JPS6141896Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、壁面材、床材等の建築用仕上げ材に
用いるに好適な化粧材に関するものである。

一般に、建築用化粧材は、合板等の板状下地、
コンクリート下地あるいは胴縁、間柱、根太等の
下地に、釘着あるいは接着等の方法で取り付けら
れる。

しかるに、このような下地が不陸と称される凹
凸状を呈していると、建築用化粧材と下地とのな
じみが悪くなり、特に化粧材同志の継ぎ目部にお
いて段違いを生じて、施工を困難なものとすると
ともに、施工外観を著しく低下させるという問題
を有している。しかも、建築用化粧材を下地へ固
定するための釘や接着剤の効きが悪くなつて、施
工後ガタツキを生じたり化粧材が剥離し易くなる
という問題がある。

このため、従来、化粧材の裏面に凹溝を設けた
り、あるいはゴムシート上に化粧板をその側端面
同志が当接しないように接着することにより、上
記問題を解消しようとする提案がなされている
が、前者は、化粧材の表面側は凹溝がなくて動き
が抑制されるため、表面側に凸な不陸には幾分有
効であるが、凹な不陸に対してはなじみ難いとい
う欠点を有しており、実際的な効果は期待できな
いものであつた。また、後者は、表面側に凸な方
向に曲がり易く剛性に乏しいため、施工取扱い性
が悪く、また接着剤で下地に個着させる場合には
ゴムと下地の双方を強個に接着できる特殊な接着
剤を必要とし、施工が面倒になるという欠点を有
していた。

本考案は斯かる点に鑑みてなされたもので、可
撓性を有するシート状ないしはマツト状物の表面
側に複数枚の化粧材を、裏面側に複数枚の裏打材
をそれぞれ接着し、該化粧材間および裏打材間に
上記シート状ないしはマツト状物に達する凹溝を
縦横に連続してまたは断続して形成せしめ、かつ
該化粧材間の凹溝と裏打材間の凹溝とを上記シー
ト状ないしはマツト状物を挾んで非対称となるよ
うに設けることにより、下地に多少の不陸があつ
ても継ぎ目部に段違い等を生じることなく良好に
取り付けることができ、また木質材料を基材とし
て用いた場合であつても反りやねじれ等の変形が
施工外観に現出することがなく、しかも通常の施
工法で簡便にかつ取扱い性よく施工することがで
きる建築用化粧材を提供せんとするものである。

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳
細に説明する。

第１図ないし第３図は本考案の第１実施例であ
る建築用化粧材A₁を示し、１は可撓性を有する
シート状ないしはマツト状物であつて、該シート
状ないしはマツト状物１の表面側には複数枚の化
粧材２，２…が、また裏面側には複数枚の裏打材
３，３…がそれぞれ接着されており、該化粧材
２，２間および裏打材３，３間にはそれぞれ上記
シート状ないしはマツト状物１に達する角溝状の
凹溝４ａ，４ｂが縦横に連続して４ａ又は断続し
て４ｂ形成せしめられてなり、かつ該化粧材２，
２間の凹溝４ａ，４ｂと裏打材３，３間の凹溝４
ａとは上記シート状ないしはマツト状物１を挾ん
で非対称となるように設けられたものである。
尚、２ａは上記化粧材２の表面に設けられた化粧
層である。この化粧層２ａは、例えば化粧単板、
化粧シート、塗料層、WPC単板等で構成される
ものであるが、化粧材２が木材の如くそれ自体化
粧性を有するものの場合は、特に設ける必要はな
い。

上記シート状ないしはマツト状物１としては、
天然ゴム、合成ゴム、ウレタン樹脂やシリコン樹
脂等の合成樹脂、不織布、合成繊維、木材薄単板
等よりなる可撓性を有するものを用いることがで
き、可撓性に加えてクツシヨン性を有するもので
あれば、一層下地へのなじみを良くすることがで
きるので好ましい。

また、上記化粧材２および裏打材３の基材とし
ては、合板、パーテイクルボード、木質繊維板等
の木質材料、あるいは石綿セメント板、石膏ボー
ド、石綿ケイ酸カルシウム板等の窯業系材料など
が用いられる。

さらに、上記凹溝４ａ，４ｂの形成は、シート
状ないしはマツト状物１に化粧板又は裏打板を全
面に貼合したのち、鋸やルーター等で切削するこ
とにより凹溝を形成する方法、あるいはシート状
ないしはマツト状物に化粧材２又は裏打材３を適
宜間隔をあけて貼合することにより凹溝を形成す
る方法の何れの方法によつてもよい。

したがつて、上記建築用化粧材A₁は、第３図
に示すように、不陸のある下地面Ｇに取り付ける
場合、その表面側の化粧材２および裏打側の裏打
材３の両方に、可撓性を有するシート状ないしは
マツト状物１に達する凹溝４ａ，４ｂが縦横に連
続してまたは断続して形成され、かつ上下の凹溝
４ａ，４ｂがシート状ないしはマツト状物１を挾
んで非対称であるため、表面側に凸な不陸並びに
凹な不陸に対しても、それに沿つて無理なく屈曲
し、下地へのなじみが非常に良好であり、継ぎ目
部に段違い等を生じることなく下地に良好にかつ
簡単に取り付けることができ、また施工後ガタツ
キや剥離を生じることはない。

さらに、上記建築用化粧材A₁は、シート状な
いしはマツト状物１を芯材として、その両面に化
粧材２、裏打材３を接着し、化粧材２，２間およ
び裏打材３，３間に凹溝４ａ，４ｂをそれぞれシ
ート状ないしはマツト状物１を挾んで非対称に設
けているため、上述の如く不陸を吸収する適度の
可撓性を有しながら、凹溝４ａ，４ｂ部分で大き
く折曲がるようなことがなく全体をほぼ平板状に
保ち得る適度の剛性を備えるので、施工取扱い性
が良くて施工を簡易に行うことができる。しか
も、特殊な接着剤を用いることなく通常の施工法
でもつて簡便に施工することができ、施工性を著
しく向上させることができる。

尚、本考案は上記実施例に限定されるものでは
なく、例えば第４図に示す第２実施例の建築用化
粧材A₂のようにＶ溝状の凹溝４′ａ，７′ｂ
（尚、第１実施例と同様に、４′ａは連続する凹溝
で、４′ｂは断続する凹溝である。）としてもよ
く、その他Ｕ字状等種々の形状の溝形状としても
よいのは勿論である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図な
いし第３図は第１実施例を示し、第１図は斜視
図、第２図は第１図の−線断面図、第３図は
下地面とのなじみ性を説明する断面図、第４図は
第２実施例を示す第２図相当図である。 A₁，A₂，A₃……建築用化粧材、１……シート
状ないしはマツト状物、２……化粧材、３……裏
打材、４ａ，４ｂ，４′ａ，４′ｂ……凹溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 可撓性を有するシート状ないしはマツト状物の
   表面側に複数枚の化粧材が、裏面側に複数枚の裏
   打材がそれぞれ接着されてなるとともに、該化粧
   材間および裏打材間に上記シート状ないしはマツ
   ト状物に達する凹溝が縦横に連続してまたは断続
   して形成せしめられてなり、該化粧材間の凹溝と
   裏打材間の凹溝とは上記シート状ないしはマツト
   状物を挾んで非対称となるように設けられている
   ことを特徴とする建築用化粧材。