JPS6133599Y2

JPS6133599Y2 -

Info

Publication number: JPS6133599Y2
Application number: JP1978154020U
Authority: JP
Priority date: 1978-11-10
Filing date: 1978-11-10
Publication date: 1986-10-01
Also published as: JPS5572126U; US4300470A

Description

【考案の詳細な説明】本考案は車輛用計器の照明指針に関するもので
ある。

最近、自動車等の如き車輛用計器は、夜間にお
ける視認性の向上のために、目盛板を照明する以
外に、指針を透明なアクリル樹脂で成型し、この
指針に照明光を導入して、指針自身を光輝させる
指針照明式計器が採用されるようになつてきた。

ところで、指針を規定の色に発光させるには、
規定の色による着色透明樹脂を用いて成型すると
か、無色の透明樹脂を用いて成型し、その成型さ
れた指針の下面に、規定の色の塗料を塗布したり
或は印刷したりしていたものでる。

しかしながら、これらの指針は先端に行くに従
つて暗くなる欠点があつた。このことは塗料を塗
布したものにあつては塗料による光の吸収のため
であり、着色樹脂にあつては、樹脂内における着
色のための顔料によつて光が吸収されるために、
先端に行くに従つて光は急速に減衰するためであ
つた。

このような欠点を改善するためには、指針に導
入する光をより強くするとか、指針の断面を大き
くする等のことによつて解決し得るものである
が、導入する光を強くしようとすれば、電気系統
の改善を必要としたり、或は指針断面を大きくし
ようとすれば、指針重量の大巾な増加を避けられ
ず、指示精度や耐久性を抵下させないためにも、
計器駆動力を増加させ、更に強度をも向上させな
ければならないため、多大の労力とコストの上昇
は避けられないものである。

これらの点に鑑み、本考案は指針に導入する光
をより強くすることなく、また指針重量の大巾な
増加がなく照明効率の一層良好な指針を得るべく
鋭意検討の結果、透明な指針を上面が下面よりも
長い台形の横断面形状に形成し、該下面に着色塗
料を施したものである。このような指針構造にす
ることにより、指針の上面よりもかなり小さい面
積の下面に着色塗料を施すだけで、上面全体を着
色光輝することができ、したがつて、塗料の使用
量は減少され、これにより塗料により吸収される
光の量も減少されるので、指針が先端に行くにし
たがつて暗くなるようなことは防止される。

また本考案によれば、指針の台形上面の側端に
おいて上面に垂直な第１の線を引くとともに、前
記上面の側端と同一側の下面の側端から前記上面
の側端を通る第２の線を引き、これら第１の線と
第２の線とのなす角度をθ_１とし、一方前記上面
の側端からこの側端と対角関係にある下面の側端
に第３の線を引き、この第３の線と前記第２の線
とがなす角度をθ_２とし、このように定義したθ
１およびθ_２がθ_１＝θ_２又はθ_１≒θ_２となる
ように前記台形の両側斜面の角度を設定して、台
形下面に施した着色塗料の両側端で反射した照明
光を指針上面の両側端で上面前方へ実質的に真直
に反射させるようにし、これにより運転者に対す
る視認性を向上している。

第１図において、１は照明指針であつて透明な
合成樹脂例えばアクリル樹脂で成型されている。
２は照明指針１の下面に塗布された着色塗料であ
る。この塗料は赤色、黄色等のその指針により規
定された色彩のものであり、この塗料は指針の下
面に塗布手段によつても、或は印刷手段によつて
施されても良い。

この指針１は第２図にその断面を示したように
台形とされているが、その台形は上面３が下面４
よりも長くされている台形であり、前記着色塗料
２は下面４の表面に施されている。

このように指針１を上面３が下面４よりも長い
台形の横断面形状に形成し、該下面４に着色塗料
２も施すことにより、指針の上面よりもかなり小
さい面積の下面に着色塗料を施すだけで、上面全
体を着色光輝することができ、きたがつて、塗料
の使用量は減少され、これにより塗料により吸収
される光の量も減少されるので、指針が先端に行
くにしたがつて暗くなることは防止され、それだ
け明瞭に運転者に認識させることができる。

これに加えて、照明指針の重量が軽減されるか
ら計器の駆動力を上昇させる必要がない利点をも
有し、また、前記した如く塗料の塗布面積が従来
のものより狭くなつたことによつて照明指針に導
入された光が塗料により吸収される量が減少した
ことと、照明指針の重量が軽減されたことと相ま
つて、照明指針に導入される光を強くしたり、照
明指針の駆動力を上昇させたりすることなく指針
を長くすることができるなどの利点を有する。

本考案に係る指針の横断面形状は、上記したよ
うに、上面が下面よりも長くされている台形とす
ることによつて前述した格別な利点を有するもの
であるが、更にその台形の両側斜面の角度は下面
に施した着色塗料の両側端で反射した照明光を上
面の両側端で上面前方へ実質的に真直に反射させ
るような角度に選定させて、運転者に対する視認
性を良好としている。

すなわち、このような角度選定について説明す
ると、第２図に示すように、指針１の上面３の側
端Ａにおいて上面に垂直な線Ｘを引き、次に上面
３の側端Ａを通る線Ｚを引き、これら線ＸとＺと
がなす角をθ_１とし、一方上面３の側面Ａからこ
のＡと対角関係にある下面４の側端Ｂに線Ｙを引
き、この線Ｙと前述した線Ｚとがなす角をθ_２と
する。

このように定義したθ_１およびθ_２において、
第３ａ図に示すようにθ_１＜θ_２であるならば、
下面４の側端Ｂすなわち着色塗料２の側端で反射
した照明光は上面３の側端Ａで上面前方へ内向き
に反射し、また第３ｂ図に示すようにθ_１＝θ_２
又はθ_１≒θ_２であるならば、前述した照明光は
上面３の側端Ａで上面前方へ実質的に真直に反射
し、更に第３ｃ図に示すようにθ_１＞θ_２である
ならば、前述した照明光は上面３の側端Ａで上面
前方へ外向きに反射することになる。

しかして、運転者の視線方向は矢印７で示すよ
うに上面３に対して垂直な方向であるので、第３
ｂ図に示したθ_１＝θ_２又はθ_１≒θ_２の場合が
運転者に対する視認性が最も良い。

したがつて、θ_１＝θ_２又はθ_１≒θ_２となる
ように点Ｃを定め、点Ａと点Ｃとを結ぶ線Ｚを台
形の斜面５とする。この斜面の角度は、上記した
説明におけるＺ線すなわち斜面５と相対する面に
おける斜面６についても同様である。

なお、本考案による照明指針は自動車等の車輛
用計器に限ることなく、一般の計器の照明指針と
して有用なことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による照明指針の一例を示す側
面図、第２図は第１図Ａ−Ａ線拡大断面図、第３
ａ〜３ｃ図は本考案指針の作用を説明するための
図である。１……照明指針、２……着色塗料、３……指針
の上面、４……指針の下面、５，６……指針の両
側斜面。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

計器に備えられた透明な指針において、その指
針の横断面形状を上面が下面より長い台形に形成
すると共に、前記下面には着色塗料を施し、かつ
前記台形の上面の側端において上面に垂直な第１
の線を引くとともに、前記上面の側端と同一側の
下面の側端から前記上面の側端を通る第２の線を
引き、これら第１の線と第２の線とのなす角度を
θ_１とし、一方前記上面の側端からこの側端と対
角関係にある下面の側端に第３の線を引き、この
第３の線と前記第２の線とがなす角度θ_２とし、
このように定義したθ_１およびθ_２がθ_１＝θ_２
又はθ_１≒θ_２となるように前記台形の両側斜面
の角度を設定して、前記着色塗料の両側端で反射
した照明光を指針上面の両側端で上面前方へ実質
的に真直に反射させるようにしたことを特徴とす
る計器の照明指針。