JPS6214664Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、プリント基板や取付基板等（以下基
板という）に作業性良好に位置決めや取り付けの
できる積層コンデンサに関する。

第１図は、従来の積層コンデンサ１を基板４に
取り付け（フエースボンデイング）た状態例を示
した側断面図である。すなわち積層コンデンサ１
を、あらかじめ基板４の所定位置、つまりその外
部電極２，３を回路電極５，６にそれぞれ合致さ
せて接着剤７で固定し、その後半田８浸漬等によ
つて外部電極２，３と回路電極５，６とを導電固
着したものであつた。しかしこれによると積層コ
ンデンサ１を接着剤７による仮固定および半田８
による本固定という二つの別個の工程が必要であ
り、作業性が悪いという欠点があつた。またこの
従来のものは、積層コンデンサ１に接着剤８が付
着されるので、その部分に種々の劣化（炭化等）
が起り易く、安定な特性を得難いという欠点もあ
つた。さらにこの従来のものは、積層コンデンサ
１の外部電極２，３と回路電極５，６との当接基
部Ａ，Ａにおいて、本固定用の半田付時に、いわ
ゆる空気溜りが生じ易く、半田固着が十分に行な
えないという懸念もあつた。またこの従来のもの
は、積層コンデンサ１の外部電極２，３を直接基
板４に半田固着するものであるため、半田の固化
時の凝縮力が外部電極２，３に直接加わり、外部
電極２，３の剥離や、積層コンデンサ１の割れや
カケが生じるという欠点もあつた。

本考案は上述の諸点に鑑みてなされたものであ
つて、積層コンデンサの外部電極に、基板の通孔
に挿入される位置決め用舌片を有する金属板を導
電固着させたことを要旨とするものである。

以下本考案の実施例を図面を参照しつつ説明す
る。

第２図に示したものは、本考案積層コンデンサ
を基板に取り付けた状態を示した側断面図であ
る。図において１１は、複数個の内部電極１２
ａ，１２ｂが交互に相対向端部に導出されてなる
積層コンデンサであつて、前記内部電極１２ａ，
１２ｂの各導出端面およびその近傍に外部電極１
３ａ，１３ｂが付与されている。１４ａ，１４ｂ
は、外部電極１３ａ，１３ｂの付与されている積
層コンデンサ１１の両端部にそれぞれ嵌着してな
る断面コ字状金属板であり、その下部には位置決
め用舌片１５ａ，１５ｂが突出形成されている。
第３図にこの金属板の形状を明確に示してある。
第３図からわかるようにこの金属板１４ａ，１４
ｂは、断面コ字状の上部および側部に連続した切
り込みを入れ、この切り込み間に存する部分を起
して下方へ折り曲げて突出させ、位置決め用舌片
１５ａ（１５ｂ）としたものである。なおこの場
合、金属板１４ａ，１４ｂと積層コンデンサ１１
の外部電極１３ａ，１３ｂとの導電接続は、単に
嵌着させるだけでも十分であるが、半田等を併用
すればより確実にできる。１６は表面に回路電極
１７ａ，１７ｂが付与され、かつこの回路電極１
７ａ，１７ｂに跨つて載置される積層コンデンサ
１１の金属板１４ａ，１４ｂの舌片１５ａ，１５
ｂが挿入される通孔１８ａ，１８ｂが所定位置に
穿設されてなる基板、１９はこの基板１６上に、
舌片１５ａ，１５ｂを通孔１８ａ，１８ｂ内に挿
入して位置決めされた積層コンデンサ１１と回路
電極１７ａ，１７ｂとを導電接続して固着するた
めの半田である。この場合いうまでもないことで
あるが、積層コンデンサ１１の外部電極１３ａ，
１３ｂは、主に金属板１４ａ，１４ｂを介して回
路電極１７ａ，１７ｂに導電接続されることにな
る。

このように本考案積層コンデンサは、基板１６
の通孔１８ａ，１８ｂに挿入されて位置決めする
ような突出した舌片１５ａ，１５ｂを有する金属
板１４ａ，１４ｂを有しているので、基板１６上
に載置するだけで、位置決めおよび横方向に対す
る仮固定が行なえ、接着剤等を用いることなく良
好に半田付け工程を行なうことができるのであ
る。従つて従来のような接着剤の付与工程が全く
不要で、作業性がすこぶる向上するとともに、接
着剤のコンデンサへの悪影響を全くなくすことが
できるという効果を有する。また本考案では、舌
片１５ａ，１５ｂを位置決め用として作用させる
ものであるから、基板１６には通孔が形成され、
これが半田付け時に空気抜き用孔としても作用す
るので、その半田付けが極めて良好に行なえる。
さらに舌片１５ａ，１５ｂを有する金属板を、第
３図示のような、積層コンデンサ１１の外部電極
１３ａ，１３ｂをそれぞれ覆うような形状にして
おけば、基板１６への半田固着の際に生じる溶融
半田の凝縮による電極剥離や積層コンデンサ１１
の割れやカケが全く生じることがないという効果
を有する。

なお本考案積層コンデンサに用いる金属板は、
上述の実施例に限ることはなく、要は積層コンデ
ンサを基板上に載置した際、位置決めできるよう
な舌片を突出形成したものであればよいのであ
り、例えば第４図〜第７図のようなものでもよ
い。第４図は積層コンデンサの内部電極の導出端
面にのみ取着される金属板に舌片１５ａ（１５
ｂ）を突出して設けたもの、第５図は前記内部電
極の導出端面との取着部と舌片とを同じ巾で形成
したもの、第６図は積層コンデンサを側面から挟
持せんとする断面コ字状金属板に舌片を設けたも
の、第７図は積層コンデンサの外部電極が上下面
にまで亘つて付与されている場合に、その上下面
のいずれかに存する外部電極と導電接続される金
属板に舌片を設けたものであり、その他本考案の
趣旨を出ない範囲で種々変形例が考えられよう。
要は、積層コンデンサの外部電極が取り付けられ
る基板の対応する位置に形成された通孔に挿入さ
れるような位置決め用舌片が、金属板に突出形成
されたものであればよいのである。また舌片の数
は、各例では１個のものを示しているが必要によ
り複数個にしてもよい。さらに舌片の長さは、少
なくとも基板上において位置決めできる程度であ
ればよいが、例えば、基板裏面側に回路電極が付
与されている場合の導電固着も容易に行ない得る
ような長さにしておくと、フエースボンデイング
用以外の固着手段用としても使用できる。また本
考案積層コンデンサは、これを複数個、例えば長
尺状のマガジン等に並べて収納し、基板への組込
を自動機によつて行なういわゆる自動マウント用
として用いても効果大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の積層コンデンサを基板に取着し
た状態を示す側断面図、第２図は本考案の一実施
例の積層コンデンサを基板に取着した状態を示す
側断面図、第３図〜第７図は本考案に用いる金属
板の形状例を示すそれぞれ斜視図である。 １１……積層コンデンサ、１３ａ，１３ｂ……
外部電極、１４ａ，１４ｂ……金属板、１５ａ，
１５ｂ……舌片、１６……基板、１８ａ，１８ｂ
……通孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 相対向端面に内部電極が交互に導出されかつ少
   なくともこの内部電極の導出端面に外部電極を付
   与してなる積層コンデンサにおいて、 前記外部電極１３ａ，１３ｂに、突出した位置
   決め用舌片１５ａ，１５ｂを有する金属板１４
   ａ，１４ｂを、導電的に固着して取り付け、前記
   位置決め用舌片は、前記外部電極が取り付けられ
   る基板１６の対応する位置に形成された通孔１８
   ａ，１８ｂに挿入されるものであることを特徴と
   する積層コンデンサ。