JP3374006B2 - 軸受用鋼 - Google Patents

軸受用鋼

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ころ軸受、玉軸受
のような転がり軸受の要素部材に用いて好適な軸受用鋼
に関し、とくに冷間加工性のほか、転動疲労寿命特性に
優れる安価な軸受用鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】産業機械および自動車部品等に用いられ
る軸受部品は、JISG4805に規定されているSU
J2に代表されるC:0.95〜1.10wt%とCr:1.30〜1.60
wt%を含む高炭素クロム軸受鋼が最も一般的に用いられ
ている。この高炭素クロム軸受鋼は、溶製後、1250℃程
度で約30時間の高温でかつ長時間の拡散焼なましをへ
て、所定の寸法の棒鋼に圧延される。さらに軸受部品に
仕上げるため、球状化焼なましを施した後、切削加工
や、冷間加工あるいは温間加工等の成形加工を行い、そ
の後、焼入れ、焼もどしが実施される。ここに、拡散焼
なましの目的は、溶製時に発生して転動疲労寿命に悪影
響を及ぼす炭素とクロム等が結合した巨大炭化物の消散
のためである。また、球状化焼なましの目的は、高い炭
素濃度に起因する、圧延ままでの非常に高い硬さを低下
させ、引き続く各種の加工を容易にするためである。さ
らに、焼入れおよび焼もどしは、転がり軸受に必要な硬
さと靱性を確保するために実施するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、切削
加工によって成形加工されていた軸受部品は、鋼材の歩
留り向上を狙って冷間鍛造等のさらに厳しい加工が行わ
れてきている。これら冷間での過酷な成形加工は、歩留
り向上のメリット以外に特にエネルギ−原単位削減、作
業環境向上および寸法精度向上等の点から増加の傾向に
ある。この冷間鍛造等の厳しい加工を行う場合に、従来
の高炭素クロム軸受鋼を使用すると、冷間鍛造時に割れ
が発生するために冷間加工に制限が生ずるなど加工性に
問題があった。また、成分に起因する巨大炭化物の消散
のため、高温でかつ長時間の拡散焼なましが不可欠であ
り大幅なコストアップ要因となっている。
【0004】これらの問題を解決する方法として、たと
えば特開平2−54739号公報の技術が開示されてい
る。この方法は、素材の炭素量を低減させたことにより
切削抵抗あるいは変形抵抗を低くしているので、高炭素
クロム鋼と比較して概して冷間加工性はある程度向上し
たものの、成分範囲によっては、依然として従来の高炭
素クロム鋼の冷間鍛造可能範囲であっても割れが発生し
ている。さらに、高温でかつ長時間の拡散焼なましの省
略についてはまったく考慮されていない。また、特開平
1−127651号公報に開示の方法では、上記の問題
点である拡散焼なまし省略は可能であるものの、加工性
の問題は依然として残されたままである。そこで、本発
明の目的は、転動疲労寿命などの機械特性を損ねること
なく、冷間加工性に優れ、拡散焼なましを必要としな
い、安価な軸受用鋼を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するために鋭意検討を行った結果、冷間鍛造等
の厳しい加工における加工性の向上には、球状化焼なま
し組織が大きく影響を及ぼしていることを見出し、球状
化焼なまし組織を向上させることにより冷間鍛造等の加
工性を向上できることがわかった。さらに研究を重ねた
ところ成分を特定の範囲にすることにより、冷間鍛造等
の加工性が向上し、かつ高温で長時間の拡散焼なましが
省略でき、また転動疲労寿命が従来の高炭素クロム軸受
鋼と比較して同程度以上の冷間加工性に優れた安価な軸
受用鋼を開発したのである。すなわち本発明の要旨構成
は以下のとおりである。
【0006】(1)炭化物の球状化焼きなましを施した
後、冷間加工に供される軸受用鋼であって、C:0.71wt
%以上、0.80wt%未満、Si:0.50wt%以上、1.0wt%以
下、Mn:0.10wt%以上、2.0wt%以下、Cr:0.43wt%以
、0.95wt%以下、Al:0.050wt%以下、O:0.0030wt
%以下を含有し、残部はFe及び不可避的不純物からな
り、冷間鍛造圧縮率60%以下で割れが発生しない特性を
有することを特徴とする冷間加工性に優れる軸受用鋼。
【0007】(2)炭化物の球状化焼きなましを施した
後、冷間加工に供される軸受用鋼であって、C:0.71wt
%以上、0.80wt%未満、Si:0.50wt%以上、1.0wt%以
下、Mn:0.10wt%以上、2.0wt%以下、Cr:0.43wt%以
、0.95wt%以下、Al:0.050wt%以下、O:0.0030wt
%以下を含み、かつNi:0.10wt%以上、1.00wt%以下、
Cu:0.05wt%以上、0.50wt%以下、Mo:0.10wt%以上、
1.00wt%以下のうちから選ばれる1種または2種以上を
含有し、残部はFe及び不可避的不純物からなり、冷間鍛
造圧縮率60%以下で割れが発生しない特性を有すること
を特徴とする冷間加工性に優れる軸受用鋼。
【0008】(3)炭化物の球状化焼きなましを施した
後、冷間加工に供される軸受用鋼であって、C:0.71wt
%以上、0.80wt%未満、Si:0.50wt%以上、1.0wt%以
下、Mn:0.10wt%以上、2.0wt%以下、Cr:0.43wt%以
、0.95wt%以下、Al:0.050wt%以下、O:0.0030wt
%以下を含み、かつNb:0.05wt%以上、0.50wt%以下、
V:0.05wt%以上、0.50wt%以下、W:0.05wt%以上、
0.50wt%以下のうちから選ばれる1種または2種以上を
含有し、残部はFe及び不可避的不純物からなり、冷間鍛
造圧縮率60%以下で割れが発生しない特性を有すること
を特徴とする冷間加工性に優れる軸受用鋼。
【0009】(4)炭化物の球状化焼きなましを施した
後、冷間加工に供される軸受用鋼であって、C:0.71wt
%以上、0.80wt%未満、Si:0.50wt%以上、1.0wt%以
下、Mn:0.10wt%以上、2.0wt%以下、Cr:0.43wt%以
、0.95wt%以下、Al:0.050wt%以下、O:0.0030wt
%以下を含み、かつNi:0.10wt%以上、1.00wt%以下、
Cu:0.05wt%以上、0.50wt%以下、Mo:0.10wt%以上、
1.00wt%以下のうちから選ばれる1種または2種以上を
含有し、さらにNb:0.05wt%以上、0.50wt%以下、V:
0.05wt%以上、0.50wt%以下、W:0.05wt%以上、0.50
wt%以下のうちから選ばれる1種または2種以上を含有
し、残部はFe及び不可避的不純物からなり、冷間鍛造圧
縮率60%以下で割れが発生しない特性を有することを特
徴とする冷間加工性に優れる軸受用鋼。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明にかかる軸受用鋼につい
て、以下に、詳細に説明する。発明者らは、軸受用鋼の
冷間鍛造等の加工性の改善を目指して、冷間鍛造性に及
ぼす球状化焼なまし組織の影響を調べた。図1は、上記
実験から、冷間鍛造時の限界圧縮率と炭化物の球状化率
との関係を示したものである。図1より、球状化率が向
上するほど冷間鍛造性が向上することがわかった。ここ
に、球状化率は、単位面積中に存在する炭化物の中で縦
と横の比(アスペクト比)が2以下の炭化物の個数の全
個数に占める割合(%)で定義している。従って球状化
率を向上させることにより、冷間加工性に優れた軸受鋼
が得られることを知見した。
【0011】このように、球状化率向上のためには、球
状化焼なまし条件を適切に制御する必要がある。図2
に、一般的な球状化焼なましのヒ−トパタ−ンの模式図
を示す。発明者は、球状化焼なまし条件に関しても鋭意
調査研究を重ね、球状化率向上には球状化焼なましの最
高加熱温度保持前の炭化物中に含まれるクロム量が球状
化に大きく影響していることを見出した。すなわち、炭
化物中に含まれるクロム量が多いほど、その後の冷却中
に成長する炭化物の核が多く残留し、球状化程度は向上
することが明らかとなった。この理由は、最高加熱温度
において炭化物中に含まれるクロム量が多いほど炭化物
が溶解しにくく、特に小さな炭化物の核が残留しやす
く、これらの核がその後の冷却中に成長して球状化する
ためであると思われる。以上の検討結果から炭化物の球
状化率向上には球状化焼なまし条件に関して、構成主元
素である炭素とクロムを特定範囲に規定する必要がある
ことがわかったのである。これらの成分を含め、各成分
の限定理由について以下に説明する。
【0012】C:0.71wt%以上、0.80wt%未満 Cは、本発明における重要な元素であり、冷間加工性向
上、球状化率の向上に有効な元素であるクロム量との割
合から、また基地に固溶してマルテンサイトを強化し、
強度、耐磨耗性および転動疲労寿命を向上させるうえか
ら、少なくとも0.71wt%以上添加する必要がある。一
方、0.80wt%以上添加すると冷間加工性、温間加工性、
被削性および靭性が低下し、かつ他元素との関係から拡
散焼なまし省略が不可能となる。よって、C量は0.71
0.80wt%未満の範囲とする。
【0013】Si:0.50wt%以上、1.0 wt%以下 Siは、脱酸の他に、基地に固溶して転動疲労寿命を向上
させる元素として必要な元素である。含有量が0.50wt%
未満ではこの効果が小さく、一方、1.0 wt%超えて添加
すると、特に球状化後の硬さが上昇するため、被削性お
よび加工性が著しく低下する。よって、Si量は0.50〜1.
0 wt%の範囲に限定する。
【0014】Mn:0.10wt%以上、2.0 wt%以下 Mnは、鋼の焼入性を向上させることによって基地マルテ
ンサイトの靱性を高め、また転動疲労寿命の向上に有効
に寄与する。しかし、0.10wt%に満たないとこの添加効
果に乏しく、一方2.0 wt%を超えて添加すると被削性、
靱性および加工性が著しく低下するので、Mn量は0.10〜
2.0 wt%の範囲に限定する。なお、好ましくは0.50〜1.
20wt%の範囲とするのがよい。
【0015】Cr:0.43wt%以上、0.95wt%以下 Crは、本発明において特に重要な元素である。鋼の焼入
性を高め、基地の強度および靭性を向上させるだけでな
く、冷間加工性向上に密接に関係がある球状化率向上に
有効な元素である。含有量が0.43wt%未満ではこれらの
効果が小さく、一方0.95wt%を超えると他元素との関係
より拡散焼なまし省略が不可能となる。なお、Crのこの
ような効果は、0.80wt%でほぼ飽和し、0.80wt%以上で
は他元素とくにC量およびSi量との関係により、溶製時
に巨大炭化物が生成しやすくなる。したがて、Cr添加
量は、0.43〜0.95wt%の範囲、好ましくは0.43〜0.80wt
%の範囲とする。
【0016】Al:0.050 wt%以下 Alは、脱酸剤として添加するが、Oと結合し硬質な酸化
物系介在物を形成するため、転動疲労寿命を低下させ
る。したがって、できる限り低い方が望ましく、0.050
wt%を上限とする。
【0017】O:0.0030wt%以下 Oは、Alと結合し、硬質な酸化物系非金属介在物を形成
するため、転動疲労寿命を低下させる。したがって、で
きるかぎり少ない方が望ましく、0.0030wt%を上限とす
る。
【0018】以上、基本成分について説明したが、本発
明ではさらにMo、Ni、Cuのうちから選んだ1種または2
種以上、および/またはNb、V、Wのうちから選んだ1
種または2種以上を添加することができる。上記各元素
の好適添加量範囲と限定理由は次のとおりである。Ni:
0.10wt%以上、1.00wt%以下、Cu:0.05wt%以上、0.50
wt%以下、Mo:0.10wt%以上、1.00wt%以下 Mo、NiおよびCuは、いずれも、焼入性を高め、鋼の転動
疲労寿命を向上させる有用元素である。しかし、Mo、Cu
が多すぎる場合には、鋼の被削性を低下させ、またNiが
多すぎる場合には残留オ−ステナイトが多量に生成して
鋼材硬さを低下させ転動疲労寿命を低下させるだけでな
く、鋼の被削性をも低下させる。そこで、これらの元素
もかかるおそれのない上記の各範囲で添加するものとし
た。
【0019】Nb:0.05wt%以上、0.50wt%以下、V:0.
05wt%以上、0.50wt%以下、W:0.05wt%以上、0.50wt
%以下 Nb、VおよびWは、いずれも、鋼中のCと結合し、耐磨
耗性を向上させるとともに結晶粒の微細化により転動疲
労寿命および靱性の向上に有効に寄与する。しかし、い
ずれの元素も、多すぎる場合には、炭化物が高温で安定
化し、鋼材硬さを低下させ、転動疲労寿命を低下させる
だけでなく、鋼の被削性をも低下させる。そこで、これ
らの元素もかかるおそれのない上記の各範囲で添加する
ものとした。
【0020】次に、本発明鋼の製造方法について説明す
る。本発明鋼は、転炉、電気炉等いずれの方法で溶製し
てもよく、またスラブの製造は連鋳、造塊いずれの工程
によってもよい。さらに熱間圧延条件および球状化焼な
まし条件も特に限定されることなく、常法に従って行え
ばよい。
【0021】
【実施例】以下本発明を実施例にもとづいて説明する。
表1に示す鋼材を転炉により溶製し、連続鋳造法で鋼片
としたのち、65mmφの棒鋼に圧延した。なお、鋼材No.2
1 については、同様に連続鋳造法で鋼片としたのち、さ
らに1250℃で30時間の拡散焼なましを行い、巨大炭化物
の消失後、65mmφの棒鋼に圧延した。次いで、これらの
棒鋼の直径/4の部分より、18mmφの試験片を切り出
し、大気雰囲気で以下の球状化焼なましを行い、冷間鍛
造性を評価した。さらに球状化焼なまし後に焼入れ、焼
もどしを行い、転動疲労寿命を評価するためのサンプル
を採取した。
【0022】球状化焼なましおよび焼入れ、焼もどしの
それぞれの熱処理条件は次のとおりである。 ・球状化焼なまし:750 ℃×2時間→650 ℃まで炉冷、
その後、空冷 ・焼入れ、焼もどし:850 ℃×1時間/水冷、180 ℃×
1時間/空冷 また、冷間鍛造性および転動疲労寿命の試験方法は次の
とおりである。 ・冷間鍛造試験:球状化焼なまし後のサンプルより15mm
φ×20mmの試験片を切り出し、完全拘束の状態で圧縮率
50〜70%における割れ発生率を測定 ・転動疲労寿命:円筒型転動疲労寿命試験機により、ヘ
ルツ最大接触応力:600kgf/mm2、繰り返し応力数:約46
500cpmの条件で試験を行い、試験結果をワイブル分布に
従うものとして確率紙上にまとめ、鋼材No.21 のB10 寿
命(累積破損確率:10%における剥離発生までの総負荷
回数)を1として相対評価 これらの冷間鍛造性および転動疲労寿命の測定結果を表
2に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】表2より明らかなように、C含有量が本発
明範囲より低い鋼材No.22,23は冷間加工性の点ではやや
改善されているものの、転動疲労寿命はNo.21 従来材の
0.7倍と0.8 倍に過ぎなかった。Cr含有量が本発明範囲
より低い鋼材No.24,25は、球状化焼なまし後の球状化率
が低く比較的低い圧縮率で割れが発生しており冷間加工
性が低いことがわかる。Si含有量が本発明範囲より低い
鋼材No.26,27は冷間加工性の点では改善されているもの
の、転動疲労寿命はともにNo.21 従来材の0.8倍と0.9
倍にすぎなかった。C含有量が本発明範囲より高い鋼材
No.28,29およびCr含有量が本発明範囲より高い鋼材No.3
0 は、転動疲労寿命がNo.21 従来材のそれぞれ0.7 倍、
0.6 倍および0.5 倍にすぎなかった。これらは転動疲労
寿命試験片のミクロ組織観察結果より溶製時に生成した
巨大炭化物のために寿命が低いものと推察された。
【0026】これらの比較例に対し、鋼材No.1〜No.20
の発明例はいずれも、圧縮率60%まで割れが発生せず、
従来材に比較して格段に優れている。さらに、転動疲労
寿命も従来材の1.3 〜3.1 倍に改善している。また、上
記実施例に示したように、(Ni、Cu、Mo)および/また
は(Nb、V、W)の1種または2種以上の添加は、冷間
加工性を損なうことなく転動疲労寿命を向上させている
ことから、その使用目的に応じて、自由な組合わせ添加
が可能なことがわかる。
【0027】
【発明の効果】以上示したように、本発明によれば、転
動疲労寿命を阻害することなしに冷間加工性を効果的に
向上することができるので、従来、冷間鍛造時に割れが
発生していた範囲まで加工が可能になる。このため、本
発明によれば、切削加工の省略または簡略化が可能とな
り、材料の歩留り向上および生産性向上を図ることがで
きる。また、本発明によれば、C、Crの低減により、合
金コストが低減されるだけでなく、従来、鋳造時に生成
する巨大炭化物の消散のために施されていた拡散焼なま
しを省略することが可能となったので、軸受用素材のコ
ストを大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】炭化物の球状化率と限界圧縮率との関係を示す
図である。
【図2】球状化焼きなまし熱処理の温度パターンを示す
模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星野 俊幸 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社 水島製鉄所内 (72)発明者 天野 虔一 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社 水島製鉄所内 (56)参考文献 特開 平3−254341(JP,A) 特開 平3−254340(JP,A) 特開 平2−274837(JP,A) 特開 平2−54739(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化物の球状化焼きなましを施した後、冷
    間加工に供される軸受用鋼であって、 C:0.71wt%以上、0.80wt%未満、 Si:0.50wt%以上、1.0wt%以下、 Mn:0.10wt%以上、2.0wt%以下、 Cr:0.43wt%以上、0.95wt%以下、 Al:0.050wt%以下、 O:0.0030wt%以下 を含有し、残部はFe及び不可避的不純物からなり、冷間
    鍛造圧縮率60%以下で割れが発生しない特性を有するこ
    とを特徴とする冷間加工性に優れる軸受用鋼。
  2. 【請求項2】炭化物の球状化焼きなましを施した後、冷
    間加工に供される軸受用鋼であって、 C:0.71wt%以上、0.80wt%未満、 Si:0.50wt%以上、1.0wt%以下、 Mn:0.10wt%以上、2.0wt%以下、 Cr:0.43wt%以上、0.95wt%以下、 Al:0.050wt%以下、 O:0.0030wt%以下 を含み、かつ Ni:0.10wt%以上、1.00wt%以下、 Cu:0.05wt%以上、0.50wt%以下、 Mo:0.10wt%以上、1.00wt%以下 のうちから選ばれる1種または2種以上を含有し、残部
    はFe及び不可避的不純物からなり、冷間鍛造圧縮率60%
    以下で割れが発生しない特性を有することを特徴とする
    冷間加工性に優れる軸受用鋼。
  3. 【請求項3】炭化物の球状化焼きなましを施した後、冷
    間加工に供される軸受用鋼であって、 C:0.71wt%以上、0.80wt%未満、 Si:0.50wt%以上、1.0wt%以下、 Mn:0.10wt%以上、2.0wt%以下、 Cr:0.43wt%以上、0.95wt%以下、 Al:0.050wt%以下、 O:0.0030wt%以下 を含み、かつ Nb:0.05wt%以上、0.50wt%以下、 V:0.05wt%以上、0.50wt%以下、 W:0.05wt%以上、0.50wt%以下 のうちから選ばれる1種または2種以上を含有し、残部
    はFe及び不可避的不純物からなり、冷間鍛造圧縮率60%
    以下で割れが発生しない特性を有することを特徴とする
    冷間加工性に優れる軸受用鋼。
  4. 【請求項4】炭化物の球状化焼きなましを施した後、冷
    間加工に供される軸受用鋼であって、 C:0.71wt%以上、0.80wt%未満、 Si:0.50wt%以上、1.0wt%以下、 Mn:0.10wt%以上、2.0wt%以下、 Cr:0.43wt%以上、0.95wt%以下、 Al:0.050wt%以下、 O:0.0030wt%以下 を含み、かつ Ni:0.10wt%以上、1.00wt%以下、 Cu:0.05wt%以上、0.50wt%以下、 Mo:0.10wt%以上、1.00wt%以下 のうちから選ばれる1種または2種以上を含有し、さら
    に Nb:0.05wt%以上、0.50wt%以下、 V:0.05wt%以上、0.50wt%以下、 W:0.05wt%以上、0.50wt%以下 のうちから選ばれる1種または2種以上を含有し、残部
    はFe及び不可避的不純物からなり、冷間鍛造圧縮率60%
    以下で割れが発生しない特性を有することを特徴とする
    冷間加工性に優れる軸受用鋼。
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