JP2000297163A - ポリイミドフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

ポリイミドフィルムおよびその製造方法

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JP2000297163A JP11108698A JP10869899A JP2000297163A JP 2000297163 A JP2000297163 A JP 2000297163A JP 11108698 A JP11108698 A JP 11108698A JP 10869899 A JP10869899 A JP 10869899A JP 2000297163 A JP2000297163 A JP 2000297163A
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mol
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田中康一郎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高貯蔵弾性率(300℃以上400℃以下の
温度における貯蔵弾性率が200MPa以上)、高弾性
率、高伸び率、銅箔と同等の低線膨張係数、低吸湿膨張
係数とを兼ね備える優れたポリイミドフィルムを得るこ
とを目的とする。 【解決手段】 p−フェニレンビス(トリメリット酸モ
ノエステル無水物)、オキシジフタル酸二無水物、p−
フェニレンジアミン、4,4’ージアミノジフェニルエ
ーテルを有機溶剤中で反応させて得られるポリアミド酸
からポリイミドフィルムを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属、特に銅との
張り合わせ製品において、低反り、高寸法安定性を与え
得る、物性バランスに優れたポリイミドフィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドフィルムは、耐熱性、絶縁
性、耐溶剤性、および耐低温性等を備えており、コンピ
ュータ並びにIC制御の電気・電子機器部品材料として
広く用いられている。
【0003】近年、コンピュータ並びにIC制御の電気
・電子機器の小型化・薄型化に伴い、配線基板類やIC
パッケージ材料も小型化・薄型化が求められるようにな
っている。このため、これらに施される配線パターンも
細密になり、フレキシブル配線板やTAB用キャリアテ
ープ等に用いられるポリイミドフィルムについても加熱
や引張り、さらには吸湿による寸法変化が小さいことが
必要になる。さらに、材料の薄型化に伴い、積層体全体
の「こし」を保ち、加工工程を安定にする必要もある。
【0004】このような必要性を満たす為、ポリイミド
フィルムは、線膨張係数が小さく、弾性率および貯蔵弾
性率が高く、吸湿膨張係数が低いことが望まれる。
【0005】ただし、フレキシブル配線板やICパッケ
ージの製造の際、ポリイミドフィルムと銅箔とを張り合
わせて加工するため、フィルム線膨張係数に関しては、
銅の線膨張係数と大きく異なることは好ましくない。す
なわち、ポリイミドフィルムと銅箔の線膨張係数が大き
く異なると、張り合わせ品に反りが生じ、加工がしにく
くなり、その結果、全体的な寸法精度や歩留まりが低下
するからである。したがって、銅箔との線膨張係数の差
が小さいものが好ましい。
【0006】上記特性を有するポリイミドフィルムを得
るため種々の試みがなされている。まず、ポリイミドフ
ィルムの高弾性率化のためには、剛直な構造のモノマー
即ち直線性の高いモノマーを用いれば良いことは広く知
られている。ところが、直線性の高いモノマーを多量用
いればフィルムの線膨張係数は低くなりすぎて、銅箔と
の張り合わせの用途には適さなくなる。
【0007】比較的高い弾性率を実現しながらも線膨張
係数を下げ過ぎないために、比較的剛直な構造を有する
モノマーを用いて、化学的イミド化剤を用いず熱キュア
法で製造し、面方向の配向を甘くするという方法を取る
例もある。しかし、熱キュア法は化学的キュア法に比べ
必要な加熱時間が長く、生産性に劣るという不利があ
る。
【0008】さらに、剛直で直線性の高いモノマーを用
いると、一般的にはフィルムの柔軟性は損なわれ、フレ
キシブル配線板等としての利点の一つである折り曲げ可
能という点に、難が生じる可能性がある。
【0009】半導体パッケージ用途等では、半導体の信
頼性の観点から、特に吸水率ができるだけ低いことが求
められ、寸法安定性の観点から、吸湿膨張係数も低いこ
とが求められる。
【0010】吸水率や吸湿膨張係数を下げるには、分子
構造中のイミド基量を減らすことが有効である。この
為、屈曲基を主鎖中に複数含む長鎖のモノマーが使用さ
れることが多い。しかし、この結果、弾性率の低下や線
膨張係数の過度な増大を招き、寸法安定性が犠牲にな
る。極端な場合は、例えば200℃以下の低温にTgを
有するような熱可塑性を示すようになり、ベースフィル
ムとして用いるには適さなくなる。また、このような直
線性で長いモノマーを用いると、分子鎖のパッキングが
難しくなり、十分な靭性を発現することができず、場合
によってはフィルム化すること自体が困難になる等の問
題があった。
【0011】また、一般に粘弾性体(ポリイミドフィル
ムも含まれる)の貯蔵弾性率の値は、Tgを越える温度
領域において、常温での貯蔵弾性率の値よりも低くなる
(1桁、場合によっては2〜3桁程度低くなる)ことが
知られており、フィルム作製に通常使用する温度(例え
ば300℃以上400℃以下)における貯蔵弾性率が極
端に小さい場合、フィルム作製の温度領域において極端
にフィルムがたるむことなどにより、たるみの無い平坦
なフィルムを作製すること自体が困難になる場合があ
る。
【0012】上述のように、ポリイミドフィルムの特性
として要求される、高弾性率、高貯蔵弾性率、低線膨張
係数、低吸水性の特性をすべて実現させるには、これら
の特性以外にもフィルムの加工性等考慮すべき点が多
く、いずれかの特性を満足させようとすると、他の特性
が犠牲になる等の問題があり、複数の良い特性をすべて
併せ持つポリイミドフィルムを得ることは特に困難な状
況であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、上記の問題点を解決し、高弾性率、高貯蔵弾性率、
銅に近い線膨張係数、十分な靱性、低吸水率および低吸
湿膨張係数の諸特性をすべて兼ね備える、細配線のフレ
キシブルプリント基板やTABフィルムに適したポリイ
ミドフィルムを製造することに関し、鋭意検討を行った
結果、本発明に到ったのである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前述の要求
に鑑み、特定の組成のポリイミドフィルムにおいて、特
異的に諸特性バランスを高度に実現し制御し得るポリイ
ミドフィルム及びその製造方法を見出した。
【0015】本発明にかかるポリイミドフィルムの要旨
とするところは、p−フェニレンビス(トリメリット酸
モノエステル無水物)と、オキシジフタル酸二無水物
と、p−フェニレンジアミンと、4,4´−ジアミノジ
フェニルエーテルとで構成される4種のモノマーを反応
させて得られるポリアミド酸から製造されることを特徴
とするポリイミドフィルムであって、300℃以上40
0℃以下の温度における貯蔵弾性率が200MPa以上
であることを特徴とするポリイミドフィルムを内容とす
る。
【0016】前記ポリイミドフィルムにおいて、上記p
−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水
物)が、全酸二無水物に対して1〜90モル%であり、
オキシジフタル酸二無水物が、全酸二無水物に対して1
0〜99モル%であり、p−フェニレンジアミンが、全
ジアミンに対して25〜90モル%であり、4,4´−
ジアミノジフェニルエーテルが、全ジアミンに対して1
0〜75モル%であることを内容とする。
【0017】係るポリイミドフィルムにおいて、100
℃から200℃の間の平均線膨張係数が15〜30pp
m、引張弾性率が4.5〜8.5GPa、破断時伸び率
が20%以上、吸湿膨張係数が10ppm以下、Tgが
200℃以上、であることを内容とする。
【0018】本発明の係るポリイミドフィルムの、製造
方法の要旨とするところは、4,4´−ジアミノジフェ
ニルエーテルを有機溶剤中に溶解させ、該有機溶剤溶液
にp−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無
水物)を加え、続いてp−フェニレンジアミンを加え、
続いてオキシジフタル酸二無水物を加えて得られたポリ
アミド酸重合体を、酸無水物と第三級アミンとを用いて
脱水閉環し、ポリイミドフィルムを得ることを内容とす
る。
【0019】本発明の係るポリイミドフィルムの、製造
方法の他の要旨とするところは、p−フェニレンジアミ
ンを有機溶剤中に溶解させ、続いてオキシジフタル酸二
無水物を加えて該有機溶剤溶液に4,4´−ジアミノジ
フェニルエーテルを加え、続いてオキシジフタル酸二無
水物を加えて、続いて、p−フェニレンビス(トリメリ
ット酸モノエステル無水物)を加え、得られたポリアミ
ド酸重合体を、酸無水物と第三級アミンとを用いて脱水
閉環し、ポリイミドフィルムを得ることを内容とする。
【0020】本発明の係るポリイミドフィルムの、製造
方法の他の要旨とするところは、p−フェニレンジアミ
ンを有機溶剤中に溶解させ、続いてオキシジフタル酸二
無水物を加えて該有機溶剤溶液に4,4´−ジアミノジ
フェニルエーテルを加え、続いて、p−フェニレンビス
(トリメリット酸モノエステル無水物)を加え、続いて
オキシジフタル酸二無水物を加えて、得られたポリアミ
ド酸重合体を、酸無水物と第三級アミンとを用いて脱水
閉環し、ポリイミドフィルムを得ることを内容とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるポリイミド
フィルムについて、その実施の形態の1例に基づき説明
する。なお、本発明の用語「モノマー」とは、単量体の
ジアミンあるいはテトラカルボン酸二無水物のいずれか
をいう。
【0022】本発明にかかるポリイミドフィルムは、当
業者に公知のポリアミド酸合成法により調製されたポリ
アミド酸から、製造され得る。好ましくは、本発明のポ
リイミドフィルムの製造方法では、上記脱水閉環が、酸
無水物と第三級アミンとのイミド化剤の存在下で行われ
得る。
【0023】本発明において、ポリアミド酸を合成する
為には、酸二無水物として、特に、以下の構造式を持つ
p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水
物)(以下、TMHQという)
【0024】
【化1】
【0025】および以下の構造式を持つオキシジフタル
酸二無水物(以下、ODPAという)
【0026】
【化2】
【0027】ジアミンとして、以下の構造式を持つp−
フェニレンジアミン(以下、PDAという)
【0028】
【化3】
【0029】および以下の構造式を持つ4,4’−ジア
ミノジフェニルエーテル(以下、ODAという)
【0030】
【化4】
【0031】を用いる。上記のモノマーを有機溶剤に溶
解し、重合反応させて本発明にかかるポリイミドフィル
ムを製造するために用い得るポリアミド酸を得る。
【0032】以下TMHQは、PDAとの組み合わせに
おいて、棒状構造をとり、フィルムの高弾性が顕現さ
れ、主鎖構造上エステル結合のため熱的にはやや柔軟で
あることから、例えばピロメリット酸のみを用いた場合
等に比べて線膨張係数が極端に下がることがなくなる。
また、エステル結合がイミド環の分極を緩和し、吸水率
を下げ吸水膨張率を下げる効果も有する。
【0033】ところが、TMHQは、PDAとの組み合
わせでは、構造的に硬すぎ、線膨張係数も依然低く、ま
た靭性が不十分である。ジアミノジフェニルエーテルを
共重合することによっても、依然一定以上の弾性率を得
ようとすると線膨張係数は下がりすぎ、また靭性も不十
分である。
【0034】ODPAを用いて、PDAとジアミノジフ
ェニルエーテルとを重合させ、適度に高い弾性率と銅と
の組み合わせにおいて不都合のない適度な線膨張係数、
また十分な靭性等を実現させ得る。ただし、ODPAだ
けでは吸水率そのものはさほど下がらず、吸湿特性を下
げてかつ諸特性を好ましく保つにはTMHQをさらに共
重合する、本発明の構成は、非常に有効である。
【0035】さらに、ODPAおよびTMHQの組み合
わせで実現できる好ましい他の特性を保持したまま、か
つ、300℃以上400℃以下の温度における200M
Pa以上という高い貯蔵弾性率を有する本発明の構成
は、非常に有効である。
【0036】本発明のモノマー投入順序により、300
℃以上400℃以下の温度における200MPa以上と
いう高い貯蔵弾性率を有するポリイミドフィルムを作製
する本発明の構成は、非常に有効である。
【0037】フィルム作製時、フィルムをたるませるこ
となく安定的に作製するためには、300℃以上400
℃以下の温度における貯蔵弾性率は、200MPa以
上、好ましくは400Ma以上、さらに好ましくは60
0MPa以上という高い貯蔵弾性率を有することが好ま
しい。300℃以上400℃以下の温度における貯蔵弾
性率が200MPa以下である場合には、フィルム製造
の条件によっては、フィルムがたるむ可能性が有り、好
ましくない。
【0038】ポリアミド酸の重合には種々の有機溶剤が
使用可能であるが、使用する有機溶剤の種類によって本
発明の効果が大きく影響されることはなく種々の有機溶
剤が用いられ得る。むしろ有機溶剤は使用するモノマー
の溶解性などに応じて選定すればよく、ポリアミド酸に
対して高い溶解性を有する高極性溶剤を用いることが好
ましいが、これらの高極性溶剤に貧溶剤を添加すること
も可能である。高極性溶剤の例としては、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の
アミド類、N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン
類、フェノール、p−クロロフェノール、o−クロロフ
ェノール等のフェノール類等が挙げられる。貧溶剤の例
としては、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトン、
メチルエチルケトン、メタノール、エタノール等が挙げ
られる。これらの溶剤を混合して、適当に溶解度パラメ
ータを調整することにより、溶解性を高めることもでき
る。
【0039】上記酸二無水物及びジアミンの添加量は、
上記p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル
無水物)が、全酸二無水物に対して0より多く90モル
%以下の範囲、好ましくは1〜90モル%であり、オキ
シジフタル酸二無水物が、全酸二無水物に対して10以
上100モル%未満、好ましくは、10〜99モル%で
あり、p−フェニレンジアミンが、全ジアミンに対して
25〜90モル%であり、4,4´−ジアミノジフェニ
ルエーテルが、全ジアミンに対して10〜75モル%で
ある。
【0040】ポリアミド酸の合成のための各モノマーの
添加順序は、製造されるポリイミドフィルムの300℃
以上400℃以下の温度における200MPa以上とい
う高い貯蔵弾性率を有する限りにおいては、特に限定さ
れず、様々な方法が可能である。溶剤に、全ジアミンを
溶解し、これにテトラカルボン酸二無水物を徐々に加え
ておおむね当量として粘度を調整しつつ、さらに残りの
テトラカルボン酸二無水物をそのままあるいは適当な溶
剤に溶解して加えて、当量比を等しくさせることが一般
的に行われているが、これに限定されない。
【0041】これらの添加順序によっては、フィルムの
特性を微妙に制御することも可能である。
【0042】具体的には、ODAとPDAを溶剤中に溶
解し、これに対して、TMHQを加え、その後ODPA
を加える方法、あるいは同様に2種のジアミンを溶剤に
溶解しておき、これに対して、ODPA、TMHQの順
に酸二水物を順次加える方法、または同様に2種のジア
ミンを溶解しておき、これに2種の酸二無水物の混合物
を加える方法、2種のジアミンのうちどちらか一方を溶
剤に溶解しておき、これに2種の酸二無水物から選択さ
れる1種を加えて、その後にもう1種のジアミンを加え
さらにその後もう1種の酸二無水物を加える方法、等を
挙げることができる。
【0043】1種のジアミンを複数のステップに分けて
添加すると、さらにバリエーションは多くなり、これら
により種々の特性のさらなる微妙な調整が可能である。
特に、ODAを有機溶剤中に溶解させ、該有機溶剤溶液
にTMHQを加え、続いてPDAを加え、続いてODP
Aを加えて得られたポリアミド酸重合体を、酸無水物と
第三級アミンとを用いて脱水閉環し、ポリイミドフィル
ムを得る方法は、製造されるポリイミドフィルムの30
0℃以上400℃以下の温度における200MPa以上
という高い貯蔵弾性率を有することにつながり、好まし
い。
【0044】また、特に、p−フェニレンジアミンを有
機溶剤中に溶解させ、続いてオキシジフタル酸二無水物
を加えて該有機溶剤溶液に4,4´−ジアミノジフェニ
ルエーテルを加え、続いて、p−フェニレンビス(トリ
メリット酸モノエステル無水物)を加え、続いてオキシ
ジフタル酸二無水物を加えて、得られたポリアミド酸重
合体を、酸無水物と第三級アミンとを用いて脱水閉環
し、ポリイミドフィルムを得る方法は、製造されるポリ
イミドフィルムの300℃以上400℃以下の温度にお
ける200MPa以上という高い貯蔵弾性率を有するこ
とにつながり、好ましい。
【0045】何れの場合もジアミン化合物のモル量の合
計と酸二無水物化合物のモル量の合計は、ほぼ同一とな
るように用いる。
【0046】ここで、「ほぼ同一」としたのは、完全に
同一であると重合度が過度に上がりすぎ、その結果溶液
粘度が過度に上昇して取り扱いにくくなるからである。
具体的には、ジアミン化合物モル量合計と、酸二無水物
化合物モル量合計の比率は、0.95〜1.05、好ま
しくは0.98〜1.02の範囲であり、1:1でない
ことが特に好ましい。
【0047】それぞれのモノマーの添加割合は、特に限
定されないが、好ましくは全酸二無水物中、TMHQ
は、0モル%より多く90モル%以下であり、ODPA
は、10モル%以上100モル%未満であり、全ジアミ
ン中、PDAは、25モル%以上90モル%以下であ
り、ODAは、10モル%以上75モル%以下である。
【0048】特に好ましくは、全酸二無水物中、TMH
Qは、1モル%以上90モル%以下であり、ODPA
は、10モル%以上99モル%以下である。
【0049】最も好ましくは、全酸二無水物中、TMH
Qは、1モル%以上50モル%以下であり、ODPA
は、50モル%以上99モル%以下であり、全ジアミン
中、PDAは、50モル%以上90モル%以下であり、
ODAは、10モル%以上50モル%以下である。
【0050】これら4種のモノマー以外のジアミンのモ
ノマー成分を少量加え、すなわちジアミンの場合はジア
ミン全体の10モル%以下、酸二無水物の場合は酸二無
水物全体の15モル%以下の量を加え、得られるポリイ
ミドフィルムの特性の微妙な調整をすることも可能であ
る。使用するモノマーにもよるが、概ねこの量以下の共
重合であれば、吸湿特性・熱特性・機械特性を好ましい
レベルに保つことができる。少量用いるモノマーとして
は、ジアミンとしては、ジメチルベンジジン、2、2´
−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、
4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、
またこれらのフッ素等ハロゲン置換体等があげられる。
酸無水物としては、3,3´,4,4´−ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二
無水物、3,3´,4,4´−ジフェニルスルフォンテ
トラカルボン酸二無水物、等を例示することができる。
【0051】重合反応は、一般的にポリアミド酸の重合
反応に用いられる温度であれば、特に限定されないが、
60℃以下が好ましく、40℃以下で行うことがより好
ましい。高温度になると、酸無水物基の開環反応が生じ
易く、ポリアミド酸の生成反応を阻害することがある。
【0052】重合反応は、窒素あるいはアルゴン等の不
活性ガス中で行わせることが好ましいが、その他の条件
下でも行い得る。
【0053】ポリアミド酸の溶液中の濃度は、5〜30
wt%、さらには10〜25wt%が好ましい。これよ
り低いと溶剤が増え、フィルム製造後の乾燥に時間がか
かり、これより高い濃度の場合、粘度が上昇して加工が
困難となる場合がある。
【0054】ポリアミド酸溶液の粘度は、フィルム加工
できる粘度であれば特に限定されないが、22℃で約1
00〜10000ポイズ程度、好ましくは、500〜6
000ポイズである。粘度が低過ぎるとフィルムの特性
に悪影響を与え、加工の際に厚みを安定化することも難
しい。一方、粘度が高過ぎる場合、溶液の攪拌が困難と
なり、フィルム状に加工する際に強い力が必要となり、
不都合である。
【0055】得られたポリアミド酸の溶液を、フィルム
状に形成し、ポリアミド酸をイミド化してポリイミドフ
ィルムを得ることができる。一般的には、このイミド化
は、加熱により脱水する熱的方法および脱水剤あるいは
イミド化触媒を用いる化学的方法とがある。このうちの
いずれの方法を用いてもよく、化学的方法と熱的方法を
併用することもできる。脱水剤と触媒を添加して加熱、
乾燥する化学的方法によれば、熱的方法よりも効率がよ
く、優れた特性がフィルムに付与され得る。脱水剤ある
いはイミド化触媒を用いない場合でも、本願発明の4種
のモノマーを用いるならば製造工程で延伸工程を入れる
等の方法により、同等の特性を実現することも可能であ
るが、生産性の面から、化学的方法が好ましい。
【0056】本発明に用いられる脱水剤は、例えば、無
水酢酸等の脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物などであ
る。また、イミド化に用いられる触媒は、ピリジン、α
−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、トリメチル
アミン、ジメチルアニリン、トリエチルアミン、イソキ
ノリンなどの第3級アミンなどである。
【0057】例えば、以下にイミド化の化学的方法の例
を挙げるが、本発明はこれに限定されない。すなわち、
得られたポリアミド酸溶液に化学量論以上の脱水剤と触
媒量の第3級アミンとを加えた溶液を、支持板やPET
等の有機化合物製のフィルム、ドラム、あるいはエンド
レスベルト状に流延又は塗布して膜状とし、その膜を1
50℃以下の温度で約5分〜90分間乾燥し、自己支持
性のポリアミド酸重合体の塗膜を得る。次にこれを支持
体より引き剥がして端部を固定する。その後、100℃
〜500℃程度まで徐々に加熱することによりイミド化
させ、冷却後これより取り外してポリイミドフィルムを
得る。
【0058】熱的方法によるイミド化の例は、上記の化
学的イミド化法と同様の工程が挙げられるが、これに限
定されない。すなわち、ポリアミド酸溶液を支持板やP
ET等の有機化合物製のフィルム、ドラムあるいはエン
ドレスベルト等の支持体上に流延または塗布して膜状と
し、加熱処理し得る。
【0059】フィルムの製造に際しては、さらに、熱劣
化防止剤を加えて焼成時のフィルムの劣化を防止し得
る。その他の添加剤を加えて、フィルム製造時における
フィルムの劣化等を防止することもできる。熱劣化防止
剤としては、トリフェニルフォスフェイト等のリン酸系
の劣化防止剤、置換基を有する又は置換基を有さないベ
ンゾフェノン等が挙げられる。その他の添加剤として
は、金属単体、有機金属化合物、またはガラス系のフィ
ラー類等が挙げられる。
【0060】上記のようにして製造される本発明にかか
るポリイミドフィルムは、高貯蔵弾性率を有しつつ、高
弾性率、高破断時伸び率、低線膨張係数、低吸湿膨張係
数、一定の耐熱性、接着性等それぞれの特性を有するバ
ランスのよいポリイミドフィルムである。
【0061】具体的には、本発明にかかるポリイミドフ
ィルムは、300℃以上400℃以下の温度における貯
蔵弾性率が200MPa以上である。また、100℃以
上200℃以下の平均線膨張係数が15〜30ppm、
引張弾性率が4.5〜8.5GPa、破断時伸び率が2
0%以上、吸湿膨張係数が10ppm以下、Tgが20
0℃以上である特性を顕現することができる。
【0062】ここで、本発明にかかるポリイミドフィル
ムの特性は、以下のように測定したものである。すなわ
ち、300℃以上400℃以下の温度における貯蔵弾性
率およびガラス転移温度(Tg)は、動的粘弾性測定装
置(セイコー電子工業株式会社製DMS200)を用い
て引張モードで、3℃/分の割合で昇温させながら測定
する。引張弾性率及び破断時伸び率とは、それぞれAS
TM−D882に準じた測定値をいう。平均線膨脹係数
は、セイコー電子工業株式会社製TMA120Cを用い
て、窒素の存在下、1分間に10℃の割合で温度を上昇
させて、100℃〜200℃の時の値を測定して求め
る。吸湿膨脹係数は、ポリイミドフィルムがたるまない
ように最低限の加重をかけた状態(5mm×20mmの
サンプルに対して、約3g)で、湿度を30RH%に調
湿し完全に飽和するまで吸湿させて寸法を計測し、その
後湿度を90RH%に調湿し同様に飽和吸湿させた後寸
法を計測し、両者の結果から相対湿度差1%あたりの寸
法変化率を求める。
【0063】
【実施例】以下に実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるも
のではない。
【0064】(実施例1)窒素置換雰囲気中の氷浴下で
ジメチルアセトアミド815g中に、28.8g(総ジ
アミン中の約37.5mol%)のODAを溶解し、3
5.1g(総酸二無水物中の約20mol%)のTMH
Qを溶解し、25.9g(総ジアミン中の約62.5m
ol%)のPDAを溶解し、これにODPA95.2g
(総酸二無水物中の約80mol%)を徐々に加えて良
く攪拌し反応させ、23℃での測定で約2500ポイズ
のポリアミド酸溶液を得た。
【0065】このポリアミド酸溶液100gを0℃程度
に冷却し、これに12.9gの無水酢酸と4.0gのイ
ソキノリンを加えて、均一に攪拌しこれを、SUS板上
に焼成後50μmになるような所定の厚みにキャスト
し、125℃で5分熱風乾燥した。その後SUS板より
フィルムを引き剥がし、これを端部を固定した状態で1
70℃で1.5分、250℃で1.5分、350℃で3
分、430℃で3分加熱乾燥し、ポリイミドフィルムを
得た。この製膜中に、フィルムがたるむことは無かっ
た。このフィルムの引張弾性率、破断時伸び率、線膨張
係数、吸湿膨張係数、Tg、350℃での貯蔵弾性率を
測定した結果を表1に示す。
【0066】(実施例2)窒素置換雰囲気中の氷浴下で
ジメチルアセトアミド815g中に、28.6g(総ジ
アミン中の約37.5mol%)のODAを溶解し、3
8.6g(総酸二無水物中の約22.1mol%)のT
MHQを溶解し、25.7g(総ジアミン中の約62.
5mol%)のPDAを溶解し、これにODPA92.
1g(総酸二無水物中の約77.9mol%)を徐々に
加えて良く攪拌し反応させ、23℃での測定で約250
0ポイズのポリアミド酸溶液を得た。
【0067】このポリアミド酸溶液を実施例1と同様の
方法で加工し、ポリイミドフィルムとした。この製膜中
に、フィルムがたるむことは無かった。実施例1と同様
に、特性試験を行った。その結果を表1に示す。
【0068】(実施例3)窒素置換雰囲気中の氷浴下で
ジメチルアセトアミド780g中に、33.1g(総ジ
アミン中の約37.5mol%)のODAを溶解し、6
2.7g(総酸二無水物中の約31mol%)のTMH
Qを溶解し、29.8g(総ジアミン中の約62.5m
ol%)のPDAを溶解し、これにODPA94.4g
(総酸二無水物中の約69mol%)を徐々に加えて良
く攪拌し反応させ、23℃での測定で約2500ポイズ
のポリアミド酸溶液を得た。
【0069】このポリアミド酸溶液を実施例1と同様の
方法で加工し、ポリイミドフィルムとした。この製膜中
に、フィルムがたるむことは無かった。実施例1と同様
に、特性試験を行った。その結果を表1に示す。
【0070】(実施例4)窒素置換雰囲気中の氷浴下で
ジメチルアセトアミド815g中に、31.5g(総ジ
アミン中の約42.9mol%)のODAを溶解し、5
2.2g(総酸二無水物中の約31mol%)のTMH
Qを溶解し、22.7g(総ジアミン中の約57.1m
ol%)のPDAを溶解し、これにODPA78.6g
(総酸二無水物中の約69mol%)を徐々に加えて良
く攪拌し反応させ、23℃での測定で約2500ポイズ
のポリアミド酸溶液を得た。
【0071】このポリアミド酸溶液を実施例1と同様の
方法で加工し、ポリイミドフィルムとした。この製膜中
に、フィルムがたるむことは無かった。実施例1と同様
に、特性試験を行った。その結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】(実施例5)窒素置換雰囲気中の氷浴下で
ジメチルアセトアミド815g中に、27.5g(総ジ
アミン中の約62.5mol%)のPDAを溶解し、7
7.6g(総酸二無水物中の約61.5mol%)のO
DPAを溶解し、30.5g(総ジアミン中の約37.
5mol%)のODAを溶解し、これにODPA46.
7g(総酸二無水物中の約37mol%)を徐々に加え
て良く攪拌し反応させ、続いてTMHQ2.8g(総酸
二無水物中の約1.5mol%)を徐々に加え、23℃
での測定で約2500ポイズのポリアミド酸溶液を得
た。
【0074】このポリアミド酸溶液を実施例1と同様の
方法で加工し、ポリイミドフィルムとした。この製膜中
に、フィルムがたるむことは無かった。実施例1と同様
に、特性試験を行った。その結果を表2に示す。
【0075】(実施例6)窒素置換雰囲気中の氷浴下で
ジメチルアセトアミド815g中に、25.1g(総ジ
アミン中の約62.5mol%)のPDAを溶解し、7
0.8g(総酸二無水物中の約61.5mol%)のO
DPAを溶解し、27.8g(総ジアミン中の約37.
5mol%)のODAを溶解し、これにODPA8.6
g(総酸二無水物中の約7.5mol%)を徐々に加え
て良く攪拌し反応させ、続いてTMHQ52.7g(総
酸二無水物中の約31mol%)を徐々に加え、23℃
での測定で約2500ポイズのポリアミド酸溶液を得
た。
【0076】このポリアミド酸溶液を実施例1と同様の
方法で加工し、ポリイミドフィルムとした。この製膜中
に、フィルムがたるむことは無かった。実施例1と同様
に、特性試験を行った。その結果を表2に示す。
【0077】(実施例7)窒素置換雰囲気中の氷浴下で
ジメチルアセトアミド815g中に、21.3g(総ジ
アミン中の約53.9mol%)のPDAを溶解し、5
9.9g(総酸二無水物中の約52.9mol%)のO
DPAを溶解し、33.7g(総ジアミン中の約46.
1mol%)のODAを溶解し、これにODPA18.
2g(総酸二無水物中の約16.1mol%)を徐々に
加えて良く攪拌し反応させ、続いてTMHQ51.9g
(総酸二無水物中の約31mol%)を徐々に加え、2
3℃での測定で約2500ポイズのポリアミド酸溶液を
得た。
【0078】このポリアミド酸溶液を実施例1と同様の
方法で加工し、ポリイミドフィルムとした。この製膜中
に、フィルムがたるむことは無かった。実施例1と同様
に、特性試験を行った。その結果を表2に示す。
【0079】
【表2】
【0080】(実施例8)窒素置換雰囲気中の氷浴下で
ジメチルアセトアミド815g中に、25.7g(総ジ
アミン中の約62.5mol%)のPDAを溶解し、7
2.7g(総酸二無水物中の約61.5mol%)のO
DPAを溶解し、28.6g(総ジアミン中の約37.
5mol%)のODAを溶解し、これにTMHQ38.
6g(総酸二無水物中の約22.1mol%)を徐々に
加えて良く攪拌し反応させ、続いてODPA19.4g
(総酸二無水物中の約16.4mol%)を徐々に加
え、23℃での測定で約2500ポイズのポリアミド酸
溶液を得た。
【0081】このポリアミド酸溶液を実施例1と同様の
方法で加工し、ポリイミドフィルムとした。この製膜中
に、フィルムがたるむことは無かった。実施例1と同様
に、特性試験を行った。その結果を表3に示す。
【0082】(実施例9)窒素置換雰囲気中の氷浴下で
ジメチルアセトアミド815g中に、25.7g(総ジ
アミン中の約62.5mol%)のPDAを溶解し、6
4.8g(総酸二無水物中の約54.8mol%)のO
DPAを溶解し、28.6g(総ジアミン中の約37.
5mol%)のODAを溶解し、これにTMHQ38.
6g(総酸二無水物中の約22.1mol%)を徐々に
加えて良く攪拌し反応させ、続いてODPA27.3g
(総酸二無水物中の約23.1mol%)を徐々に加
え、23℃での測定で約2500ポイズのポリアミド酸
溶液を得た。
【0083】このポリアミド酸溶液を実施例1と同様の
方法で加工し、ポリイミドフィルムとした。この製膜中
に、フィルムがたるむことは無かった。実施例1と同様
に、特性試験を行った。その結果を表3に示す。
【0084】(実施例10)窒素置換雰囲気中の氷浴下
でジメチルアセトアミド815g中に、25.7g(総
ジアミン中の約62.5mol%)のPDAを溶解し、
58.7g(総酸二無水物中の約49.7mol%)の
ODPAを溶解し、28.6g(総ジアミン中の約3
7.5mol%)のODAを溶解し、これにTMHQ3
8.6g(総酸二無水物中の約22.1mol%)を徐
々に加えて良く攪拌し反応させ、続いてODPA33.
3g(総酸二無水物中の約28.2mol%)を徐々に
加え、23℃での測定で約2500ポイズのポリアミド
酸溶液を得た。
【0085】このポリアミド酸溶液を実施例1と同様の
方法で加工し、ポリイミドフィルムとした。この製膜中
に、フィルムがたるむことは無かった。実施例1と同様
に、特性試験を行った。その結果を表3に示す。
【0086】(実施例11)窒素置換雰囲気中の氷浴下
でジメチルアセトアミド815g中に、25.7g(総
ジアミン中の約62.5mol%)のPDAを溶解し、
55.7g(総酸二無水物中の約47.1mol%)の
ODPAを溶解し、28.6g(総ジアミン中の約3
7.5mol%)のODAを溶解し、これにTMHQ3
8.6g(総酸二無水物中の約22.1mol%)を徐
々に加えて良く攪拌し反応させ、続いてODPA36.
4g(総酸二無水物中の約30.8mol%)を徐々に
加え、23℃での測定で約2500ポイズのポリアミド
酸溶液を得た。
【0087】このポリアミド酸溶液を実施例1と同様の
方法で加工し、ポリイミドフィルムとした。この製膜中
に、フィルムがたるむことは無かった。実施例1と同様
に、特性試験を行った。その結果を表3に示す。
【0088】
【表3】
【0089】(比較例1)窒素置換雰囲気中の氷浴下で
ジメチルアセトアミド624g中に、PDA23.8g
(総ジアミン中の約62.5mol%)およびODA2
6.5g(総ジアミン中の約37.5mol%)を溶解
し、これにTMHQ50.1g(総酸二無水物中の約3
1mol%)を徐々に加えて良く攪拌し反応させ、続い
てODPA75.5g(総酸二無水物中の約69mol
%)を徐々に加え、23℃での測定で約2500ポイズ
のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液を実
施例1と同様の方法で加工し、ポリイミドフィルムとし
た。この製膜中に、フィルムがたるんだ。結果、平坦な
フィルムを作製することは困難であったが、若干平坦な
部分を使用して、実施例1と同様に、特性試験を行っ
た。その結果を表4に示す。
【0090】
【表4】
【0091】
【発明の効果】本発明のポリイミドフィルムはこれまで
のベース用ポリイミドフィルムに無い優れた吸湿特性、
特に低い吸湿膨張を有し、なおかつ高弾性、高貯蔵弾性
率でありながら銅の線膨張係数を下回ることなく、従っ
て銅張の基板やTAB用テープとして用いた場合に極め
て優れた反り特性を発現できる。本発明のポリイミドフ
ィルムは、柔軟性・耐熱性にも優れ、ベースポリイミド
フィルムとして必要な特性を損なわないため、益々細密
化する電子機器に対応することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA60 AF20Y AF21Y AF54 AH13 BA02 BB02 BC01 4J043 PA06 PA08 QB15 QB26 RA05 RA35 SA06 SB03 TA22 TB03 UA121 UA131 UA132 UA142 UB121 UB122 UB172 VA021 VA022 VA062 XA04 XA16 XB35 ZA32 ZA34 ZA35 ZB50

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p−フェニレンビス(トリメリット酸モ
    ノエステル無水物)と、オキシジフタル酸二無水物と、
    p−フェニレンジアミンと、4,4´−ジアミノジフェ
    ニルエーテルとで構成される4種のモノマーを反応させ
    て得られるポリアミド酸から製造されることを特徴とす
    るポリイミドフィルムであって、300℃以上400℃
    以下の温度における貯蔵弾性率が200MPa以上であ
    ることを特徴とするポリイミドフィルム。
  2. 【請求項2】 前記ポリアミド酸から製造されるポリイ
    ミドフィルムにおいて、前記モノマーの添加量が、p−
    フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)
    が、全酸二無水物に対して1〜90モル%であり、オキ
    シジフタル酸二無水物が、全酸二無水物に対して10〜
    99モル%であり、p−フェニレンジアミンが、全ジア
    ミンに対して25〜90モル%であり、4,4´-ジアミ
    ノジフェニルエーテルが、全ジアミンに対して10〜7
    5モル%であることを特徴とする請求項1記載のポリイ
    ミドフィルム。
  3. 【請求項3】 ポリイミドフィルムの物性が、100℃
    以上200℃以下の平均線膨張係数が15〜30pp
    m、引張弾性率が4.5〜8.5GPa、破断時伸び率
    が20%以上、吸湿膨張係数が10ppm以下、Tgが
    200℃以上であることを特徴とする請求項1又は2記
    載のポリイミドフィルム。
  4. 【請求項4】 4,4´−ジアミノジフェニルエーテル
    を有機溶剤中に溶解させ、該有機溶剤溶液にp−フェニ
    レンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)を加
    え、続いてp−フェニレンジアミンを加え、続いてオキ
    シジフタル酸二無水物を加えて得られたポリアミド酸重
    合体を、酸無水物と第三級アミンとを用いて脱水閉環
    し、ポリイミドフィルムを得ることを特徴とするポリイ
    ミドフィルムの製造方法であって、請求項1〜3記載の
    ポリイミドフィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 p−フェニレンジアミンを有機溶剤中に
    溶解させ、続いてオキシジフタル酸二無水物を加えて該
    有機溶剤溶液に4,4´−ジアミノジフェニルエーテル
    を加え、続いてオキシジフタル酸二無水物を加えて、続
    いて、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステ
    ル無水物)を加え、得られたポリアミド酸重合体を、酸
    無水物と第三級アミンとを用いて脱水閉環し、ポリイミ
    ドフィルムを得ることを特徴とするポリイミドフィルム
    の製造方法であって、請求項1〜3記載のポリイミドフ
    ィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 p−フェニレンジアミンを有機溶剤中に
    溶解させ、続いてオキシジフタル酸二無水物を加えて該
    有機溶剤溶液に4,4´−ジアミノジフェニルエーテル
    を加え、続いて、p−フェニレンビス(トリメリット酸
    モノエステル無水物)を加え、続いてオキシジフタル酸
    二無水物を加えて、得られたポリアミド酸重合体を、酸
    無水物と第三級アミンとを用いて脱水閉環し、ポリイミ
    ドフィルムを得ることを特徴とするポリイミドフィルム
    の製造方法であって、請求項1〜3記載のポリイミドフ
    ィルムの製造方法。
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