JP2001026836A - 冷間加工性、転動疲労強度およびねじり疲労強度に優れた高周波焼入用鋼ならびに機械構造用部品 - Google Patents

冷間加工性、転動疲労強度およびねじり疲労強度に優れた高周波焼入用鋼ならびに機械構造用部品

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JP2001026836A
JP2001026836A JP11198836A JP19883699A JP2001026836A JP 2001026836 A JP2001026836 A JP 2001026836A JP 11198836 A JP11198836 A JP 11198836A JP 19883699 A JP19883699 A JP 19883699A JP 2001026836 A JP2001026836 A JP 2001026836A
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Koji Matsumura
康志 松村
Yutaka Kurebayashi
豊 紅林
Sadayuki Nakamura
貞行 中村
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    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
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    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
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    • C22C38/50Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with titanium or zirconium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C22C38/40Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
    • C22C38/54Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with boron

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波焼入れに適し、冷間加工性に優れ、し
かも転動疲労強度およびねじり疲労強度が高く、かつ疲
労強度のばらつきが少ない鋼および機械構造用部品を提
供する。 【解決手段】 質量%で、C :0.45〜0.60
%、Si:0.01〜0.15%、Mn:0.20〜
0.60%、S :0.012%以下、Al:0.01
5〜0.040%、Ti:0.005〜0.050%、
B :0.0005〜0.0050%、N :0.01
0%以下、O :0.0010%以下を含有し、残部F
eおよび不可避的不純物からなる。さらに含有する非金
属介在物の種類ごとに許容する最大寸法と単位面積当た
り個数とを制限する。この鋼は、Cr:1.00%以
下、Mo:0.50%以下、Ni:1.50%以下のい
ずれか1種または2種以上を含有することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷間加工によって
成形され、高周波焼入れによって強化して製造される機
械構造用部品で、例えば、等速ジョイント用アウターレ
ースなど転動疲労強度およびねじり疲労強度が高いこと
を要求される機械構造用部品とそれに用いられる高周波
焼入用鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車の等速ジョイント用アウタ
ーレースなどの高い疲労強度を有することが要求される
機械構造用部品には、C:0.40〜0.60%を含有
する中炭素鋼が用いられ、冷間鍛造などによって成形し
たのち、高周波焼入れ処理によって表面硬さを高め、転
動疲労強度およびねじり疲労強度を向上して使用され
る。近年、これらの機械構造用部品は、軽量化のために
一層の高強度化と冷間加工性の向上が要求されている。
【0003】上記のごとき中炭素鋼は、一般に冷間加工
性に劣るため、これを改善するために多くの技術が開発
されている。例えば、特開昭62−23929号公報お
よび特開昭62−196327号公報には、鋼のSiお
よびMnの含有量を制限し、AlおよびTiによって脱
酸・脱窒を行い微量のBを添加することにより、少ない
合金添加量で高い焼入性を保証し、かつ、熱間圧延の温
度条件あるいは仕上圧延温度を制御することにより冷間
加工性を改善する技術が開示されている。
【0004】また、特開平2−129341号公報にお
いては、鋼の冷間加工性の改善するために、前記2例と
同様に、SiおよびMnの含有率の制限と、Al、Ti
およびBの添加による合金元素の低減とを行うととも
に、さらにN、S、Oの含有率の上限を制限する方法が
開示されている。
【0005】一方、高強度化、特に疲労強度の向上は、
主に高周波焼入れによる表皮部の硬化およびこれによっ
て生じる圧縮残留応力に依存しており、高周波焼入れの
効果を効率よく発揮できるように鋼の化学組成を調整す
る努力が払われている。等速ジョイント用アウターレー
スなどの転動疲労強度を要する部品においては転動面の
硬さが高いことが望ましいが、鋼の硬さを高めると切欠
き感受性が増し、むしろ疲労強度の低下を招くので、硬
さを高めることにも制限がある。
【0006】高硬度鋼においては、鋼中の非金属介在物
が応力集中源となって鋼の疲労強度を低減することが知
られている。特開平2−129341号公報には、転動
疲労寿命の劣化防止に配慮してO含有率の上限を0.0
020%に制限し、また、転動疲労寿命に有害な巨大窒
化物の形成阻止に配慮してTi含有率の上限を0.05
%に制限する方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のごとく鋼中の化
学成分含有量を調整するという方法を講じることによっ
て、ある程、度疲労強度を向上することができるが、疲
労強度のばらつき、特に転動疲労寿命のばらつきを低減
することは困難であった。
【0008】上記の現状に鑑みて、本発明の目的とする
ところは、高周波焼入れに適し、冷間加工性に優れ、し
かも転動疲労強度およびねじり疲労強度が高く、かつ疲
労強度のばらつきが少ない鋼および機械構造用部品を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の冷間加工性、転
動疲労強度およびねじり疲労強度に優れた高周波焼入用
鋼ならびに機械構造用部品においては、冷間加工性を向
上するために主にSiおよびMnの含有率を制限し、適
量のBを添加して高周波焼入性の低下を補う。Bの添加
効果を高めるためOおよびNの含有率を制限し、さらに
脱酸・脱窒のために適量のAlおよびTiを添加する。
鋼の焼入性を補い鋼の靭性を向上するために少量のC
r、Ni、Moを添加してもよい。また、非金属介在物
を形成するS、OおよびNの含有率を低減すると共に、
形成される非金属介在物の寸法を制御することにより、
高周波焼入鋼における疲労強度を向上するとともにその
ばらつきの低減を図る。
【0010】すなわち、本発明の冷間加工性、転動疲労
強度およびねじり疲労強度に優れた高周波焼入用鋼は、
(1)質量%で、C :0.45〜0.60%、Si:
0.01〜0.15%、Mn:0.20〜0.60%、
S :0.012%以下、Al:0.015〜0.04
0%、Ti:0.005〜0.050%、B :0.0
005〜0.0050%、N :0.010%以下、O
:0.0010%以下を含有し、残部Feおよび不可
避的不純物からなり、含有する非金属介在物の最大寸法
が相当円直径で、それぞれ、酸化物系非金属介在物にあ
っては15μm以下、窒化物系非金属介在物にあっては
5μm以下、硫化物系非金属介在物にあっては15μm
以下であり、かつ、相当円直径が1μm以上である非金
属介在物の個数が1mm2当り、それぞれ、酸化物系非
金属介在物にあっては5個以下、窒化物系非金属介在物
にあっては10個以下、硫化物系非金属介在物にあって
は5個以下であることを特徴とする。
【0011】(2)(1)に加えて、さらに、Cr:
1.00%以下、Mo:0.50%以下、Ni:1.5
0%以下のいずれか1種または2種以上を含有すること
を特徴とする。
【0012】また、本発明の冷間加工性、転動疲労強度
およびねじり疲労強度に優れた機械構造用部品は、
(3)(1)および(2)のいずれか1項記載の高周波
焼入用鋼からなることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の冷間加工性、転動
疲労強度およびねじり疲労強度に優れた高周波焼入用鋼
において化学成分の含有率を限定する理由について説明
する。
【0014】C:0.45〜0.60% Cは、焼入硬さを高め、機械構造用部品の強度を確保す
るために必要な元素である。そのためには少なくとも
0.45%以上のCを含有する必要がある。しかし、過
剰に含有すると鋼の冷間加工性、被削性を損い、また、
高周波焼入時に焼割れを生じるおそれがあるのでC含有
率の上限は0.60%とする。
【0015】Si:0.01〜0.15% Siは、鋼溶製時に脱酸剤として添加するが、効果を発
揮するためには少なくとも0.01%以上のSiを含有
する必要がある。しかし、通常の脱酸剤として含有され
る量であると鋼の冷間加工性を劣化させるので、冷間加
工性を向上するために含有率の上限を0.15%とす
る。
【0016】Mn:0.20〜0.60% Mnは、鋼溶製時に脱酸剤として作用する元素であり、
また鋼の焼入性を向上する元素である。これらの効果を
発揮するためには少なくとも0.20%以上のMnを含
有する必要がある。しかし過剰に添加すると鋼の冷間加
工性、被削性を損うので、Mnの含有率の上限を0.6
0%とする。
【0017】S:0.012%以下 Sは鋼中で硫化物系非金属介在物(JIS A1系介在
物)を形成して、冷間加工性を損い、疲労強度を低下す
るので、S含有率は少ないことが好ましい。しかし、S
含有率が低すぎると鋼の被削性が低下するので0.01
2%以下の範囲で含有してもよい。
【0018】Al:0.015〜0.040% Alは、強い脱酸元素であり、また鋼の結晶粒の粗大化
を防ぐ。これらの効果を得るために0.015%以上を
含有させる。しかし、酸化物系非金属介在物Al23
形成して鋼の疲労強度を損うので、Al含有率の上限を
0.040%とする。
【0019】Ti:0.005〜0.050% Tiは、Bによる鋼の焼入性の向上を確保するために含
有率0.005%以上添加する。しかしTiは、窒化物
系非金属介在物TiNを形成して鋼の疲労強度を損うの
で、含有率の上限を0.050%とする。
【0020】B:0.0005〜0.0050% Bは、Si含有率およびMn含有率を低下させたことに
よる焼入性の劣化を補い、所要の焼入深さを確保するた
めに添加する。そのためには0.0005%以上を含有
させる。しかし過剰に含有すると鋼の結晶粒を粗大加
し、靭性を損うのでB含有率の上限を0.0050%と
する。
【0021】N:0.010%以下 Nは、鋼中で窒化物系非金属介在物(JIS C2系介
在物)を形成して鋼の疲労強度を損うので含有率の上限
を0.010%とする。
【0022】O:0.0010%以下 Oは、鋼中で酸化物系非金属介在物(JIS C1系介
在物)を形成して鋼の疲労強度を損うので含有率の上限
を0.0010%とする。
【0023】Cr:1.00%以下 Crは、鋼の焼入性を補うために添加してもよい。しか
しCrを過剰に含有すると、鋼の冷間加工性を損うう
え、高周波焼入れにおける炭化物の固溶を困難とするの
で、Cr含有率の上限を1.00%とする。
【0024】Mo:0.50%以下 Moは、鋼の焼入性を高め、結晶粒界を強化し、マルテ
ンサイトの靭性を高める元素なので添加してもよい。し
かし過剰に含有すると鋼の冷間加工性・被削性が劣化す
るのでMo含有率の上限を0.50%とする。
【0025】Ni:1.50%以下 Niは、鋼の焼入性を高め、マルテンサイトの靭性を向
上する元素なので添加してもよい。しかし過剰に含有す
ると鋼の冷間加工性・被削性を損うので含有率の上限を
1.50%とする。
【0026】本発明の高周波焼入用鋼においては、鋼の
疲労強度を高めるために、非金属介在物の種類に応じ
て、最大寸法と所定の寸法以上の大きさを有する非金属
介在物の分布密度とを制限する。非金属介在物は、JI
S G 0555(鋼の非金属介在物の顕微鏡試験方
法)に準じて試験し、被検面において観察される非金属
介在物について種類を分別し、相当円直径および個数を
測定する。ここに相当円直径とは、非金属介在物の前記
被検面上における面積と等しい面積を有する円の直径と
する。
【0027】本発明の高周波焼入用鋼は、機械構造部品
の形状に成形した後、高周波焼入れ等の硬化熱処理を行
い、高強度化して使用される。多くの試験の結果によれ
ば、疲労強度が高く、かつ疲労強度のばらつきが小さい
高強度鋼を得るためには、含有する非金属介在物の最大
寸法が相当円直径で、それぞれ、酸化物系非金属介在物
にあっては15μm以下、窒化物系非金属介在物にあっ
ては5μm以下、硫化物系非金属介在物にあっては15
μm以下であり、かつ、相当円直径が1μm以上である
非金属介在物の個数が1mm2当りそれぞれ、酸化物系
非金属介在物にあっては5個以下、窒化物系非金属介在
物にあっては10個以下、硫化物系非金属介在物にあっ
ては5個以下であることが必要である。
【0028】上記のごとき化学組成および非金属介在物
性状を有する鋼を用いることにより、冷間鍛造、冷間押
出しなどの冷間加工によって寸法精度が高い加工を能率
的に行うことができ、さらに高周波焼入れ等の硬化熱処
理を施すことによって転動疲労強度、ねじり疲労強度が
高い機械構造用部品を得ることができる。
【0029】
【実施例】70トンアーク炉を用いて表1に示す鋼を溶
製し、真空脱ガス処理(真空度1torr以下、保持時
間15分以上)した後、連続鋳造によって断面寸法37
0mm×500mmのブルームとした。なお、Alおよ
びTiは、前記真空脱ガス処理後3分以上経過したのち
に添加した。前記ブルームを熱間圧延により直径80m
mおよび直径55mmの棒鋼とし、900℃×60分空
冷の焼ならし処理を施して焼ならし材とした。また、一
部の棒鋼については750℃×8時間加熱後10℃/1
h冷却の球状化焼なまし処理を行って焼なまし材とし
た。
【0030】
【表1】
【0031】前記焼ならし材または焼なまし材について
以下の各測定・試験を行った。非金属介在物:直径55
mm焼ならし材について、JIS G 0555(鋼の
非金属介在物の顕微鏡試験方法)に準じて非金属介在物
を検出した。実視野2mm2について観測し、酸化物系
介在物、窒化物系介在物および硫化物系介在物のそれぞ
れについて相当円直径1μm以上の大きさを有する非金
属介在物の個数を計測し、1mm2当りの個数を算出し
た。その結果を表2に個数として示す。また、観測した
非金属介在物のうち、相当円直径が最大のものの値を最
大寸法として表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】硬化層深さ:直径55mm焼なまし材から
直径25mm×長さ80mmの試験片を切出し、周波数
10kHz、加熱時間4秒として定置式で高周波焼入れ
を行い、450HV以上の硬さが得られる深さを測定し
た。この値を硬化層深さとし、鋼の高周波焼入性の指標
として表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】変形抵抗:直径55mm焼なまし材のD/
4位置を中心軸として直径6mm×長さ12mmの試験
片を切出し、圧縮試験を行った。該圧縮試験における真
ひずみ0.8の時の応力を変形抵抗として表3に示す。
【0036】冷間加工性:直径55mm焼ならし材から
直径30mm×長さ200mmの試験片を切出し、減面
率40%で冷間押出しを行った。工具摩耗量が0.2m
mとなるまでの押出し回数を求めた。比較例16(JI
S S53C相当)で得られた値を1としたときの比の
値をもって冷間加工工具寿命比とし、表3に示す。
【0037】被削性:直径80mm焼ならし材から直径
80mm×長さ300mmの試験片を切出し、NC旋盤
を用いて下記の切削条件で切削試験を行った。工具横逃
げ面の平均フランク摩耗幅が200μmになるまでの旋
削加工時間を工具寿命とした。比較例16で得られた工
具寿命を1とした時の比の値をもって切削工具寿命比と
し表3に示す。 工具 :超硬 P10 切削速度:300m/分 送り :0.2mm/rev. 切込み :2.0mm 切削油 :無し
【0038】転動疲労強度:直径55mm焼ならし材の
D/4位置を中心軸として直径10mm×長さ20mm
の試験片を切出し、周波数100kHz、加熱時間3秒
として定置式で高周波焼入れを行い、その後180℃×
60分空冷の焼もどしを施して転動疲労試験に供した。
【0039】転動疲労試験は、円筒式転動疲労試験機を
用いて、SUJ2製3/4インチ鋼球を標準球とし、接
触圧:5880MPaで行った。試験面にピッティング
等の破損を生じるまでの転動回数を測定して転動疲労寿
命とし、20本の試験片について求めた転動疲労寿命か
らワイブル分布曲線を作成し、10%破損確率寿命(L
10)を求めた。比較材16の10%破損確率寿命(L
10)を1とした時の比の値をL10寿命比として表3
に示す。また、前記ワイブル分布曲線の勾配を求め、こ
の値をばらつき指標として表3に示す。
【0040】ねじり疲労強度:直径55mm焼ならし材
から直径20mm×長さ200mmの丸棒を切出し、転
造によって、両端20mmの部分にそれぞれピッチ円直
径20mm、モジュール1.0のスプラインを形成し
た。これに周波数10kHzで硬化層比が0.5となる
ように高周波移動焼入れを行い、180℃×60分空冷
の焼戻しを行ってねじり疲労試験片とした。
【0041】前記試験片のスプライン部にホルダーを嵌
合して試験片にトルクを加え、ねじり疲労試験を行って
2×105回時間強度を求めた。その結果をねじり疲労
強度として表3に示す。
【0042】以上の試験結果によれば、高周波焼入用と
して一般的に使用されるJIS S48C(比較例1
5)、S53C(比較例16)の諸特性に比べて、本発
明が提示する範囲よりもC含有率の低い比較例1は冷間
加工性には優れるが、転動疲労強度、ねじり疲労強度が
劣る。SiあるいはMn含有率が高い比較例2および比
較例3は冷間加工性が劣る。Bを含有しない比較例4お
よび比較例5は高周波焼入性に劣り、また、転動疲労強
度、ねじり疲労強度も低い。
【0043】O、Nの含有率が高く、大型の酸化物系介
在物、窒化物系介在物が認められる比較例6、比較例7
および比較例8は、転動疲労強度、ねじり疲労強度が低
く、転動疲労寿命のばらつきが大きい。Ti含有率が高
い比較例9は金属組織中にTiCが認められ冷間加工性
に劣る。大型の非金属介在物を含有する比較例10、比
較例11および比較例12は転動疲労強度、ねじり疲労
強度が低い。
【0044】Al含有率が低い比較例13は結晶粒が粗
大化しており、ねじり疲労強度が劣る。C含有率が高い
比較例14は冷間加工性、、ねじり疲労強度が劣る。
【0045】これらに対して、本発明の実施例1〜15
は優れた高周波焼入性、冷間加工性、被削性、転動疲労
強度、ねじり疲労強度を有することが判る。本発明の高
周波焼入用鋼を用いることによって優れた転動疲労強度
およびねじり疲労強度を有する機械構造用部品を得るこ
とができる。
【0046】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、高周波焼入れに適し、冷間加工性に優れ、しかも転
動疲労強度およびねじり疲労強度が高く、かつ疲労強度
のばらつきが少ない鋼および機械構造用部品を提供する
ことができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、 C :0.45〜0.60%、 Si:0.01〜0.15%、 Mn:0.20〜0.60%、 S :0.012%以下、 Al:0.015〜0.040%、 Ti:0.005〜0.050%、 B :0.0005〜0.0050%、 N :0.010%以下、 O :0.0010%以下 を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、含
    有する非金属介在物の最大寸法が相当円直径で、それぞ
    れ、酸化物系非金属介在物にあっては15μm以下、窒
    化物系非金属介在物にあっては5μm以下、硫化物系非
    金属介在物にあっては15μm以下であり、かつ、相当
    円直径が1μm以上である非金属介在物の個数が1mm
    2当り、それぞれ、酸化物系非金属介在物にあっては5
    個以下、窒化物系非金属介在物にあっては10個以下、
    硫化物系非金属介在物にあっては5個以下であることを
    特徴とする冷間加工性、転動疲労強度およびねじり疲労
    強度に優れた高周波焼入用鋼。
  2. 【請求項2】 上記化学成分に加えて、さらに、 Cr:1.00%以下、 Mo:0.50%以下、 Ni:1.50%以下 のいずれか1種または2種以上を含有することを特徴と
    する請求項1記載の冷間加工性、転動疲労強度およびね
    じり疲労強度に優れた高周波焼入用鋼。
  3. 【請求項3】 請求項1および請求項2のいずれか1項
    記載の高周波焼入用鋼からなることを特徴とする機械構
    造用部品。
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