JP2889802B2 - 表面粗度再生ロール - Google Patents

表面粗度再生ロール

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修 吉岡
史朗 藤井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧延ロール表面の粗面が
摩耗によって平滑になることがなく、表面の粗度が常に
維持できるようなロール、例えば冷間圧延用のワークロ
ールに関する。
【0002】
【従来の技術】冷間圧延用のワークロールは普通表面を
研削目で粗面にして使用されるが、ワークロールの粗度
は、圧延時の潤滑条件の摩擦係数に影響し、かつ被圧延
材の製品の、その後のプレス加工時の潤滑特性に影響す
る。従来、この粗度低下が始まると急速に低下し、つい
で粗度を回復するが、その時には山谷のピッチが粗れた
ロール表面粗度しか得られなかった。
【0003】従来の冷間圧延用ワークロールは耐摩耗性
を生じさせるためにCr,Mo,W,V,Tiなどの合
金元素が添加され、例えば重量比でC0.70〜1.2
0%、Si0.25〜0.60%、Mn0.25〜1.
20%、Ni1.0未満%、Cr1.5〜12.0%、
Mo0.2〜2.5%、V0.01〜1.0%の合金組
成の材料を硬さHS80〜100になるように熱処理さ
れ、使用に供されてきた。 しかし、耐摩性を増すため
にCr,Mo,W,V,Tiなどの炭化物形成元素が多
くなると共晶炭化物が生成し、脆化する傾向にある。ま
た共晶炭化物が存在すると、研削性を害うなどの欠陥を
生じやすい。被圧延材とロール間の接触により、圧延開
始時の研削目が次第に摩耗し、粗い研削目となり、つい
でロールの凝固組織が現出し、肌荒れが大きくなり、大
きくうねった粗度となる。この時、粗度の高さは高くな
るがピッチが粗くなってしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は圧延作業中
に、ロールの材料の組織中に分散して生成している高硬
度の粒子によって、ロールおよび被圧延材に摺動疵が生
じるようにし、ロールの表面粗度が再生できるような圧
延ロールを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の構成は、特許請求の範囲に記載のとおりの表
面粗度再生ロールである。すなわち、重量基準で表わし
て、 C 0.70〜1.50%、 Si 0.25〜1.20%、 Mn 0.30〜1.50%、 Ni 1.0%未満、 Cr 3.0〜8.0、 Mo 0.2〜2.5%、 V 0.01〜0.15%、 Ti 0.05〜1.0%、 を含有し、更にZr、NbおよびTaのうちの一種以上
をそれぞれ0.05〜1.0%含有し、更に、 B 0.001〜0.01%、 N 50〜150ppm、 を含有し、残部Feおよび少量の不純物からなる冷間圧
延用表面粗度再生ロールである。
【0006】上記組成を有することによって、本発明の
ロールは、硬度Hv3000のTi(CN)、硬度Hv
3200のZr(CN)、硬度Hv3200のNb(C
N)や硬度Hv3500のTa(CN)等の高硬度の炭
窒化物がそのロールの組織中に分散して生じており、こ
の炭窒化物が冷間圧延時のワークロールと被圧延材の接
触並びに相対滑り(板の先進率により変わる)の際の摺
動作用により、図1に示すごとき微小破砕粉を生じ、ロ
ールの表面、並びに被圧延材の表面に摺動疵をつけ粗度
を再生しながら圧延することが可能となる。一方、この
ような硬い炭窒化物の生成によって生じるノッチ効果を
軽減するためにオーステナイト結晶粒界の靭性を向上さ
せる必要がある。そのためにオーステナイト結晶粒界へ
BNが微小析出するようにしたものである。これらの炭
窒化物の微小破砕粉によるロール表面及び板表面の摺動
疵により、ロール表面の粗度を再生するもので、要求さ
れるロールの表面粗度により炭窒化物の分散量を調整す
るものである。
【0007】以下、本発明のロールの材料の各成分の作
用について説明する。 C:ロールの硬度を決定するマルテンサイト組織の形成
及び炭窒化物の形成に寄与する重要な元素である。炭窒
化物を確保し、マルテンサイトの硬さを保持するために
0.70%を必要とするが、1.50%を超えると残留
オーステナイトが増量するために硬度が低下する傾向を
生ずる。従ってCは0.70%以上1.50%以下の範
囲に限定する。
【0008】Si:脱酸剤としての作用とマトリックス
中に固溶し、焼戻し抵抗をもたせることが可能となる。
したがって本性能を発揮させるため、0.25%必要で
あり、また1.20%を超えると脆化するので好ましく
ない。 Mn:マトリックスの強度と靭性の向上に有効なもので
あり、また焼入性を向上させるのに有効なものであり、
その効果は0.30%を超えると現出するが、その含有
量が増加するにつれ、残留オーステナイトが増え、硬度
の低下を招き、また1.50%を超えると、かえって脆
化する傾向を生じ、さらにロール本体の焼き戻し後の靭
性に悪影響を及ぼすようになる。従ってMnは1.50
%未満に限定する。
【0009】Cr:マトリックス中に固溶し焼入性の向
上に寄与すると同時に、高硬度の炭化物を生成し、耐摩
耗性を向上する。厳密に云うと耐摩耗はマトリックス硬
さにも依存する。したがって耐摩耗性を確保するため、
下限は3.0%、また上限は共晶炭化物を生じさせない
ため8.0%を越えないことが必要である。 Mo:Crと同様、焼入性の向上に寄与し、かつ耐摩耗
性や焼戻し抵抗性の向上により、耐事故性の良いロール
が得られる。ただし0.2%未満では、本特性が得られ
ず、また上限は2.5%を越えると、むしろ靭性を害
う。したがって0.2%越え、2.5%未満とする。
【0010】V:マトリックス中に固溶し、結晶粒の微
細化に寄与する。しかしVが多すぎると炭窒化物形成が
不安定になるので、Vは0.01%以上0.15%以下
に限定する。 Ni:焼入性の向上と靭性の増大に寄与する。しかし
1.0%を超えるとAc1変態点の降下と、これに伴う
残留オーステナイトが増大し、焼入れ硬さが得がたくな
る。したがって1.0%以下に限定する。
【0011】Ti:本元素は重要元素であり、高硬度の
炭窒化物を形成する。この炭窒化物がロールの表面粗度
再生に効果があり、後述の摩耗試験によりロールと板の
接触並びに相対滑りの際の摺動作用により硬い炭窒化物
から微小粉砕粉を生じ、ロールの表面並びに被圧延材の
表面に摺動疵をつけるのに効果がある。Ti量が0.0
5%未満では通常の製造法でも混入するが、表面粗度の
再生をするためには不均一であり、効果がない。一方
1.0%を超えるとストリンガー状に集散し、粗度再生
の上で好ましくない。また炭窒化物は高硬度の炭窒化物
であり、耐摩耗性に寄与するが、前記の特性を重視し、
0.05%を超え1.0%未満であることが必要であ
る。
【0012】Nb:Tiと同様重要元素であり、高硬度
の炭窒化物を形成する。量的には0.02%未満では分
散量が不十分であるが、1.0%を超えると凝集し、均
一分散し難くなる。また脆化するので好ましくない。し
たがって0.05%〜1.0%であることが必要であ
る。 Zr:本元素も高硬度の炭窒化物を形成する。量的には
0.02%未満では分散量が不十分であるが1.0%を
超えると凝集し、均一分散し難くなる。したがって、
0.02%〜1.0%であることが必要である。
【0013】Ta:本元素もZrと同様硬度の炭窒化物
を形成する。量的には0.02%未満では分散量が不十
分であるが、1.0%を越えると凝集し、均一分散し難
くなる。したがって0.02%〜1.0%であることが
必要である。 B:TiおよびNb,Zr,Taのうち1種または2種
以上添加することにより炭窒化物を形成する。これらは
一種の非金属介在物の生成と見られ、靭性を阻害する。
したがって、結晶粒界の強化する必要があり、BNを結
晶粒に微細析出することにより靭性の低下を防止する上
で重要な元素である。その量は0.001未満では効果
がないが、0.01を超えるとむしろ脆化を助長するの
で好ましくない。 N:窒素は鋼中に不純物として存在するが、上記Bの効
果を出すために、鋼中にBNの形態で分布させるため下
限を30ppm、上限を150ppmとした。
【0014】本発明による冷間圧延用粗度再生ロールは
上記化学成分および組成範囲を有しているのでロール材
料中に高硬度の炭窒化物が分散した状態で生成し、それ
が図1の模式図で示したように、ロール材料の摩耗にし
たがって表面に露出し、表面から破砕されて被圧延材料
とロール表面との間に介在し、それによる自傷条痕によ
り粗度が維持されることが判った。しかし、炭窒化物が
分散して存在することによってその粒子がノッチ効果を
示し、材料の靭性が低下し、これがロールの故障の原因
になるという問題が生じた。これを解決するためにロー
ル材料のオーステナイト粒界の強化のため、その粒界に
BNを析出させ、靭性の低下を防止したのである。以
下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
【0015】
【実施例】表1に示した組成の材料を10kgの鋼塊か
ら鍛伸し、30mmφ×Lに鍛伸した試料を950℃で
焼入し、130℃で焼戻した材料について試験をした。
試験は西原式の摩耗試験で実際の圧延に近い状況を加速
試験した。図1は表1の試料について試験をした結果を
示す模式図である。
【0016】
【表1】
【0017】その結果、Ti,Nb,Zr,Taなどの
炭窒化物が微小破砕粉を生じ、ロール試験材の条痕を生
ずることにより、粗度を再生していることがわかる。ま
た、30万回転までの試験で、ロール試験材の表面粗度
結果を見ると、炭窒化物の含有ロールは表面粗度低下が
ないが、炭窒化物の含有しないロール試験材は、粗度の
低下が早い。その結果を図2および図3に示す。図2a
は表1の本発明鋼1の炭窒化物含有ロールの初期の表面
粗度を縦軸2000倍で示したグラフであり、図2bは
表1の従来鋼Aの炭窒化物を含有しないロールの初期の
表面粗度を同じく縦軸2000倍で示したグラフであ
る。図3aは図2aで示した試料の30万回転後の表面
粗度を図2a,bと同じ方法で測定した結果のグラフで
あり、図3bは図2bで示した試料について、30万回
転後の表面の粗度を同じ方法で測定した結果のグラフで
ある。図4は表1に示した組成の試料の抗折試験をした
結果を炭窒化元素の量と破断荷重の関係で示したグラフ
である。試験方法は4×5×100mmの試験片を支点
間距離45mmで支持し、支点間の中央に圧子で荷重を
加え破断した時の荷重を破断荷重として評価した。本発
明のロールの材料は従来のロールの材料と同程度の靭性
があることがわかる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のロールは
圧延作業中にロール表面の粗度が初期と同程度に維持さ
れると同時に、その材料の靭性が従来のロールの材料と
同程度であるので使用中事故が起ることも少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】炭窒化物の微小破砕粉の形成過程を示す模式
図、
【図2】圧延ロール表面の初期の粗度を示すグラフ、
【図3】同じく300,000回圧延後の粗度を示すグ
ラフ、
【図4】抗折試験による破断荷重と炭窒化元素の関係を
示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 末宗 一成 栃木県宇都宮市平出工業団地1番地 三 菱製鋼株式会社宇都宮製作所内 (72)発明者 吉岡 修 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 藤井 史朗 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 大藤 浩 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭49−7117(JP,A) 特公 平5−12424(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21B 27/00 B21B 1/22 C22C 38/00 301 C22C 38/54

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量基準で表わして、 C 0.70〜1.50%、 Si 0.25〜1.20%、 Mn 0.30〜1.50%、 Ni 1.0%未満、 Cr 3.0〜8.0、 Mo 0.2〜2.5%、 V 0.01〜0.15%、 Ti 0.05〜1.0%、 を含有し、更にZr、NbおよびTaのうちの一種以上
    をそれぞれ0.02〜1.0%含有し、更に、 B 0.001〜0.01%、 N 30〜150ppm、 を含有し、 残部Feおよび少量の不純物からなることを特徴とする
    冷間圧延用表面粗度再生ロール。
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CN105063503A (zh) * 2015-07-25 2015-11-18 宜兴市永昌轧辊有限公司 一种高耐磨冷轧辊及其制备方法
CN110157988B (zh) * 2019-06-27 2020-10-27 锦州金科高新技术发展有限责任公司 一种高纯、均质稀土冷轧辊用钢合金材料及制备方法
CN110952027A (zh) * 2019-11-27 2020-04-03 常州凯达重工科技有限公司 一种含钛合金铸钢轧辊及其生产工艺

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