JPS62236827A - ポリイミドフイルムおよびその製法 - Google Patents

ポリイミドフイルムおよびその製法

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JPS62236827A
JPS62236827A JP8176786A JP8176786A JPS62236827A JP S62236827 A JPS62236827 A JP S62236827A JP 8176786 A JP8176786 A JP 8176786A JP 8176786 A JP8176786 A JP 8176786A JP S62236827 A JPS62236827 A JP S62236827A
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JP
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film
solvent
polyimide film
heating furnace
polyamic acid
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JP8176786A
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English (en)
Inventor
Toshio Nakajima
中島 登志雄
Takashi Ishizuka
石塚 隆志
Ken Noda
謙 野田
Kazuhide Fujita
和秀 藤田
Emiko Miyawaki
宮脇 恵美子
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Electric Industrial Co Ltd
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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、機械特性、熱特性、吸湿特性に優れ、しかも
等方性を備えており、特に高密度磁気記録媒体用ベース
フィルムとして好適なポリイミドフィルムに関するもの
である。
(従来の技術〕 従来から磁気記録媒体用ベースフィルムとしては、二軸
延伸ポリエステルフィルムが広く用いられている。この
種の磁気記録媒体用ベースフィルムは、二輪延伸ポリエ
ステルフィルムの上に、磁性粉末をバインダーとともに
塗布し製造されている。しかしながら、最近では磁気記
録媒体用ベースフィルムの分野において磁気記録の高密
度化ノ要求に基づき、全く新しい垂直磁気記録方式が開
発されている。すなわち、この垂直磁気記録方式は、磁
性層中におけるN−3の磁極を水平に配向するのではな
く、垂直に配向するものであり、ベースフィルム上に金
属薄膜による磁性膜を、蒸着、スパッタリング等の手段
により形成するという方法により行われる。この方式で
は、磁性膜生成時に300℃以上の高温になるため、ベ
ースフィルムに対して、熱によって収縮したり歪んだり
しないという特性が要求される。また、記録が高密度化
されるため、記憶の読み出しや書き込みの位置精度に対
する要求が厳しくなり、気温や湿度の変化に伴うわずか
な寸法変化が重大な問題となってくる。このように、高
密度磁気記録媒体に用いられるベースフィルムとしては
、耐熱性に優れ、線膨脹係数や吸湿膨脹係数が小さいこ
とが要求される。特にフロッピーディスクにおいては、
その形状から等方性が要求されており、熱特性、吸湿特
性2機械特性についても等方性であるベースフィルムが
強く要求されている。
ポリイミドフィルムは耐熱性に優れ、かつ機械強度や寸
法安定性などにも優れているため、上記高密度磁気記録
媒体用ベースフィルムへの応用が関心を集め、これを中
心に研究が重ねられている。
ところで、上記ポリイミドフィルムは一般に、ポリイミ
ド前駆体溶液を支持体上に流延し、加熱乾燥することに
より、自己支持性を有する生乾きフィルムをつくったの
ち、さらに熱処理し残存溶媒を蒸散させることにより製
造される。しかしながら、このようにして得られるフィ
ルム物性は、等方的でなく、例えば、フィルムの縦方向
と横方向で物性が異なるという難点がある。このため、
機械特性に優れ、線膨脹係数、吸湿膨脹係数が極めて小
さく、しかもこれらが等方的であって、フロッピーディ
スク用ベースフィルム等として最適な特性を有するポリ
イミドフィルムの開発は、いまだなされていないのが実
情である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記のように、従来の技術では、高密度磁気記録媒体用
ベースフィルムとして最適な特性を有するポリイミドフ
ィルムが得られていないのが実情であり、この開発が強
く要望されている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、機械
特性に優れ、線膨脹係数、吸湿膨脹係数が極めて小さく
、そのうえ、これらの特性が全て等方性を備えていて、
フロッピーディスク等の高密度磁気記録媒体のベースフ
ィルムとして最適な特性を備えたポリイミドフィルムの
提供をその目的とする。
C問題点を解決するための手段〕 上記の目的を達成するため、本発明は、芳香族ポリイミ
ド樹脂からなるポリイミドフィルムであって、下記の一
般式(1)で表される繰返し単位を主成分とし、かつフ
ィルムの縦方向と横方向とにおける引張強度、伸び率、
引張弾性率およびガラス転移点の差が5%以内で、フィ
ルムの縦方向と横方向とにおける線膨脹係数および吸湿
膨脹係数の差が10%以内であることを特徴とするポリ
イミドフィルムを第1の要旨とし、 下記の一般式(2)で表される繰返し単位を主成分とす
る芳香族ポリアミド酸の含溶媒フィルムを加熱炉を通し
て熱処理することによりポリイミドフィルムを製造する
方法であって、上記含溶媒フィルムの両側縁を保持しそ
のフィルムの幅方向の寸法が変わらない状態で長さ方向
から加熱炉を通過させることを特徴とするポリイミドフ
ィルムの製法を第2の要旨とする。
すなわち、本発明者らは高密度磁気記録媒体、特にフロ
ッピーディスク用ベースフィルムとして最適なポリイミ
ドフィルムを開発するため一連の研究を重ねた結果、上
記一般式(1)で表される分子構造を有する芳香族ポリ
イミド樹脂の前駆体である上記一般式(2)で表される
ポリアミド酸の含溶媒フィルムを、加熱炉を通して熱処
理する際に、上記含溶媒フィルムの両側縁を保持し、そ
のフィルムの幅方向の寸法が変わらない状態で長さ方向
から加熱炉を通過させると、得られるポリイミドフィル
ムが等方性を備えるようになってその縦方向(長さ方向
)と横方向(幅方向)との特性の差が殆どなくなること
を見いだした。すなわち、上記ポリイミドフィルムは、
機械特性等の特性が極めて優れているうえ、それらが等
方性を備えており、縦方向と横方向との特性の差が、引
張強度、伸び率、引張弾性率等の機械強度およびガラス
転移点については5%以内であり、線膨脹係数、吸湿膨
脹係数については10%以内になることを見いだし本発
明に到達した。
ポリイミドフィルムは、通常の製造方法では、異方的に
なることは先に述べた通りであるが、これを等方性化す
る方法として、特開昭6(1−190314号公報にポ
リアミド酸の含溶媒フィルムを、加熱炉内を通過させる
際に、上記フィルムの両端を把持し、フィルムの幅方向
に対して、最初に拡幅し、つぎに縮小し、さらに拡幅す
るという方法が開示されている。
本発明者らは、上記公報に開示された方法について研究
を行ったところ、上記含溶媒フィルムを幅方向に拡縮す
ることは、機械特性に関してはあまり大きな悪影響を与
えないが、熱膨張性や吸湿膨張性に関しては等方性を乱
す要因となることをつきとめた。そこで、本発明者らは
、さらに研究を重ね、上記のような特定の繰り返し単位
を備えた芳香族ポリアミド酸の含溶媒フィルムを選び、
これの両端を把持し、上記のように拡幅させるのではな
く、幅方向を一定に保持した状態で、長さ方向から加熱
炉を通して熱処理すると、機械特性に関してはもちろん
熱膨張性および吸湿膨張性に関しても等方性が得られる
ようになることをつきとめた。そして、このようなポリ
イミドフィルムを、特に、小形で、縦方向と横方向との
寸法に、熱、湿度等で伸縮に差が生じることを嫌うフロ
ッピーディスク等のベースフィルムに利用すると、熱や
湿度等によって番地が狂うことなく、記録再生に際して
正確な読みだし、書き込みが可能になることを見いだし
たのである。
本発明のポリイミドフィルムに使用する芳香族ポリイミ
ド樹脂は、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を
主成成分とするものであり、特定の芳香族テトラカルボ
ン酸二無水物類と、特定の芳香族ジアミノ化合物とを反
応させることにより得ることができる。
ここで、主成分とするとは、全体が主成分のみからなる
場合も含める趣旨である。
上記特定の芳香族テトラカルボン酸二無水物類としては
、下記の式(3) %式%) で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物ないしその
酸ハロゲン化物、ジエステル、モノエステル等の誘導体
があげられる。これらの化合物は、単独で用いてもよい
し二種以上を併用しても支障はない。上記式(3)で表
される芳香族テトラカルボン酸二無水物は、3.3’、
4.4” −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物であ
り、このものの異性体として2. 3. 3’ 、  
4’ −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物があげら
れ、このもの、もしくはその誘導体は、上記3.3’ 
、4.4’−ビフエニルテトラカルボン酸二無水物類の
30モル%まで置換使用が可能である。しかしながら、
これらの化合物のなかでも3.3’ 、4,4”−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物を上記芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物類全体の50モル%以上使用すること
が、得られるポリイミドフイルムの機械的強度の点から
望ましい。
なお、必要に応じて上記芳香族テトラカルボン酸二無水
物類以外のその他のテトラカルボン酸二無水物類を、上
記芳香族テトラカルボン酸二無水物類の一部と置き換え
て使用することができる。
しかしながら、この種、その他のテトラカルボン酸二無
水物類の多量使用は、得られるポリイミドフィルムの耐
熱性9機械特性、熱膨張性、吸湿膨張性等を損なうこと
となるため、その使用量は、芳香族テトラカルボン酸二
無水物類の20重量%まで、好ましくは10重量%まで
の置換量に制限すべきである。上記その他のテトラカル
ボン酸二無水物類としては、ピロメリット酸二無水物、
3.3”、4.4° −ベンゾフェノンテトラカルボン
酸二無水物、2,3,6.7−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,4,5.8−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、3,3′、4゜4゛ −ビフェニルエ
ーテルテトラカルボン酸二無水物ないしこれらの酸ハロ
ゲン化物等の誘導体があげられ、これらその他のテトラ
カルボン酸二熱水物類についても二種以上混合使用する
ことができる。
上記特定の芳香族テトラカルボン酸二無水物類と反応さ
せる芳香族ジアミノ化合物としては、下記の式(4) %式%(4) で表されるp−フェニレンジアミンが使用される。
なお、必要に応じて上記p−フェニレンジアミンの一部
と置き換えて、その他の芳香族ジアミノ化合物を使用す
ることができる。しかしながら、この種のその他の芳香
族ジアミノ化合物の多量使用は、得られるポリイミドフ
ィルムの耐熱性1機械特性、熱膨張性、吸湿膨張性等を
損なうことになるため、その使用量はp−フェニレンジ
アミンの20重量%まで、好ましくは10重量%までの
置換量に制限すべきである。
上記その他の芳香族ジアミノ化合物としては、2.2−
ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン、4.4°−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ビフエニル、ビス(4−(
4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス(4
−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、1,
4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1.3−
ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(4−(
4−アミノフェノキシ)フェニルフェーテル、ビス(3
−エチル−4−アミノフェノキシ)メタン、ビス(3−
メチル−アミノフェニル)メタン、3.3゛−ジアミノ
ジフェニルスルホン、4.4”−ジアミノジフェニルス
ルホン、4.4” −ジアミノジフェニルスルイド、3
.3゛ −ジアミノジフェニルエーテル、3. 4’ 
 −ジアミノジフェニルエーテル、4,4゛ −ジアミ
ノジフェニルエーテル、4.4′−ジアミノジフェニル
メタン、4.4”−ジアミノビフェニル、3.5−ジア
ミノ安息香酸、2.4−ジアミノトルエン、m−フェニ
レンジアミン等があげられ、単独でもしくは併せて用い
られる。
本発明のポリイミドフィルムは、上記の各原料を用いて
製造されるのであり、磁気記録媒体、特にフロッピーデ
ィスク用ベースフィルムの用途を持つ等方性ポリイミド
フィルムとして有用である。そのような等方性ポリイミ
ドフィルムの製造は例えば、つぎのようにして行うこと
ができる。すなわち、有機極性溶媒中において、上記芳
香族テトラカルボン酸二無水物類と、芳香族ジアミノ化
合物とを略等モル反応させてポリイミド前駆体であるポ
リアミド酸溶液を得る。
つぎに、このポリアミド酸溶液を平滑な金属ベルト上に
流延して液膜を形成したのち、加熱炉に導き、徐々に溶
媒を除去してポリアミド酸皮膜を形成する。つぎに、上
記のようにして得られた、溶媒を含んだポリアミド酸フ
ィルムの両端をビンまたはクリップ等で把持して加熱炉
に導き、100〜200℃で20〜300分程度加熱し
て残存溶媒を除去し、さらに200〜450℃で20〜
300分程度加熱してポリイミドフィルム化する。この
とき、ピンまたはクリップ等で把持したポリアミド酸フ
ィルムの両端間距離を加熱炉の最初(入口部)から最後
(出口部)まで一定にすることが重要であり、これによ
り得られるポリイミドフィルムが、機械特性のみならず
熱膨張性、吸湿膨張性に関しても等方性を有するように
なるのである。なお、上記溶媒の除去およびイミド化反
応のための加熱は連続して行ってもよいし、また溶媒除
去の後半とイミド化反応の前半とが同時に行われるよう
にしてもよい。特にこのポリイミドフィルム形成工程に
おいて、塵埃、異物等の混入を徹底して排除することが
ポリイミドフィルムの機械特性および等方性において重
要である。したがって、上記ポリイミドフィルムの製造
工程はクリーンルーム内で行うことが好結果をもたらす
また、前記有機極性溶媒としては、N−メチル−2−ピ
ロリドン、N、N−ジメチルアセトアミド、N、N−ジ
メチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルトリアミド
、ジメチルスルホキシド、N、N−ジメチルイミダゾリ
ジン−2−オン、テトラメチル尿素、0−クロロフェノ
ール、p−クロロフェノール、m−クレゾール、m’p
−クレゾール、キシレノール、フェノール等をあげるこ
とができ、単独でもしくは併せて使用することができる
。場合によってはキシレン、トルエン、ナフサ、ベンゼ
ン等の非極性溶媒を上記の極性溶媒と混合して用いても
よい。上記有機極性溶媒(極性溶媒と非極性溶媒とを混
合使用する際には、そのうちの極性溶媒のみ)の使用量
は、上記の再化合物の濃度が5〜30重量%となるよう
にすることが好ましい。
この溶媒中におけるポリアミド酸の生成についてより詳
しく説明すると、上記ポリアミド酸は、上記溶媒中に上
記再化合物を略等モル加え、通常、0〜80℃で0.5
〜24時間程度反応させることにより得られる。このポ
リアミド酸は、その固有粘度(得られたポリアミド酸溶
液をN−メチル−2−ピロリドン中の0.5g/d1の
濃度に希釈して30℃で測定)が0.5〜7の範囲にあ
ることが好ましい。特に好ましいのは、0.8〜5の範
囲内である。この固有粘度が低すぎると、得られるポリ
イミドフィルムの機械的強度が低くなるため好ましくな
い。逆に固有粘度が高すぎると、ボリイミド前駆体の溶
液をガラス板等に流延させにくく皮膜形成のための作業
が困難となるため好ましくない。
上記固有粘度とはつぎの式で計算されるものであり、式
中の落下時間は毛細管粘度計により測定されるものであ
る。
この固有粘度は重合体の分子量と直接関係があることは
公知である。
以上のようにして得られる本発明のポリイミドフィルム
は、例えば、その厚みが50μmのものでは、通常23
℃における引張強度が25〜35kg / w 2程度
、伸び率が15〜30%程度、引張弾性率が550〜7
00kg/龍2程度、25℃における吸湿膨脹係数が0
.7〜1.5%程度、50〜250℃における平均線膨
脹係数が1.0〜2.0程度である。またガラス転移点
は400〜500℃である。さらに本発明のポリイミド
フィルムは、上記特性値におけるフィルムの長さ方向と
幅方向との差が、引張強度、伸び率、引張弾性率等の機
械特性およびガラス転移点については5%以内、吸湿膨
脹係数、線膨脹係数においては10%以内である。
〔発明の効果〕
以上のように本発明は、前記一般式(2)で表される芳
香族ポリアミド酸の含溶媒フィルムの両側縁を保持し、
そのフィルムの幅方向の寸法が変わらない状態で長さ方
向から加熱炉を通過させることにより、ポリイミドフィ
ルムを製造するため、得られるポリイミドフィルムは、
引張強度、伸び率、引張弾性率等の機械特性、ガラス転
移点に代表される耐熱性ならびに吸湿膨脹係数、線膨脹
係数等に優れているばかりでなく、上記緒特性が全て等
方性を備えるようになる。すなわち、フィルムの縦方向
と横方向とにおける引張強度、伸び率。
引張弾性率およびガラス転移点の差が5%以内で、フィ
ルムの縦方向と横方向とにおける線膨脹係数および吸湿
膨脹係数の差が10%以内となるのである。これは、全
体が小形であってかつ円盤状であるため上記諸特性に異
方性があると、それが番地に大きな影響を及ぼし、記録
再生に際して正確な読みだし、書き込みが不可能になる
フロッピーディスクのベースフィルムに応用する場合に
特に有効である。すなわち、上記フロッピーディスクの
ベースフィルムは、ポリイミドフィルム自身が優れた耐
熱性を有することにより、磁性体の蒸着時(垂直磁化時
)にフィルムの変形や劣化を生じず、かつポリイミドフ
ィルム自体が吸湿膨脹係数、線膨脹係数等の諸特性に優
れ、しかも等方性を備えているため、保存雰囲気、ある
いは使用時の温湿度変化によって、読みだし、書き込み
ミスを起こすことがなく高密度化を実現しうるようにな
るのである。
なお、本発明のポリイミドフィルムは、フロツエ9 ピーディスク以外の、例えば、VTRテープ等のベース
フィルムに使用する場合にも、上記の優れた特性により
高画質化を実現しうるのである。
また、本発明のポリイミドフィルムは、等方性に加え、
その優れた機械特性(特に弾性率)と寸法安定性により
、フレキシブル印刷回路基板の用途に応用することがで
きる。つまり、本発明のポリイミドフィルムは弾性率が
高いため、銅箔との貼り合わせ作業あるいは打ち抜き作
業等において困難な事態を招くことがない。また、線膨
脹係数が低いため、銅箔との加熱貼り合わせによって得
られた積層物の反りの問題や回路形成のための加工時の
寸法安定性にも好結果が得られ、しかも上記の低い吸湿
膨脹係数により回路板の耐湿性にも好結果が得られるよ
うになる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
〔実施例1〕 10(1重合釜にp−フェニレンジアミン3.24kg
およびN−メチル−2−ピロリドン48.24瞼を加え
、p−フェニレンジアミンが完全に溶解して均一溶液に
なるまでよく混合した。この溶液を急激に攪拌しながら
3. 3’  4. 4’  −ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物8.82 kgを徐々に添加した。反応
系の粘度が上昇するに従い、攪拌速度を下げ、40〜8
0℃の温度に加温して20時間ゆっくり攪拌を続けてポ
リアミド酸溶液を合成した。このポリアミド酸溶液をN
−メチル−2−ピロリドンで0.5g/aの濃度に希釈
し、30℃で固有粘度(ηinh )を測定したところ
1.78であった。
つぎに、上記のようにして得られたポリアミド酸溶液を
濾過機を経由させてTダイより表面の平滑なエンドレス
ベルト上に流延し、乾燥炉を通して乾燥させ、約30%
の溶媒を含有した長尺のポリアミド酸フィルムを得た。
続いて、このポリアミド酸フィルムをピンテンターを用
いて、フィルム両端を固定し、長さ方向から熱処理炉(
加熱炉)に導入した。この時フィルムの両端間距離(ピ
ン間距離)を熱処理炉の最初(入口部)から最後(出口
部)まで全く同一にセットし、最高400℃まで加熱し
連続イミド化してポリイミドフィルムを得た。
〔実施例2〕 重合溶媒をN−メチル−2−ピロリドンに代えてN、N
−ジメチルアセトアミドを使用した。それ以外は実施例
1と同一の手順によりポリアミド酸溶液を合成した。こ
のポリアミド酸の固有粘度(ηinh )は1.63で
あった。続いて、実施例1と同じ手順で熱処理してポリ
イミドフィルムを得た。
〔実施例3〕 3.3” 4,4゛ −ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物のうち、30重量%を2. 3’  3. 4”
 −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物に置換し使用
した。それ以外は実施例1と同一の手順によりポリアミ
ド酸溶液を合成した。このポリアミド酸の固有粘度(η
inh )は1.58であった。続いて、実施例1と同
じ手順で熱処理してポリイミドフィルムを得た。
〔比較例1〕 実施例1と同様にしてポリアミド酸フィルムをつくり、
これを用いてポリイミドフィルムを得る際に、熱処理炉
中のピン間距離を、入口部から連続的に縮小して、最終
的に出口部では入口部より3%狭くした。それ以外は実
施例1と同様に熱処理してポリイミドフィルムを得た。
〔比較例2〕 実施例2と同様にしてポリアミド酸フィルムをつくり、
これを用いてポリイミドフィルムを得る際に、熱処理炉
中のピン間距離を入口部を基準として+2%拡大し、続
いて、−1%に縮小し、最終的に出口部で入口部と同一
になるようにした。
それ以外は実施例2と同様に熱処理してポリイミドフィ
ルムを得た。
〔比較例3〕 実施例3と同様にしてポリアミド酸フィルムをつくり、
これを用いた。それ以外は比較例2と同様に熱処理して
ポリイミドフィルムを得た。
上記の実施例および比較例で得られたポリイミドフイル
ムについて下記のようにして特性を調べ、その結果を後
記の第1表に併せて示した。
(引張弾性率、伸び率) ASTM−D−882−80の引張試験の方法に準処し
て23℃で測定した。
(吸湿膨脹係数) ポリイミドフィルムを50℃の熱風乾燥機中で24時間
乾燥させたのち、図面に示すように台形状(a:80m
m、、b:100m、c:10m)にサンプリングして
プロフィルプロジェクタ−により底辺すの寸法を測定し
、ついで25℃、100%RHに湿度調製したデシケー
タ−内に24時間放置したのち同様に寸法を測定し、そ
の寸法変化から吸湿膨脹係数を求めた。
(平均線膨脹係数) 熱機械的分析装置 (TMA ;セイコー電子工業社製
、5SC580型)を用い、荷重13.3g/鶴2の条
件で50〜250°Cでの線膨脹係数の平均値を求めた
(以下余白) 2ら 上記の結果から明らかなように、本発明のポリイミドフ
ィルムは、引張強度、伸び率、引張弾性率、ガラス転移
点についてはMD (縦方向)とTD(横方向)の差は
5%以内、線膨脹係数と吸湿膨脹係数は10%以内に入
っており、優れた等方性を達成している。
一方、比較例1のように、ピン幅を連続的に縮小したも
のは、一般にTD力方向特性が下がり、MD力方向の差
も本発明のポリイミドフィルムより大幅に大きくなって
いる。また、比較例2のように、ピン幅を、最初と最後
を同一にしても、途中が一定でない場合には、引張強度
、伸び率、引張弾性率、ガラス転移点については等方性
が得られるものの、線膨脹係数および吸湿膨脹係数につ
いては大きな差が生じることがわかる。
【図面の簡単な説明】
図面は吸湿膨脹係数測定用サンプル片の説明図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)芳香族ポリイミド樹脂からなるポリイミドフィル
    ムであつて、下記の一般式(1)で表される繰返し単位
    を主成分とし、かつフィルムの縦方向と横方向とにおけ
    る引張強度、伸び率、引張弾性率およびガラス転移点の
    差が5%以内で、フィルムの縦方向と横方向とにおける
    線膨脹係数および吸湿膨脹係数の差が10%以内である
    ことを特徴とするポリイミドフィルム。 ▲数式、化学式、表等があります▼・・・・・・(1)
  2. (2)下記の一般式(2)で表される繰返し単位を主成
    分とする芳香族ポリアミド酸の含溶媒フィルムを加熱炉
    を通して熱処理することによりポリイミドフィルムを製
    造する方法であつて、上記含溶媒フィルムの両側縁を保
    持しそのフィルムの幅方向の寸法が変わらない状態で長
    さ方向から加熱炉を通過させることを特徴とするポリイ
    ミドフィルムの製法。 ▲数式、化学式、表等があります▼・・・・・・(2)
JP8176786A 1986-04-09 1986-04-09 ポリイミドフイルムおよびその製法 Pending JPS62236827A (ja)

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