JPS6219722Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、上部旋回体を有しこの旋回体を旋回
して作業する掘削機、クレーン車等の上部旋回式
建設機械の旋回体固定ブレーキ装置に関するもの
である。

第１図は従来例を示すもので、図中１は下部フ
レーム、２はこの下部フレーム１に対して減速機
３を介して旋回自在に搭載された上部フレーム、
４は旋回モータ、５は旋回体固定ブレーキであ
る。この旋回体固定ブレーキ（以下これを単にブ
レーキという）５はシリンダ６に圧油を供給して
ばね７に抗してピストン８を移動することにより
ブレーキが解除され、ばね７によりブレーキが作
動されるようになつている。そしてこのブレーキ
５のシリンダ６はブレーキ切換弁９を介してブレ
ーキ用ポンプ１０に接続され、またブレーキ５の
潤滑回路１１もリリーフ弁１２を介して上記ブレ
ーキ用ポンプ１０に接続してある。なお、図中１
３，１４はメイン切換弁、１５，１６はアクチエ
ータ群であり、１８，１９は両メイン切換弁１
３，１５を介してアクチエータ群および旋回モー
タ４へ圧油を送給するメインポンプ、２０は上記
メイン切換弁１３，１４を含むメイン回路を補助
するためのパイロツト回路、２１はこの回路２０
へ圧油を送給する補助ポンプ、２２はパイロツト
切換弁である。

このような従来例におけるブレーキ５は専用の
ブレーキポンプ１０を用いているが、このポンプ
１０は一定の潤滑油量Ｑとピストン作動のための
油圧Ｐが必要とされるため、Ｐ_s＝Ｐ×Ｑ／４５０の動
力を 消費することになり、専用のポンプを使う無駄
と、動力を損失するという不具合があつた。

またブレーキ５の切換はブレーキ切換弁９を切
換え操作によつてなされるが、このブレーキ作動
はブレーキ切換弁９により一義的に行なわれるた
め、一般作業上はさして問題ないが、ブレーキ５
を非作動状態にして作業し、その後ブレーキ切換
弁９を非作動のままの状態でエンジンを停止する
と、ブレーキ５のシリンダ６内に圧油が作用した
ままとなり、旋回体の自然降等により非常に危険
な状態となることが予想される。

本考案は上記のことにかんがみなされたもの
で、ブレーキの作動油圧をパイロツト回路より作
用するようにし、またブレーキの潤滑油をメイン
切換弁のドレン油を利用することにより、油圧ポ
ンプを１個減らすと共に、動力の節約を図ること
ができ、またブレーキ切換弁を電磁弁にて構成
し、常に作動位置になるようばね付勢され、ブレ
ーキスイツチをONにすることにより作動位置に
切換るようにし、さらにこのブレーキスイツチを
メインスイツチに接続することにより、エンジン
が停止したときには必ずブレーキ弁が作動位置と
なるようにして、エンジン停止時のブレーキかけ
忘れを防止できるようにした上部旋回式建設機械
の旋回体固定ブレーキ装置を提供しようとするも
のである。

以下その構成を第２図に示した実施例に基づい
て説明する。なお、第２図において従来と同一構
成部品は第１図に示す従来例と同一符号にし、そ
の説明を省略する。

ブレーキ５のシリンダ６をブレーキ切換弁２
３、減圧弁２４を介してパイロツト回路２０に接
続してある。ブレーキ切換弁２３は電磁弁にて構
成してあり、常に作動位置２３ａとなるようにば
ね付勢されており、ソレノイド２４に通電するこ
とにより非作動位置２３ｂとなるように構成して
ある。ソレノイド２４はブレーキスイツチ２５を
介してメインスイツチ２６に接続してある。

一方ブレーキ５は、通常の作業状態ではブレー
キ切換弁２３の作動により、シリンダ６にパイロ
ツト圧が発生されて解放されるが、このとき、ブ
レーキ５の摩擦プレートは自重により相手プレー
トに接触して共回りし、ブレーキ５の各プレート
相互間に若干の摩擦熱が生じる。このためブレー
キ５へは常時潤滑油をたれ流し状に流入しなけれ
ばならない。従来は専用のブレーキ用ポンプより
上記潤滑油を供給していたが、本考案において
は、ブレーキ５の潤滑回路２７にメイン切換弁１
３のドレン回路に接続し、メイン切換弁１３から
ドレンされる作動油がブレーキ５内を常時流れる
ようになつている。

上記構成において、ブレーキスイツチ２５を
OFFにするとブレーキ切換弁２３は作動位置２
３ａとなつてシリンダ６内の圧力が抜けてブレー
キ５はばね７により作動状態となる。ブレーキス
イツチ２５およびメインスイツチ２６をONにす
るとブレーキ切換弁２３は非作動位置２３ｂとな
るシリンダ６内へパイロツト回路２０より供給さ
れてブレーキ５は非作動状態となる。このときの
必要流量は殆どゼロである。またブレーキ５内の
潤滑はメイン切換弁１３のドレン油により行なわ
れる。

本考案は以上のようになり、下部フレーム１に
旋回駆動可能に上部フレーム２を搭載した上部旋
回式建設機械の上記旋回部に設けられ、かつ油圧
力にて制御される旋回体固定ブレーキ装置におい
て、旋回体固定ブレーキのシリンダ６に、作動位
置２３ａと非作動位置２３ｂとを有し、かつソレ
ノイド２４に通電したときにのみ非作動位置２３
ｂとなる電磁弁よりなるブレーキ切換弁２３を介
してパイロツト回路２０に接続し、また上記旋回
体固定ブレーキの潤滑回路２７を作業機等のアク
チエータを操作するメイン切換弁１３のドレン回
路に接続して上部旋回式建設機械の旋回体固定ブ
レーキ装置を構成したから、ブレーキの作動油圧
がパイロツト回路２０より作用され、また常時た
れ流し状に必要とするブレーキへの潤滑油にメイ
ン切換弁１３のドレン油が利用されることによ
り、このブレーキ５の作動用および潤滑油として
の専用の油圧ポンプが不要となり、従つて製造コ
ストの低減と動力損失の減少を図ることができ
る。また上記メイン切換弁１３のドレン油の油量
が多いので、従来の専用のブレーキ用ポンプと同
様に、十分な冷却効果を得ることができる。また
ブレーキ切換弁２３を通電したときにのみ非作動
位置２３ｂとなる電磁弁より構成したことによ
り、エンジンが停止してソレノイド２４への通電
がOFFになつたときには自動的にブレーキ切換
弁２３が作動位置となつて、作業終了後エンジン
が停止するとかならずブレーキが作動され、エン
ジン停止時のブレーキかけ忘れを防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す回路図、第２図は本考案
の実施例を示す回路図である。 １は下部フレーム、２は上部フレーム、６はシ
リンダ、１３はメイン切換弁、２０はパイロツト
回路、２３はブレーキ切換弁、２３ａは作動位
置、２３ｂは非作動位置、２４はソレノイド、２
７は潤滑回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下部フレーム１に旋回駆動可能に上部フレーム
   ２を搭載した上部旋回式建設機械の上記旋回部に
   設けられ、かつ油圧力にて制御される旋回体固定
   ブレーキ装置において、旋回体固定ブレーキのシ
   リンダ６に、作動位置２３ａと非作動位置２３ｂ
   とを有し、かつソレノイド２４に通電したときに
   のみ非作動位置２３ｂとなる電磁弁よりなるブレ
   ーキ切換弁２３を介してパイロツト回路２０に接
   続し、また上記旋回体固定ブレーキの潤滑回路２
   ７を作業機等のアクチエータを操作するメイン切
   換弁１３のドレン回路に接続してなることを特徴
   とする上部旋回式建設機械の旋回体固定ブレーキ
   装置。