JPS5834129Y2 - エレベ−タ用電動機の保護装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はエレベータ用電動機を過負荷から保護する装
置の改良に関するものである。

電動機にはそれが過負荷になったとき、電動機カ暁損し
ないようにするため、電動機の熱特性に合った過電流継
電器が設けられ、電動機への給電を断つようにしている
。

エレベータ用電動機の場合も同様であり、過電流継電器
が動作すると直ちに電動機への給電を断ち、かごを停止
させるようになっている。

しかし、上記によってかごが停止した場合、その停止位
置はどこになるかわからない。

運悪く階と階の中間に停止すれば、かご内の乗客はかご
の中に閉じ込められる。

いわゆるかん詰状態が発生する。

老人や子供の乗る機会が多い住宅用ビルに訃いては、こ
のかん詰事故は重大な問題である。

エレベータでは過電流継電器が動作しても、直ちに電動
機の焼損には至らない場合もあるので、過電流継電器が
動作した場合は、最寄り階にかごを停止させ、以後の運
転を行わせないようにすることが提唱されている。

しかし、これは何らかの原因で電動機が拘速状態になっ
たときに、非常に大きな電流が流れるため、直ちに電動
機への給電を断つ必要があるにもかかわらず給電を続け
ることになり、電動機に相当悪い影響を与えることにな
る。

この考案は上記欠点を改良するもので、過電流継電器が
動作したとき電動機を焼損させることなくかごを最寄り
階に停止できるようにしたエレベータ用電動機の保護装
置を提供することを目的とする。

以下、第１図及び第２図によりこの考案の一実施例を説
明する。

図中、Ｒ，Ｓ、Ｔは三相交流電源、（ト）、（−）は直
流電源、１はエレベータのかと（図示しない）を駆動す
る誘導電動機、２は電動機１の速度を検出する速度検出
器、２ａはその常開接点で、電動機１の速度が所定値（
この場合は零）以下になれば閉成する。

３は電動機１の速度を制御する速度制御装置、４Ａ〜４
Ｃは熱動過電流継電器からなる保護素子で、４ａは同じ
く常閉接点４ｂは同じく常開接点、５はエベータ制御装
置（図示しない）の指令に基づいて運転指令が発せられ
るとき閉成する運転指令リレー接点、６は運転用接触器
で、６ａ〜６ｃはその常開接点、７はかごが呼びのある
階の一定距離手前に達したとき閉成する停止階検出リレ
ー接点、８はかごが減速開始点に達したき閉成する減速
点検出リレー接点、９は減速性リレーで、９ａ、９ｂは
その常開接点である。

エレベータの運転指令が出ると、運転指令リレー接点５
は閉威し、運転用接触器６は付勢され、接点６ａ〜６ｃ
は閉成する。

これにより、速度制御装置３は動作し、電動機１は徐々
に加速される。

電動機１が起動すると同時に速度検出器２は動作し、接
点２ａは閉成して保護素子の接点４ａを短絡する。

かごが呼びのある階に近づくと停止階検出リレー接点７
は閉成する。

かごが減速開始点に達すると、減速点検出リレー接点８
は閉成し、（ト）バ５）−（７）−（８）−（９）−（
→の回路により減速指令リレー９は付勢され、接点９ｂ
の閉成により自己保持する。

同時に、接点９ａも閉成し、速度制御装置３に減速指令
を与える。

その結果、速度制御装置３は電動機１への印加電圧を制
御して電動機１を減速させ、かごを所定階に着床させる
。

かごが着床すれば、運転指令リレー接点５は開放し、運
転用接触器６及び減速指令リレー９は消勢さされ、次の
運転に偏える。

上記は正規の運転である。

次に、電動機１が運転中に何らかの原因で保護素子４Ａ
−４Ｃが動作したとすると、接点４ａは開放する。

しかし、接点２ａは閉成しているので、運転用接触器６
は付勢され続け、電動機１は運転を継続する。

同時に、接点４ｂは閉成するので、かごが最寄り階の減
速開始点に達すると、接点８は閉成し、（ト）−（５）
−（４ｂ）−（８）−（９）−（へ）の回路により、減
速指令リレー９は付勢され、速度制御装置３に減速指令
を与える。

すなわち、かごは呼びの有無に関係なく（接点Ｉの開閉
に関係なく、最寄り階に着床する。

ここで減速検出器２の接点２ａは開放する。

接点４ａは既に開放しているので、その後運転指令が出
て接点５が閉成しても、運転用接触器６は付勢されず、
もはや電動機１は再起動しない。

一方、電動機１の運転中、電磁ブレーキ（図示しない）
が急に作用して電動機１を拘束し、電動機電流が増加し
、保護素子４Ａ〜４Ｃが動作し、接点４ａが開放したと
する。

この場合、電動機１が停止することにより、接点２ａも
開放するので、運転用接触器６は直ちに消勢され、電動
機１は電源Ｒ，Ｓ、Ｔから切り放され、焼損を免れる。

なお、かごの正規動作において、速度検出器接点２ａの
開放する速度を、かごが戸開可能な位置に来たときの電
動機１の速度に対応して選んでもよい。

この場合は、保護素子４ａ〜４ｃが動作してかごが最寄
り階に着床するとき、かごが戸開可能な位置に来ると電
動機１の給電が断たれ、かごは停止する。

しかし、戸開可能であるから、乗客は最寄り階に降りる
ことができ何ら支障はなＶ〜 第３図はこの考案の他の実施例を示す。

図中、２ａは速度検出器２の常開接点で、この実施例の
速度検出器２は上述の実施例とは異なり、接点２ｂは電
動機１の速度が零に近い所定値以上であれば閉成し所定
値未満であれば開放する。

１０は付勢されると直ちに動作し消勢されると所定時限
後に復帰する時限レリーで、１０ａはその常開接点であ
る。

上記時限は接点２ｂが開放してからかごが着床するまで
に要する時間に対応する値に選ばれている。

なお、第１図はそのｉｔ用いられる。

かごが走行中は接点２ｂは閉成しているので時限リレー
１０は動作し接点１０ａは閉成している。

そのため保護素子４Ａ〜４Ｃが動作しても、上述と同様
電動機１は直ちに停止することはなく、かごは最寄り階
の減速開始点に達すると減速指令が出る。

電動機１が減速して所定速度未満になると、速度検出器
２の接点２ｂは開放する。

これにより、時限リレー１０は時限のカウントを開始し
、その間にかごは走行し最寄ジ階に着床する。

時限リレー１００時限が終了すれば、接点１０ａは開放
し運転用接触器６は消勢され、電動機１の再起動は防止
される。

以上説明したとｉ−Ｊこの考案では、電動機を過負荷か
ら保護する保護素子が動作したとき、電動機の速度が所
定値よりも高い間は保護素子による電動機の断電を阻止
して、かごを最寄り階オで運転するようにしたので、電
動機が１だ走行を継続できる状態にあるか、拘束状態の
ためそれ以上走行することが危険であるかが判別でき、
電動機を焼損させることなく、かつかん詰状態に陥る機
会を大幅に減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案によるエレベータ用電動機の保護装置
の一実施例を示す電動機回路図、第２図は同じく制御回
路図、第３図はこの考案の他の実施例を示す制御回路図
で第２図相当図である。 １・・・・・・誘導電動機、２・・・・・・速度検出器
、４Ａ〜４Ｃ・・・・・・保護素子、５・・・・・・運
転指令リレー接点、６・・・・・・運転用接触器、７・
・・・・・停止会検出リレー接点、８・・・・・・減速
点検出リレー接点、９・・・・・・減速指令リレー。 なお、図中同一部分は同一符号により示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. かごを駆動する電動機、この電動機に接続され上記電動
   機の負荷に応じて動作し上記電動機を断電する保護素子
   、上記電動機の速度が所定値以上のとき動作する速度検
   出器、上記保護素子が動作したとき上記速度検出器が動
   作していれば上記電動機の断電を阻止して給電を継続し
   上記かとを最寄り階斗で走行させる回路を備えてなるエ
   レベータ用電動機の保護装置。