よつて、ヌに示すトリミング工程とイに示す
型締工程とは同一で、２回目の型締工程で１回目
の成形品のトリミングが行われることとなる。

以上の説明より明らかなように、この考案に係
る装置によれば、トリミングダイスに成形用可動
金型を仮型締した状態で成形品をトリミングダイ
スへ移すため、成形品を完全確実に移すことがで
き、よつて、成形品の搬送不完全の問題がない。
かつ、従来のダイカスト・トリミング方法と比べ
て、ガイドの成形の必要がなく、ガイド治具が破
損しやすいという問題もない。また、樹脂成形型
のトリミング金型による金型の改造の必要がない
と共に、成形品とランナーの分離排出も出来る利
点を有するものである。

尚、ここでいう樹脂成形機における樹脂とは広
い概念であり、ゴム、例えば天然ゴム、ウレタン
ゴム、ニトリルゴム、フツ素ゴム等をも含めた範
囲を示すものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す一部断面
図、第２図は成形用可動金型とトリミングダイス
の仮型締状態を示す平面図、第３図イ，ロ，ハ，
ニ，ホ，ヘ，ト，チ，リ，ヌは作動説明図であ
る。 １Ａ，１Ｂ……壁枠、３Ａ，３Ｂ……ダイセツ
ト、４Ａ……固定金型、４Ｂ……可動金型、８…
…エジエクタープレート、９……押し出し棒、１
０Ａ，１０Ｂ……エジエクターピン、１１……エ
アーシリンダ、１５……エアーシリンダ、１７…
…トリミングダイス、１７Ａ……トリミング孔、
２０……トリミング金型。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 樹脂成型機の左右一対の壁枠１Ａ，１Ｂに夫々
   ダイセツト３Ａ，３Ｂを介して固定金型４Ａ、可
   動金型４Ｂを固定し、上記両金型を型締、型開き
   するために可動側の壁枠１Ｂを固定側へ進退させ
   る移動手段を設け、上記可動金型４Ｂには型穴５
   Ｂと対向する背面側に空隙７を設け、該空隙７に
   エジエクタープレート８を摺動自在に介装し、該
   エジエクタープレート８を型穴側に作動させる押
   出棒を設けると共に、該エジエクタープレート８
   に金型４Ｂを摺動自在に貫通して型穴５Ｂ内に突
   出する成形品移送用のエジエクターピン１０Ａを
   突設し、また、上記金型４Ａ，４Ｂの下方には型
   開時に金型４Ａと４Ｂの中間位置となる位置にエ
   アーシリンダー１５を設置し、その昇降作動する
   ピストン１６にトリミングダイス１７を連結し、
   該トリミングダイス１７を固定側ダイセツト３Ａ
   に取り付けたガイドプレート１８に昇降自在に支
   持し、該トリミングダイス１７を型開した両金型
   ４Ａと４Ｂの間に上昇させて上限位置でトリミン
   グダイス１７のトリミング穴１７Ａを可動金型４
   Ｂの型穴５Ｂと対向して位置させる一方、トリミ
   ング金型２０と下限位置の上記トリミングダイス
   １７とを対向配置し、 上記型開した金型４Ａと４Ｂとの間にトリミン
   グダイス１７を上昇させて位置させた後に可動金
   型４Ｂを移動してトリミングダイス１７に当接し
   て仮型締をし、該仮型締状態でエジエクタープレ
   ート８を作動してエジエクターピン１０Ａにより
   可動金型４Ｂの型穴５Ｂ内の成形品をトリミング
   穴１７Ａに搬送し、トリミング穴１７Ａで成形品
   を保持した状態でトリミングダイス１７を下降し
   て次の成形用可動金型４Ｂの型締時にトリミング
   金型２０を対向したトリミングダイス１７に嵌入
   して成形品のトリミングを行う構成としたことを
   特徴とする樹脂成形機のトリミング装置。