JPS6126185Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、多数の物品を収納、格納、搬送する
際に使用されるコンテナに関するもので、積み重
ねられるコンテナ同志を相対的に180〔゜〕回転
変位させることによつて嵌合積み重ね姿勢から載
置積み重ね姿勢に切換えることができるようにす
ることを目的としたものである。

物品の収納、格納、搬送に利用されるコンテナ
のうち、コンテナ同志を相互に180〔゜〕回転変
位させることによつて嵌合積み重ね姿勢から載置
積み重ね姿勢に切換えることができるように構成
されたものが数多くある。

従来のこの種のコンテナは、その要求された機
能を果すべく、例外なく、側壁の一部に縦長とな
つた凹凸部を形成し、この凹凸部を利用して載置
積み重ねを可能にする構成となつている。

しかしながらこの種のコンテナにあつては、前
記した凸部が凹部内に嵌合することによつて嵌合
積み重ねが達成されるので、嵌合量を充分にとつ
て、嵌合積み重ねした際における全体の高さを小
さくしようとすると、凸部が凹部内に必要以上に
きつく嵌合してしまい、分離するのに手間を要す
ることになることが多かつた。

またコンテナ同志を載置積み重ねした際に、上
位のコンテナはその底板の周端を数ケ所で下位の
コンテナに保持されるだけとなり、このため多数
のコンテナを載置積み重ねした際における安定性
が極めて悪いと共にコンテナ自体が早期に変形し
てしまう不都合があつた。

本考案は、上記した従来例における欠点および
問題点を解消すべく考案されたもので、側壁を定
傾斜姿勢となつた斜柱板を三角波状に連結して構
成し、この三角波状となつた側壁自体の構造によ
る凹凸および上下端面を利用して嵌合および載置
積み重ねの姿勢切換えができるように構成したも
のである。

以下、本考案の一実施例を図面に従つて説明す
る。

本考案によるコンテナ１は、直角四角短筒形状
をした口縁周壁２と、同一直角四角平板形状をし
た底板６と、この底板６と口縁周壁２とを連結す
る側壁体７とから構成されている。

口縁周壁２は、その主体をなす短筒体の上端か
らフランジを折曲連設することによつて所望の幅
をもつ上端面４を有している。

底板６は、口縁周壁２の内周面の大きさよりも
側壁体７の厚さとコンテナ１を金型から型抜きす
る際に要求される抜きテーパを得ることができる
分だけ小さい寸法に設定されており、図示実施例
の場合、その上面に収納された物品のコンテナ１
内でのみだりな移動を阻止するための規制突部１
５が突設されており、また下面には底板６自体の
機械強度を高めるための補強リブ１６が条設され
ており、さらに水洗い時の水切りを良くするため
と、収納された物品に対する風通しを良くするた
めに多数の開口１７が形成されている。

側壁体７は、定傾斜姿勢となつた多数の斜柱板
８を三角波状に連結して構成されたもので、各斜
柱板８の結合部のうちの上部連結部９を口縁周壁
２の内周面の途中高さ位置に連結し、下部連結部
１１を底板６の周端に連結して口縁周壁２と底板
６とを一体に連結している。

この側壁体７の各下部連結部１１の下面には、
下部連結部１１の下端からやや上位に位置して載
置片１３が突設されている。

この載置片１３は、コンテナ１同志を載置積み
重ねした際に、上端面４上に載置するものであ
る。

この載置片１３に対し、この載置片１３の直上
となつた口縁周壁２の内周面部分には、載置片１
３が上下に通過自在であるような切欠部５が形成
されている。

すなわち、前記した上端面４は載置片１３の突
出高さよりも大きな幅をもつていることになる。

さて、側壁体７は、斜柱板８を三角波状に連結
して、その全周を形成したものであるから、上部
連結部９と下部連結部１１とは交互に位置するこ
とになる。

この周方向に沿つて交互に位置する上部連結部
９の上面１０と下部連結部１１の下面１２とは、
コンテナ１の中心に関して点対称となるよう配列
されている。

また、下部連結部１１の下面１２は、載置片１
３の下面よりも、前記上部連結部９の上面１０よ
りも上位となる口縁周壁２部分である嵌合周壁部
３の高さと等しい高さだけ下位に位置していて、
この下部連結部１１の載置片１３よりも下位とな
つた部分を脚部１４としている。

本考案によるコンテナ１は上記の如き構成とな
つているので、同一方向姿勢のままコンテナ１同
志を積み重ねると、上下のコンテナ１，１は、お
互いの上部連結部９および下部連結部１１を上下
に対向させ、かつ上位のコンテナ１の載置片１３
が下位のコンテナ１の切欠部５に上方から対向す
るので、上位のコンテナ１は下位のコンテナ１内
に嵌合した状態で積み重ねられる。

この際、上位のコンテナ１は、各斜柱板８の下
面を下位のコンテナ１の各斜柱板８の上面上に載
置させた状態となり、上位のコンテナ１が下位の
コンテナ１内に必要以上に嵌入するようなことは
ないと共に確実に載置保持される。

この状態から、上位のコンテナ１を引き上げて
180〔゜〕回転変位させると、上下のコンテナ
１，１は相互に上部連結部９と下部連結部１１と
を対向させることになると共に、上位のコンテナ
１の載置片１３は下位のコンテナ１の切欠部５に
対向しなくなる。

このため、上記状態のままコンテナ１，１同志
を積み重ねると、上位のコンテナ１の脚部１４が
下位のコンテナ１の嵌合周壁部３内に侵入して、
下位のコンテナ１の上面１０上に上位のコンテナ
１の下面１２を載置させると共に、上位のコンテ
ナ１の載置片１３が下位のコンテナ１の上端面４
上に乗載して、両コンテナ１は載置積み重ね姿勢
となる。

この際、上位のコンテナ１は、側壁体７の周方
向に沿つてほぼ等間隔に配列された下面１２およ
び載置片１３により下位のコンテナ１上に載置位
置すると共に脚部１４が嵌合周壁部３内に嵌入位
置しているので、この上位のコンテナ１は極めて
安定してかつ強力に保持されることになる。

以上の説明から明らかな如く、本考案によるコ
ンテナは、上位のコンテナを下位のコンテナ内に
無理なくかつ充分に深く嵌入積み重ねできるの
で、内容物を収納しない時の多数のコンテナの格
納が小さなスペースですむと共に、この嵌合積み
重ね状態からのコンテナ相互の離脱が円滑であ
り、またコンテナ同志を載置積み重ねした際に
は、側壁体７に沿つた多数の箇所で上位のコンテ
ナを乗載保持するので、上位のコンテナを極めて
安定した状態でかつ強力に保持できる等、この種
のコンテナとして優れた作用効果を有するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す平面図、第２
図はその右側面図、第３図は第１図中Ａ−Ａ線に
沿つて切断矢視した縦断正面図、第４図は正面
図、第５図は第１図中Ｂ−Ｂ線に沿つて切断矢視
した縦断側面図、第６図は第７図中Ｃ−Ｃ線に沿
つて切断矢視した口縁周壁の一部平断面図、第７
図は背面図である。 符号の説明、１……コンテナ、２……口縁周
壁、３……嵌合周壁部、４……上端面、５……切
欠部、６……底板、７……側壁体、８……斜柱
板、９……上部連結部、１０……上面、１１……
下部連結部、１２……下面、１３……載置片、１
４……脚部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 直角四角短筒形状となつた口縁周壁と、同一直
   角四角平板形状となつた底板と、定傾斜姿勢の斜
   柱板を三角波状に連結し、前記斜柱板の下部連結
   部を前記底板の周面に、また上部連結部を前記口
   縁周壁の内周面途中に連設した側壁体とからな
   り、前記各下部連結部の外面に前記口縁周壁の上
   端面に載置する載置片を突設し、前記上部連結部
   の上面と下部連結部の下面とを点対称に配列し、
   前記載置片の直上に位置した口縁周壁の内周面部
   分に該載置片が上下に通過自在な切欠部を形成
   し、さらに前記載置片よりも下位となつた前記下
   部連結部部分を、前記上部連結部の上面よりも上
   位となつた口縁周壁部分である嵌合周壁部に嵌入
   できる脚部として成るコンテナ。