JPS62215032A - 嵩高糸 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、中空断面のフィラメントと、糸条表面に形成
したループとにより、その織編物に優れた保温性と軽量
感に冨んだ嵩高性を付与する嵩高糸に関するものである
。

（従来の技術） 従来、フィラメント糸に保温性や嵩高性を付与する種々
の加工糸が提案されてきた。例えば、流体噴射加工によ
り糸条に多数のループを形成させたいわゆるタスラン加
工糸が知られている。

（発明が解決しようとする問題点） 上記のような従来の加工糸は、フィラメント間の空間度
を高めるとともにループによって嵩高性を付与するもの
であるが、製編織又は染色仕上工程で糸条又は布帛に加
わる外力によって、糸条の有する空間が減少し、このた
め十分な保温性や嵩高性が得られないという問題点があ
り、また、嵩高性を高めるために糸条表面に多数のルー
プの形成を必要とするので、このためループ相互の引っ
掛かり合いによる糸条の解舒不良を生じて製編織性が悪
くなるという問題点があった。

本発明者等は１以上のごとき問題点を解決すべく鋭意検
討の結果、中空フィラメントの内部空間と糸条表面に形
成するループを巧みに活用することにより、上記の問題
点が解決されることを見出し本発明に到達したものであ
って、その目的は織編物に優れた保温性と軽量感を付与
しかつ製編織の際に良好な解舒性を発揮して製編織性を
向上させることができる嵩高糸を提供しようとするもの
である。

（問題点を解決するための手段） すなわち２本発明は、糸条表面にループが形成された嵩
高系であって、嵩高糸を構成する全フィラメント数の少
なくとも２０％が、中空率４０％以上９０％以下の中空
断面のフィラメントからなることを特徴とする嵩高糸を
要旨とするものである。

以下１本発明嵩高糸をさらに詳しく説明する。

本発明嵩高糸は、１本又は複数のマルチフィラメント糸
からなり、この嵩高糸全体の表面にループが形成されて
いるものであるが、嵩高糸を構成するフィラメントの全
本数の少なくとも２０％の本数のフィラメントが、断面
中空率４０％以上９０％以下の中空フィラメントから構
成されている。

上記のように１本発明嵩高糸を構成する全フィラメント
数の少なくとも２０％を中空フィラメントにするのは、
中空フィラメントの含有率が高ければ高い程、前記した
保温効果や嵩高効果がより顕著なものとなるが、これら
の効果は含有率を２０％以上にすれば十分である。また
、中空フィラメントの中空率を４０％以上９０％以下と
するのは、中空率が４０％に満たない場合には、前記の
優れた保温効果や軽■感に冨んだ嵩高効果は得られ難い
ので。

その場合上記効果を得ようとすれば、必然的に多数のル
ープ形成を必要とすることになり、その結果、前記した
従来糸と同様な製編織性を低下させる解舒性不良の問題
点を依然として解決できずに残すことになる。また、中
空率が９０％を超える場合には、中空フィラメントの強
力を甚だしく低下させることになるので、これを避ける
ためである。

ここで、中空率とは、中空フィラメントの横断面におい
て、中空部の面積が横断面の全面積に占める面積率のこ
とを言い、具体的には糸条の断面を撮影又は投影して１
面積測定装置２例えばサンエンジニアリング株式会社製
のディジタイザ等を使用して、中空フィラメント全体の
面積ＳＱと中空部の面積Ｓ１をそれぞれ測定して１次の
式によって算出したものである。

Ｓ　Ｉ／　Ｓ　ｏ　ｘ　１００ また、中空フィラメントの横断面の形状は１円形断面や
異形断面等いかなる形状のものであってもよく、また、
中空フィラメントの横断面の形状と中空部の形状との関
係は、相似形もしくは非相似形の何れであってもよい。

また、中空フィラメントの中空部の数についても、同等
限定するものではない。

第１図ないし第３図は３本発明嵩高糸に含まれる中空フ
ィラメントの実施態様の横断面を示すものであって、第
１図は円形断面、第２図、第３図は異形断面の例であり
、第１図と第３図は中空フィラメントの横断面と中空部
の横断面との形状が相似形のもの、第２図は非相似形の
ものである。

これらの中空フィラメントは、紡糸孔のスリット幅やそ
の長さ及び形状を適宜変えた特殊な紡糸口金を用いるこ
とによって紡糸することができる。

例えば、第１図の円形断面形状の中空フィラメントは、
第４図に示す形状の紡糸孔を有する紡糸口金よりポリマ
ーを熔融紡糸することにより得られる。

なお、中空フィラメントは、同一形状のもののみを使用
してもよく、また、異なる形状のものを混繊して使用し
てもよい。

次に１本発明嵩高糸の製造方法を説明する。

第５図は本発明嵩高糸をｉ造する工程の一実施態様の概
略説明図を示すものであって、糸条Ｙ＋。

Ｙ２を引き揃えて、フィードローラ１から流体処理ノズ
ル２へ供給し、糸条Ｙ、、Ｙ２に圧縮流体を噴射して流
体ジェット加工を行った後、デリベリローラ３を経て本
発明嵩高糸Ｙとして捲取りローラ４によりパッケージ５
に捲取る。以上の場合において、糸条Ｙ、、Ｙ２の中の
少なくと何れか一方には中空率４０％以上９０％以下の
中空フィラメントが含まれるものとし、その本数は本発
明嵩高糸Ｙを構成する全フィラメント数の２０％以上の
本数とする。

なお、上記の条件を充たす限りにおいては、供給系はＹ
Ｉ７１Ｙ２の何れか一方のみの単独にしてもよい。

また、前記した圧縮流体の噴射圧力の好ましい範囲は、
比較的低圧の’ｌ　ｋｇ　／　ｃｎ１以上〜５　ｋｇ　
／　ｃＩＡ以下とすることが好ましい。これは’ｌ　ｋ
ｇ　／　ｃ＋＋を未満であると、流体ジェット加工の効
果が不十分となることがあり、また、５ｋｇ／ｃｉを超
えると、ループの形成が多すぎるからである。また、フ
ィードローラ１の表面速度はデリベリローラ３の表面速
度よりも速くして、オーバーフィード状態で、糸条ｙ、
、ｙ、を流体噴射ノズル２へ供給するものであるが、そ
のオーバーフィード率の好ましい範囲は３％以上５０％
以下である。これは３％に満たない場合には、ループ形
成数が不十分となるし、一方。

５０％を超える場合にはループ形成数が多くなりすぎる
からであり、ループの過多は本発明嵩高糸Ｙの解舒不良
を生じることになる。また、流体噴射ノズル２としては
、ループ形成能を有するものであれば、いかなる種類の
ものでもよいが、ループ形成能に優れたものとしてはタ
スランノズルが好適である。

（作　用） 本発明嵩高糸は、その糸条表面に形成されているループ
の作用と、嵩高糸を構成する中空率４０％以上９０％以
下であって全フィラメント数の２０％以上の本数を占め
る中空フィラメントの中空空間との相乗作用によって１
本発明嵩高糸の占める空間塵を飛躍的に拡大させること
になるものである。

（実施例） 次に２本発明嵩高糸を実施例に基づいて具体的に説明す
る。

実施例 第５図に示す工程を使用し、糸条Ｙ、として第１図に示
す中空率６０％の中空の円形断面の中空フィラメントか
らなるナイロンマルチフィラメント糸１００　ｄ　／３
４　ｆを用い、また、糸条Ｙ２として非中空の円形断面
のフィラメントからなるナイロンマルチフィラメント糸
７０ｄ／４８ｆを用い、これらをフィードローラ１から
、圧縮空気圧力４ｋｇ／−の流体噴射ノズル２（特公昭
３５−１６７３号公報に記載のノズル）へオーバーフィ
ード率１５％で供給してエアージェット加工を行い１本
発明嵩高糸を得た。

得られた嵩高糸は、中空フィラメントが若干変形、破壊
されたが、中空率４０％の中空フィラメントの数が全フ
ィラメント数の３７．８％を占めるものであった。この
嵩高糸を使用して、経密度６５本／２．５４ｃｍ、緯密
度５５本／２．５４ｃｍの平織を製織し、これを染色加
工したところ、保温性に優れ、かつ軽量感に冨んだ織物
が得られた。

（発明の効果） 本発明嵩高糸は９以上のような構成を有するので、その
糸条表面のループと糸条中に含まれている中空フィラメ
ントの中空空間との相乗効果によって、この嵩高糸のフ
ィラメント間の空間やフィラメント内の空間の空間塵が
格段に増大するので。

この嵩高糸を使用して製編織された織編物に優れた保温
性と軽量感に冨んだ嵩高性を付与させることができる。

また、中空率の高い中空フィラメントを糸条中に含むこ
とにより、糸条表面のループ形成を比較的少なくしても
前記の保温効果と嵩高効果とを十分に維持することがで
きるため、ループ形成数を減少させることができ、それ
によりループ相互の引っ掛かりを無くして糸条の解舒性
を良好にし、製編織性を向上させることができるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本発明嵩高糸に含まれる中空フィ
ラメントの実施態様の横断面図、第４図は第１図の中空
フィラメントを溶融紡糸する紡糸口金の一実施態様を示
す横断面図、第５図は本発明嵩高糸を製造する工程の一
実施態様を示す概略説明図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）糸条表面にループが形成された嵩高糸であって、
   嵩高糸を構成する全フィラメント数の少なくとも２０％
   が、中空率４０％以上９０％以下の中空断面のフィラメ
   ントからなることを特徴とする嵩高糸。