JPH07216508A - 軸受鋼 - Google Patents
軸受鋼Info
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- JPH07216508A JPH07216508A JP4299694A JP4299694A JPH07216508A JP H07216508 A JPH07216508 A JP H07216508A JP 4299694 A JP4299694 A JP 4299694A JP 4299694 A JP4299694 A JP 4299694A JP H07216508 A JPH07216508 A JP H07216508A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】ばらつきが少なく、高い転動疲労強度をもつ軸
受鋼を提供する。 【構成】合金元素の含有率が質量％で、Ｃ：０．６〜
１．２％、Ｓｉ：０．３〜３．０％、Ｍｎ：０．３〜
１．５％、Ｐ：０．０３％以下、Ｓ：０．０３％以下、
Ｃｒ：０．３〜５．０％、Ｖ：０．０５〜０．５％、で
あり、残部Ｆｅおよび不可避的不純物からなることを特
徴とする軸受鋼。さらに、Ｎｉ：３．０％以下、Ｍｏ：
１．０％以下、Ｎｂ：０．１％以下のうち１種または２
種以上を含み、残部Ｆｅおよび不可避的不純物からなる
ことを特徴とする軸受鋼。
受鋼を提供する。 【構成】合金元素の含有率が質量％で、Ｃ：０．６〜
１．２％、Ｓｉ：０．３〜３．０％、Ｍｎ：０．３〜
１．５％、Ｐ：０．０３％以下、Ｓ：０．０３％以下、
Ｃｒ：０．３〜５．０％、Ｖ：０．０５〜０．５％、で
あり、残部Ｆｅおよび不可避的不純物からなることを特
徴とする軸受鋼。さらに、Ｎｉ：３．０％以下、Ｍｏ：
１．０％以下、Ｎｂ：０．１％以下のうち１種または２
種以上を含み、残部Ｆｅおよび不可避的不純物からなる
ことを特徴とする軸受鋼。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、耐磨耗性と面疲労強度
および転動寿命に優れた軸受を得る軸受用の鋼に関す
る。
および転動寿命に優れた軸受を得る軸受用の鋼に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】これまで機械構造部品などの軸受鋼とし
て、ＪＩＳ ＳＵＪ２に代表される軸受鋼が用いられて
きた。しかし、軸受の長寿命化の要求がますます高ま
り、転動疲労強度を向上させた軸受鋼が種々提案されて
いる。鋼の転動疲労強度向上のためには、従来より鋼中
の酸素含有量の低減や、ＳｉやＣｒなどの合金元素の添
加が有望視され検討されている。また、その他にもＮ
ｉ，Ｍｏなどを始めとして種々の合金元素の効果も報告
されている。しかし、これらの合金元素の添加や増量に
よって確かに疲労強度は向上するものの、極端に低い強
度を示すものがあり、ばらつきが大きいために、平均寿
命はあまり向上されていないのが現状である。また、実
用上、信頼性の点においても問題があるために、寿命ば
らつきが少なく、安定して長寿命の軸受鋼が求められて
いる。
て、ＪＩＳ ＳＵＪ２に代表される軸受鋼が用いられて
きた。しかし、軸受の長寿命化の要求がますます高ま
り、転動疲労強度を向上させた軸受鋼が種々提案されて
いる。鋼の転動疲労強度向上のためには、従来より鋼中
の酸素含有量の低減や、ＳｉやＣｒなどの合金元素の添
加が有望視され検討されている。また、その他にもＮ
ｉ，Ｍｏなどを始めとして種々の合金元素の効果も報告
されている。しかし、これらの合金元素の添加や増量に
よって確かに疲労強度は向上するものの、極端に低い強
度を示すものがあり、ばらつきが大きいために、平均寿
命はあまり向上されていないのが現状である。また、実
用上、信頼性の点においても問題があるために、寿命ば
らつきが少なく、安定して長寿命の軸受鋼が求められて
いる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な事情を背景としてなされたもので、本発明の目的とす
るところは、寿命ばらつきが極めて少なく、かつ、高い
転動寿命特性を有する軸受鋼を提供することにある。
な事情を背景としてなされたもので、本発明の目的とす
るところは、寿命ばらつきが極めて少なく、かつ、高い
転動寿命特性を有する軸受鋼を提供することにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は種々の合金元素
の組合わせについて検討して結果、転動寿命の向上の上
で、特に短寿命で破断する現象を抑制して寿命のばらつ
きを低減することに対して、ＳｉとＶの複合添加が有効
であることを見出だした。すなわち、本発明の軸受鋼
は、合金元素の含有率が質量％で Ｃ ：０．６〜１．２％、Ｓｉ：０．３〜３．０％、Ｍ
ｎ：０．３〜１．５％、Ｐ ：０．０３％以下、Ｓ ：
０．０３％以下、Ｃｒ：０．３〜５．０％、Ｖ ：０．
０５〜０．５％、であり、残部Ｆｅおよび不可避的不純
物からなることを特徴とする。また、上記の合金元素に
加えて、質量％で、Ｎｉ：３．０％以下、Ｍｏ：１．０
％以下、Ｎｂ：０．１％以下のうち１種または２種以上
を含むことができる。
の組合わせについて検討して結果、転動寿命の向上の上
で、特に短寿命で破断する現象を抑制して寿命のばらつ
きを低減することに対して、ＳｉとＶの複合添加が有効
であることを見出だした。すなわち、本発明の軸受鋼
は、合金元素の含有率が質量％で Ｃ ：０．６〜１．２％、Ｓｉ：０．３〜３．０％、Ｍ
ｎ：０．３〜１．５％、Ｐ ：０．０３％以下、Ｓ ：
０．０３％以下、Ｃｒ：０．３〜５．０％、Ｖ ：０．
０５〜０．５％、であり、残部Ｆｅおよび不可避的不純
物からなることを特徴とする。また、上記の合金元素に
加えて、質量％で、Ｎｉ：３．０％以下、Ｍｏ：１．０
％以下、Ｎｂ：０．１％以下のうち１種または２種以上
を含むことができる。
【０００５】以下に各合金元素の限定理由について説明
する。 Ｃ：０．６〜１．２％ Ｃは鋼の強度を保持するために必須の元素であり、焼入
れ・焼もどし処理の後に所要の硬さを得るためには、
０．６％以上を含有する必要がある。しかし、その含有
量が多すぎれば、球状化焼なまし処理時などにネット状
の炭化物を析出させ、靭性の低下や被削性を劣化させ
る。また、鋳造後においては大型の炭化物が形成されや
すくなるために、圧延加工中に割れを発生させるなどの
弊害をもたらすので、Ｃ含有量の上限を１．２％とす
る。
する。 Ｃ：０．６〜１．２％ Ｃは鋼の強度を保持するために必須の元素であり、焼入
れ・焼もどし処理の後に所要の硬さを得るためには、
０．６％以上を含有する必要がある。しかし、その含有
量が多すぎれば、球状化焼なまし処理時などにネット状
の炭化物を析出させ、靭性の低下や被削性を劣化させ
る。また、鋳造後においては大型の炭化物が形成されや
すくなるために、圧延加工中に割れを発生させるなどの
弊害をもたらすので、Ｃ含有量の上限を１．２％とす
る。
【０００６】Ｓｉ：０．３〜３．０％ Ｓｉは本発明において重要な役割をもと元素であって、
鋼に焼もどし軟化抵抗性を与えるために添加するが、Ｖ
と共存させることによって一層その効果を高めることが
できる。その効果を発揮させるためには、０．３％以上
の含有率が必要である。しかし、過剰に添加してもその
効果は飽和するばかりでなく、鋼の変態点を高めるので
熱処理温度を高温とする必要を生ずるほか、鍛造性およ
び被削性を損なうなどの弊害をもたらすので、Ｓｉ含有
率の上限を３．０％とする。
鋼に焼もどし軟化抵抗性を与えるために添加するが、Ｖ
と共存させることによって一層その効果を高めることが
できる。その効果を発揮させるためには、０．３％以上
の含有率が必要である。しかし、過剰に添加してもその
効果は飽和するばかりでなく、鋼の変態点を高めるので
熱処理温度を高温とする必要を生ずるほか、鍛造性およ
び被削性を損なうなどの弊害をもたらすので、Ｓｉ含有
率の上限を３．０％とする。
【０００７】Ｍｎ：０．３〜１．５％ Ｍｎは鋼の熱間加工性を高め、焼入性を確保するために
０．３％以上添加する。しかし、過剰に添加すると素材
の軟化焼なましを困難とし、また、被削性を劣化させる
ので、Ｍｎ含有率の上限を１．５％とする。
０．３％以上添加する。しかし、過剰に添加すると素材
の軟化焼なましを困難とし、また、被削性を劣化させる
ので、Ｍｎ含有率の上限を１．５％とする。
【０００８】Ｐ：０．０３％以下 Ｐはオーステナイト結晶粒界に偏析して靭性を低下させ
るために、その含有率を０．０３％以下とする。
るために、その含有率を０．０３％以下とする。
【０００９】Ｓ：０．０３％以下 Ｓは鋼の熱間加工性を害し、また、鋼中で非金属介在物
を形成して横方向の靭性を損なうので、その含有率を
０．０３％以下とする。
を形成して横方向の靭性を損なうので、その含有率を
０．０３％以下とする。
【００１０】Ｃｒ：０．３〜５．０％ Ｃｒは鋼の焼入性を改善し、焼もどし軟化抵抗性を高め
る元素なので０．３％以上を添加するが、過剰に添加し
てもその効果は飽和し、いたずらにコストを高めるのみ
なので、その含有率上限を５．０％とする。
る元素なので０．３％以上を添加するが、過剰に添加し
てもその効果は飽和し、いたずらにコストを高めるのみ
なので、その含有率上限を５．０％とする。
【００１１】Ｖ：０．０５〜０．５％ ＶはＳｉとともに本発明において重要な役割を持つ元素
で、鋼の結晶粒を微細化する効果を有するが、特にＳｉ
との共存下においては相乗的に焼もどし軟化抵抗性を高
める効果を持つ。また、鋼中で炭窒化物を形成してＳｉ
の偏析を抑制して疲労寿命のばらつき、特に転動疲労に
よって短寿命で破壊する現象を防止するのに有効なある
元素である。これらの効果を発揮させるためには、前記
Ｓｉの含有範囲で、Ｖ含有量を０．０５％以上を必要と
する。しかし、過剰に添加すると鋼の変態点を高め焼入
れ処理時に高温での処理が必要とされる。また、過剰の
添加はいたずらにコストを高めるために、その含有率の
上限を０．５％とする。
で、鋼の結晶粒を微細化する効果を有するが、特にＳｉ
との共存下においては相乗的に焼もどし軟化抵抗性を高
める効果を持つ。また、鋼中で炭窒化物を形成してＳｉ
の偏析を抑制して疲労寿命のばらつき、特に転動疲労に
よって短寿命で破壊する現象を防止するのに有効なある
元素である。これらの効果を発揮させるためには、前記
Ｓｉの含有範囲で、Ｖ含有量を０．０５％以上を必要と
する。しかし、過剰に添加すると鋼の変態点を高め焼入
れ処理時に高温での処理が必要とされる。また、過剰の
添加はいたずらにコストを高めるために、その含有率の
上限を０．５％とする。
【００１２】Ｎｉ：３．０％以下 Ｍｏ：１．０％以下 Ｎｂ：０．１％以下 Ｎｉ，ＭｏおよびＮｂは、鋼の焼入性の向上、結晶粒の
微細化および靭性の向上に有効な元素なので、それぞ
れ、３．０％以下，１．０％以下，０．１％以下の範囲
で単独または複合添加しても良い。
微細化および靭性の向上に有効な元素なので、それぞ
れ、３．０％以下，１．０％以下，０．１％以下の範囲
で単独または複合添加しても良い。
【００１３】
【実施例】表１に示す化学組成を有する熱間圧延鋼材か
ら、試験部直径１２ｍｍのラジアル型転動疲労試験片を
削り出し、図１に示す条件で焼入れ焼もどし処理をほど
こした。この後に機械加工によって表面の研磨を行い転
動疲労試験供した。
ら、試験部直径１２ｍｍのラジアル型転動疲労試験片を
削り出し、図１に示す条件で焼入れ焼もどし処理をほど
こした。この後に機械加工によって表面の研磨を行い転
動疲労試験供した。
【００１４】
【表１】
【００１５】転動疲労寿命試験はラジアル型転動疲労試
験機により、ＳＵＪ２製ボールを用いて面圧５８８０Ｍ
Ｐａとして行った。試験結果を表２に示す。ここで、転
動疲労試験は２０個の試験片の繰り返し試験を行い、ワ
イブル累積確率が１０％となる寿命をＬ１０、５０％と
なる寿命をＬ５０とした。
験機により、ＳＵＪ２製ボールを用いて面圧５８８０Ｍ
Ｐａとして行った。試験結果を表２に示す。ここで、転
動疲労試験は２０個の試験片の繰り返し試験を行い、ワ
イブル累積確率が１０％となる寿命をＬ１０、５０％と
なる寿命をＬ５０とした。
【００１６】
【表２】 表２から明らかなように、ＳｉとＶを複合添加した本発
明の実施例１〜１０は転動寿命はＬ１０，Ｌ５０寿命と
もに著しい向上を示している。また、１×１０７回以下
の繰り返し数で破断する確率もＳｉとＶの複合添加によ
って著しく減少しており、寿命ばらつきが改善されてい
ることが分かる。
明の実施例１〜１０は転動寿命はＬ１０，Ｌ５０寿命と
もに著しい向上を示している。また、１×１０７回以下
の繰り返し数で破断する確率もＳｉとＶの複合添加によ
って著しく減少しており、寿命ばらつきが改善されてい
ることが分かる。
【００１７】
【発明の効果】本発明によれば、固有の合金組成の選択
によて、ばらつきが少なく、高い転動疲労強度をもつ紬
受鋼を提供できる。
によて、ばらつきが少なく、高い転動疲労強度をもつ紬
受鋼を提供できる。
【図１】供試材の焼入れ焼もどし処理における、温度、
保持時間および冷却条件を示す図である。
保持時間および冷却条件を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項１】 合金元素の含有率が質量％で、 Ｃ ：０．６〜１．２％、 Ｓｉ：０．３〜３．０％、 Ｍｎ：０．３〜１．５％、 Ｐ ：０．０３％以下、 Ｓ ：０．０３％以下、 Ｃｒ：０．３〜５．０％、 Ｖ ：０．０５〜０．５％、であり、 残部Ｆｅおよび不可避的不純物からなることを特徴とす
る軸受鋼。 - 【請求項２】 請求項１記載の合金元素に加えて、質量
％で、 Ｎｉ：３．０％以下、 Ｍｏ：１．０％以下、 Ｎｂ：０．１％以下のうち１種または２種以上を含み、 残部Ｆｅおよび不可避的不純物からなることを特徴とす
る軸受鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4299694A JPH07216508A (ja) | 1994-02-04 | 1994-02-04 | 軸受鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4299694A JPH07216508A (ja) | 1994-02-04 | 1994-02-04 | 軸受鋼 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07216508A true JPH07216508A (ja) | 1995-08-15 |
Family
ID=12651638
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4299694A Pending JPH07216508A (ja) | 1994-02-04 | 1994-02-04 | 軸受鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07216508A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH10184700A (ja) * | 1996-12-18 | 1998-07-14 | Nippon Seiko Kk | 耐摩耗性に優れた転がり軸受 |
| EP0894873A1 (en) * | 1997-08-01 | 1999-02-03 | Ovako Steel AB | Vanadium alloyed bearing steel |
| CN106987778A (zh) * | 2017-04-07 | 2017-07-28 | 莒州集团有限公司 | 磨煤机用新型打击轮板 |
| US20210371944A1 (en) * | 2020-06-02 | 2021-12-02 | Central Iron & Steel Research Institute | High-carbon bearing steel and preparation method thereof |
-
1994
- 1994-02-04 JP JP4299694A patent/JPH07216508A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH10184700A (ja) * | 1996-12-18 | 1998-07-14 | Nippon Seiko Kk | 耐摩耗性に優れた転がり軸受 |
| EP0894873A1 (en) * | 1997-08-01 | 1999-02-03 | Ovako Steel AB | Vanadium alloyed bearing steel |
| CN106987778A (zh) * | 2017-04-07 | 2017-07-28 | 莒州集团有限公司 | 磨煤机用新型打击轮板 |
| US20210371944A1 (en) * | 2020-06-02 | 2021-12-02 | Central Iron & Steel Research Institute | High-carbon bearing steel and preparation method thereof |
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