JPS6141747A - ステンレス鋼圧延用ロ−ル材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明はステンレス鋼を熱間圧延するに適したロール
材に関する。

（従来の技術） 鋼材の熱間圧延、特に薄板用連続熱間圧延において、そ
のワークロール（以下、単にロールと呼ぶ）は製品々質
上、肌あれ、摩耗などの表面損傷の少ない、耐久性のよ
い材質が求められる。特にステンレス鋼の熱間圧延にお
いては製品の表面疵防止に対する要求度が高く、それら
の特性のすぐれたロール材の開発が強く望まれている。

現在、ステンレス鋼の熱間圧延用ロール材としては鋼糸
（アダマイト系（ＡＤ））、高クロム鋳鉄（ＨＣＲ）　
、および合金グレン（ＧＨ）などが粗〜仕上圧延で使い
分けられているが、負荷の大きい粗圧延後段、仕上圧延
前段では表面損傷のためにいずれの熱延工場においても
ロールの早期交換を強いられているのが実情である。

ステンレス鋼は普通鋼に比べて変形抵抗が大きく、また
、酸化膜厚さが薄いなどのためにロールの摩耗、肌あれ
が促進されるという特徴がある。

このために１耐摩耗性の良好なＨＣＲ（代表的成分：２
６９％Ｃ−０，６％Ｓｉ−１．１％Ｍｎ　−１，３％Ｎ
ｌ　−１９％Ｃｒ−１，４％Ｍｏ−Ｑ、２％Ｖ　）　カ
使ワレルコトカ多く、例えば、りがり技報第７巻第１号
Ｐ２１〜３３（１９８２）、特公昭５８−３０３８２号
公報など、また、ステンレス鋼熱延に適した肌あれの少
ないロール（特公昭５８−３６６４９号公報）の発ＢＡ
などが見受けられる。しかし、これらの特性を兼ね備え
たステンレス鋼の熱間圧延に最適なロール材は従来、全
く知られていない。

（発明が解決しようとする問題点） これらの事実から、寿命が普通鋼に比べて１／２〜１１
５と短いステンレス鋼の熱間圧延におけるロールくつい
て、その表面損傷機構を明らかＫした上で、最適なロー
ル材を発明することが極めて重要な課題でめり、本発明
の目的とするところでおる。

（問題点を解決するための手段） 本発明者らはまず、実際にステンレス鋼を熱間圧延した
ロールの表面および断面を、光学顕微鏡、電子顕微鏡、
Ｘ線分析装置などを用いて詳細に調べた結果、ロールの
肌あれ部に圧延材であるステンレス鋼が焼付いているこ
とを見出した。その後、高温摩耗試験機により、従来の
各種ロール材（ＡＤ。

ＧＨ、Ｉ（ＣＲ）とステンレス鋼（ＳＵＳ　４３０　、
５ＵＳ３０４）の組合せに対してころがｐすベタ１３１
擦実験を行なったところ、どのロール材にもステンレス
鋼が焼付くことが確認された。ステンレス鋼種別には結
晶構造の異なるＳＵＳ　３　Ｕ　４よシそれが類似の８
ＵＳ　４３０の方が焼付き傾向が大きかった。

さらに耐摩耗性の点からは、硬さの高いＭ、Ｃ、型のク
ロム炭化物を多量に含有する高クロム材が最も好ましい
ことが判明した。そこで、この高クロム材をベースにし
て耐焼付き性に対する各種添加元素の影響を調べた。そ
の結果、Ｓｌの１．６％以上添加が著しく焼付きを防止
するのに効果があることを見出した。

第１図および第２図にそれを示す。

発明者等は、高温摩耗試験装置を用いて、ロール材のす
ベタ率と焼付き量の関係におよぼすＳｌ添加の効果を調
べた。その結果、藁１図および第２図に示す関係がめる
ことを見出した。

即ち、従来のコール材であるＳｉ含有量１，６％未満の
ものでは、すベル率が１０％を超えると急速Ｋｗ８付き
量が増大するが、Ｓ１含有量が１．６−以上のものはナ
ベ夛率が２０チを超えても焼付き量は殆んど増加しない
。

一方、党−ル材におけるｓｉ含有量と焼付き量の関係を
第２図に示す。

Ｓ１含有量の増加とともに焼付き責が顕著に下りはじめ
、１．６％以上で実用上差支えない水弟の焼付量となる
。ロール材におけるＳｉ含有量が２チを超えると焼付量
は実質的に零となる。

第３図（４に１本発明の、Ｓｉを多ｔＫ”含有するロー
ル材の金属組織写真を第３図（ロ）Ｋ示す従来のロール
材と比較して示す。

本発明の°、Ｓｌを多量に含有するロール材の場合も共
晶組織の形態は殆んど影響を受けていない。

この発明は、これらの知見に基づいてなされたもので、
その要旨とするところは以下のとおシである− （１）　　Ｃ２，５〜３．５係、Ｓｉｌ、６〜５％、Ｍ
ｎ３％以下、Ｎｉ５％以下、Ｃｒ１５〜２５％、Ｍｏ　
３％以下、残部はｒｅおよび不可避不純物からなること
を特徴とするステンレス調圧延用ロール材。

（２）　　Ｃ２，５〜３．５％、Ｓｉ１．６〜５％、Ｍ
ｎ　３％以下、Ｎｉ５％以下、Ｃｒ１５〜２５ｔ１１１
　Ｍｏ３％以下に加えてＶ、　Ｔｉ　、　Ｎｂ、　Ｃｏ
、　Ｗの１種または２種以上を合計０．１〜３％含み、
残部はＦｅおよび不可避不純物からなることを特徴とす
るステンレス調圧延用ロール材。

焼付きはミクロ的に金属同志がある面積でＷ＠接触して
凝着を起し歌い方の金属の一部が破断して硬い方の金属
面上に移着することのくり返しにより肉眼゛で見えるほ
どまで成長する現象である。

この凝着性は金属の種切の組合せくより異なり、一般に
は、固溶し易い金属同志、結晶構造の類似の金属同志が
凝着し易いといわれ、事実、同じ金属同志が最も凝着力
が大きい。しかしこれらＫは例外も多く、凝着は表面エ
ネルギーの高い金属が必然的に有する特性であると考え
られる。この焼付きを阻止するために、金属の表面間に
異種物質の膜を介在させる潤滑剤の利用は広く行なわれ
ている方法である。また、表面に他の微量元素を吸着あ
るいは反応させることも有効であるが、なかでも酸素の
効果が大きいといわれている。

本発明の重要な要件であるＳｔの多量添加がこの焼付き
現象に対してどのような機構で効果を発揮するのか詳細
は不明であるが、固溶したＳｌが酸素の吸着、拡散など
を促進すること、あるいは表面エネルギーを下げる作用
をすることなどが推測される。また、オーステナイト系
ステンレス鋼にＳｉを添加すると積層欠陥エネルギーを
下げ、転位の移動を妨げる作用によシ焼付きを防止する
と考えられる。

次に、本発明に係るステンレス調圧延用ロール材の各成
分範囲の限定理由について述べる。

Ｃはロールの硬さを維持し、耐摩耗性を上げるためのカ
ーバイドを適ｆ（２０〜４０　Ｖｏｌ−チ）含有させる
ために２．５〜３．５　％　（重量慢、以下同じ）とし
た。この量より少ない場合はカーバイド量が少な過ぎ、
また、多い場合にはそれが多過ぎて割れ感受性が高くな
る。

ＩＳｉは本発明により耐焼付き性を著しく向上させるこ
とか判明した元素であり、１．６％未満ではその効果が
小さく、５チを超えると割れ易くなり、使用に適さない
。添加量は多いほどその効果は大きい＠ Ｍｎはロール製造時に脱酸剤として使用されるが３チを
超えると靭性などの機械的性ダが劣化するほか、オース
テナイトを安定化させるため組織が不均一になり易い。

Ｎｉは基地を強靭化させる元素であるが５チを超えると
、やけフォーステナイトが安定化して不均一組織となり
有害である。

ｃｒは基地を強靭化するほか共晶組織中に微細のＭ、Ｃ
，型のカーバイドを適量含有させて耐摩耗性を向上する
重要な元素である。添加量が１５チ未満ではカーバイド
潰が少な過ぎ、硬さのより低いＭ、Ｃ型のカーバイドが
出現して形態もネットワーク状となって有害でめり、２
５ｔｓを超えるとＭ２Ｒ”ｂ型のカーバイドが多くなり
、基地も脆化する。

Ｍｏ　ｔｉ基地の焼戻し軟化を防止するほか、カーバイ
ド中にも浸入してそれを強靭化するのに有効な元素であ
るが３％を超えるとその効果が飽和する。

さらにＶ、Ｔｉ、Ｎｂはいずれもカーバイド生成元素で
あり、マた、他のカーバイド中に固溶してそれを強靭化
するが合計０．１％未満ではその効果がなく、３％を超
えると効果が飽和し、カーバイドの形態が変化してしま
う。

Ｃｏ、Ｗは基地の強靭化、カーバイドの硬化などのため
に添加されることがある元素であるが、同じ＜０．１％
未満では効果がなく、３チ超えると効果が飽和する。

（作用） 上記のように本発明ロール材は、耐摩耗性のよい高クロ
ム材にＳｔを適量添加することくより、ステンレス鋼熱
延において問題となる焼付きくよる肌ろれを顕著に防止
しその耐久性を従来の２倍以上高めることができる。ま
た、焼付きが発生するために従来ステンレス鋼の圧下率
を制限していたような場合でもそれを撤廃し、圧延機の
能力範囲内で自由に圧遮を行なうことができる。

本発明ロール材はステンレス鋼の熱間圧延に適している
が、普通鋼の圧延に使用することも勿論可能であり、こ
の場合は従来の高クロム材と同等の良い成績をあげ得る
。圧延機は通常、ステンレス鋼専用という場合は少なく
、普通鋼、特殊鋼なども同時に圧延されるのでロールは
共通して使用できることが要求される。

本発明のロール材を用いてロールを製造するに際しては
従来の方法とほとんど変るところがなく遠心鋳造複合型
で鋳造後、適当な熱処理により均質化、応力除去、調質
などを行なうことは当然である。

（実施例） 第１表に示すような本発明ロール材の外１＠成分を有す
るロール（本発明ロールという）と従来の高クロムロー
ルを連続熱延機仕上２号スタンドに組込み種々のテスト
圧延を行なった結果のロール使用成績を比較すれば第２
表の通りである。

注１）使用成績の算出は次式による。

ロールの摩耗量（閣）十研削費（ｗ） ２）ロール肌あれの原因はフェライト系ステンレスの場
合は暁付きによるものかはとんどであるがオーステナイ
ト系ステンレスと普通鋼の場合には、表層の疲労破壊′
！念は、黒皮剥離による。

（発明の効果） 上記のように本発明ロール材を使用することによシ、従
来、焼付きくより圧下率制限およびロール組替数の博大
が必要であったステンレス鋼の熱間圧延をそれらの制約
を伴わずに行なうことが可能になり、ステンレス鋼の品
質向上、コストダウン、生産能率向上などに顕著な効果
を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は高温摩耗実験において、すベタ率と焼付き量の
関係に及ばずＳ１添加ロール材の効果を示す図、篇２図
はＳ１添加ロール材のＳｉ含有量と焼付量の関係を示す
図、第３図（イ）は本発明ロール材の金属組織写真、同
じく（ロ）は従来高クロムロール材の金属組織写真（倍
率５ＯＯ）である。 第１図 第２図 ３１合虜−ｉ　（％）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）Ｃ２．５〜３．５％、Ｓｉ１．６〜５％、Ｍｎ３
   ％以下、Ｎｉ５％以下、Ｃｒ１５〜２５％、Ｍｏ３％以
   下、残部はＦｅおよび不可避不純物からなることを特徴
   とするステンレス調圧延用ロール材。
2. （２）Ｃ２．５〜３．５％、Ｓｉ１．６〜５％、Ｍｎ３
   ％以下、Ｎｉ５％以下、Ｃｒ１５〜２５％、Ｍｏ３％以
   下に加えてＶ、Ｔｉ、Ｎｂ、Ｃｏ、Ｗの１種または２種
   以上を合計０．１〜３％含み、残部はＦｅおよび不可避
   不純物からなることを特徴とするステンレス鋼圧延用ロ
   ール材。