JPS5842376Y2 - 乗客コンベヤの運転装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はエスカレータ、移動通路等の乗客コンベヤを
運転する装置の改良に関するものである。

従来のエスカレータの回路図を第１図に示す。

図中、Ｒ，Ｓ、Ｔは三相交流電源、１は配線用しゃ断器
、２ａ、２ｂはエスカレータが上昇運転するとき閉成す
る上昇用電磁接触器接点、３ａ。

３ｂは同じく下降用電磁接触器接点、４ａ 、 ４ｂは
上昇用及び下降用の電磁接触器のいずれが動作しても同
様に動作して閉成する運転用電磁接触器接点、５は乗客
コンベヤを駆動する誘導電動機である。

すなわち、乗客コンベヤの上昇時は、上昇用電磁接触器
接点２ａ、２ｂ及び運転用電磁接触器接点４ａ、４ｂが
それぞれ閉成し、下降時は下降用電磁接触器接点３ａ
、３ｂ及び運転用電磁接触器接点４ａ 、４ｂがそれぞ
れ閉成する。

上昇用及び下降用電磁接触器は２接点を使用する。

そのため、運転用電磁接触器を用いて、接点２ａ、２ｂ
又は接点３ａ、３ｂが溶着して開放不能となった場合で
も、接点４ａ、４ｂの開放により電動機５を電源Ｒ，Ｓ
、Ｔから切り放すようにしている。

また、図示してないが、接点２ａ、２ｂ、３ａ、３ｂ。

４ａ、４ｂのいずれかが溶着して、その電磁接触器が復
帰しなかったことを検出する溶着検出リレーが用いられ
、上記溶着を生じた場合は、上記電磁接触器はすべて付
勢されず、電動機５の再起動を防止するようにしている
。

上記のように接点溶着事故に対して有用な対策が施され
ているが、さらに少ないリレー構成で上記同様の溶着検
出機能が得られれば、更に経済的な構成を得ることが可
能となる。

この考案は上記要望に応じるもので、溶着検出機能が失
われることなく、更に経済的に構成できるようにした乗
客コンベヤの運転装置を提供することを目的とする。

以下、第２図によりこの考案の一実施例を説明する。

図中、２は上昇用電磁接触器で、２ｃはその常開接点、
２ｄ、２ｅは同じく常閉接点、３は下降用電磁接触器で
、３ｃはその常開接点、３ｄ、３ｅは同じく常閉接点、
６は自動復帰形の上昇用起動キースイッチ、７は同じく
下降用起動キースイッチ、８は非常停止ボタン、９は溶
着検出用電磁接触器で、９ａ〜９ｅはその常開接点であ
る。

ＡＣＲは分岐開閉器である。

上記以外は第１図と同様である。

今、配線用しゃ断器１を投入すると、Ｒ−１−８−２ｅ
−３ｅ −９−１−８の回路により、溶着検出用電磁接
触器９は付勢され、接点９ｅの閉成により自己保持する
。

同時に、接点９ａ〜９ｄも閉成する。

ここで、上昇用起動キースイッチ６が閉成されると、Ｒ
−１−８−６−９ｃｍ３ｄ−２−１−８の回路により、
上昇用電磁接触器２は付勢され、接点２ｃの閉成により
自己保持する。

同時に、接点２ａ、２ｂも閉成する。

これで、電動機５には電圧が印加され、乗客コンベヤは
上昇運転する。

今、何らかの原因で接点２ａ、２ｂが溶着し、そのまま
乗客コンベヤが運転されているとき、非常停止ボタン８
が押されたとする。

非常停止ボタン８の開放により、電磁接触器９は消勢さ
れ、接点９ａ、９ｂは開放し、電動機５は断電され、乗
客コンベヤは停止する。

また、接点９ｃも開放し、電磁接触器２は消勢されるが
、接点２ａ、２ｂは溶着しているため、電磁接触器２は
復帰できない。

したがって、接点２ｅも開放している。

ここで、非常停止ボタン８から手を放すと、非常停止ボ
タン８は閉成するが、接点２ｅは開放しているため、電
磁接触器９は付勢されず、接点９ａ。

９ｂは閉成しない。

そのため、接点２ａ、２ｂが溶着していても、電動機５
には電圧は印加されず、乗客コンベヤは再起動しない。

なお、下降運転の場合も同様に説明できる。

上記説明から明らかなように、第２図の電磁接触器９は
、第１図の場合の運転用電磁接触器と溶着検出用リレー
（いずれも図示しない）の機能を兼ねているので、溶着
検出機能は失われることなく、かつ経済的な構成となる
。

電磁接触器９の接点９ａ、９ｂが溶着した場合は、上記
溶着検出機能は失われるが、接点９ａ。

９ｂは接点２ａ、２ｂ又は接点３ａ、３ｂの閉成前に閉
成される順序となるので、接点９ａ、９ｂが溶着するこ
とは考えられない。

一般的に、接点の溶着は、電動機起動時の過大な投入電
流と、接点の跳躍によって起こるとされており、電流投
入の動作をしない接点９ａ、９ｂが溶着することはない
と考えられる。

なお、エスカレータだけでなく移動通路にも適用し得る
ことは明白である。

以上説明したとおりこの考案では、第１及び第２の電磁
接触器の接点をそれぞれ電源と電動機の間に挿入し、更
に上記電源と電動機の間に、停止指令が発せられても第
１又は第２の電磁接触器が動作状態になっているとき開
放を保持する第３の電磁接触器の接点を挿入したので５
装置が安価に構成できると共に、第１又は第２の電磁接
触器の接点の溶着検出機能を失わせないようにすること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の乗客コンベヤの運転装置の一実施例を示
す電動機回路図、第２図はこの考案による乗客コンベヤ
の運転装置の一実施例を示す電動機回路図及び制御回路
図である。 ２・・・・・・上昇用電磁接触器、３・・・・・・下降
用電磁接触器、５・・・・・・誘導電動機、８・・・・
・・非常停止ボタン、９・・・・・・溶着検出用電磁接
触器、なお、図中同一部分は同一符号により示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 乗客コンベヤを駆動する誘導電動機、電源と上記電動機
   の間にそれぞれ挿入された第１及び第２の接点を有しそ
   れぞれ起動指令により付勢されるとそれぞれ上記第１又
   は第２の接点を閉成させて上記電動機を第１の方向又は
   それとは逆の方向へ駆動し、停止指令により消勢される
   とそれぞれ上記第１又は第２の接点を開放させる第１及
   び第２の電磁接触器、上記電源と上記電動機の間に挿入
   された第３の接点を有し付勢されると上記第３の接点を
   閉成させ消勢されると上記第３の接点を開放させる第３
   の電磁接触器、及び上記第１及び第２の電磁接触器が消
   勢されていれば上記第３の電磁接触器を付勢させ、上記
   停止指令により上記第３の電磁接触器を消勢させると共
   に、上記停止指令が発せられても上記第１又は第２の接
   点が閉成状態になっていれば上記停止指令が解除されて
   も上記第３の電磁接触器を消勢状態に保持する回路を備
   えてなる乗客コンベヤの運転装置。