JPS6225501Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は階段に沿つて設置された昇降装置を
運転する装置の改良に関するものである。

従来の階段昇降装置を第１図〜第３図に示す。

図中、１は階段、２は階段１の下方に形成され
た下階、３は同じく上方に形成された上階、４は
階段１に沿つて設置されたレール、５はレールに
移動可能に係合された電動いすからなる昇降体、
５ａは昇降体５の本体、５ｂは本体５ａに枢着さ
れ有人位置（第２図）と無人位置（第３図）に設
定可能に構成された座板、５ｃは同じく本体に枢
着されたひじ掛け腕、５ｄは同じく支持棒５ｅに
よつて支持された足板である。以下、座板５ｂ、
腕５ｃ及び足板５ｄを総称していすと言う。

すなわち、下階２、上階３又は昇降体５で運転
ボタン（上りボタン又は下りボタン、図示しな
い）が操作されると、昇降体５に設置された電動
機（図示しない）が駆動され、昇降体５はレール
４に案内されて下階２と上階３相互間を移動す
る。昇降体５のいすは乗客が乗り込むとき第２図
のように有人位置に設定される。昇降体５が下階
２又は上階３に停止すると、乗客は昇降体５から
降り、いすを第３図に示すように無人位置に設定
しておく。これで、他の階床で運転ボタンが操作
されたとき、直ちにこれに応じて起動し得るよう
になる。

しかし、一方の階床で乗客が降り、いすを無人
位置に設定したとき、他の階床で運転ボタンが操
作されると、昇降体５は走行を開始するので、昇
降体５から降りた乗客が昇降体５に巻き込まれる
恐れがある。

この考案は上記不具合を改良するもので、昇降
体の停止後、他の階床で運転ボタンが押されて
も、危険の生じないようにした階段昇降装置の運
転装置を提供することを目的とする。

以下、第１図〜第４図によりこの考案の一実施
例を説明する。

第４図中、（＋），（−）は直流電源、７は付勢
されると昇降体５を上昇させる方向へ電動機を駆
動する上昇用電磁接触器で、７ａ，７ｂはその常
開接点、８は同じく下降させる方向へ電動機を駆
動する下降用電磁接触器で、８ａ，８ｂはその常
開接点、９は運転リレーで、９ａはその常開接
点、９ｂは同じく常閉接点、１０は付勢されると
電動機を解放する電磁ブレーキコイルで、このコ
イル１０が消勢されると電動機はばねの力で拘束
される。１１は昇降体５に設けられた上りボタ
ン、１２は同じく下りボタン、１３は昇降体５が
上階３に接近したとき開放する上階停止スイツ
チ、１４は同じく下階２に接近したとき開放する
下階停止スイツチ、１５はいすが無人位置にある
とき閉成するスイツチからなる無人検出器、１６
は同じく有人位置にあるとき閉成する有人検出
器、１７は付勢されると一定時間後に動作し消勢
されると直ちに復帰する時限リレーで、１７ａは
その常開接点、１８は上階３に設けられた上りボ
タン、１９は同じく下りボタン、２０は下階２に
設けられた上りボタン、２１は同じく下りボタ
ン、２２は乗場上りリレーで、２２ａはその常開
接点、２３は乗場下りリレーで、２３ａはその常
開接点である。

次に、この実施例の動作を説明する。

今、昇降体５は下階２にあるものとすると、下
階停止スイツチ１４は開放している。

乗客が昇降体５のいすを有人位置に設定する
と、有人検出器１６は閉成する。乗客がいすに腰
を降ろし、上りボタン１１を押すと、（＋）−１６
−１１−７−１３−（−）の回路により、上昇用
電磁接触器７は付勢され、接点７ａ，７ｂは閉成
する。接点７ａの閉成により電磁ブレーキコイル
１０は付勢され、電磁ブレーキは電動機を開放す
るので、電動機は起動し、昇降体５は上昇を開始
する。また、接点７ｂの閉成により運転リレー９
は付勢され、接点９ａは閉成する。昇降体５が上
階３に接近すると、上階停止スイツチ１３は開放
し、上昇用電磁接触器７は消勢され、接点７ａ，
７ｂは開放する。接点７ａの開放により、電磁ブ
レーキコイル１０は消勢され、電動機はブレーキ
により拘束され、昇降体５は停止する。また、接
点７ｂの開放により、運転リレー９は消勢され、
接点９ａは開放し、接点９ｂは閉成する。乗客が
昇降体５から降り、いすを無人位置に設定する
と、無人検出器１５は閉成し、有人検出器１６は
開放する。無人検出器１５の閉成により、（＋）−
１５−９ｂ−１７−（−）の回路が形成され、時
限リレー１７は付勢されるが、接点１７ａは一定
時間閉成しない。

昇降体５が上階３に停止し、いすが無人位置に
設定されてから、上記一定時間内に、下階の下り
ボタン２１が押され、乗場下りリレー２３が付勢
され、接点２３ａが閉成しても、接点１７ａ，９
ａ共に開放しているので、昇降体５は起動しな
い。したがつて、昇降体５から降りた乗客に危険
を与えることはない。

いすが無人位置に設定されてから一定時間経過
すると、時限リレー１７は動作し、接点１７ａは
閉成する。ここで、下階の下りボタン２１が押さ
れ、乗場下りリレー２３が付勢され、接点２３ａ
が閉成すると、（＋）−１５−１７ａ−２３ａ−８
−１４−（−）の回路により、下降用電磁接触器
８は付勢される。これで、昇降体５は下降を開始
し、上述と同様の動作で下階２に停止することに
なる。

以上説明したとおりこの考案では、昇降体に設
けられたいすが無人位置に設定されてから一定時
間は、昇降体の起動を阻止するようにしたので、
昇降体の停止直後に他の階床で運転ボタンが操作
されても、昇降体が走行開始することはなく、昇
降体から降りた乗客に危険を与えることを防止で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の階段昇降装置を示す正面図、第
２図は第１図の昇降体のいすが有人位置にあると
きの右側面図、第３図は同じく無人位置にあると
きの右側面図、第４図はこの考案による階段昇降
装置の運転装置の一実施例を示す回路図である。 １……階段、５……昇降体、５ｂ……座板、５
ｃ……ひじ掛け腕、５ｄ……足板、７……上昇用
電磁接触器、８……下降用電磁接触器、９……運
転リレー、１５……無人検出器、１７……限時動
作形時限リレー、１８……上階の上りボタン、１
９……同左下りボタン、２０……下階の上りボタ
ン、２１……同左下りボタン、２２……乗場上り
リレー、２３……乗場下りリレー。なお、図中同
一部分は同一符号により示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 階段に沿つて昇降可能な昇降体を設置し、この
   昇降体に有人位置と無人位置に設定可能ないすを
   設け、このいすが上記無人位置に設定された上記
   昇降体を、上記階段の終端に形成された階床から
   の呼びにより起動できるようにしたものにおい
   て、上記いすが上記無人位置に設定されたとき動
   作する検出器、この検出器が動作すると所定時間
   後に動作する時限装置、この時限装置が動作する
   まで上記昇降体の起動を阻止する運転阻止回路を
   備えたことを特徴とする階段昇降装置の運転装
   置。