JPH0138036Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は運搬用容器の容量を変更できるように
した嵩あげ枠に関する。

（従来の技術） 運搬用容器の容量を変更する嵩あげ枠として、
運搬用容器上端形状と略同一の形状を有し、容器
上端の鍔縁上面に当接載置される係止面と、下端
外周に渡つて設けられ鍔縁下面に係止する複数個
の係止爪を設けた嵩あげ枠が知られている。

また、運搬用容器上端に載置できるように板状
壁面に段部が設けられた嵩あげ枠も知られてい
る。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上記嵩あげ枠では、いずれのも
のであつても被収納物が嵩張つたり外部から力が
加わつたりした場合、嵩あげ枠が外れたり歪んだ
りする恐れがあり、また、挿着に際しては、嵩あ
げ枠全体を上方より均一に押圧しなければならず
扱い難さがあつた。

本考案は、上記問題を解決し、比較的重い被収
納物や外部からの力にも耐え、かつ取扱いが簡便
で運搬用容器の上フランジに安定して載置係合し
得る嵩あげ枠を提供せんとするものである。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決するために本考案は、運搬用容
器の上フランジに載置される枠体の外壁下方に該
容器の側壁外部と係合するストツパを撓み弾性を
付与して突設すると共に、枠体の内壁下部には該
フランジに係止する段部を形成し、かつ該段部を
介して容器の側壁内面に当接する嵌合壁を該スト
ツパの下方突出長さと略々同程度若しくはそれ以
上に長く垂下形成し、上記ストツパと嵌合縁とで
上フランジ挾持部を構成した運搬用容器嵩あげ枠
としたことを特徴とする。

（作用） 嵩あげ枠を容器上フランジに上方から載置し押
圧すると、嵌合縁が容器内壁に接合すると共に、
ストツパが若干拡開され、容器上フランジを挾み
込み挾持するようにして容器の側壁外部と係合
し、嵌あげ枠が容器に載上固定され、運搬用容器
を嵩あげする。

（実施例） 以下に本考案の一実施例を図面と共に説明す
る。

第１図は本考案嵩あげ枠の一例を示す斜視図、
第２図は嵩あげ状態を示した容器全体の斜視図で
ある。

第２図において、１１は本考案嵩あげ枠１を組
合わせる運搬用容器の一例であつて、四側壁１２
及び底壁（図示せず）を有し、各壁は適宜補強リ
ブ１３を有し、四側壁上縁は水平リブがそのまま
上フランジ１４ともなつている。該運搬用容器１
１は通常合成樹脂を射出成形して作られる。

而して、１は合成樹脂を射出成形してなる嵩あ
げ枠であり、嵩あげ高さを有する内外壁２，３と
上壁４とを断面略下向きコの字形に形成した囲い
形としてなつている。この枠体の四側内壁２の下
部には段部５を折曲形成して後、後述するストツ
パ７の下方突出長さと略々同程度の長さで嵌合壁
６を垂下し、この段部５が上フランジ１４に載上
し、嵌合壁６が四側壁１２の内面に当接して、該
部が運搬用容器１１の側壁１２の上内縁部に嵌合
するようになつている。一方、枠体の外壁３は運
搬用容器１の上フランジ１４に載上するような内
外壁巾に設定されており、適宜位置、図では相対
二側壁の各左右側方寄り位置にストツパ７を突設
し、ストツパ７は該外壁３よりも外側方に若干突
出させると共に下方に突出させ、下部内側に外壁
３下端から上フランジ１４の略肉厚分の間隙をお
いて爪状突起８を形成し、該突起８付近には若干
の撓み弾性が付与されるようにストツパ７と外壁
３の下部間にスリツト９を設け、該突起８の下側
面は、突起先端方向に上り傾斜した傾斜面８ａと
なるように形成されており、上記嵌合壁６と該ス
トツパ７とで挾持部を構成している。

上記実施例によれば、上フランジ１４を有する
運搬用容器１１の上方から本考案嵩あげ枠１を押
圧しさえすれば、ストツパ７の爪状突起８が若干
拡開されて、嵌合壁６とストツパ７間の挾持部に
上フランジ１４が嵌り込み、同時に、段部５が該
容器の上フランジ１４上内縁に当接し、嵌合壁６
が運搬用容器１１の側壁１２内面にほぼ接合し、
外壁３の下端が上フランジ１４に当接し、爪状突
起８が上フランジ１４の下側に係止して、嵩あげ
枠１が運搬用容器１１上に載上固定される。この
場合、段部５、嵌合壁６、外壁３下端及びストツ
パ７が嵌合乃至係合機能しているので通常受ける
外圧によつては嵩あげ枠はずれ或いは外れること
ない。しかも、上フランジ１４が嵌合壁６とスト
ツパ７との間に挾まれているために、横方向の力
が全体的乃至部分的に外側或いは内側から加わつ
ても嵩あげ枠１はずれたり、歪んだりすることが
ない。さらに、内外壁２，３が共に上フランジ１
４に載上しているので、運搬用容器の積重ねにも
耐えることができる。

なお、ストツパ７よりも嵌合壁６を下方に長く
形成しておけば、嵩あげ枠１を嵌付ける際の位置
決めはより容易となる。

また、嵌合壁６は上記実施例のように内周全体
に設けなくてもよく、ストツパ７は上フランジ１
４の外縁が切欠されていれば外壁３から外側方に
突出させなくともよい。さらに内外壁２，３間に
リブを設ける等は任意であり、省資材を考慮しな
ければ上記コの字形は中実体とすることもでき
る。運搬用容器は図形形状に限定されないことは
勿論であり、ストツパ７の突起８を係止する部分
を設けてあればよい。

（考案の効果） このようにして、本考案によれば、着脱がきわ
めて簡単な嵩あげ枠を提供でき、運搬用容器の容
量の増減を可能にする。嵩あげ枠は嵌合と係止に
よつて運搬用容器上縁部を挾持して安定性があ
り、特に内外横方向若しくは斜め方向何れの外力
に対しても安定性がよく、比較的重い被収納物や
容器を内側から押圧するような嵩張る被収納物に
も耐えることができる。嵌合壁をストツパよりも
下方に長く突出させれば、嵩あげ枠嵌付けの際の
位置決めがより容易となり、より嵌付け易くな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案嵩あげ枠の一例斜視図、第２図
は嵩あげ状態を示した容器全体の斜視図、第３図
は第２図の−線断面図、第４図は同じく−
線断面図である。 符号１……嵩あげ枠、２……内壁、３……外
壁、５……段部、６……嵌合壁、７……ストツ
パ、８……突起、９……スリツト、１１……運搬
用容器、１４……上フランジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 運搬用容器の上フランジに載置される枠体の外
   壁下方に該容器の側壁外部と係合するストツパを
   撓み弾性を付与して突設すると共に、枠体の内壁
   下部には該フランジに係止する段部を形成し、か
   つ該段部を介して容器の側壁内面に当接する嵌合
   壁を該ストツパの下方突出長さと略々同程度若し
   くはそれ以上に長く垂下形成し、上記ストツパと
   嵌合縁とで上フランジ挾持部を構成したことを特
   徴とする運搬用容器嵩あげ枠。