JPS6330658Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、熱可塑性発泡樹脂製を単独で又は非
発泡熱可塑性樹脂との積層状態で成型してなる食
品包装用トレイに関する。

従来の食品包装用トレイにあつては、該トレイ
内に魚類、惣菜等を収納して緊張状態にしたシユ
リンクフイルムをかけ回して包装するに際して、
相対向した側壁の内又は外方にかかる曲げ応力に
対する強度維持のために側壁内面側又は側壁と底
板の連接角部に断面波形の補強リブを設けたり、
又は厚肉化する構成が採用され、とりわけ底板に
ついても補強のためにリブを形成したり、もしく
は厚肉化する構成が採用されていた。

しかしながら、側壁や底板を厚肉化すれば多数
枚の空トレイを積重ねた場合に嵩高となつて包材
費用、運搬費用や保管費用の上昇につながるとい
う問題点があり、又側壁及び／又は底板における
内面側、即ち収納面側に補強リブを突設形成する
場合に従来の片面真空成型方法ではどうしても当
該リブ形成部分に相当する側壁や底板の外面側に
不鮮明な凹陥部、即ち断面波形なる内面側のリブ
と外面側の凹陥部を生じる結果として凹陥部の開
放方向への曲げや捩れ等の外力に対して弱くてト
レイの損傷の原因となるだけでなく、機能的には
シユリンクフイルムの密着性に欠けたり、当該シ
ユリンクフイルムによる包装に際して、順次送給
される空トレイが滑り過ぎ等をおこして包装時の
定位置からずれを生じたりする不都合があつた。

本考案の食品包装用トレイはかかる従来の問題
点に鑑みて考案されたものであつて、緊張状態に
したシユリンクフイルムをかけ回すときにおける
曲げ応力に対する強度をとりわけ大とすることを
目的とする。

そして、この目的を達成するため、本考案の食
品包装用トレイにあつては、熱可塑性発泡樹脂製
又は該発泡樹脂と非発泡熱可塑性樹脂との積層物
製であつて、側壁と底板の連接角部の外面側のア
ールより内面側のアールを大径とするとともに、 内面側における相対向した側壁の一方から他方
にかけて連続した補強リブを形成し、外面側を凹
凸のない平滑面としたことを要旨とするものであ
る。

本考案の食品包装用トレイの詳細を添付の図面
にもとづき更に説明する。

第１図には発泡スチレンペーパー等の熱可塑性
発泡樹脂を単独で又は非発泡熱可塑性樹脂との積
層状態で成型した平面視略長方形状の食品包装用
トレイ１を示しているが、このトレイ１の内面
側、即ち収納面側には側壁２から底板４を経て、
この側壁２と相対向した側壁２′に至る連続した
補強リブ５…並びにこの側壁２に隣接した側壁３
から同じく底板４を経て、この側壁３と相対向し
た側壁３′に至る連続した補強リブ５′…をそれぞ
れ平面視格子状に形成し、更には各側壁２，２′、
３，３′と底板４の連接角部は第２図に示すよう
に外面側のアールR₁より内面側のアールR₂を大
径とすることによつて当該連接角部を相対的に厚
肉化して側壁の内又は外方への折曲防止効果を一
層高めるものである。

又、このトレイ１の外面側、即ち各側壁２，
２′、３，３′の外面並びに底板４の下面は、本出
願人の先願に係る特開昭54−148863号公報に開示
された両面真空成型方法をトレイ１の成型に際し
て利用することによつて凹凸のない平滑面として
いる。

加えて、トレイ１の口部周縁６を側壁より厚肉
化するか、又は上端面を幅広とするかしてフイル
ムかけ回し時に特に折曲しやすい口部周縁６を適
宜補強するものであつて、こうすることで曲げや
捩れ等の外力に対して最も弱い口部周縁６の強度
向上をはかることができるのである。

ここで、この食品包装用トレイ１を作成するに
際して、例えば板状の原反を用いて両面真空成型
方法により成型して該補強リブ５，５′部分を厚
肉化すれば、この部分は他の部分と比較して高発
泡状態となつているため、原材料は同量であつて
材料費用や運搬費用の上昇につながらず強度のあ
るトレイを得ることが可能となるのである。

尚、第１図に図示した実施例では、内面側の側
壁２，２′，３，３′、底板４に格子状の補強リブ
５，５′を形成したものを示している。

又、一つの対向する側壁間の内面側に補強リブ
を形成することもできるが、この場合には内面側
の長辺側、即ちシユリンクフイルムをかけ回す側
における側壁の一方から他方にかけて連続した補
強リブを形成することが必要である。

又、トレイ１を平面視略正方形状や不定形長方
形状として、少なくともシユリンクフイルムをか
け回す側における相対向した側壁の一方から他方
にかけて連続した補強リブを形成することも可能
である。

而して、こうした食品包装用トレイ１では、魚
類、惣菜等を収納納したのち、平面視略長方形状
のものの場合には長辺側における少なくとも相対
向した側壁の一方から他方へかけて補強リブを形
成した該側壁同士にわたつて、緊張状態にしたシ
ユリンクフイルムをかけ回して包装し、又他の形
状のものの場合には補強リブを形成した側壁同士
にわたつて緊張状態にしたシユリンクフイルムを
かけ回して包装するものである。

そして、この包装時に相対向した側壁に付加さ
れる第３図に示すような内又は外方の曲げ応力に
対して、このトレイ１ではとりわけ曲げ応力の付
加される部分を全体にわたつて補強したから、包
装時に破損するおそれがなくなるのである。

以上のようになる本考案の食品包装用トレイに
あつては、例えば両面真空成型方法による等して
側壁と底板の連接角部の外面側のアールにより内
面側のアールを大径とすることによつて、この部
分を相対的に厚肉化するとともに、内面側におけ
る相対向した側壁の一方から他方にかけて連続し
た補強リブを形成し、外面側を凹凸のない平滑面
としたことにより、例えば従来の片面真空成型方
法で成型した場合のように当該リブ形成部分に相
当する側壁や底板の外面側に不鮮明な凹陥部、即
ち断面波形が形成されて商品価値を落しめること
がなく、厚肉部分が存在しないことによる強度低
下で曲げや捩れ等の外力に対して該トレイが破損
する等のおそれをなくすことが可能である。

又、該トレイ内に魚類、惣菜等を収納して緊張
状態にしたシユリンクフイルムをかけ回して包装
するに際して、側壁外方から押圧する力が特に問
題になることから、該押圧力に抗しうる強度を側
壁と底板の連接角部の厚肉部分や補強リブにより
トレイに附与したから、この補強リブを形成した
側壁同士に緊張状態のシユリンクフイルムをかけ
回してもトレイが破損するのを防止するばかりで
なく、該フイルムのトレイ外面側への密着性が極
めて良くなり、トレイ内に収容された物から液体
部分がトレイ外に漏失したりするのを防止し、し
かも包装作業時においてトレイの底板の下面全体
が包装台上もしくは送り台上に接するので滑り過
ぎ等をおこして包装等の作業に手間取る心配が全
くなく、更には商品包装状態のトレイを多数積重
ねる場合に下位のシユリンクフイルムにしわや凹
凸を付けるおそれが全くないという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図は第１図中のＡ−Ａ断面図、第３図はトレイの
側面側から見た状態の概略説明図である。 １……トレイ、２，２′……側壁、３，３′……
側壁、４……底板、５，５′……補強リブ、６…
…口部周縁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱可塑性発泡樹脂製又は該発泡樹脂と非発泡熱
   可塑性樹脂との積層物製であつて、側壁と底板の
   連接角部の外面側のアールより内面側のアールを
   大径とするとともに、内面側における相対向した
   側壁の一方から他方にかけて連続した補強リブを
   形成し、外面側を凹凸のない平滑面としたことを
   特徴とする食品包装用トレイ。