JP3206631B2 - ロ−ル転写性に優れたオ−ステナイト系ステンレス鋼 - Google Patents

ロ−ル転写性に優れたオ−ステナイト系ステンレス鋼

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JP3206631B2
JP3206631B2 JP27304194A JP27304194A JP3206631B2 JP 3206631 B2 JP3206631 B2 JP 3206631B2 JP 27304194 A JP27304194 A JP 27304194A JP 27304194 A JP27304194 A JP 27304194A JP 3206631 B2 JP3206631 B2 JP 3206631B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ロ−ル転写による表
面の均一粗面化特性に優れていて、ビル外装板,フロッ
ピ−ディスクのオ−トシャッタ−材等の如き家電製品の
外板,機能上表面粗さが要求される塗装用あるいはエッ
チング加工用ステンレス鋼板用材料として好適なオ−ス
テナイト系ステンレス鋼に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】オ−ステナイト系ステンレス鋼
として知られるSUS304鋼は、特有の美麗な金属光
沢を呈する上に優れた耐久性,耐食性並びにプレス加工
性を具備しており、しかもオ−ステナイト系ステンレス
鋼の中では比較的安価な材料であることから、従来より
建材,厨房用機器,食品容器,家電製品,事務機器類等
といった広範な用途に供されてきた。また、最近では、
上記特性に加え、外部磁場の影響を受けない“非磁性”
が着目され、フロッピ−ディスクのオ−トシャッタ−材
としての需要も増大している。
【0003】ところで、“外観が重視される用途”や
“塗装あるいはエッチング加工材等のように塗布剤のな
じみ性が重視される用途”に供されるSUS304鋼材
には、一般にヘアライン仕上げが行われている。しか
し、このヘアライン仕上げは、従来、最終の冷間圧延が
終了した後の独立した別工程において冷延鋼材表面をブ
ラッシングしヘアライン模様を付与するという手法で実
施されており、そのためヘアライン仕上げ材については
生産性の点やコスト面で十分に満足できるものとは言え
なかった。
【0004】そこで、最近、圧延によってヘアライン仕
上げ材と同等の外観を呈する材料を製造する技術が開発
された。これは、圧延用ワ−クロ−ルの表面を粗度の大
きなロ−ルグラインダ−で研削して目標とする表面粗さ
に仕上げると共に、圧延工程における最終の圧延でこの
ワ−クロ−ルを適用し、該ワ−クロ−ルの表面粗さを圧
延素材表面に転写するという技術である。この「ヘアラ
インに似た表面の作り込みを最終圧延で同時に行う」と
いう新しい技術によると、従来のヘアライン仕上げに比
べて通板する素材は板幅の制限を一切受けないので著し
い生産性の向上が期待された。しかしながら、本発明者
等の検討により、この方法をSUS304鋼の表面仕上
げに適用して実際の作業を続けると得られる粗面化圧延
材の表面粗さにムラが生じてしまい、肝心な外観の均一
性が得られにくいという問題のあることが明らかとなっ
た。
【0005】このようなことから、本発明が目的とした
のは、ヘアライン仕上げ材と同等の均一で美麗な外観を
呈すると共に、従来のSUS304鋼なみに優れた耐久
性,耐食性,プレス加工性等を具備した非磁性鋼材を生
産性良く低コストで提供できる手段を確立することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく、特に圧延技術及び金属材料学の2つの視
点から鋭意研究を重ねた結果、次に示すような知見を得
ることができた。 a) 「必要とされる表面粗さの作り込みを最終圧延で同
時に行う」という前述の技術によってSUS304粗面
化鋼材を製造した場合に生じる“表面粗さのムラ”は、
冷間圧延中に素材に発生する加工誘起マルテンサイト変
態に起因するものである。 b) そして、上記加工誘起マルテンサイトの発生量は素
材の成分組成及び結晶粒度に影響されるので、通常条件
で冷間圧延した場合の加工誘起マルテンサイトの発生量
が表面状態に悪影響を及ぼさない範囲に止まるようにス
テンレス鋼(SUS304)素材の成分組成及び結晶粒度を調整
してやれば、前記“表面粗さのムラ”の発生を抑えるこ
とができる。 c) しかも、“表面粗さのムラ”の発生を抑え得る程度
の成分組成や結晶粒度の調整範囲であれば、鋼に非磁性
が維持されることは勿論、耐久性,耐食性,プレス加工
性等の必要特性もSUS304鋼に比べて遜色を生じる
ことはない。
【0007】d) また、素材中に存在する酸化物系及び
炭窒化物系の非金属介在物も前述した“表面粗さのム
ラ”の発生に係わっており、それら非金属介在物の量が
一定量を超えると圧延用ワ−クロ−ルの摩耗が促進され
て前記“表面粗さのムラ”を発生するようになるほか、
ロ−ル寿命をも低下させる。
【0008】e) 従って、素材として「冷間圧延により
発生する加工誘起マルテンサイトの量が所定の範囲内に
止まる成分組成及び結晶粒度に調整され、 かつ非金属介
在物の量も所定の範囲内に抑えられたオ−ステナイト系
ステンレス鋼」を適用した場合には、「表面粗さの作り
込みを最終圧延で同時に行う」という先に述べた“ロ−
ル転写を取り入れた粗面化材の製造技術”に従っても、
ヘアライン仕上げ材と同等の均一で美麗な外観を呈し、
かつ耐久性,耐食性,プレス加工性等の特性に優れた粗
面化非磁性鋼材を生産性良く安定して得ることが可能に
なる。
【0009】本発明は、上記知見事項等を基にして完成
することができたものであり、「オ−ステナイト系ステ
ンレス鋼を、C:0.01〜0.10%(以降、 重量割合を表わ
す%は重量%とする),Ni:5.00〜 22.00%, Cu:0.
01〜1.00%, Si:0.01〜1.00%,Cr: 10.00〜 2
7.00%, N: 0.001〜 0.100%, Mn:0.10〜2.00
%,Mo:0.30%以下を含有していて残部がFe及び不純物
より成ると共に、 前記不純物中におけるAl,Nb,V,T
i,Zr,Ta,P及びSの含有量がそれぞれAl: 0.010%
以下, Nb: 0.010%以下, V:0.050 %以下,T
i:0.050 %以下, Zr:0.010 %以下, Ta: 0.
010%以下,P:0.040 %以下, S:0.030 %以下に
制御され、 かつ式 Md30(℃)= 551−462(C+N) −9.2Si −8.1Mn −
29(Ni+Cu)−13.7Cr−18.5Mo−68Nb−1.42(GsNo.−8.
0) 〔但し、 GsNo.はJIS G 0551 によって定義される粒度
番号〕で求められるMd30値が−20℃以下に配分され
て成るオ−ステナイト系ステンレス鋼であって、 圧延平
行断面100mm2 当りの酸化物系介在物及び炭窒化物系
介在物の圧延方向総長さが3mm以下となる構成とするこ
とにより、 耐久性,耐食性,プレス加工性等に優れるこ
とは勿論、 優れたロ−ル転写性を示し、かつ圧延用ワ−
クロ−ルに対する摩耗損傷の抑制性能を有した非磁性鋼
を実現できるようにした点」に大きな特徴を有してい
る。
【0010】なお、前記式で求められる「Md30値」と
は、良く知られているように、引張りによって30%の
歪を与えたときに50%のマルテンサイト相を生ぜしめ
る温度のことである。また、前記「圧延平行断面」と
は、圧延された素材の圧延方向に平行かつ圧延面に対し
て垂直な面を指す。そして、前記「酸化物系介在物」と
は介在物の主成分がアルミナ(Al23)等のように酸化物
である介在物を言い、「炭窒化物系介在物」とは介在物
の主成分が炭化物又は窒化物もしくはその複合体である
介在物を言う。更に、前記「圧延方向総長さ」とは、前
記断面において観察される複数の介在物の圧延方向長さ
の総和を指すものである。
【0011】上述のように、本発明は、「表面粗さの作
り込みを最終圧延で同時に行う」という前述した新しい
技術に指摘されたところの、「表面粗さにムラが生じて
外観の均一性が得られにくい」という問題を材料学的な
見地からこの課題の解決を図ったものであり、耐久性,
耐食性,プレス加工性等に優れると共にロ−ル転写性の
良好な非磁性素材鋼を提供するものであるが、ここで言
う“ロ−ル転写性”とは、圧延用ワ−クロ−ルの表面に
形成された所定の表面粗さが素材表面に転写される際の
正確さと、その転写の素材幅方向にわたる均一性とを意
味するものである。
【0012】即ち、本発明によると、表面粗さの作り込
みを最終冷間圧延によって行うことにより得られる“高
い生産性”がそのまま生かされ、しかも該技術によって
も均一な表面性状の安定確保が可能となるオ−ステナイ
ト系ステンレス鋼が実現されるが、以下、本発明におい
て鋼の“成分組成", "Md30値”及び“非金属介在物の
量”を前記の如くに限定した理由をその作用と共により
詳細に説明する。
【0013】〔A〕化学成分 a) C Cは強力なオ−ステナイト生成元素であり、Md30値を
低下させる作用を有していることから0.01%以上含有さ
せるのが好ましいが、その一方で、鋼の加工硬化能を増
大させ、また粒界にCrの炭化物を析出させて耐食性を劣
化させる元素でもある。そして、Cのこの好ましくない
作用はその含有量が0.10%を超えると顕著化してくる。
従って、C含有量は0.01〜0.10%と定めた。
【0014】b) Ni Niは最も有効なオ−ステナイト生成元素であり、Md30
値を低下させるばかりか、鋼の耐食性向上にも極めて有
効な作用を発揮する。そして、これらの作用による十分
な効果を引き出すためには5.00%以上の含有量を確保す
るのが好ましいが、22.0%を超えて含有させることはコ
スト上昇の観点から実操業上控えた方が有利である。従
って、Ni含有量は5.00〜 22.00%と定めた。
【0015】c) Cu Cuも、Niと同様にオ−ステナイト生成元素であるのでM
30値を低下させる作用を有している。更に、Cuにはオ
−ステナイトの積層欠陥エネルギ−を上げる作用がある
ので加工硬化能を低下させる効果を発揮し、また耐食性
の改善にも有効な元素である。そして、これらを効果を
確保するには0.01%以上のCuを含有させるのが好ましい
が、1.00%を超えて含有させると高温加熱下での粒界の
脆化が促進されるようになって鋼の熱間加工性が阻害さ
れ、高温割れに敏感になる。従って、Cu含有量は0.01〜
1.00%と定めた。
【0016】c) Si Siは鋼の有効な脱酸剤であるが、強力なフェライト生成
元素であり、オ−ステナイトの積層欠陥エネルギ−を下
げるので加工硬化能を増大させるばかりか、靱性を低下
させる。また、酸化物系及び炭化物系の介在物を生成し
やすく、特にシリコンカ−バイド(SiC)は圧延用ワ−
クロ−ルの研削剤の主成分と用いられるほどの非常に硬
い物質であり、ワ−クロ−ルの摩耗損傷を促進させる。
そこで、Si含有量は、十分な脱酸効果を確保しつつ上記
悪影響が顕著化しない0.01〜1.00%の範囲に調整するこ
とと定めた。
【0017】d) Cr Crはステンレス鋼の基本成分であり、鋼の耐食性を著し
く向上させる元素である。また、引張強さ及び硬さに加
えて加工硬化能をも低下させる作用を有しているので、
ロ−ル転写性を改善する上でも好ましい成分である。し
かし、多量の添加はコストの上昇を招くことになり、実
操業上好ましくない。そこで、Cr含有量は、上記作用に
よる十分な効果を確保でき、かつコスト上昇がそれほど
顕著とならない 10.00〜 27.00%の範囲に調整すること
と定めた。
【0018】e) N Nも、Cと同様に強力なオ−ステナイト生成元素であ
り、MD30値を低下させる作用を有しているので、該作
用による効果が顕著化する 0.001%以上の含有量を確保
するのが好ましい。しかし、 0.100%を超えて含有させ
ると粒界に硬い窒化物が析出し、ロ−ル転写性を害する
ようになることから、N含有量は 0.001〜0.100%と定
めた。
【0019】f) Mn Mnは、鋼の脱酸剤及び脱硫剤として有効に作用すると共
に、オ−ステナイトの安定化にも寄与する成分であるの
で、これらの作用による効果が顕著化する0.10%以上の
含有量を確保するのが好ましい。しかしながら、2.00%
を超えて含有させると鋼の耐食性が劣化する傾向を見せ
ることから、Mn含有量は0.10〜2.00%と定めた。
【0020】g) Mo Moは、微量添加においても鋼の耐食性改善に著しい効果
をもたらす有効な元素である。しかし、一方、硬い炭化
物を析出させて素材の硬度を上昇させるので、Moの添加
量が多くなるとロ−ル転写性に悪影響を及ぼすようにな
る。その上、Moは高価な元素であり、多量の添加はコス
ト高を招いて実操業上好ましくない。そこで、特にコス
ト面を考慮してMo含有量の上限値を0.30%と定めた。
【0021】h) Al Alは鋼を溶製する際の強力な脱酸剤であるが、酸化物系
の介在物を生成しやすい元素である。特に、鋳造時にク
ラスタ状に生成されるアルミナ(Al23)は圧延用ワ−ク
ロ−ルの研削剤の主成分として用いられるほど硬い物質
であり、その存在は圧延転写に使用するワ−クロ−ルの
摩耗損傷を促進させる。また、Alは鋼の結晶粒界に硬い
窒化物を析出させる上、Niとも反応して非常に硬い金属
間化合物(Ni3Al)を析出させて素材の硬度を著しく上昇
させる。従って、多量のAlが鋼中に残留するとロ−ル転
写性に悪影響を及ぼすことになる。そして、Al含有量が
0.010%を超えると上述の悪影響が実操業上望ましくな
いレベルに達するので、Al含有量の上限値を 0.010%と
定めた。
【0022】i) Nb Nbは強力な炭化物生成元素であり、鋼の結晶粒界に微細
な炭化物を析出させる上に、炭窒化物系の介在物を生成
しやすい。また、Niと金属間化合物を形成して微細板状
析出することにより鋼の硬度を著しく上昇させる。従っ
て、Nbの含有量が多くなるとロ−ル転写性に悪影響を及
ぼすことになる。そして、Nb含有量が0.01%を超える
と、上記悪影響が実操業上望ましくないレベルに達する
ので、Nb含有量の上限値を0.01%と定めた。
【0023】j) V Vは、CやNに対する親和力が比較的強く、炭化物や窒
化物を析出させて鋼の硬度を上昇させるのでロ−ル転写
性に悪影響を及ぼす。特に、V含有量が 0.050%を超え
ると前記悪影響が実用上好ましくないレベルに達するの
で、V含有量の上限値を 0.050%と定めた。
【0024】k) Ti TiもAlと同様に強力な脱酸剤であるが、やはり酸化物系
及び炭窒化物系の介在物を生成しやすい。特に、酸化物
系の介在物であるチタニア(TiO2 )は非常に硬く、圧
延転写に使用するワ−クロ−ルの摩耗損傷を著しく促進
させることが判明した。また、TiはNiと反応して非常に
硬い金属間化合物 Ni3Tiを析出させるので、やはりロ−
ル転写性に悪影響を及ぼす。そして、Ti含有量が 0.050
%を超えると前記悪影響が実用上好ましくないレベルに
達するので、Ti含有量の上限値を0.050%と定めた。
【0025】l) Zr Zrは鋼を溶製する際に強力な清浄作用を発揮するが、Ti
と同様に酸化物系及び炭窒化物系の介在物を生成しやす
い。特に、酸化物系の介在物であるジルコニア(Zr
2 )及びジルコン(ZrSiO4 )は非常に硬く、圧延転
写に使用するワ−クロ−ルの摩耗損傷を著しく促進させ
ることが判明した。そして、Zr含有量が 0.010%を超え
ると、前記悪影響が実用上好ましくないレベルに達する
ので、Zr含有量の上限値を 0.010%と定めた。
【0026】m) Ta TaもNbと同様に強力な炭化物生成元素であり、鋼の結晶
粒界に微細な炭化物を析出させる上、Niと金属間化合物
を形成して微細板状析出することにより鋼の硬度を著し
く向上させ、ロ−ル転写性に悪影響を及ぼす。特に、Ta
含有量が 0.010%を超えると前記悪影響が実質上好まし
くないレベルに達するので、Ta含有量の上限値を 0.010
%と定めた。
【0027】n) P ステンレス鋼において、不可避的に混入するPはあらゆ
る面で有害な元素である。即ち、Pは鋼中で偏析を起こ
しやすく、熱間加工性を著しく害し、靱性を低下させ、
更には耐食性も劣化させる。そして、P含有量が特に
0.040%を超えると前記悪影響が実用上好ましくないレ
ベルに達するので、その上限値を 0.040%と定めた。
【0028】o) S ステンレス鋼に不可避的に混入するSは、鋼の結晶粒界
に低融点の共晶膜を形成してその熱間加工性を著しく害
する。しかし、通常は硫化物として固定されているので
0.030%以下の含有量では格別な問題を生じない。従っ
て、S含有量の上限値を 0.030%と定めた。
【0029】〔B〕Md30値 一般に、ある特定の温度以下でオ−ステナイト系ステン
レス鋼に強い冷間加工を加えると、応力誘起変態によっ
て所々に母相のオ−ステナイト相より一段と硬いマルテ
ンサイト相が出現する。このようにして生じるマルテン
サイトは“加工誘起マルテンサイト”と呼ばれている。
加工誘起マルテンサイトの生成量は、素材鋼の成分や結
晶粒度のほかに、素材鋼の温度及び加工歪量にも影響さ
れる。即ち、素材鋼の温度が低いほど、また加工歪量が
多いほど生成する加工誘起マルテンサイト量は多くな
る。そして、一定の加工歪を加えた時にある基準量の加
工誘起マルテンサイトが発生する温度は素材鋼の成分及
び結晶粒度によって一意に決定されるので、加工誘起マ
ルテンサイトの発生のしやすさを示す尺度となり得る。
“Md30値”はこのような概念の下に定義された指標で
あり、前述したように「引張りにより30%の歪を与え
たときに50%のマルテンサイトを生ぜしめる温度」の
ことである。そして、その値は、素材鋼の成分組成及び
結晶粒度によって変化する物理量であり、次の式で求め
ることができる。 Md30(℃)= 551−462(C+N) −9.2Si −8.1Mn −
29(Ni+Cu)−13.7Cr−18.5Mo−68Nb−1.42(GsNo.−8.
0) 〔但し、 GsNo. はJIS G 0551 によって定義される粒度
番号である〕 ここで、上記式で求められるMd30値が低温側であるほ
ど、その鋼は加工誘起マルテンサイトを発生しにくい。
即ち、Md30値が低温側である鋼ほど、より低温で加工
歪を加えなければ加工誘起マルテンサイトを発生するこ
とがない訳である。
【0030】ところで、冷間圧延では、ワ−クロ−ル表
面の粗度が大きいほど圧延中の素材表面との摩擦は大き
くなって素材表面に強い加工が加わる。そのため、表面
の粗度が大きいワ−クロ−ルを使用し、その粗面を転写
して粗面化鋼材を製造する際の“ワ−クロ−ルの転写
性”は、素材表面の特性により影響されるようになる。
また、冷間圧延ではワ−クロ−ルと素材表面との摩擦が
大きいほど圧延材表面の光沢度が増すので、外観のムラ
はワ−クロ−ルと素材表面との摩擦が大きいほど顕在化
しやすく、従って表面の粗度が大きいワ−クロ−ルを使
用する粗面化鋼材の製造工程では通常の冷間圧延以上に
外観ムラが発生しやすい。しかるに、圧延中に素材の所
々に加工誘起マルテンサイトが発生すると、素材表面の
硬度にムラが生じてしまい、転写される表面粗さの均一
性が著しく損なわれ、光沢ムラも顕在化することにな
る。その上、硬いマルテンサイト相の出現は圧延用ワ−
クロ−ルの表面摩耗を促進させ、ワ−クロ−ルの耐用時
間(以降“ワ−クロ−ル寿命”と記す)を低下させるの
で、この点からも転写される表面粗さの均一性を損なう
ことになる。
【0031】本発明者等は、これらの知見を得る過程に
おいて度重なる圧延試験を実施した結果、前記Md30
が−20℃以下となるように素材鋼の成分組成及び結晶
粒度が制御されていれば、実操業における温度の下限値
となる冬場に冷間圧延を施しても加工誘起マルテンサイ
トの発生はロ−ル転写性に対して無害な量で済むことが
判明した。従って、鋼のMd30値を−20℃以下に調整
することと定めたが、より好ましくは−40℃以下とす
るのが良い。
【0032】〔C〕介在物の量 従来、圧延素材中に肉眼で観察できるほど大型の介在物
が存在すると、これが圧延の際にワ−クロ−ルを傷つ
け、逆にその傷模様が素材に転写される所謂“ロ−ルプ
リント異常”と呼ばれる障害が発生することが知られて
いた。そこで、これまで溶解鋳造技術に関して種々の改
善が試みられ、現在では介在物起因のロ−ルプリント異
常の発生は皆無に近くなった。即ち、上記ロ−ルプリン
ト異常を発生させる介在物は肉眼で観察できるほど大き
なものであるから、ロ−ルプリント異常を無くするには
大型の介在物さえ発生させなければ良く、介在物を微細
かつ均一に分散させる方法で解決できた訳である。
【0033】ところが、近年、圧延材等の表面性状に対
する要求特性が多様化し、種々の表面粗さを有する材料
を作り込む必要に迫られるようになった。そして、金属
材料の表面粗さを作り込む技術は多々知られていたもの
の、生産性の観点から冷間圧延によってワ−クロ−ル表
面の凹凸を転写する方法が最も好ましいとされるように
なってきた。本発明者等は、冷間圧延で素材に特定の表
面粗さを転写して作り込む過程において、素材中の介在
物とワ−クロ−ルの摩耗損傷について鋭意研究を重ねた
ところ、従来問題にならないと考えられていた微小な介
在物でも多量に存在すればワ−クロ−ルの摩耗損傷を促
進させ、転写形成した粗面化面の均一性を損なわしめる
ことを見出した。そして、介在物の中でも特に酸化物系
や炭窒化物系の介在物がワ−クロ−ルの摩耗損傷を著し
く促進させることが判明した。そのメカニズムについて
は次のように考えられる。
【0034】前述したように、ワ−クロ−ル表面の粗度
が高いほど圧延素材表面との摩擦は大きくなるので、ワ
−クロ−ルの摩耗損傷はより一層素材表面の状態に影響
されるようになる。ここで、「粗度が大きい」というこ
とは「凹凸の高低差」が大きいということであるが、ワ
−クロ−ル表面の凹凸の高低差が大きいと圧延時に凹凸
の頂点に負荷がより集中することになるため、この部分
の摩耗損傷の程度がワ−クロ−ル寿命を決定する。即
ち、圧延素材内部の奥深くまで食い込む上記ワ−クロ−
ル表面の凹凸頂点部こそ最も圧延素材の影響を受ける訳
である。そして、圧延素材中にワ−クロ−ルよりも硬い
介在物が多量に分散して存在するならば、例え個々の介
在物の大きさは小さくともワ−クロ−ルを研削するのと
同じ作用をワ−クロ−ルに与えることになる。特に、酸
化物系及び炭窒化物系の介在物はワ−クロ−ルの材質に
比べて一段と硬いので、これらがワ−クロ−ルの摩耗損
傷に与える影響は大きい。このようなことから、大きな
介在物のみならず、微小介在物も含めてその総量を規制
することがワ−クロ−ルの摩耗損傷を低減させるに当っ
て是非とも必要となってくる。
【0035】そこで、本発明者等は、ワ−クロ−ルの摩
耗損傷に及ぼす介在物の影響についてその総量規制の観
点から定量的な調査を行ったところ、ワ−クロ−ルの摩
耗損傷との相関からして、圧延後の鋼材より測定される
「圧延平行断面の単位体積当りに存在する酸化物系及び
炭窒化物系介在物の圧延方向総長さ」が“ワ−クロ−ル
の摩耗損傷に及ぼす介在物量の影響”を測る最も適切な
指標であるとの結論に達した。そして、更に、測定面積
が100mm2 以上であれば、そのバラツキを配慮しても
ほぼ的確に“ワ−クロ−ルの摩耗損傷に及ぼす介在物の
影響”を評価し得ることも判明した。
【0036】なお、この「圧延平行断面100mm2 当り
の酸化物系及び炭窒化物系介在物の圧延方向総長さ」と
いう指標は、SEMの反射電子組成像を画像解析装置に
取り込んで画像計測で測定するのにも好都合なものであ
るが、これは、素材の圧延方向に平行な垂直厚さ断面を
検鏡し、存在する多数の酸化物系及び炭窒化物系介在物
の圧延方向の長さをそれぞれ計測してその総和を採るも
のである。つまり、この指標は、「圧延後の鋼材中にお
いては介在物は圧延方向に沿って細長く伸びているが、
圧延平行断面100mm2 当りにおけるその圧延方向の総
長さが圧延前の鋼中における介在物の全体量を定量的に
的確に表すものである」との解明事項に基づいたもので
ある。
【0037】そして、この圧延平行断面100mm2 当り
の圧延方向総長さが3mmを超える量の酸化物系及び炭窒
化物系介在物が鋼中に存在していると、ワ−クロ−ルの
摩耗損傷に与える影響が顕在化しロ−ル転写性を害する
ことが判明したので、「圧延平行断面100mm2 当りの
酸化物系介在物及び炭窒化物系介在物の圧延方向総長さ
が3mm以下となる量」に鋼中に存在する酸化物系介在物
及び炭窒化物系介在物の量を規制することと定めたが、
できればこれらの量が前記圧延方向総長さで1mm以下に
納まるように規制するのがより好ましい。なお、上記介
在物の量は、原料,溶解条件,鋳造条件等を管理するこ
とによって制御することができる。
【0038】ところで、上記介在物の測定は、前述した
ようにSEM検鏡によるのが良く、これによれば介在物
の組成を確認してその主成分毎に分類し、種類別に長さ
を測ることが容易である。ここで、JISに定められて
いるB系介在物に関しては、これらは僅かの間隔を置い
て一つながりになって存在しているが、その一連の全体
長さではなく、B系介在物の一つながりを構成している
個々の介在物自体の長さのみを計測し、その合計をとる
ものとする(即ち、 隣合う介在物間の間隔は算入しな
い)。
【0039】次いで、実施例により本発明の効果を更に
具体的に説明する。
【実施例】まず、転炉で溶湯の成分調整を行った後、真
空脱ガス,連続鋳造を経て、表1に示される化学成分組
成の各オ−ステナイト系ステンレス鋼鋳片を得た。な
お、各組成において計算されたMd30値も表1に併記し
た。
【0040】
【表1】
【0041】次に、これらの鋳片を熱間圧延し、酸洗等
の表面処理を行った後、冷間圧延と焼鈍とを繰り返し、
板厚 0.3mmの再結晶焼鈍板を得た。この時点でのそれぞ
れの試料の結晶粒度(JISG0551によって定義されるGsN
o.)も表1に併記した。
【0042】また、この時点で圧延平行断面100mm2
当りの酸化物系及び炭窒化物系介在物の圧延方向総長さ
を測定した。この結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】続いて、上記各再結晶焼鈍板を表面が粗面
化されたワ−クロ−ルで気温0℃にて冷延圧延し、それ
ぞれについて板厚0.25mm,全長1000mの粗面化ステ
ンレス鋼板を得た。なお、使用した上記ワ−クロ−ル
は、ロ−ル径が40mmで表面硬度がHs95の鍛造焼入
ロ−ルであって、それぞれの圧延前にロ−ル研削により
表面粗さRaを4.00μmに調整したものであった。
【0045】そして、圧延後に、まずワ−クロ−ルの表
面粗さを再測定して摩耗損傷の評価を行った。更に、得
られた粗面化ステンレス鋼板につき、後端部(全長10
00mの鋼板のうち圧延終了直前にワ−クロ−ルを通過
した端部分)の表面粗さを圧延平行方向に10箇所、圧
延直角方向に10箇所測定してその標準偏差を求め、表
面粗さの均一性を評価した。なお、表面粗さの測定に際
しては何れも触診式の表面粗さ計を用い、測定方向は圧
延直角方向とし、測定長は 2.5mmとした。
【0046】そして、ロ−ルメンテナンスの観点から、
圧延終了後のワ−クロ−ルの表面粗さRaが3.80μm以
上であれば「合格」、3.80μmに満たなければ「不合
格」と判定した。また、得られた粗面化ステンレス鋼板
につき、フロッピ−ディスクに使用するオ−トシャッタ
−材の出荷許容差の観点から、表面粗さRaの標準偏差
が何れの方向の分布においても0.50μm以下であれば
「合格」、それ以外を「不合格」と判定した。これらの
結果も表2に併せて示す。
【0047】なお、表2に示したRaはJIS等に定め
られた定義及び測定法に従う“中心線平均粗さ”と呼ば
れものである。即ち、測定された粗さ曲線からその中心
線の方向に測定長さL の部分を抜き取り、この抜き取り
部分の中心軸をX軸、縦倍率の方向をY軸とし、粗さ曲
線をy=f(x) で表したとき、下記 (1)式によって表さ
れる値をマイクロメ−トル(μm)で表したものをい
う。
【0048】
【数1】
【0049】表1及び表2に示される結果からは、次の
事項が明らかである。即ち、本発明例1〜10に係わるオ
−ステナイト系ステンレス鋼は、ワ−ルロ−ルの摩耗量
も少なく、均一な表面粗さが得られている。特に、本発
明例5及び6に係わる鋼は、Md30値及び圧延平行断面
100mm2 当りの酸化物系及び炭窒化物系介在物の圧延
方向総長さが好ましいレベルに制御されているのでワ−
クロ−ルの摩耗量も非常に僅かで済み、得られた粗面化
ステンレス鋼板の表面粗さの均一性も一段と良好であ
る。また、これらの鋼は従来のSUS304鋼なみに優
れた耐久性,耐食性,プレス加工性等を具備した非磁性
鋼であることも確認された。このように、本発明に係わ
る鋼は、何れもロ−ル転写性に優れるので、表面粗さの
作り込みにおいて高い生産性を示す冷間圧延のメリット
をそのまま生かしつつ、表面品質の優れた粗面化ステン
レス鋼板とすることができる上、ワ−クロ−ル寿命の延
命化にも資するものである。
【0050】一方、比較例に係わる鋼には次のような不
具合点が指摘された。まず、比較例7及び8に係わる鋼
は、Md30値が−20℃を超えているために得られた粗
面化ステンレス鋼板の表面粗さにムラが生じており、ま
た圧延に使用するワ−クロ−ル寿命も低下している。そ
して、比較例9及び10に係わる鋼は、圧延平行断面10
0mm当りの酸化物系及び炭窒化物系介在物の圧延方向総
長さが3mmを超えているために圧延に使用するワ−クロ
−ル寿命が低下している。更に、比較例11に係わる鋼
は、Md30値が−20℃を超えているばかりか、圧延平
行断面100mm2 当りの酸化物系及び炭窒化物系介在物
の圧延方向総長さも3mmを超えているため、得られた粗
面化ステンレス鋼板の表面粗さにムラが生じており、ま
た圧延に使用するワ−クロ−ル寿命に著しい悪影響が及
んでいることが分かる。
【0051】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、ロ−ル転写性に優れると同時に良好な耐久性,耐食
性,プレス加工性等を示す非磁性のオ−ステナイト系ス
テンレス鋼を提供することが可能となり、種々の表面粗
さが要求されるオ−ステナイト系ステンレス鋼材を生産
性の高い“冷間圧延による表面粗さの作り込み”の手法
によって低コストで製造できるようになるなるなど、産
業上有用な効果がもたらされる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量割合にてC:0.01〜0.10%, N
    i:5.00〜 22.00%, Cu:0.01〜1.00%,Si:0.01
    〜1.00%, Cr: 10.00〜 27.00%, N: 0.001〜
    0.100%,Mn:0.10〜2.00%, Mo:0.30%以下を含
    有していて残部がFe及び不純物より成ると共に、前記不
    純物中におけるAl,Nb,V,Ti,Zr,Ta,P及びSの含
    有量がそれぞれAl: 0.010%以下, Nb: 0.010%以
    下, V:0.050 %以下,Ti:0.050 %以下, Z
    r:0.010 %以下, Ta: 0.010%以下,P:0.040 %
    以下, S:0.030 %以下に制御され、かつ下記式で
    求められるMD30値が−20℃以下に配分されて成るオ
    −ステナイト系ステンレス鋼であって、圧延平行断面1
    00mm2 当りの酸化物系介在物及び炭窒化物系介在物の
    圧延方向総長さが3mm以下となることを特徴とする、ロ
    −ル転写性に優れたオ−ステナイト系ステンレス鋼。 Md30(℃)= 551−462(C+N) −9.2Si −8.1Mn −
    29(Ni+Cu)−13.7Cr−18.5Mo−68Nb−1.42(GsNo.−8.
    0) 〔但し、 GsNo.はJIS G 0551 によって定義される粒度
    番号〕
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