JPS6211240Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は取付作業性ならびに遮音性を改善し
たインシユレータダツシユに関する。

インシユレータダツシユはエンジンルームから
のエンジンの振動や騒音を室内に伝えないよう
に、両者の境界となる室内のボデイパネル前方床
面上に敷設されるものである。これは、厚手のポ
リウレタンフオーム，フエルトなどからなる吸音
層上面に、ポリウレタン樹脂，ゴム，塩化ビニー
ル等の遮音性表皮層を積層した２重構造を有し、
床面形状に適合して截断・曲成されているととも
に、シヤフト等床面上の突出物に対応する多数の
貫通孔が形成されているもので、これを車内に敷
設するには、突出物と貫通孔とを互いに位置決め
する必要があるが、シヤフト等に相当な取付誤差
があり、かつインシユレータダツシユが内装品と
しては大型重量部品であるために極めて作業性が
悪い。

これに対して従来は、貫通孔を突出物の径より
かなり大きな径に設定したり、あるいは十字に切
り込みを設けて貫通孔が適当に拡がるようにし、
突出物の取付誤差を吸収するようにしている。

従つてその貫通孔と突出物との間にはかなりの
間〓が生じており、これら間〓を伝つてエンジン
の振動や騒音が室内に伝幡し易く、完全な防音効
果を得ることができなかつた。また、十字に切り
込みを設けたものでは、そこから裂け目が生じ易
い欠点もあつた。

そこでこの考案は、突出物が貫通する部位の遮
音表皮層に少くとも基部が薄肉化されて十分な可
撓性が付与された円錐台形筒部を形成するととも
に、上記吸音層裏面からこの円錐台形筒部に連続
して漸次小径となるテーパ孔を形成したもので、
突出物が円滑に貫通案内されるようにするととも
に上記円錐台形筒部が可撓変形して常に突出物周
囲に密着するようにし、インシユレータダツシユ
の取付作業性ならびに遮音性を大幅に改善せしめ
るものである。

以下この考案の一実施例を図面を用いて詳細に
説明する。

第１図はこの考案に係るインシユレータダツシ
ユ１を示すもので、このものはポリウレタンフオ
ーム、厚手フエルト等からなる吸音層２上面に、
ポリウレタン樹脂，ゴム，塩化ビニル等の可撓性
に富む弾性材料からなる遮音表皮層３を積層した
２重構造を有し、ボデイパネルの床面形状に適合
して截断・曲成されているとともに、床面上の突
出物に対応して多数の貫通孔４が貫通形成されて
いる。第２図はこの貫通孔４部分を断面して示す
もので、即ちこの突出物に対応する部位の遮音表
皮層３に円錐台形状の筒部５が膨出形成されてい
るとともに、その基部５ａが薄肉化されて筒部５
に十分な可撓性を付与するように構成されてお
り、また吸音層２裏面からこの筒部５の内周面に
連続して漸次小径となるテーパ孔６が形成されて
いる。尚、遮音表皮層３にはこの貫通孔４部分を
補強する肉厚部７が設けられている。

第３図は以上のように構成されたインシユレー
タダツシユ１をボデイパネル８床面上に敷設した
際の、上記貫通孔４と床面上に突出するシヤフト
９との嵌合状態を示すものであるが、図示の如く
シヤフト９に多少取付誤差があつたとしてもテー
パ孔６によつてスムースに嵌合し、かつシヤフト
９位置に適合して筒部５が弾性変形するので筒部
５の頂部５ｂはシヤフト９外周に密着することに
なる。

従つて、エンジンルームと室内とは上記インシ
ユレータダツシユ１により一層良好にシールさ
れ、防音性が大幅に向上するのである。

第４図はこの考案の他の実施例を示すもので、
上記実施例では筒部５が表皮面に突出しているの
に対し、この実施例では筒部５の基部として環凹
部１０を設けることにより筒部１１が遮音表皮層
３の表面より下側に位置するように構成されてお
り、多数積載するに便利なようになつている。ま
た、この筒部１１は全体が薄肉化されて十分な可
撓性が付与されており、突出物に対して上記実施
例と同様に機能するものである。

第５図はこの考案のさらに他の実施例を示すも
ので、即ち筒部１２が上記第４図のものと同様に
表皮面内に構成されているとともに、吸音層２裏
面に上記筒部１２を囲む環凹部１３が設けられて
いる。

従つて第６図に示す如く、上記環凹部１３にお
いても弾性変形するため、シヤフト９の相当な取
付誤差に対しても十分に対応することができ、シ
ヤフト９との完全な密着状態を得ることができる
のである。

以上、詳細に説明したようにこの考案に係るイ
ンシユレータダツシユにあつては、床面上の突出
物に対して多少の位置ズレがあつたとしてもスム
ースに案内され、極めて簡単に敷設することがで
きるとともに、突出物周囲に間〓を生じることな
く完全にシールすることができ、一層良好な防音
効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るインシユレータダツシ
ユの斜視図、第２図はその貫通孔部分の断面図、
第３図は同じくボデイパネルに敷設した状態にお
ける貫通孔部分の断面図、第４図ならびに第５図
は各々この考案の他の実施例を示す断面図、第６
図は第５図のものをボデイパネルに敷設した状態
を示す断面図である。 １……インシユレータダツシユ、２……吸音
層、３……遮音表皮層、４……貫通孔、５……筒
部、６……テーパ孔、９……シヤフト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 吸音層上面に可撓性に富む遮音表皮層を積層
   してなるインシユレータダツシユであつて、ボ
   デイパネル床面のシヤフト等の突出物が貫通す
   る部位の遮音表皮層に、少なくともその基部が
   薄肉化されて十分な可撓性が付与された円錐台
   形筒部を形成するとともに、上記吸音層裏面か
   らこの円錐台形筒部に連続して漸次小径となる
   テーパ孔を形成したことを特徴とするインシユ
   レータダツシユ。 (2) 前記円錐台形筒部の基部として、上記遮音表
   皮層に環凹部を設け、上記円錐台形筒部を遮音
   表皮層の表面より下側に位置させるようにする
   とともに、上記吸音層裏面に上記円錐台形筒部
   を囲む環凹部を設けたことを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項記載のインシユレータ
   ダツシユ。