JPS6128763Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は組立式容器に関し、輸送保管の際に
は嵩低く取扱い易いと共に、組立および被蓋作業
が容易なものを提供しようとしている。

従来より経木等からなる木製あるいは厚紙等か
らなる紙製の折箱容器が使用されているが、製造
時の組立てや接着作業等に非常に手間がかかると
共に輸送保管も面倒であり、また食品収納等に用
いた場合には液状物の漏れや食品衛生上の点で問
題があつた。さらに物品収納後の保管時等には上
記折箱容器に対して取扱い容易で確実に被蓋でき
る蓋が要望されていた。

そこでこの考案においては、上記折箱状の容器
として組立容易で取抜い易いと共に、この折箱状
容器に組合せて使用する蓋として使用至便なもの
を提供するものであり、その構成としては、発泡
樹脂シートからなる帯状の周側材を該周側材の少
なくとも相対向する二個所に形成したＷ字状折曲
溝から折曲形成して両端を接合し、折り畳み可能
な周側枠を形成し、該周側枠の内方には合成樹脂
シートにて形成された内容器を収納し、該内容器
は口縁部を上記周側枠上端に係止可能に形成して
あり、さらに上記内容器上部に嵌合自在に形成し
た蓋体の上面には、積み重ね時に上方の容器の周
側枠下端に嵌入できるズレ防止用凸部を形成して
なることを特徴としている。

次いでこの考案の実施態様について、図を参照
しながら以下に例示する。

１は周側枠であり、内面側となる発泡ポリスチ
レン等の発泡樹脂シートＳの外面に合成樹脂フイ
ルム等の薄質体Ｆが積層された複合シートからな
る。そして図示した実施例においは、上記複合シ
ートからなる帯状の周側材Ａに対して発泡樹脂シ
ートＳ側の４個所にＷ字状折曲溝１０を形成して
おき、各Ｗ字状折曲溝１０の片側のＶ字溝部のみ
を直角に折曲して四角枠状に枠組みし、周側材Ａ
の両端１１，１１を突合せて熱接着あるいは接着
剤使用等の手段で接合し、周側枠１を形成したも
のである。

次に２は内容器であり、ポリスチレン等の合成
樹脂シートにて膨出成形されたものであり、食品
等を収納する凹部２０を四角形状に枠組みされた
周側枠１の内方に収容でき、内容器２の四辺上端
に設けた断面鉤形の周溝状をなす口縁部２１を、
周側枠１の四辺上端部に引掛けて嵌合係止し、内
容器２の底が周側枠１内で浮いた中吊り状態にな
るよう組合せて使用する（第１図参照）。

内容器２の凹部２０内に補強あるいは仕切り用
のリブ２２が形成されてあるが、収納物品の形状
や使用態様によつて内容器２の細部、特に凹部２
０の形状は自由に変更できる。

次に３は蓋体であり、ポリスチレン等の合成樹
脂シートにて膨出成形され、周縁部下面に形成さ
れた嵌合部３０を前記内容器２および周側枠１の
上部に嵌合自在に設けて被蓋可能とすると共に、
蓋体３の上面には積み重ね時のズレ防止用凸部３
１として上面中央を台形状に突出形成している。

そして上記蓋体３を被蓋した状態で容器を積み
重ねた際には、上方の容器の周側枠１下端内部に
下方の容器の蓋体３上面に設けたズレ防止凸部３
１が嵌入し、上下の容器の積み重ね状態がズレる
のを防ぐことができるようになつている。なお上
記ズレ防止用凸部３１の上面は上方の内容器２底
面に当接しない程度の高さに形成されていて互に
干渉しないようになつている（第２図参照）。

上記ズレ防止用凸部３１の形状としては、蓋体
３の中央全体を突出形成するほか、積み重ね時に
周側枠１の内側に当接する外周部のみを凸周縁状
に突出形成するもの（第３図および第４図参照）
でも実施でき、さらに内容器２の底面が干渉しな
いように、内容器２の底面に段部２２を設けてお
き、上記凸周縁状のズレ防止用凸部３１内方へ内
容器２の底部が嵌まり込むようにしてもよい（第
４図参照）。また蓋体３の上面に適宜リブを形成
するなど、細部形状については自由に変更でき
る。

上記容器に用いる周側枠１としては、複合シー
ト等にて形成された帯状の周側材Ａに対して四個
所の隅角となる個所にＷ字状折曲溝１０を形成し
ておけば、周側枠１のみを輸送保管する際には相
対向する二個所のＷ字状折曲溝１０で二つ折りに
折り重ねることが可能となり、非常に嵩低くなる
と共に、輸送中の破損や折損の危険性も少なく取
扱い易く好適な実施である（第６図参照）。そし
て枠組み時には、Ｗ字状折曲溝１０のうち片側の
Ｖ字溝部のみを折曲して隅部が直角な四角形に組
立てる（第７図参照）ほか、Ｗ字状折曲溝１０で
二段階に折曲して隅部が角落しされた枠状に組立
てることも可能となる（第８図参照）。

なお実施上、Ｗ字状折曲溝１０は相対向する二
個所に形成しておき、残りの個所には単なるＶ字
状折曲溝を形成したものでもよい。

また周側枠１の接合部となる周側材Ａの両端１
１，１１は、辺部の途中になる場合のほか、隅角
部となるＷ字状折曲溝１０の谷部を周側材Ａの両
端にして、この両端を裏面に接着テープを貼着す
るなどの手段で折曲自在に接合することも可能で
ある。

そして周側枠１となる複合シートの素材のう
ち、発泡樹脂シートＳとしては、発泡ポリスチレ
ンのほかポリエチレン、ポリプロピレン等の種々
の樹脂からなる発泡シートが使用でき、薄質体Ｆ
としては、ハイインパクトポリスチレンフイルム
等の合成樹脂フイルムのほか、加工紙やアルミ箔
なども使用でき、また上記各素材の複層フイルム
あるいはシートでも良く、さらに薄質体Ｆに印刷
柄摸様等を施せば一層好ましい。

また発泡樹脂シートＳに薄質体Ｆを積層しない
で発泡樹脂シートＳ単体でも実施できるが、特に
発泡シートの押出成形時における冷却面等に生じ
る硬質の表面層を利用し、発泡樹脂シートＳの外
面側に比較的厚め（通常の発泡シートに比べて）
の表皮層を形成しておけば、上記薄質体Ｆと同様
の補強効果や屈曲性・性久性などを発揮でき、表
面も平滑であるから外観上も優れたものになる。

内容器２の素材としては、ハイインパクトポリ
スチレンシートが強度的に優れていて好適である
が、そのほか各種の発泡あるいは非発泡の合成樹
脂シートも使用でき、これらのシート材から真空
成形、圧空成形等の加工方法で所要の凹部２０形
状等を膨出成形したものである。また蓋体３とし
ても上記内容器２と同じ素材にて同様の手段で成
形すればよい。

以上のごとく構成されたこの考案の組立式容器
によれば、予め枠状に形成された周側枠１内に内
容器２を収容し、内容器２の口縁部２０を周側枠
１の上端に係止して中吊り式に保持できるので、
食品等の収納物を緩衝性および断熱性良く保護で
きることになると共に、外観的にも良好なものと
なる。

そして容器のみでの輸送・保管の際には各部材
毎に分解でき、内容器２および蓋体３はシート状
の素材にて形成されているので、互いに重ね合せ
て順次積み重ねれば非常にコンパクトに収納で
き、また周側枠１もＷ字状折曲溝から二つ折りに
折り重ねれば非常に嵩低くなり、輸送中の破損や
折損の危険が少なく別個に取扱えば、輸送中の傷
つき等も少くなり好適である。

しかも使用現場での組立ても容易であり、特に
蓋体３の上面にズレ防止用凸部３１を形成してい
るので、食品収納後などに多数の容器を積み重ね
た場合には、容器がズレたり移動することが無
く、正確に積み上げておくことができ、輸送中に
振動等で倒れたりする心配もない。

従つて折箱状の組立式容器として非常に至便
で、上記容器の需要用途の拡大にも大きく貢献で
きる実用的価値の高いものを提供できることにな
る。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施態様を例示するものであ
り、第１図は一部切欠斜視図、第２図は積み重ね
状態の断面図、第３図および第４図は各々変更例
の一部断面図、第５図は周側材の正面図、第６図
は周側枠の折り重ね状態の正面図、第７図は枠組
み状態の平面図、第８図は変更例の平面図であ
る。 １……周側枠、１０……Ｗ字状折曲溝、２……
内容器、２０……凹部、２１……口縁部、３……
蓋体、３１……ズレ防止用凸部、Ｓ……発泡樹脂
シート、Ｆ……薄質体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 発泡樹脂シートからなる帯状の周側材を該周
   側材の少なくとも相対向する二個所に形成した
   Ｗ字状折曲溝から折曲形成して両端を接合し、
   折り畳み可能な周側枠を形成し、該周側枠の内
   方には合成樹脂シートにて形成された内容器を
   収納し、該内容器は口縁部を上記周側枠上端に
   係止可能に形成してあり、さらに上記内容器上
   部に嵌合自在に形成した蓋体の上面には、積み
   重ね時に上方の容器の周側枠下端に嵌入できる
   ズレ防止用凸部を形成してなることを特徴とす
   る組立式容器。 ２ ズレ防止用凸部が凸周縁状に形成されている
   上記実用新案登録請求の範囲第１項記載の組立
   式容器。 ３ 周側枠を形成する発泡樹脂シートとしては外
   面側に薄質体を積層したものからなる上記実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の組立式容器。 ４ 周側枠を形成する発泡樹脂シートとしては外
   面側に表皮層を有するものからなる上記実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の組立式容器。