JPS6160024B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は階段に沿つて設置された昇降装置を
再床合せする装置の改良に関するものである。

従来の階床昇降装置を第１図及び第２図に示
す。

図中、１は階段、２，３は階段１の上下に形成
された下階及び上階、４は階段１に沿つて設置さ
れたレール、５はレール４に移動可能に係合され
た昇降体、６は上階３に設置された巻上機、７は
同じく滑車、８は一端が昇降体５に係合され他端
は滑車７を経由して巻上機６に巻き取られるロー
プである。

すなわち、下階２、上階３又は昇降体５でボタ
ン（図示しない）が操作されると、巻上機６はロ
ープ８を巻き取つたり、巻きもどしたりするの
で、昇降体５はレール４に案内されて下階２と上
階３相互間を移動する。そして、昇降体５が上階
３又は下階２に達すると、昇降体５は自動的に停
止する。このとき、昇降体５は上階３又は下階２
の正規位置に停止せず、その手前に停止したり、
行き過ぎて停止したりすることがある。このとき
は、再度昇降体５を起動して正規位置に停止させ
るようにしている。これを再床合せという。

しかし、この再床合せを行うには、制御装置も
複雑になり、またそのための電力消費も大きい。

この発明は上記不具合を改良するもので、簡単
な構成で再床合せを可能とし、かつ電力消費も低
減し得るようにした階段昇降装置の再床合せ装置
を提供することを目的とする。

以下、第１図〜第６図によりこの発明の一実施
例を説明する。

第３図〜第５図中、Ｒ，Ｓは交流電減、（＋），
（−）は直流電源、１５は昇降体５駆動用の単相
誘導電動機で、Ｍ１−Ｍ２はその主巻線端子、Ｍ
３−Ｍ４は同じく始動巻線端子、１６は昇降体５
の昇降に対する安全条件が確認されると閉成する
安全条件確認回路、１７は上昇用電磁接触器で、
１７ａ〜１７ｆはその常開接点、１７ｇは同じく
常閉接点、１８は下降用電磁接触器で、１８ａ〜
１８ｆはその常開接点、１８ｇは同じく常閉接
点、１９は昇降体５が上階３に接近した位置から
正規停止位置を過ぎた位置まで動作する上階停止
スイツチで、１９ａ，１９ｂはその常閉接点、１
９ｃ，１９ｄは同じく常開接点、２０は昇降体５
が上階３の正規停止位置の手前にあると動作する
上階手前検出スイツチで、２０ａはその常開接
点、２１は同じく正規停止位置を行き過ぎている
とき動作する上階行過検出スイツチで、２１ａは
その常開接点、２２は昇降体５が下階２に接近し
た位置から正規停止位置を過ぎた位置まで動作す
る下階停止スイツチで、２２ａ，２２ｂはその常
閉接点、２２ｃ，２２ｄは同じく常開接点、２３
は昇降体５が下階２の正規停止位置の手前にある
とき動作する下階手前スイツチで、２３ａはその
常開接点、２４は同じく正規着床位置を行き過ぎ
ているとき動作する下階行過検出スイツチで、２
４ａはその常開接点、２５〜２８は付勢されると
一定時間後に動作し消勢されると直ちに復帰する
時限リレーで、２５ａ，２５ｂ，２６ａ〜２８ａ
はそれぞれの常開接点、２９は昇降体５に設けら
れた上りボタン、３０は同じく下りボタン、３１
は上り記憶リレーで、３１ａ，３１ｂはその常開
接点、３１ｃは同じく常閉接点、３２は下り記憶
リレーで、３２ａ，３２ｂはその常開接点、３２
ｃは常閉接点、３３は付勢されると上記電動機を
解放する電磁ブレーキコイルで、このコイル３３
が消勢されると電動機はばねの力で拘束されるよ
うに構成されている。

第６図中、Ａは上階正規停止位置、Ｂは下階正
規停止位置、１９１〜２４１はそれぞれ上記各ス
イツチ１９〜２４の動作範囲である。

次に、この実施例の動作を説明する。

今、昇降体５は下階２にあるものとすると、下
階停止スイツチ接点２２ａは開放している。

乗客が昇降体５に乗り込んで、上りボタン２９
を押すと、（＋）−２９−３２ｃ−３１−１９ｂ−
（−）の回路により、上り記憶リレー３１は付勢
され、接点３１ｂの閉成により自己保持する。ま
た、接点３１ａは閉成し、接点３１ｃは開放す
る。接点３１ａが閉成すると、（＋）−１６−３１
ａ−１８ｇ−１７−１９ａ−（−）の回路によ
り、上昇用電磁接触器１７は付勢され、接点１７
ｆの閉成により自己保持する。また、接点１７ａ
〜１７ｅも閉成し、接点１７ｇは開放する。接点
１７ａ〜１７ｄの閉成により電動機１５の始動巻
線及び主巻線には電圧が供給される。また、接点
１７ｅの閉成により電磁ブレーキコイル３３は付
勢される。これで、電動機１５は駆動され、昇降
体５は上昇を開始する。昇降体５が上階３に接近
すると、上階停止スイツチ１９は動作し、接点１
９ａは開放する。このとき、上階手前検出スイツ
チ２０も動作し、接点２０ａは閉成するので、時
限リレー２５は付勢される。しかし、一定時間接
点２５ａは開放しているので、上昇用電磁接触器
１７は消勢され、接点１７ａ〜１７ｆは開放し、
接点１７ｇは閉成する。接点１７ａ〜１７ｄの開
放により電動機１５は給電を断たれ、接点１７ｅ
の開放により電磁ブレーキコイル３３は消勢され
る。これで電動機１５は拘束され、昇降体５は停
止する。このとき、昇降体５が上階３の正規停止
位置Ａに停止したとすると、上階手前検出スイツ
チ２０は復帰し、接点２０ａは開放するので、時
限リレー２５は動作するに至らず、接点２５ａは
開放したままであるから、昇降体５には何の変化
も与えない。一方、上階停止スイツチ１９ｂも開
放するので、上り記憶リレー３１は消勢され、接
点３１ａ，３１ｂは開放し、接点３１ｃは閉成し
て初期状態にもどる。上述は正規の動作である。

昇降体５が上階３に到着したとき、上階正規停
止位置Ａの手前で停止し、上階手前検出スイツチ
２０が動作していたとすると、時限リレー２５は
付勢され続け、一定時間後に接点２５ａ，２５ｂ
は閉成する。これで、（＋）−１６−２５ｂ−１８
ｇ−１７−２５ａ−（−）の回路により、上昇用
電磁接触器１７は再度付勢され、昇降体５は上昇
する。昇降体５の上昇により、上階手前検出スイ
ツチ２０が復帰すると、接点２０ａは開放し、時
限リレー２５は消勢され、直ちに接点２５ａ，２
５ｂは開放するので、上昇用電磁接触器１７は消
勢され、昇降体５は正規停止位置Ａの前後の許容
誤差範囲内に停止する。

次に、昇降体５が上階３に到着したとき、上階
正規停止位置Ａを行き過ぎて停止し、上階行過検
出スイツチ２１が動作していたとする。接点２１
ａは閉成し、（＋）−１９ｄ−２１ａ−２７の回路
により、時限リレー２７は付勢され続け、一定時
間後に接点２７ａは閉成する。これで、電磁ブレ
ーキコイル３３は付勢され、電動機１５は解放さ
れる。そのため、昇降体５は自重のため下降を開
始する。この自走による下降の速度は、電動機１
５の始動巻線及び主巻線に給電されたときよりも
低い。昇降体５が下降して、上階行過検出スイツ
チ２１が復帰して、接点２１ａが開放すると、時
限リレー２７は消勢され、接点２７ａは開放す
る。これで、電磁ブレーキコイル３３は再度消勢
され、昇降体５は停止する。このときの昇降体５
の速度は上述のように低いので、停止誤差は少な
い。また、電動機１５には給電していないので、
電動機１５による電力消費はない。

昇降体５が上階３から下降するときも同様であ
り、下階停止スイツチ２２の動作により、昇降体
５は停止する。このとき、昇降体５が下階２を行
き過ぎていれば、下階行過検出スイツチ２４の動
作により、電動機１５は駆動され、昇降体５は上
昇する。また、手前に停止すれば、下階手前検出
スイツチ２３の動作により、電動機２５は解放さ
れ、昇降体５は自走により下降する。

このようにして、下方向への再床合せは、自走
による下降によつて行うようにしたものである。

第７図〜第９図はこの発明の他の実施例を示
す。

図中、２７ｂ，２８ｂはそれぞれ時限リレー２
７，２８の常開接点、３４は始動巻線切放し用電
磁接触器で、３４ａ，３４ｂはその常閉接点、３
４ｃ，３４ｄは同じく常開接点である。他は第３
図〜第６図と同様である。

昇降体５が上階３の正規停止位置Ａを行き過ぎ
て停止したときは、時限リレー２７の動作により
接点２７ｂは閉成し、また下階２の正規停止位置
Ｂの手前に停止したときは、時限リレー２８の動
作により接点２８ｂは閉成する。そのため、いず
れも始動巻線切放し用電磁接触器３４は付勢さ
れ、接点３４ａ，３４ｂは開放し、電動機１５の
始動巻線は切り放される。また、接点３４ｃ，３
４ｄは閉成するので、上昇用電磁接触器１７は付
勢され、接点１７ｃ，１７ｄの閉成により主巻線
には給電される。したがつて、電動機１５は純単
相誘導電動機として運転され、昇降体５はゆつく
りと下降して再床合せを行う。

このようにして、下方向への再床合せは、始動
巻線を切り放し、主巻線だけの給電により行うよ
うにしたものである。

以上説明したとおりこの発明では、昇降体が上
階又は下階に停止したとき、上階の正規停止位置
を行き過ぎているか、又は下階の正規停止位置の
手前にいると、ブレーキを開放して昇降体を自走
により下降させた後、再度ブレーキを作用させる
ようにしたので、簡単な構成で下降方向への再床
合せをすることができ、かつ再床合せ時の電力消
費を低減することができる。

また、単相誘導電動機の始動巻線を切り放し、
主巻線だけに給電して下降方向への再床合せをす
るようにしたので、下降方向への速度は低くな
り、停止誤差を少なく停止させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の階段昇降装置を示す平面図、第
２図は第１図の−線断面図、第３図及び第４
図はこの発明による階段昇降装置の再床合せ装置
の一実施例を示す回路図、第５図は第４図の各ス
イツチ配線図、第６図は第５図の各スイツチの動
作説明図、第７図〜第９図はこの発明の他の実施
例を示す回路図である。 １……階段、２……下階、３……上階、５……
昇降体、６……巻上機、１５……単相誘導電動
機、１７……上昇用電磁接触器、１８……下降用
電磁接触器、１９……上階停止スイツチ、２１…
…上階行過検出スイツチ、２２……下階停止スイ
ツチ、２３……下階手前検出スイツチ、２７，２
８……限時動作形時限リレー、２９……上りボタ
ン、３０……下りボタン、３１……上り記憶リレ
ー、３２……下り記憶リレー、３３……電磁ブレ
ーキコイル。なお、図中同一部分は同一符号によ
り示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 階段に沿つて昇降可能な昇降体を設け、この
   昇降体を電動機により運転し上記昇降体が上記階
   段の終端に達したとき、自動的に上記電動機の給
   電を断ちかつブレーキを作用させて上記昇降体を
   停止させるようにしたものにおいて、上記昇降体
   が上記上階又は下階に停止したとき、上記上階の
   正規停止位置を行き過ぎていること、又は上記下
   階の正規停止位置の手前にいることを検出する検
   出スイツチと、この検出スイツチが動作すると上
   記ブレーキを開放させるブレーキ開放回路と、上
   記ブレーキの開放により上記昇降体が自走して所
   定位置まで下降すると再度上記ブレーキを作用さ
   せる再床合せ回路とを備えたことを特徴とする階
   段昇降装置の再床合せ装置。 ２ 階段に沿つて昇降可能な昇降体を設け、この
   昇降体を始動巻線及び主巻線を持つ単相誘導電動
   機により運転し上記昇降体が上記階段の終端に達
   したとき、自動的に上記電動機の給電を断ちかつ
   ブレーキを作用させて上記昇降体を停止させるよ
   うにしたものにおいて、上記昇降体が上記上階又
   は下階に停止したとき、上記上階の正規停止位置
   を行き過ぎていること、又は上記下階の正規停止
   位置の手前にいることを検出する検出スイツチ
   と、この検出スイツチが動作すると上記ブレーキ
   を開放させるブレーキ開放回路と、上記検出スイ
   ツチが動作すると上記始動巻線を切り放し上記主
   巻線だけに給電する切放回路と、上記ブレーキの
   開放と上記始動巻線の切放しにより上記昇降体が
   所定位置まで下降すると再度上記ブレーキを作用
   させる再床合せ回路とを備えたことを特徴とする
   階段昇降装置の再床合せ装置。