JP2000299359A - Tab用テープ - Google Patents

Tab用テープ

Info

Publication number
JP2000299359A
JP2000299359A JP11108699A JP10869999A JP2000299359A JP 2000299359 A JP2000299359 A JP 2000299359A JP 11108699 A JP11108699 A JP 11108699A JP 10869999 A JP10869999 A JP 10869999A JP 2000299359 A JP2000299359 A JP 2000299359A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mol
polyimide film
tab tape
dianhydride
polyamic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11108699A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichiro Tanaka
田中康一郎
Hitoshi Nojiri
野尻仁志
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP11108699A priority Critical patent/JP2000299359A/ja
Publication of JP2000299359A publication Critical patent/JP2000299359A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来なかった優れた反り特性を有し、なおか
つ吸湿による寸法変化が小さい、同時に柔軟性・耐熱性
にも優れ、高貯蔵弾性率(300℃以上400℃以下の
温度における貯蔵弾性率が200MPa以上)を有し、
ますます細密化し多様化する半導体パッケージ用材料と
して極めて有用な、TAB用テープを得ることを目的と
する。 【解決手段】 ポリイミドフィルムと導電性金属層を介
してまたは介さずに積層されたTAB用テープにおい
て、ポリイミドフィルムが、特定割合のpーフェニレン
ビス(トリメリット酸モノエステル無水物)と、オキシ
ジフタル酸二無水物、及びp-フェニレンジアミンと、
4,4´−ジアミノジフェニルエーテルを有機溶剤中で
反応させて得られるポリアミド酸から得られたポリイミ
ドフィルムを用いることにより、TAB用テープを得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低反り、高寸法安
定性のTAB用テープに関する物である。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ並びにIC制御の電気・電
子機器の小型化・ポータブル化に伴い、これらに用いら
れるICパッケージ材料も小型化・薄型化が益々求めれ
るようになっている。このため、これらに施される配線
パターンも細密になり、その分求められる寸法精度も厳
しくなっている。
【0003】その結果、薄型ICパッケージのひとつで
あるTAB用テープについても寸法変化ができるだけ小
さいものが要求される。寸法変化を小さくするために
は、TAB用テープのベース材すなわちポリイミドフィ
ルムが応力・温度変化・吸湿度変化による寸法変化が小
さいことが必要になる。すなわち線膨張係数が小さく、
弾性率が高く吸湿膨張係数の低いポリイミドフィルムが
求められるのである。
【0004】ただし、線膨張係数に関してはTAB用テ
ープとして用いる場合、金属層特に銅箔との張り合わせ
品として加工されるため、銅の線膨張係数と大きく異な
ると、張り合わせ品の反りを生じ、それにより加工がし
にくくなりかえってトータルの寸法精度や歩留まりを低
下させる結果となる。従って、銅箔の線膨脹係数との差
が小さい線膨脹係数が求められる。
【0005】また弾性率については、引張りに対する寸
法変化を小さくするというだけでなく、材料が益々薄型
化するに伴って、積層材全体としての「こし」を保ち各
種工程を安定に保つためにも、高弾性率が求められる。
【0006】フィルムの高弾性率化のためには、剛直な
構造のモノマー即ち直線性の高いモノマーを用いれば良
いことは広く知られているところである。ところが、直
線性の高いモノマーを多量用いればフィルムの線膨張係
数は低くなりすぎて、上記用途には適さなくなる。従っ
て、一定以上の高い弾性率を有しながらも、線膨張係数
は銅箔のそれに対し著しく差異がないことが求められる
のである。
【0007】比較的高い弾性率を実現しながらも線膨張
係数を下げ過ぎないための方法論として、一次構造(モ
ノマー構造)としては比較的剛直な構造を用いながら
も、これを熱キュア法で製造し(すなわち化学的イミド
化剤を用いずに製造し)、面方向の配向を甘くするとい
う方法でこのバランスがとれる例もあるが、熱キュア法
は化学的キュア法に比べ必要な加熱時間が長く、生産性
に劣るという不利がある。
【0008】さらに高弾性率を実現するのは、基本的に
剛直で直線性の高いモノマーを用いる必要があるが、そ
の結果、フィルムの柔軟性は損なわれ、TAB用フィル
ムとしての利点の一つである折り曲げ可能という点に、
難が生じる可能性がある。
【0009】また、半導体パッケージ用途等では、半導
体の信頼性の観点から、吸水率ができるだけ低いことが
求められ、上述のように寸法安定性の観点から低い吸湿
膨張係数を有することが求められる。吸水率や吸湿膨張
係数を下げるためには、分子構造中のイミド基量を減ら
すことが有効である。イミド基量をへらすには、長鎖の
モノマーを用いることが有効であり、この長鎖のモノマ
ーとしては屈曲基を主鎖中に複数含むモノマーを使用さ
れることが多い。しかし、これは弾性率の低下や線膨張
係数の過度な増大をまねき、上記の寸法安定性の観点か
らは好ましくない。極端な場合は低温(例えば200℃
以下)にTgを有するような熱可塑性を示すようにな
り、ベースフィルムとして用いるには適さなくなる。
【0010】しかし、直線性で長いモノマーを用いる
と、分子鎖のパッキングが難しくなり、十分な靭性を発
現することができず、場合によってはフィルムに加工す
ること自体が困難になるという問題がある。
【0011】また、一般に粘弾性体(ポリイミドフィル
ムも含まれる)の貯蔵弾性率の値は、Tgを越える温度
領域において、常温での貯蔵弾性率の値よりも低くなる
(1桁、場合によっては2〜3桁程度低くなる)ことが
知られており、フィルム作製に通常使用する温度(例え
ば300℃以上400℃以下)における貯蔵弾性率が極
端に小さい場合、フィルム作製の温度領域において極端
にフィルムがたるむことなどにより、たるみの無い平坦
なフィルムを作製すること自体が困難になる場合があ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な要求と現状に鑑み、高い弾性率・銅に近い線膨張係数
・十分な靭性・低吸水率と低吸湿膨張係数といった特性
を併せ持つポリイミドフィルムを用いることによって従
来レベルを上回る低反り・高寸法安定性のTAB用テー
プを得ることを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前述の要求
に鑑みTAB用テープに用いるポリイミドフィルムの種
々の組成を検討した結果、特定の組成のポリイミドフィ
ルムを用いることにより、極めて優れた反り特性と寸法
安定性を有したTAB用テープを見出したものである。
【0014】すなわち本発明の第1は、ポリイミドフィ
ルムと導電性金属層を接着剤を介してまたは介さずに積
層されたTAB用テープにおいて、該ポリイミドフィル
ムが、300℃以上400℃以下の温度における貯蔵弾
性率が200MPa以上であることを特徴とするポリイ
ミドフィルムであって、全酸二無水物に対し、1〜90
モル%のp−フェニレンビス(トリメリット酸モノエス
テル無水物)と、10〜99モル%のオキシジフタル酸
二無水物、及び全ジアミンに対し25〜90モル%のp
−フェニレンジアミンと、10〜75モル%の4,4´
−ジアミノジフェニルエーテルを、反応させて得られる
ポリアミド酸から製造されたことを特徴とするTAB用
テープを内容とするものである。
【0015】本発明の第2は、ポリイミドフィルムと導
電性金属層を接着剤を介してまたは介さずに積層された
TAB用テープにおいて、該ポリイミドフィルムが、全
酸二無水物に対し、1〜50モル%のp−フェニレンビ
ス(トリメリット酸モノエステル無水物)と50〜99
モル%のオキシジフタル酸二無水物、及び、全ジアミン
に対し、50〜90モル%のp−フェニレンジアミンと
10〜50モル%の4,4´−ジアミノジフェニルエー
テルを、反応させて得られるポリアミド酸から製造され
たものであることを特徴とするTAB用テープを内容と
するものである。
【0016】本発明の第3は、ポリイミドフィルムと導
電性金属層を接着剤を介してまたは介さずに積層された
TAB用テープにおいて、該ポリイミドフィルムが、ポ
リアミド酸からのポリイミドへのイミド化の工程におい
て、酸無水物と第三級アミンを化学イミド化剤として用
いて製造されたポリイミドからなり、100℃から20
0℃の間の平均線膨張係数が15〜30ppm、引張弾
性率が4.5〜8.5GPa、引張伸び率が20%以
上、吸湿膨張係数が10ppm以下、Tgが200℃以
上であるポリイミドフィルムを用いたことを特徴とする
請求項1又は請求項2のTAB用テープを内容とする。
【0017】本発明の第4は、前記TAB用テープに使
用されるポリイミドフィルムの製造方法であって、4,
4´−ジアミノジフェニルエーテルを有機溶剤中に溶解
させ、該有機溶剤溶液にp−フェニレンビス(トリメリ
ット酸モノエステル無水物)を加え、続いてp−フェニ
レンジアミンを加え、続いてオキシジフタル酸二無水物
を加えて得られたポリアミド酸重合体を、酸無水物と第
三級アミンとを用いて脱水閉環し、ポリイミドフィルム
を得ることを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法
を内容とする。
【0018】本発明の第5は、前記TAB用テープに使
用されるポリイミドフィルムの製造方法であって、p−
フェニレンジアミンを有機溶剤中に溶解させ、続いてオ
キシジフタル酸二無水物を加えて該有機溶剤溶液に4,
4´−ジアミノジフェニルエーテルを加え、続いてオキ
シジフタル酸二無水物を加えて、続いて、p−フェニレ
ンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)を加え、
得られたポリアミド酸重合体を、酸無水物と第三級アミ
ンとを用いて脱水閉環し、ポリイミドフィルムを得るこ
とを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法を内容と
する。
【0019】本発明の第6は、前記TAB用テープに使
用されるポリイミドフィルムの製造方法であって、p−
フェニレンジアミンを有機溶剤中に溶解させ、続いてオ
キシジフタル酸二無水物を加えて該有機溶剤溶液に4,
4´−ジアミノジフェニルエーテルを加え、続いて、p
−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水
物)を加え、続いてオキシジフタル酸二無水物を加え
て、得られたポリアミド酸重合体を、酸無水物と第三級
アミンとを用いて脱水閉環し、ポリイミドフィルムを得
ることを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法を内
容とする。
【0020】p−フェニレンビス(トリメリット酸モノ
エステル無水物)モノマーは、パラフェニレンジアミン
との組み合わせにおいて、全体として棒状構造を有すた
め高弾性を示すことが可能であり、さらに主鎖構造上に
はエステル結合を有し、これが熱的にはやや柔軟である
ため、例えばピロメリット酸を用いた場合等に比べると
線膨張係数が極端に下がることが無い。また、エステル
結合がイミド環の分極を緩和し、吸水率を下げ吸水膨張
率を下げる効果も有するのである。
【0021】ところが、p−フェニレンビス(トリメリ
ット酸モノエステル無水物)モノマーは、ピロメリット
酸二無水物に比較して熱的に柔軟であるが、p−フェニ
レンジアミンとの組み合わせでは、構造的に硬すぎまた
線膨張係数も依然低く、さらに靭性が不十分でありTA
B用途には適さない。この傾向は、ジアミノジフェニル
エーテルを共重合することにより構造を柔らかくしてバ
ランスをとろうとしても、傾向が極端ではなくなるだけ
で、依然一定以上の弾性率を得ようとすると線膨張係数
は下がりすぎ、また靭性も不十分である。
【0022】この観点から、オキシジフタル酸二無水物
はより好ましく、p−フェニレンジアミンとジアミノジ
フェニルエーテルとの共重合によって、適度に高い弾性
率と銅との組み合わせにおいて不都合のない適度な線膨
張係数、また十分な靭性等を実現することができる。
【0023】しかし、オキシジフタル酸二無水物との共
重合させるのみでは、吸水率そのものはさほど下がらな
い。そこで、本発明者らは、p−フェニレンビス(トリ
メリット酸モノエステル無水物)をさらに共重合するこ
とにより、吸湿特性を下げてかつ諸特性を好ましく保持
し得る上記の組み合わせを見出した。
【0024】特に本発明はポリアミド酸からポリイミド
へのイミド化の工程において、酸無水物と第三級アミン
を化学イミド化剤として用いた場合に、TAB用に最適
な特性が発現できるものであり、すなわちその特性とは
100℃から200℃の間の平均線膨張係数が15〜3
0ppm、さらに好ましくは18〜26ppm、引張弾
性率が4.5〜8.5GPa、さらに好ましくは5.5
〜8.5GPa、引張伸び率が20%以上、吸湿膨張係
数が10ppm以下、Tgが200℃以上である。
【0025】上記のように化学イミド化剤を用いると生
産性が良いので好ましい。なお、化学イミド化剤を用い
ない場合でも、上記組成を用いるならば製造工程で延伸
工程を入れる等の方法により、同等の特性を実現するこ
とも可能である。
【0026】さらに、オキシジフタル酸二無水物および
p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水
物)の組み合わせで実現できる好ましい他の特性を保持
したまま、かつ、300℃以上400℃以下の温度にお
ける200MPa以上という高い貯蔵弾性率を有する本
発明の構成は、非常に有効である。
【0027】本発明のモノマー投入順序により、300
℃以上400℃以下の温度における200MPa以上と
いう高い貯蔵弾性率を有するポリイミドフィルムを作製
する本発明の構成は、非常に有効である。
【0028】フィルム作製時、フィルムをたるませるこ
となく安定的に作製するためには、300℃以上400
℃以下の温度における貯蔵弾性率は、200MPa以
上、好ましくは400Ma以上、さらに好ましくは60
0MPa以上という高い貯蔵弾性率を有することが好ま
しい。300℃以上400℃以下の温度における貯蔵弾
性率が200MPa以下である場合には、フィルム製造
の条件によっては、フィルムがたるむ可能性が有り、好
ましくない。
【0029】以上に説明したようなポリイミドフィルム
を用いることによって、本発明において、金属箔、特に
銅箔との積層品であるTAB用テープとして極めて良好
な反り特性と低寸法変化を実現できるのである。
【0030】
【発明の実施の形態】ポリアミド酸の重合には種々の有
機溶剤が使用可能であるが、使用する有機溶剤の種類に
よって本発明の効果が大きく影響されることはなく種々
の有機溶剤が用いられ得る。むしろ有機溶剤は使用する
モノマーの溶解性などに応じて選定すれば良く、ポリア
ミド酸に対して高い溶解性を有する高極性溶剤を用いる
ことが好ましいが、これらの高極性溶剤に貧溶剤を添加
することも可能である。高極性溶剤の例としては、N,
N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミド等のアミド類、N−メチル−2−ピロリドン等のピ
ロリドン類、フェノール、p−クロロフェノール、o−
クロロフェノール等のフェノール類等が挙げられる。貧
溶剤の例としては、トルエン、テトラヒドロフラン、ア
セトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール
等が挙げられる。これらの溶剤を混合して、適当に溶解
度パラメータを調整することにより、溶解性を高めるこ
ともできる。
【0031】またこれらの溶解性の高い高極性溶媒に対
し、トルエン・テトラヒドロフラン・アセトン・メチル
エチルケトン・メタノール・エタノール等の貧溶媒を一
部添加することも可能である。場合によっては、これら
を混合し、適当な溶解度パラメータに調整することによ
り単一溶媒よりも溶解性を高めることも可能であるし、
また沸点が低いまたは揮発性が高い溶剤を用いることで
工程の時間を短縮し生産性を上げるという効果もある。
【0032】本発明に用いられるポリイミドフィルム
は、有機溶剤中で、酸二無水物としてp−フェニレンビ
ス(トリメリット酸モノエステル無水物)(以下、TM
HQという)
【0033】
【化1】
【0034】オキシジフタル酸二無水物(以下、ODP
Aという)
【0035】
【化2】
【0036】及び、ジアミンとして、p−フェニレンジ
アミン(以下、PDAという)
【0037】
【化3】
【0038】4,4‘ジアミノジフェニルエーテル(以
下、ODAという)
【0039】
【化4】
【0040】の4種のモノマーを有機溶剤中で反応させ
て得られるポリアミド酸をイミド化して得られる。
【0041】モノマーの添加割合は、目的の諸特性を得
るためには、具体的には、全酸二無水物中TMHQが1
〜90モル%、ODPAが10〜99モル%、及び全ジ
アミン中PDAが25〜90モル%とODAが10〜7
5モル%が好ましい。より好ましくは、全酸二無水物に
対しTMHQ1〜50モル%、ODPAが50〜99モ
ル%、及び全ジアミンに対しPDAが50〜90モル
%、ODAが10〜50モル%である。モノマーの添加
順序については種々の方法を取ることができる。それら
の順序によってフィルム特性を微妙にコントロールする
こともできる。具体例を上げて説明すると、例えば、
(1)ODAとPDAを溶剤中に溶解し、これに対して、
TMHQを加え、その後ODPAを加える方法、(2)同
様に2種のジアミンを溶剤に溶解しておき、これに(1)
の順序とは逆の順序で二種の酸二無水物を順次加える方
法、(3)同様に2種のジアミンを溶解しておき、これに
2種の酸二無水物の混合物を加える方法、(4)2種のジ
アミンのうちどちらか一方を溶剤に溶解しておき、これ
に2種の酸二無水物のうち1種を加えて、その後にもう
1種のジアミンを加え、さらにその後もう1種の酸二無
水物を加える方法、(5)2種のジアミンのうちどちらか
一方を溶剤に溶解しておき、これに2種の酸二無水物の
うち1種を加えて、その後にもう1種のジアミンを加
え、さらにその後もう1種または2種以上の酸二無水物
を加える方法、等を挙げることができる。
【0042】1種のジアミンを複数のステップに分けて
添加することなどでさらにバリエーションは多くなり、
これらにより種々の特性の微妙な調整が可能である。
【0043】何れの場合もジアミン化合物のモル量の合
計と酸二無水物化合物のモル量の合計はほぼ同一となる
ように用いる。「ほぼ同一」の表現の意味は、完全に同
一であると重合度が過度に上がりすぎ、その結果溶液粘
度が過度に上昇して取り扱えなくなるからである。ジア
ミン化合物モル量合計と、酸二無水物化合物モル量合計
の比率が0.95〜1.05、好ましくは0.98〜
1.02の範囲でかつ粘度が下記に示すような適度な値
となるようにするのが良い。
【0044】なお、上述の3ないし4種のモノマー以外
のモノマー成分を少量、すなわちジアミンの場合はジア
ミン全体の10モル%以下、酸二無水物の場合は酸二無
水物全体の15モル%以下の量を用いて特性の微妙な調
整をすることも可能である。使用するモノマーにもよる
が、概ねこの量以下の共重合であれば、吸湿特性・熱特
性・機械特性を好ましいレベルに保つことができる。
【0045】少量用いるモノマーとしては、以下のもの
を例示し得る。例えば、ジアミンとしては、ジメチルベ
ンジジン、2、2´−ビス(4−アミノフェノキシフェ
ニル)プロパン、4,4´−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ビフェニル、またこれらのフッ素等ハロゲン置換体
等があげられる。酸二無水物としては、3,3´,4,
4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3
´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物、ピロメリット酸二無水物、3,3´,4,4´−ジ
フェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、等が挙
げられる。
【0046】上記重合反応に際して、反応系は一貫して
60℃以下好ましくは40℃以下において行われること
が好ましい。温度が高い状態であると、酸二無水物基の
開環反応が生じやすくポリアミド酸の生成反応を阻害す
ることがある。また窒素・アルゴン等の不活性ガス中で
反応を行うことが好ましい。
【0047】ポリアミド酸の溶液中の濃度は、5〜30
wt%さらには10〜25wt%が好ましい。これより
低いと乾燥すべき溶剤が増えるために生産性が落ちる
し、これより高いと特性発現に必要な分子量にすると粘
度が高くなりすぎる。加工性の面から粘度は、22℃で
100〜10000poise、好ましくは500〜6
000poiseに設定するのが好ましい。低すぎる
と、分子量が低いということであり、従ってフィルムと
した場合の特性が不十分となるし、また低すぎる粘度は
加工の際に安定した厚みを出すことが難しくなる。高す
ぎる粘度は溶液の攪拌やフィルム状への加工に強い力が
必要になり不都合である。上記の様にして得られたポリ
アミド酸溶液をポリイミドフィルムに加工するために
は、イミド化触媒を用いる化学的キュア法と、用いない
熱キュア法とがあるが、脱水剤と触媒を添加した上で加
熱・乾燥する化学的キュア法が生産性もよくまた上述の
組成で通常の製法によりバランスのとれた特性となるの
で好ましい。
【0048】以下に化学的キュア法によるポリイミドフ
ィルムの作成方法についての例を説明する。
【0049】上記ポリアミック酸溶液に化学量論以上の
脱水剤と触媒量の第3級アミンを加えた溶液を、支持板
やPET等の有機フィルム、ドラム或はエンドレスベル
ト等の支持体上に流延または塗布して膜状とし、その膜
を150℃以下の温度で約5〜90分間乾燥し、自己支
持性のポリアミック酸の膜を得る。ついで、これを支持
体より引き剥し端部を固定する。その後約100〜45
0℃程度まで徐々に加熱することによりイミド化し、冷
却後これより取り外し本発明のポリイミドフィルムを得
る。
【0050】ここで言う脱水剤としては、例えば無水酢
酸等の脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物などが挙げられ
る。また触媒としては、例えばトリエチルアミンなどの
脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリン等の芳香族第
3級アミン類、ピリジン、ピコリン、イソキノリン等の
複素環式第3級アミン類などが挙げられる。
【0051】高温域での焼成時のフィルムの劣化を防止
する目的で、熱劣化防止剤を添加することが有効であ
る。熱劣化防止剤としては、トリフェニルフォスフェイ
ト等のリン酸系の劣化防止剤、置換基を有する又は有さ
ないベンゾフェノン等が上げられる。
【0052】またフィルムとしての種々の特性をさらに
向上させる目的で、ポリアミド酸溶液を調製する際、あ
るいはポリアミド酸溶液を調製した後、または化学的方
法による脱水剤及び触媒に、上記熱的・機械的特性を低
下させない範囲で、少量の金属単体や有機金属化合物ま
たガラス系等のフィラー類・上記以外の熱硬化性樹脂、
酸化防止剤、光安定剤,難燃剤、帯電防止剤、熱安定
剤、紫外線吸収剤、あるいは無機フィラー類、またはそ
の他の強化剤等を混合し得る。
【0053】ポリイミドフィルムの厚みは12〜150
μm、好ましくは25〜125μm、さらに好ましくは5
0〜75μmが適当である。薄すぎるとフィルムのコシ
がなくなり、加工がしにくくなる。厚すぎると、折り曲
げがしにくくなる上にコスト高となり工業的に好ましく
ない。
【0054】上記のようにして得られた本発明に用いら
れるポリイミドフィルムは、100℃から200℃の間
の平均線膨張係数が15〜30ppm、引張弾性率が
4.5〜8.5GPa、引張伸び率が20%以上、吸湿
膨張係数が10ppm以下、Tgが200℃以上である
諸特性を同時に兼ね備える優れたポリイミドフィルムで
ある。
【0055】上記のポリイミドフィルムをTABテープ
に加工するにあたっては、(1)ポリイミドフィルムと金
属箔のいずれかにBステージ化された接着剤層を形成
し、その両者を圧着後加熱により接着剤を硬化させ、そ
の後金属箔のエッチングによりパターン形成する。(2)
ポリイミドフィルムと金属箔の間にシート状の接着剤ま
たは熱可塑性のポリイミド等をはさみ、この3層積層品
を圧力下で加熱し、さらに必要であればポストキュア
(非加圧下での加熱)を行う。その後金属箔のエッチン
グによりパターンを形成する。(3)ポリイミドフィルム
上にスパッタ法または無電解メッキ法により薄層の金属
層を形成し、続いて電解メッキにより所定の厚みの金属
薄層を形成する。その後金属層のエッチングによりパタ
ーン形成する。等の方法で行うことができる。
【0056】なお、ポリイミドフィルムは、ポリイミド
フィル単体もしくはBステージ状の接着剤と積層された
段階でパンチングなどの方法で穴開けすることができ
る。また(1)の方法をとる場合、Bステージの接着剤層
をポリイミドフィルム上の任意の位置に形成する手段と
して、PETなどの保護フィルム上にBステージ接着剤
層を形成してスリットしたのち、ポリイミドフィルムに
熱転写する方法を取ることができる。
【0057】用いる金属箔としては、上記方法に既述し
たように銅箔が導電性や加工性の点から好適であり、電
解銅箔、圧延銅箔のいずれも用いることができる。金属
箔の厚みは5〜40μm、好ましくは10〜25μmが用
いられる。薄すぎると強度が小さくなり加工が困難であ
る。厚すぎるとパターンを細密にすることが困難にな
る。
【0058】接着剤を介して積層する場合に用いる接着
剤としては、通常FPCやTAB用に用いられる種々の
接着剤を用いることができる。例えば、エポキシ樹脂、
ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリ
イミド樹脂、ゴム系樹脂、等を単独または種々の割合で
溶剤とともに混合したものを用いることができ、更に必
要に応じて硬化剤や硬化促進剤などの添加剤を添加した
ものを用いる。接着剤の厚みは5〜25μm好ましくは
8〜15μmである。薄すぎると銅箔のプロファイルを
十分に埋めることが出来なくなり、接着信頼性に劣る。
厚すぎると、接着剤の硬化収縮起因の反りが大きくなり
好ましくない。
【0059】
【実施例】以下に実施例を示して本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。
【0060】ここで定義する線膨張係数とは、TMAの
測定における100℃〜200℃の値の平均値である。
【0061】吸湿膨張係数は、フィルムがたるまないよ
うに最低限の加重をかけた状態(5mm×20mmのサ
ンプルに対し、約3g程度)で湿度を30%RHに調湿
し完全に飽和するまで吸湿させて寸法を計測し、その後
湿度を90%RHに調湿して同様に飽和吸湿させた後寸
法を計測し、両者の結果から相対湿度差1%あたりの寸
法変化率を求めた。
【0062】また、ポリイミドフィルムの物性評価にお
ける引張伸び率・引張初期弾性率は、ASTM−D88
2に準じて測定したものである。
【0063】線膨張係数は、理学電機(株)製TMA8
140により窒素下で10℃/分の昇温速度で100〜
200℃の値を測定したものである。吸湿膨張率は既述
の方法に従った。
【0064】300℃以上400℃以下の温度における
貯蔵弾性率およびガラス転移温度(Tg)は、は、動的
粘弾性測定装置(セイコー電子工業(株)製DMS20
0)を用いて引張モードで3℃/分で昇温させながら測
定しtanδのピーク値から求めた。
【0065】反りの値は、以下の手順で作成したTAB
用テープを平面上に静置し4隅のうき上がり高さを測定
し、4点のデータの平均値で示した。 (1)ポリアミド樹脂(日本リルサン社製フ゜ラタホ゛ント゛M127
6)50重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油
化シェルエポキシ社製エピコート828)30重量部、
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂10重量部、トル
エン/イソプロピルアルコール1/1混合溶液150重
量部を混合した溶液に、ジアミノジフェニルスルホン/
ジシアンジアミド4/1 20%メチルセロソルブ溶液4
5重量部を混合した接着剤溶液を調整し、 (2)25μm厚みのPETフィルム上に(1)の接着剤を乾
燥後11μmになるように塗布し、120℃で2分乾燥
した。このBステージ接着剤付きPETフィルムを27
mm幅にスリットした。 (3)35mm幅のポリイミドフィルムの中央部に(2)のB
ステージ接着剤付きPETフィルムを張り合わせ、90
℃で1kg/cm2の圧力で圧着した。 (4)PETフィルムを剥がし、銅箔(三井金属製、VL
P18μm厚み)と、ロールラミネート法で張り合わせ
た。張り合わせの温度は120℃、圧力は2kg/cm
2である。 (5)上記銅張あわせ品を、60℃で3時間、80℃で3
時間、120℃で3時間、140℃で3時間、160℃
で4時間のステップで加熱後徐冷して接着剤の硬化を行
った。 (6)接着剤の硬化後、モデルパターンを用いて、感光性
レジストによるパターニングを行った。続いてエッチン
グによってパターン外の銅箔を除去し、残銅率が約30
%の反り測定用サンプルを作成した。 (7)上記反り測定用サンプルを湿度60%RH、温度2
3℃の部屋に72時間放置した。評価は、銅パターンを
内にする反りを−、銅パターンを外にする反りを+とし
た。
【0066】TABテープの寸法安定性の指標として、
寸法変化率を下式により求めた。寸法変化率(%)=
(測定寸法―乾燥直後寸法)/乾燥直後寸法×100た
だし、サンプルとして、MD方向150mm、TD方向
50mmのTABテープを使用し、MD方向、TD方向
で寸法の測定を行った。MD方向での寸法変化率および
TD方向での寸法変化率の平均を、寸法変化率とし、そ
の絶対値を、実施例の表に記載した。
【0067】乾燥直後寸法とは、200℃、2時間の乾
燥処理後、直後に測定した寸法である。
【0068】測定寸法とは、上記乾燥処理後、各サンプ
ルを20℃、60%RH環境下に放置した際に、一定経
過時間毎に測定した寸法である。寸法変化率がほぼ変化
しなくなった時点での寸法変化率を、表に載せた。
【0069】(実施例1)窒素置換雰囲気中の氷浴下で
ジメチルアセトアミド815g中に、28.8g(総ジ
アミン中の約37.5mol%)のODAを溶解し、3
5.1g(総酸二無水物中の約20mol%)のTMH
Qを溶解し、25.9g(総ジアミン中の約62.5m
ol%)のPDAを溶解し、これにODPA95.2g
(総酸二無水物中の約80mol%)を徐々に加えて良
く攪拌し反応させ、23℃での測定で約2500ポイズ
のポリアミド酸溶液を得た。
【0070】このポリアミド酸溶液100gを0℃程度
に冷却し、これに12.9gの無水酢酸と4.0gのイ
ソキノリンを加えて、均一に攪拌しこれを、SUS板上
に焼成後50μmになるような所定の厚みにキャスト
し、125℃で5分熱風乾燥した。その後SUS板より
フィルムを引き剥がし、これを端部を固定した状態で1
70℃で1.5分、250℃で1.5分、350℃で3
分、430℃で3分加熱乾燥し、ポリイミドフィルムを
得た。このフィルムをベースフィルムとして上述の方法
でTAB用テープに加工し、反りの値を測定した。ま
た、寸法変化率の測定を行った。またベースフィルムの
引張弾性率、破断時伸び率、線膨張係数、吸湿膨張係
数、Tg、350℃での貯蔵弾性率を測定した結果を表
1に示す。
【0071】(実施例2)窒素置換雰囲気中の氷浴下で
ジメチルアセトアミド815g中に、28.6g(総ジ
アミン中の約37.5mol%)のODAを溶解し、3
8.6g(総酸二無水物中の約22.1mol%)のT
MHQを溶解し、25.7g(総ジアミン中の約62.
5mol%)のPDAを溶解し、これにODPA92.
1g(総酸二無水物中の約77.9mol%)を徐々に
加えて良く攪拌し反応させ、23℃での測定で約250
0ポイズのポリアミド酸溶液を得た。
【0072】このポリアミド酸溶液を実施例と同様の方
法で加工し、ポリイミドフィルムとしさらにTAB用テ
ープに加工した。実施例1と同様の特性試験を行い、結
果を表1に示した。
【0073】(実施例3)窒素置換雰囲気中の氷浴下で
ジメチルアセトアミド780g中に、33.1g(総ジ
アミン中の約37.5mol%)のODAを溶解し、6
2.7g(総酸二無水物中の約31mol%)のTMH
Qを溶解し、29.8g(総ジアミン中の約62.5m
ol%)のPDAを溶解し、これにODPA94.4g
(総酸二無水物中の約69mol%)を徐々に加えて良
く攪拌し反応させ、23℃での測定で約2500ポイズ
のポリアミド酸溶液を得た。
【0074】このポリアミド酸溶液を実施例1と同様の
方法で加工し、ポリイミドフィルムとした。実施例1と
同様に、特性試験を行った。その結果を表1に示す。
【0075】(実施例4)窒素置換雰囲気中の氷浴下で
ジメチルアセトアミド815g中に、31.5g(総ジ
アミン中の約42.9mol%)のODAを溶解し、5
2.2g(総酸二無水物中の約31mol%)のTMH
Qを溶解し、22.7g(総ジアミン中の約57.1m
ol%)のPDAを溶解し、これにODPA78.6g
(総酸二無水物中の約69mol%)を徐々に加えて良
く攪拌し反応させ、23℃での測定で約2500ポイズ
のポリアミド酸溶液を得た。
【0076】このポリアミド酸溶液を実施例1と同様の
方法で加工し、ポリイミドフィルムとした。実施例1と
同様に、特性試験を行った。その結果を表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】(実施例5)窒素置換雰囲気中の氷浴下で
ジメチルアセトアミド815g中に、27.5g(総ジ
アミン中の約62.5mol%)のPDAを溶解し、7
7.6g(総酸二無水物中の約61.5mol%)のO
DPAを溶解し、30.5g(総ジアミン中の約37.
5mol%)のODAを溶解し、これにODPA46.
7g(総酸二無水物中の約37mol%)を徐々に加え
て良く攪拌し反応させ、続いてTMHQ2.8g(総酸
二無水物中の約1.5mol%)を徐々に加え、23℃
での測定で約2500ポイズのポリアミド酸溶液を得
た。
【0079】このポリアミド酸溶液を実施例1と同様の
方法で加工し、ポリイミドフィルムとした。実施例1と
同様に、特性試験を行った。その結果を表2に示す。
【0080】(実施例6)窒素置換雰囲気中の氷浴下で
ジメチルアセトアミド815g中に、25.1g(総ジ
アミン中の約62.5mol%)のPDAを溶解し、7
0.8g(総酸二無水物中の約61.5mol%)のO
DPAを溶解し、27.8g(総ジアミン中の約37.
5mol%)のODAを溶解し、これにODPA8.6
g(総酸二無水物中の約7.5mol%)を徐々に加え
て良く攪拌し反応させ、続いてTMHQ52.7g(総
酸二無水物中の約31mol%)を徐々に加え、23℃
での測定で約2500ポイズのポリアミド酸溶液を得
た。
【0081】このポリアミド酸溶液を実施例1と同様の
方法で加工し、ポリイミドフィルムとした。実施例1と
同様に、特性試験を行った。その結果を表2に示す。
【0082】(実施例7)窒素置換雰囲気中の氷浴下で
ジメチルアセトアミド815g中に、21.3g(総ジ
アミン中の約53.9mol%)のPDAを溶解し、5
9.9g(総酸二無水物中の約52.9mol%)のO
DPAを溶解し、33.7g(総ジアミン中の約46.
1mol%)のODAを溶解し、これにODPA18.
2g(総酸二無水物中の約16.1mol%)を徐々に
加えて良く攪拌し反応させ、続いてTMHQ51.9g
(総酸二無水物中の約31mol%)を徐々に加え、2
3℃での測定で約2500ポイズのポリアミド酸溶液を
得た。
【0083】このポリアミド酸溶液を実施例1と同様の
方法で加工し、ポリイミドフィルムとした。実施例1と
同様に、特性試験を行った。その結果を表2に示す。
【0084】
【表2】
【0085】(実施例8)窒素置換雰囲気中の氷浴下で
ジメチルアセトアミド815g中に、25.7g(総ジ
アミン中の約62.5mol%)のPDAを溶解し、7
2.7g(総酸二無水物中の約61.5mol%)のO
DPAを溶解し、28.6g(総ジアミン中の約37.
5mol%)のODAを溶解し、これにTMHQ38.
6g(総酸二無水物中の約22.1mol%)を徐々に
加えて良く攪拌し反応させ、続いてODPA19.4g
(総酸二無水物中の約16.4mol%)を徐々に加
え、23℃での測定で約2500ポイズのポリアミド酸
溶液を得た。
【0086】このポリアミド酸溶液を実施例1と同様の
方法で加工し、ポリイミドフィルムとした。実施例1と
同様に、特性試験を行った。その結果を表3に示す。
【0087】(実施例9)窒素置換雰囲気中の氷浴下で
ジメチルアセトアミド815g中に、25.7g(総ジ
アミン中の約62.5mol%)のPDAを溶解し、6
4.8g(総酸二無水物中の約54.8mol%)のO
DPAを溶解し、28.6g(総ジアミン中の約37.
5mol%)のODAを溶解し、これにTMHQ38.
6g(総酸二無水物中の約22.1mol%)を徐々に
加えて良く攪拌し反応させ、続いてODPA27.3g
(総酸二無水物中の約23.1mol%)を徐々に加
え、23℃での測定で約2500ポイズのポリアミド酸
溶液を得た。
【0088】このポリアミド酸溶液を実施例1と同様の
方法で加工し、ポリイミドフィルムとした。実施例1と
同様に、特性試験を行った。その結果を表3に示す。
【0089】(実施例10)窒素置換雰囲気中の氷浴下
でジメチルアセトアミド815g中に、25.7g(総
ジアミン中の約62.5mol%)のPDAを溶解し、
58.7g(総酸二無水物中の約49.7mol%)の
ODPAを溶解し、28.6g(総ジアミン中の約3
7.5mol%)のODAを溶解し、これにTMHQ3
8.6g(総酸二無水物中の約22.1mol%)を徐
々に加えて良く攪拌し反応させ、続いてODPA33.
3g(総酸二無水物中の約28.2mol%)を徐々に
加え、23℃での測定で約2500ポイズのポリアミド
酸溶液を得た。
【0090】このポリアミド酸溶液を実施例1と同様の
方法で加工し、ポリイミドフィルムとした。実施例1と
同様に、特性試験を行った。その結果を表3に示す。
【0091】(実施例11)窒素置換雰囲気中の氷浴下
でジメチルアセトアミド815g中に、25.7g(総
ジアミン中の約62.5mol%)のPDAを溶解し、
55.7g(総酸二無水物中の約47.1mol%)の
ODPAを溶解し、28.6g(総ジアミン中の約3
7.5mol%)のODAを溶解し、これにTMHQ3
8.6g(総酸二無水物中の約22.1mol%)を徐
々に加えて良く攪拌し反応させ、続いてODPA36.
4g(総酸二無水物中の約30.8mol%)を徐々に
加え、23℃での測定で約2500ポイズのポリアミド
酸溶液を得た。
【0092】このポリアミド酸溶液を実施例1と同様の
方法で加工し、ポリイミドフィルムとした。実施例1と
同様に、特性試験を行った。その結果を表3に示す。
【0093】
【表3】
【0094】(比較例1〜5)実施例と同様の方法で、
ジメチルアセトアミド中にてジアミン成分と酸二無水物
成分の溶液中の総固形分が20%となるように設定し、
粘度が2500poiseになるように重合反応をおこ
なった。各モノマー成分とその組成(モル%)、および
モノマー投入順序は表4に示している。実施例と同様に
これらポリアミド酸溶液を用いてポリイミドフィルムを
得てその特性を測定し、上述の方法でTB用テープに加
工して反り、および寸法変化率を測定した結果を表4に
示す。
【0095】
【表4】
【0096】
【発明の効果】本発明のTAB用テープは従来になかっ
た優れた反り特性を有し、なおかつ吸湿による寸法変化
が小さい。同時に柔軟性・耐熱性にも優れ、益々細密化
し多様化する半導体パッケージ用材料として極めて有用
である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミドフィルムと導電性金属層を接
    着剤を介してまたは介さずに積層されたTAB用テープ
    において、該ポリイミドフィルムが、300℃以上40
    0℃以下の温度における貯蔵弾性率が200MPa以上
    であることを特徴とするポリイミドフィルムであって、
    全酸二無水物に対し、1〜90モル%のp−フェニレン
    ビス(トリメリット酸モノエステル無水物)と、10〜
    99モル%のオキシジフタル酸二無水物、及び全ジアミ
    ンに対し25〜90モル%のp−フェニレンジアミン
    と、10〜75モル%の4,4´−ジアミノジフェニル
    エーテルを、反応させて得られるポリアミド酸から製造
    されたことを特徴とするTAB用テープ。
  2. 【請求項2】 ポリイミドフィルムと導電性金属層を接
    着剤を介してまたは介さずに積層されたTAB用テープ
    において、該ポリイミドフィルムが、全酸二無水物に対
    し、1〜50モル%のp−フェニレンビス(トリメリッ
    ト酸モノエステル無水物)と50〜99モル%のオキシ
    ジフタル酸二無水物、及び、全ジアミンに対し、50〜
    90モル%のp−フェニレンジアミンと10〜50モル
    %の4,4´−ジアミノジフェニルエーテルを、反応さ
    せて得られるポリアミド酸から製造されたものであるこ
    とを特徴とするTAB用テープ。
  3. 【請求項3】 ポリイミドフィルムと導電性金属層を接
    着剤を介してまたは介さずに積層されたTAB用テープ
    において、該ポリイミドフィルムが、ポリアミド酸から
    のポリイミドへのイミド化の工程において、酸無水物と
    第三級アミンを化学イミド化剤として用いて製造された
    ポリイミドからなり、100℃から200℃の間の平均
    線膨張係数が15〜30ppm、引張弾性率が4.5〜
    8.5GPa、引張伸び率が20%以上、吸湿膨張係数
    が10ppm以下、Tgが200℃以上であるポリイミ
    ドフィルムを用いたことを特徴とする請求項1又は請求
    項2のTAB用テープ。
  4. 【請求項4】 TAB用テープの製造方法であって、使
    用されるポリイミドフィルムが、4,4´−ジアミノジ
    フェニルエーテルを有機溶剤中に溶解させ、該有機溶剤
    溶液にp−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステ
    ル無水物)を加え、続いてp−フェニレンジアミンを加
    え、続いてオキシジフタル酸二無水物を加えて得られた
    ポリアミド酸重合体を使用することによって製造される
    ことを特徴とする請求項1〜3記載のTAB用テープの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 TAB用テープの製造方法であって、使
    用されるポリイミドフィルムが、p−フェニレンジアミ
    ンを有機溶剤中に溶解させ、続いてオキシジフタル酸二
    無水物を加えて該有機溶剤溶液に4,4´−ジアミノジ
    フェニルエーテルを加え、続いてオキシジフタル酸二無
    水物を加えて、続いて、p−フェニレンビス(トリメリ
    ット酸モノエステル無水物)を加え、得られたポリアミ
    ド酸重合体を使用することによって製造されることを特
    徴とする請求項1〜3記載のTAB用テープの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 TAB用テープの製造方法であって、使
    用されるポリイミドフィルムが、p−フェニレンジアミ
    ンを有機溶剤中に溶解させ、続いてオキシジフタル酸二
    無水物を加えて該有機溶剤溶液に4,4´−ジアミノジ
    フェニルエーテルを加え、続いて、p−フェニレンビス
    (トリメリット酸モノエステル無水物)を加え、続いて
    オキシジフタル酸二無水物を加えて、得られたポリアミ
    ド酸重合体を使用することによって製造されることを特
    徴とする請求項1〜3記載のTAB用テープの製造方
    法。
JP11108699A 1999-04-16 1999-04-16 Tab用テープ Pending JP2000299359A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11108699A JP2000299359A (ja) 1999-04-16 1999-04-16 Tab用テープ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11108699A JP2000299359A (ja) 1999-04-16 1999-04-16 Tab用テープ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000299359A true JP2000299359A (ja) 2000-10-24

Family

ID=14491401

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11108699A Pending JP2000299359A (ja) 1999-04-16 1999-04-16 Tab用テープ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000299359A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003030598A1 (fr) * 2001-09-28 2003-04-10 Kaneka Corporation Pellicule polyimide pour carte imprimee souple et carte imprimee souple l'utilisant
JP2005277154A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Nippon Steel Chem Co Ltd 超音波接合用積層板
WO2005107314A1 (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 電気音響変換器用振動板とその製造方法、それを用いた電気音響変換器、機器
JP2006130747A (ja) * 2004-11-04 2006-05-25 Nippon Steel Chem Co Ltd Cof用銅張積層板及びcof用キャリアテープ
JP2006312268A (ja) * 2005-05-09 2006-11-16 Mitsui Chemicals Inc ポリイミド接着シート、その製造方法並びに該シートからなるポリイミド金属積層体
US7199462B2 (en) 2004-08-21 2007-04-03 Samsung Techwin Co., Ltd. Substrate for producing semiconductor packages
JP2007098905A (ja) * 2005-10-07 2007-04-19 Toyobo Co Ltd 多層ポリイミドフィルム
JP2007227978A (ja) * 2007-06-07 2007-09-06 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 電子部品実装用フィルムキャリアテープ

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003030598A1 (fr) * 2001-09-28 2003-04-10 Kaneka Corporation Pellicule polyimide pour carte imprimee souple et carte imprimee souple l'utilisant
US7018704B2 (en) 2001-09-28 2006-03-28 Kaneka Corporation Polyimide film for flexible printed board and flexible printed board using the same
JP2005277154A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Nippon Steel Chem Co Ltd 超音波接合用積層板
JP4684566B2 (ja) * 2004-03-25 2011-05-18 新日鐵化学株式会社 超音波接合用積層板及びこれを使用する超音波接合方法
WO2005107314A1 (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 電気音響変換器用振動板とその製造方法、それを用いた電気音響変換器、機器
US7199462B2 (en) 2004-08-21 2007-04-03 Samsung Techwin Co., Ltd. Substrate for producing semiconductor packages
JP2006130747A (ja) * 2004-11-04 2006-05-25 Nippon Steel Chem Co Ltd Cof用銅張積層板及びcof用キャリアテープ
JP4564336B2 (ja) * 2004-11-04 2010-10-20 新日鐵化学株式会社 Cof用銅張積層板及びcof用キャリアテープ
JP2006312268A (ja) * 2005-05-09 2006-11-16 Mitsui Chemicals Inc ポリイミド接着シート、その製造方法並びに該シートからなるポリイミド金属積層体
JP2007098905A (ja) * 2005-10-07 2007-04-19 Toyobo Co Ltd 多層ポリイミドフィルム
JP2007227978A (ja) * 2007-06-07 2007-09-06 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 電子部品実装用フィルムキャリアテープ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6335416B1 (en) Polyimide film and process for producing the same
JP2009518500A (ja) ポリイミドフィルム
JPH01245586A (ja) フレキシブルプリント基板
JP3676099B2 (ja) ポリイミドフィルムおよびその製造方法
JPWO2006109832A1 (ja) ポリイミドフィルム
CN113563585A (zh) 一种聚酰亚胺及其在金属层叠板中的应用
JP3712164B2 (ja) ポリイミド組成物及びそれからなるtab用テープとフレキシブルプリント基板
JPH10126019A (ja) フレキシブルプリント基板、fcテープ及びそれからなるtabテープ
JP2007208087A (ja) 高屈曲性フレキシブルプリント配線板
KR100710099B1 (ko) 폴리이미드 필름 및 그의 제조 방법 및 그의 이용
JP4456836B2 (ja) ポリイミドフィルム及びその製造方法並びにその利用
JP4009918B2 (ja) ポリイミドフィルム、その製造方法およびそれを基材とした金属積層板
JP2000299359A (ja) Tab用テープ
KR20190038383A (ko) 폴리이미드 필름, 금속장 적층판 및 회로 기판
JP5129108B2 (ja) ポリアミド酸ワニス組成物、ポリイミド樹脂、および金属−ポリイミド複合体
JPWO2007083526A1 (ja) ポリイミドフィルムおよびその利用
JP3860359B2 (ja) ポリイミドフィルムおよびその製造方法
JP3687044B2 (ja) 共重合ポリイミドフィルムおよびその製造方法
JP5547874B2 (ja) ポリイミド樹脂
JP2000063543A (ja) ポリイミドフィルムおよびその製造方法
JP3587291B2 (ja) Tab用テープ
JPS63264632A (ja) 低熱膨張性樹脂
US6031068A (en) Polyimide composition and base tape for TAB carrier tape and flexible printed circuit board made from said composition
JP2000290372A (ja) ポリイミドフィルム
JPS63245988A (ja) フレキシブルプリント基板及びその製造法