JP2679766B2 - スパン調感触のポリアミド嵩高糸およびその製造方法 - Google Patents

スパン調感触のポリアミド嵩高糸およびその製造方法

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JP2679766B2 JP63248708A JP24870888A JP2679766B2 JP 2679766 B2 JP2679766 B2 JP 2679766B2 JP 63248708 A JP63248708 A JP 63248708A JP 24870888 A JP24870888 A JP 24870888A JP 2679766 B2 JP2679766 B2 JP 2679766B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、衣服類、特に中衣や外衣用の布帛を製造す
るに好適なスパン調感触のポリアミド崇高糸、及びその
製造方法に関するものである。
[従来の技術] ポリアミドフィラメント糸は、その優れた熱加工性、
セット性から、ウーリー加工を主体とする仮撚加工糸と
して、特にストッキング分野に多く使用されている。し
かし、外衣や中衣の分野では、ポリアミドフィラメント
糸固有の硬い風合があり、しかも、ポリエステル加工糸
に比べ弾性はあるものの崇高性に劣ることから、近年は
あまり用いられなくなってきている。
そこで、通常の紡糸延伸法によって得られた異繊度混
繊ポリアミド繊維糸や多葉形断面繊維に、空気などによ
る流体乱流加工(タスラン加工など)を施して崇高性の
スパンライク加工糸とする方法が特開昭61−12949号公
報や特開昭62−206043号公報で提案されている。これら
方法によるとポリアミド崇高糸のがさがさした硬い風合
を改善することができるので、ある程度スパン調風合に
近い崇高糸とすることができる。
ところが、これら公報に記載された方法では、1糸条
を結形して流体乱流加工するシングル加工、および、給
糸速度に差をもたせて複数糸条を給糸して流体乱流加工
するダブル加工のいずれにおいても、ループ付与性、糸
切れなどの加工安定性を良好に保つためには加工速度を
あまり高めることができず、200〜400m/分程度の比較的
低速度で加工せざるを得ないという問題がある。さら
に、特にシングル加工においてはループ付与が難しく、
風合を十分に高めることが困難という問題もある。
これら問題を改善するため、特願昭62−111271号で、
特定糸質を有するポリアミド繊維を給糸して加工する方
法を提案したが、この方法でも、シングル加工による場
合は崇高糸のループ水準を十分に高めることが困難であ
り、さらに一層の改善が望まれていた。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、上記の問題点、すなわち、ナイロン
繊維の有する硬い風合、流体乱流加工による崇高糸の特
性およびその加工性を改善し、細かい安定したループ、
スパン調かつソフトな風合という優れた特性、風合を有
し、しかも、いわゆるシングル加工によって製造するこ
とが可能なポリアミド崇高糸を提供すること、および高
い加工速度で生産性良く製造することが可能なその製造
方法を提供することを、主な目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、本発明は、実質的に繊維長
差を有しない複数のフィラメントから構成される、繊維
ループを有する崇高糸であって、前記フィラメントが、
1.0〜2.5g/dの15%伸長応力(E)を有し、かつ、繊維
長さ方向に連続した凹部を少なくとも1個有する変形度
1.7以下の非円形断面のポリアミドフィラメントからな
ること、及び、ループ安定率(T)が60%以上であるス
パン調感触ポリアミド崇高糸(請求項1)、前記ポリア
ミドフィラメントの繊維横断面形状における凹部が、前
記繊維横断面外周長(c)に対する前記凹部の外周方向
長(b)の値(b/c)が10〜35%である大きさを有する
請求項1記載のスパン調感触ポリアミド崇高糸(請求項
2)、および、紡糸速度3500m/min以上で高速紡糸する
ことによって、15%伸長応力(E)が1.0〜2.5g/d、か
つ、繊維長さ方向に連続した凹部を少なくとも1個有す
る変形度1.7以下の非円形断面のポリアミドマルチフィ
ラメント糸を得た後、該マルチフィラメント糸を流体乱
流処理することによって崇高加工し、実質的に繊維長差
を有しない複数のフィラメントから構成されかつループ
安定率(T)が60%以上の崇高糸とするスパン調感触ポ
リアミド崇高糸の製造方法(請求項3)からなる。
本発明において用いるポリアミドは、主として、ポリ
カプラミド、ポリヘキサメチレンアジパミドである。し
かし、ε−カプロラクタム、アジピン酸、ヘキサメチレ
ンジアミン、セバシン酸、パラキシリレンジアミン、ラ
ウロラクタムなどの重合可能なポリアミドモノマを重合
あるいは共重合することによって得られる変性ポリアミ
ドも用い得る。
流体乱流加工に供するポリアミドフィラメント糸の繊
維断面はその外周に少なくとも1個の凹部をもち変形度
(=外接円半径/内接円半径)が1.7以下の非円型(異
形)であることが必要である。この非円形断面は、第1
図(1)〜(3)に例示するような凹部1をもつ簡単な
対称あるいは非対称の多葉(3葉、4葉、5葉、6葉、
7葉、8葉など)であることが好ましいが、凹部1を有
する他の断面形状(例えば、V字状、W字状、H字状)
であってもよい。この非円形断面は、溶融紡糸の時に用
いる紡糸孔の孔形状を、3葉であればY字型のスリット
に、4葉であれば十字型のスリットに、のように変更す
ることによって得ることができる。
この凹部1は適度の大きさを有すること、すなわち、
繊維横断面外周長(c)に対する前記凹部の外周方向長
(b)の値(b/c)が10〜35%であることが好ましい。
このb/cの値が小さ過ぎると凹部を設けたことによる結
果が発揮されにくいし、また、35%を越えるほどの凹部
は設計困難である。なお、上記cの値は、この凹部を挟
む凸部どうしを外接するように線分で結びその外接点間
の繊維外周長を測った値であり、また、上記cの値は単
繊維全体の繊維外周長を測った値である。
また、3〜5葉形の場合は変形度(=外接円半径/内
径円半径)が1.3以上程度であることが好ましい。
流体乱流加工に供するポリアミドフィラメント糸は、
上記の特定の非円形繊維断面であるとともに、そのフィ
ラメント糸の15%伸長応力(E)が1.0〜2.5g/dの範囲
であることが重要かつ必要である。この15%伸長応力
(E)の値は次の方法で測定される。
糸長50cmの供試糸条を、通常の引張試験機(例えば東
洋ボールドウィン(株)製のテンシロン万能型引張試験
機UTM−4−10)を用いて伸長(速度50m/min)し、応力
−歪曲線を得る。この歪(伸び)が15%のときの応力の
値を読みとり単位デニールあたりの応力値(g/d)に換
算して求める。なお、崇高糸について求める場合は、2m
g/dの初荷重をかけて繊維ループを伸ばした後に伸長し
て応力−歪曲線を得る。
上記特性を有するポリアミドマルチフィラメント糸は
次のようにして作ることができる。
従来法と同様にして得られたナイロン6あるいはナイ
ロン66などのポリアミド重合体(ペレット)を、通常の
溶融紡糸機に供給し溶融した後、所定のフィラメント数
かつ所定の非円形断面とし得る孔形状の紡糸孔から吐出
し、一挙に3500m/min以上、好ましくは4000〜6000m/min
程度の高速で引取り実質的に延伸することなく巻上げ
る。即ち、引取り工程でストレッチをかけることなくあ
るいは若干のストレッチをかけた後に高速で巻上げる。
また、この引取りと巻上げの間でわずかな引張りあるい
は弛緩を加えてもよい。
[作用] 前記のような特定の非円型断面とすること、かつ、フ
ィラメント糸の15%伸長応力(E)を1.0〜2.5g/dの範
囲とすることが相俟って細かくかつ安定したループを持
つ高品質の崇高糸が得られることとなり、しかも、加工
安定性や得られる崇高糸の品質を低下させることなく加
工速度を高めることが可能となる。
これは、主として1.0〜2.5g/dの15%伸長応力(E)
とすることによって、流体乱流加工の際、繊維が曲がり
易くループの形成が容易となること、さらに、主として
特定の非円型断面とすることによって、ループの保持性
が格段に向上し、製織などの加工時に受ける外力による
ループ消失が少なくなること、などの効果が相俟って、
ソフトで優れたスパン調風合を有するとともに細かい安
定したループを有し製織時のループ消失が少ない高品質
のスパン調崇高糸とすることが可能となるからである。
すなわち、このように流体乱流加工におけるループ形
成が容易で、得られたループの安定性が良いことは、い
わゆるシングル加工のように給糸フィラメント全部が同
一速度で供給される流体乱流加工でもループ安定率
(T)が60%以上の優れた崇高糸とすることが可能とな
るのである。
このループ安定率T(%)の値は、東レ(株)製のル
ープ測定用の装置“FRAY COUNTER MODEL−104"を用い、
次の方法で測定して得られる値である。
糸速度50m/分、張力0.1g/dで検知機(SPUN用)に通
し、ループ数が最大となる糸表面を基準にして、その糸
表面より0.35mm外側の点のループ数を測定し、小ループ
数N1(個/m)とする。また、同様に、張力0.5g/dで小ル
ープ数を測定し、小ループ数N2(個/m)とする。測定
は、各々、1分間(糸長さ50m)について行い、これを
5回繰返して行ったその平均個数でもって表わす。そし
て、ループ安定率T(%)は、次式により算出し求め
る。
ループ安定率T(%)=(N2/N1)×100 このループ安定率が低過ぎるときは、その崇高糸を緯
糸に用いて製繊したとき、製織における緯糸飛走張力に
よってループ数が減少し、目的とするスパン調の感触を
有する布帛が得られ難い。また、織機の幅方向における
糸飛走張力斑がそのままループ数の変化となって現わ
れ、布帛に斑を生じ、商品価値を大幅に減ずことにな
る。
さらに、ループ形成が容易で得られたループの安定性
が良いことは、流体乱流加工における加工速度を大幅に
増加させることが可能となり、高生産性で製品を得るこ
とができるようになる。また、流体の供給圧力をある程
度低くしても所望のループが得られるので、加工の際の
糸切れを大幅に削減できるという利点もある。さらにま
た、このような非円形断面にすることによってポリアミ
ドフィラメント固有のぬめり感が軽減され乾いたタッチ
となるとともにループが細かくなり(例えば、0.1g/dの
張力下で測定される少ループ数が130以上)、また、前
記特定の15%伸長応力(E)とすることによって繊維自
体の曲げ剛性が低下し、得られる製品の感触・風合が改
善される。
これに対し、低速引取りされた未延伸糸のように15%
伸長応力(E)が1.0g/d未満であるポリアミドフィラメ
ント糸を用いる時は、外力に対する永久歪が残り易く、
糸の斑が大きくなるので、製品品質が劣悪となるし、し
かも、流体乱流加工が困難でループ形成の斑、太さ斑が
大きく、工業製品には適合しないものしか得られない。
他方、通常の延伸糸のように15%伸長応力(E)が2.5g
/dを越えるポリアミドフィラメント糸を用いる時は、ル
ープ形成性が不十分であるので、所望の崇高性を得るた
めには厳しい加工条件(例えば、流体供給圧力を高くし
たり、加工速度を低くしたりすること)をとることが必
要となり、生産性が悪い。
また、15%伸長応力(E)が1.0〜2.5g/dであっても
丸断面繊維では、ループ形成性およびその安定性が十分
でなく、ループ安定率(T)を60%以上に高めることが
困難であり、また、細かいループが得られ難い。
ポリアミドフィラメントの単繊維繊度ならびに糸条繊
度は特に限定されないが、単繊維繊度で5デニール以下
程度、糸条繊度で150デニール以下程度のマルチフィラ
メント糸とすることが一般衣料用として好ましい。ま
た、そのフィラメント数は単繊維繊度および糸条繊度に
応じて決められるが、一般には5フィラメント以上が用
いられる。
15%伸長応力(E)および繊維断面形状を前記のよう
に特定したポリアミドマルチフィラメント糸は、いわゆ
るシングルタスラン加工のように給糸フィラメント全部
が同一速度で供給され実質的に繊維長差のない状態で流
体乱流加工されることによって請求項1に係るフィラメ
ント崇高糸とすることができる。
この流体乱流加工は大別すると、一般に複数糸条を給
糸差をもたせて供給し一方を芯にしてオーバーフィード
する糸条を絡ませるダブル加工と、単糸条を給糸して流
体処理し糸条内の単糸をループ条に発生させるシングル
加工とに分かれる。このシングル加工は一般に加工安定
性が良く高速加工がし易い半面、ループの形成性が悪
く、しかもそのループの外力に対する安定性も良くない
とされている。ところが、本発明によると、シングル加
工においてもダブル加工に近い高品質のスパン調風合製
品とすることができ、高速加工性を犠牲にすることなく
優れたスパン調風合崇高糸とすることができる。
実質的に繊維長差を有しない複数のフィラメントから
構成されるとは、いわゆるシングルタスラン加工のよう
に1本あるいは複数の給糸フィラメント全部を同一速度
で給糸して流体乱流加工を施すことによって得られる崇
高糸であることをいう。
その流体乱流加工は、一般的な流体乱流加工ノズルに
よって行えばよく、その加工条件は、60%以上のループ
安定率(T)が得られる条件であればよい。一般的に、
水付与量10cc/min以上、オーバーフィード率8〜22%程
度、供給空気圧力14kg/cm2程度の条件で行われる。
第2図は、本発明に係るナイロン崇高糸を得るための
ループ加工機の一例を示すものであり、Y1は供給原糸、
2はフィードロール、3はノズル前水付与装置、4は乱
流加工ノズル、5はデリベリロール、6は巻取機を示
す。ボビンよりフィードロール2を通して供給された供
給原糸Y1は水付与装置3によって水が付与され、乱流加
工ノズル4によってループが形成され、デリベリロール
5によって引出され、巻取機6によってパッケージに巻
上げられる。
このように流体乱流加工された崇高糸は、ループ安定
率(T)が60%以上となるが、その加工において繊維断
面形状および伸長応力特性は実質的に変化しないので、
加工に供した原糸の繊維断面形状および15%伸長伸長応
力の値が実質的にそのまま保持される。
[実施例] 以下の実施例中、ポリマならびに繊維の諸特性は、原
則としてJIS法によって表した。
・ 実施例1 酸化チタンを0.5%含有するポリ−ε−カプラミド
(ナイロン6、硫酸相対粘度2.65)をエクストルーダ型
紡糸機に供給し、そのスリット形状がスリット幅0.8mm
のY字型あるいは十字型である34ホール吐出孔の口金か
ら押出し給油し引取りした後、延伸することなく4500m/
minの速度で巻取って、第1表の特性と3葉型あるいは
4葉型の繊維横断面を有する非円形ナイロン6フィラメ
ント糸(70デニール)を得た(それぞれ原糸No.A、Bと
称する)。これら3葉型あるいは4葉型の繊維横断面
は、繊維長さ方向に連続した凹部を3個あるいは4個有
するものであり、b/cの値がそれぞれ17%、13%であ
り、また、断面変形度がそれぞれ1.7、1.4であった。
また、巻取速度を4000m/minに変更した以外は上記と
同様に高速製糸して、3葉型あるいは4葉型の繊維横断
面のナイロン6フィラメント系を得た(それぞれ原糸N
o.C、Dと称する)。
一方、同じ原料ポリマを用いて、34ホールの円型吐出
孔を有する口金から押出し、原糸No.C、Dの場合と同一
の条件で溶融紡糸して、比較例としての丸断面ナイロン
6フィラメント糸を得た(原糸No.Eと称する)。
また、同じ原料ポリマを用いて、試料Aと同じ非円形
断面吐出孔を有する口金から押出し、1000m/minの低速
で巻取った後、この未延伸糸を従来どおりドローツイス
ターに供し、3.5倍に延伸し、従来の2ステップ製糸法
によるナイロン6フィラメント延伸糸を得た(原糸No.F
と称する)。
これら原糸No.A〜F(いずれも34フィラメント、約70
デニール)のそれぞれの繊維特性を第1表に示した。こ
れらの試料のそれぞれを、第2図に示すような通常の流
体乱流処理ノズルを有するループ加工機に供した。その
加工条件は次のようであった。
流体加工ノズル:Hemajet T311(ヘバーライン社製) ノズル前水付与:30cc/min ノズル供給空気圧力:8kg/cm2 加工速度:60m/min オーバーフィード率:13% 巻取りフィード率:−2.2% このようにして得られた崇高糸についてその加工安定
性、ループ安定率T、小ループ数N1およびN2を測定し第
1表に示した。
なお、崇高糸の小ループ数N1、N2(個/m)の各値は、
前記したループ安定率を求める過程で求めた値である。
さらに、これらの崇高糸を緯糸とし、一方、通常の未
加工ナイロン6フィラメント延伸糸(70デニール、34フ
ィラメント、丸断面繊維)を経糸として、通常のウォー
タージェットルーム(律田駒社製ZW−303)によって600
r.p.m.で製織し、経糸密度119本/インチ、緯糸密度72
本/インチの生織を得た。
これらの生織を従来どおり精練、染色、仕上げセット
して得られた仕上げ反について、スパン調の風合と品位
を評価し、第1表に示した。
第1表にみられるように、本発明に係る崇高糸(原糸
No.A〜D)の場合は、安定して600m/minの高速加工する
ことができ、しかも得られた崇高糸のループ形成性がよ
く、そのループが細かくかつ安定であるから、これから
得られた織物は良好なふくらみと羽根感とを有する高品
質のスパン調織物となった。
一方、15%伸長応力を満足しても、その繊維断面が丸
であるナイロン6フィラメント糸を用いた場合(原糸N
o.E)は、流体加工性は良いが、得られた崇高糸のルー
プ形成性、安定性ともに不十分であり、これから得られ
た織物の風合は目標レベルに達せず、しかも製織中に受
ける緯糸張力のためループが部分的に消失し、幅方向に
斑を生じ品位の劣る織物となった。
さらに、三葉断面でも15%延長応力が高過ぎる従来の
ナイロン6フィラメント糸を用いた場合(原糸No.F)
は、加工安定性が非常に悪いので加工速度を低下させな
ければ安定加工することができず、かつ得られた崇高糸
のループ形成性、安定性ともに不十分であり、織物の風
合、品位など、目標レベルにははるかに達しなかった。
[発明の効果] 本発明に係るポリアミドフィラメント崇高糸は、ルー
プの安定性が良いために製織などの加工におけるループ
の減少が少なく、従って、スパン調かつソフトな風合を
有し、しかも、斑の少ない商品位の布帛とすることがで
きる。そして、このスパン調布帛は、スキーウェア、コ
ート、ブルゾンなどの外衣用衣料に好適であり、撥水加
工やシワ加工などを施すこともできる。
また、この崇高糸を得るための流体乱流加工において
は、ループの形成性および加工安定性が良好であるの
で、500m/min程度あるいはそれ以上のような高速流体加
工することが可能となり、従来の加工速度(200〜400m/
min程度)に比べて大幅な生産性向上を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図(1)、(2)は、本発明に係る崇高糸を構成す
る繊維を例示する繊維横断面図である。第2図は、本発
明に係る崇高糸を製造するための流体乱流処理の代表例
(シングル加工)を示す工程概略図である。 [符号の説明] 1:繊維横断面における凹部 3:ノズル前水付与装置 4:乱流加工ノズル
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−206043(JP,A) 特開 昭63−112747(JP,A) 特開 昭62−15324(JP,A) 特開 昭61−124619(JP,A) 特開 昭58−8116(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に繊維長差を有しない複数のフィラ
    メントから構成される、繊維ループを有する崇高糸であ
    って、前記フィラメントが、1.0〜2.5g/dの15%伸長応
    力(E)を有し、かつ、繊維長さ方向に連続した凹部を
    少なくとも1個有する変形度1.7以下の非円形断面のポ
    リアミドフィラメントからなること、及びループ安定率
    (T)が60%以上であることを特徴とするスパン調感触
    のポリアミド崇高糸。
  2. 【請求項2】前記ポリアミドフィラメントの繊維横断面
    形状における凹部が、前記繊維横断面外周長(c)に対
    する前記凹部の外周方向長(b)の値(b/c)が10〜35
    %である大きさを有することを特徴とする請求項1記載
    のスパン調感触のポリアミド崇高糸。
  3. 【請求項3】紡糸速度3500m/min以上で高速紡糸するこ
    とによって、15%伸長応力(E)が1.0〜2.5g/d、か
    つ、繊維長さ方向に連続した凹部を少なくとも1個有す
    る変形度1.7以下の非円形断面のポリアミドマルチフィ
    ラメント糸を得た後、該マルチフィラメント糸を流体乱
    流処理することによって崇高加工し、実質的に繊維長差
    を有しない複数のフィラメントから構成されかつループ
    安定率(T)が60%以上の崇高糸とすることを特徴とす
    るスパン調感触のポリアミド崇高糸の製造方法。
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