JP2574822Y2 - インシュレータダッシュの取付構造 - Google Patents

インシュレータダッシュの取付構造

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JP2574822Y2
JP2574822Y2 JP1993024588U JP2458893U JP2574822Y2 JP 2574822 Y2 JP2574822 Y2 JP 2574822Y2 JP 1993024588 U JP1993024588 U JP 1993024588U JP 2458893 U JP2458893 U JP 2458893U JP 2574822 Y2 JP2574822 Y2 JP 2574822Y2
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Kasai Kogyo Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、車室内のダッシュパ
ネルにインシュレータダッシュを取付けるインシュレー
タダッシュの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、図4に示すように、エンジンル
ームEと車室Rとを区画するダッシュパネル1の車室側
面上には、エンジンルームEから車室R内への騒音の伝
播を防止するために、インシュレータダッシュ2が設置
されている。
【0003】このインシュレータダッシュ2は、充填材
を混入した塩ビシート,ゴムシート等の遮音材3と、フ
ェルト,ポリウレタンフォーム等の吸音材4との積層体
が一般に使用されている。
【0004】そして、上記吸音材4によりエンジンルー
ムEからの騒音を吸音するとともに、ダッシュパネル1
と遮音材3との間の2重壁遮音効果より、上記吸音効果
と併せて良好な防音特性を発揮するようにしている。
【0005】このインシュレータダッシュ2をダッシュ
パネル1に取付けるには、最近では、ほとんどの車種に
おいてスタッドボルト,クリップ固定方式が採用されて
いる。
【0006】すなわち、図5に示すように、ダッシュパ
ネル1にスタッドボルト5が溶接等により固定されてお
り、インシュレータダッシュ2に設けられた取付孔6内
にこのスタッドボルト5を挿通させて、スタッドボルト
5の先端からクリップ7を嵌着させることにより、イン
シュレータダッシュ2をダッシュパネル1に対して取付
固定するようにしている。
【0007】また、インシュレータダッシュ2の自重に
より垂れ下がりを防止する目的で、図6に示すように、
スタッドボルト5がインシュレータダッシュ2の取付孔
6の上縁と当接する、いわゆる0タッチに設定されてい
るのが実状である。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
インシュレータダッシュ2の取付構造においては、イン
シュレータダッシュ2の自重により垂れ下がりを防止す
るために、スタッドボルト5が取付孔6の上縁部分に当
接設置しても、取付孔6廻りの製品剛性がないため、図
7に示すように、取付孔6が変形しやすく、遮音材3に
亀裂が生じる場合がある。
【0009】このように、インシュレータダッシュ2の
自重により垂れ下がりが確実に防止できないため、イン
シュレータダッシュ2の貫通孔とダッシュパネル4側の
貫通孔(例えばパイプ類等を貫通するために設けられる
貫通孔)等に位置ずれが生じ、パイプ類等の貫通作業に
支承をきたすとともに、隙間が原因となり、シール性能
の低下をもたらす等の不具合が指摘されている。
【0010】この考案は、このような事情に鑑みてなさ
れたもので、ダッシュパネルに固定したスタッドボルト
にインシュレータダッシュの取付孔を挿通させ、クリッ
プを嵌着させてインシュレータダッシュを取付ける構造
のものにおいて、インシュレータダッシュの自重による
垂れ下がりを確実に防止することにより、車体への取付
精度の向上ならびにシール性能の向上を図ったインシュ
レータダッシュの取付構造を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案は、エンジンルームと車室とを区画するダッ
シュパネルの室内側面上に添設され、吸音材と遮音材と
の積層体からなるインシュレータダッシュの取付構造に
おいて、前記ダッシュパネルに植設されるスタッドボル
トを挿通させるインシュレータダッシュの取付孔の周囲
には、遮音材,吸音材の少なくともいずれか一方側に環
状ビードおよび環状ビードから上方に伸びる複数の直線
状ビードが形成され、取付孔周囲の剛性が強化されてい
るとともに、スタッドボルトの上部側面に環状ビードの
内周縁が当接するように、スタッドボルトを取付孔に挿
通させたことを特徴とする。
【0012】
【作用】以上の構成から明らかなように、インシュレー
タダッシュの取付孔周囲には、その遮音材あるいは吸音
材の少なくとも一方側に、環状ビードおよび環状ビード
と連設し上方に伸びる直線状ビードが形成されているた
め、取付孔周囲の剛性が強化されることになる。
【0013】さらに、インシュレータダッシュの取付孔
内にスタッドボルトを挿通させた際、環状ビードの内周
縁とスタッドボルトとを当接させれば、インシュレータ
ダッシュの自重がスタッドボルトにかかり、その反発力
を環状ビードで受けることになり、取付孔が変形するこ
とがない。
【0014】
【実施例】以下、本考案によるインシュレータダッシュ
の取付構造の実施例ついて、添付図面を参照しながら詳
細に説明する。
【0015】図1は本考案の第1実施例を示すもので、
インシュレータダッシュの正面図、図2は図1に示すイ
ンシュレータダッシュをダッシュパネルに取付けた状態
を示す要部縦断面図、図3は本考案によるインシュレー
タダッシュの第2実施例の取付構造を示す要部縦断面図
である。
【0016】図1,図2において、本考案の第1実施例
について説明すると、本実施例に使用するインシュレー
タダッシュ10は、塩ビシート,ゴムシート等比較的面
密度の高い遮音材20と、フェルト,ポリウレタンフォ
ーム等吸音機能をもつ吸音材30との積層構造体から構
成されている。
【0017】一方、エンジンルームEと車室Rとを区画
するダッシュパネル40には、適宜位置にスタッドボル
ト41がその先端を車室内側に向けて溶接等により固定
されており、このスタッドボルト41をインシュレータ
ダッシュ10の取付孔11内に挿通させた後、クリップ
42を嵌着して、インシュレータダッシュ10がダッシ
ュパネル40に取付固定される。
【0018】ところで、本考案によるインシュレータダ
ッシュ10の特徴は、取付孔11廻りの剛性を強化する
ことにより、インシュレータダッシュ10の自重により
垂れ下がりを確実に防止した点にある。
【0019】すなわち、本実施例では、図1中拡大して
示すように、取付孔11の周囲に沿って遮音材20に環
状ビード21が形成されているとともに、環状ビード2
1の上部中央および上部両側の3箇所に、上方に伸びる
直線状ビード22が連設形成されている。
【0020】さらに、インシュレータダッシュ10をダ
ッシュパネル40に取付ける際、図2に示すように、ス
タッドボルト41の上部側面が環状ビード21と当接す
るように、スタッドボルト41を取付孔11内に挿通さ
せて取付けることを特徴とする。
【0021】したがって、遮音材20に環状ビード21
および複数の直線状ビード22を一体形成することによ
り、取付孔11周囲の剛性を強化するとともに、環状ビ
ード21とスタッドボルト41を当接状態でインシュレ
ータダッシュ10をダッシュパネル40に取付固定する
というものであるから、インシュレータダッシュ10の
自重がスタッドボルト41に加わり、その反作用による
外力が取付孔11上部側に加わるが、環状ビード21に
より取付孔11の孔変形が規制されるとともに、環状ビ
ード21の剛性強化に加えて、直線状ビード22により
上下方向の外力に対して剛性が強化される構成であるた
め、インシュレータダッシュ10の垂れ下がりを確実に
防止することができる。
【0022】例えば、エンジンルームEと車室Rとを貫
通させるパイプ類を配管する場合、車体側のダッシュパ
ネル40とインシュレータダッシュ10との貫通孔を一
致させる必要があるが、上述したように、インシュレー
タダッシュ10の自重による垂れ下がりが確実に防止で
きるため、このような位置ずれが確実に防止でき、車体
へのインシュレータダッシュ10の組付け精度を著しく
向上させることができ、また隙間発生によるシール性の
低下等の不具合も有効に解決することができる。
【0023】次いで、図3は本考案の第2実施例を示す
もので、本実施例においては、インシュレータダッシュ
10の取付孔11廻りにおいて、吸音材30に環状ビー
ド31およびこれと連設する複数の直線状ビード32が
形成されている構成である。この実施例によっても、ス
タッドボルト41は環状ビード32と当接するようにイ
ンシュレータダッシュ10の位置決めがなされている。
【0024】本実施例によっても、取付孔11周囲の剛
性は環状ビード31および直線状ビード32により強化
されているため、インシュレータダッシュ10の自重に
よる垂れ下がりを確実に防止でき、車体に対するインシ
ュレータダッシュ10の組付け精度を向上させるという
第1実施例同様の作用効果を有する。
【0025】なお、第1実施例では、遮音材20に環状
ビード21および直線状ビード22を形成し、第2実施
例では、吸音材30に環状ビード31,直線状ビード3
2を形成したが、遮音材20と吸音材30の両者に環状
ビード21,31,直線状ビード22,32を形成すれ
ば、取付孔11周囲の剛性をさらに強化することができ
る。
【0026】
【考案の効果】以上説明した通り、本考案によるインシ
ュレータダッシュの取付構造は、以下に記載する格別の
作用効果を有する。
【0027】(1)インシュレータダッシュの取付孔周
囲に環状ビードおよび環状ビードと連設する直線状ビー
ドを形成することにより、取付孔周囲の剛性を強化する
とともに、環状ビードとスタッドボルトとが当接状態と
なるように、インシュレータダッシュをダッシュパネル
に取付けるというものであるから、インシュレータダッ
シュの自重により取付孔が変形したり、取付孔に亀裂が
生じたりすることがなく、インシュレータダッシュの取
付安定性を長期にわたり良好に維持できるという効果を
有する。
【0028】(2)インシュレータダッシュの取付孔周
囲に環状ビードおよび直線状ビードを形成するととも
に、環状ビードとスタッドボルトとが当接するように位
置決めして、インシュレータダッシュをダッシュパネル
に取付けるというものであるから、インシュレータダッ
シュの自重によりインシュレータダッシュが垂れ下がる
ことを確実に防止できるため、車体孔とインシュレータ
ダッシュの貫通孔との位置ずれが防止でき、車体への組
付け精度を大幅に向上させることができるため、貫通部
品等の貫通作業等を円滑に行なえるとともに、位置ずれ
によるシール性の低下という従来不具合を有効に解決す
ることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例に使用するインシュレータ
ダッシュを示す正面図。
【図2】図1に示すインシュレータダッシュをダッシュ
パネルに取付ける状態を示す要部断面図。
【図3】本考案の第2実施例を示すもので、インシュレ
ータダッシュをダッシュパネルに取付ける状態を示す要
部断面図。
【図4】インシュレータダッシュの設定箇所を示す説明
図。
【図5】従来のインシュレータダッシュの取付構造を示
す断面図。
【図6】図5中A矢視図。
【図7】従来のインシュレータダッシュにおける固定方
法の不具合点を示す説明図。
【符号の説明】
10 インシュレータダッシュ 11 取付孔 20 遮音材 30 吸音材 21,31 環状ビード 22,32 直線状ビード 40 ダッシュパネル 41 スタッドボルト 42 クリップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60R 13/02 B60R 13/08

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンルーム(E)と車室(R)とを
    区画するダッシュパネル(40)の室内側面上に添設さ
    れ、吸音材(30)と遮音材(20)との積層体からな
    るインシュレータダッシュ(10)の取付構造におい
    て、 前記ダッシュパネル(40)に植設されるスタッドボル
    ト(41)を挿通させるインシュレータダッシュ(1
    0)の取付孔(11)の周囲には、遮音材(20),吸
    音材(30)の少なくともいずれか一方側に環状ビード
    (21,31)および環状ビード(21,31)から上
    方に伸びる複数の直線状ビード(22,32)が形成さ
    れ、取付孔(11)周囲の剛性が強化されているととも
    に、スタットボルト(41)の上部側面に環状ビード
    (21,31)の内周縁が当接するように、スタッドボ
    ルト(41)を取付孔(11)に挿通させたことを特徴
    とするインシュレータダッシュの取付構造。
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