JPS641236Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、多数の物品を収納、格納、搬送する
際に使用されるコンテナに関するものであつて、
特に比較的高い垂直壁面を有する物品を多数整列
収納した際に、この物品をガタツクことなく収納
保持すると共に積み重ねられるコンテナ同志を相
対的に180〔゜〕回転変位させることによつて、嵌
合積み重ね姿勢と載置積み重ね姿勢とを切り換え
ることが出来るようにすることを目的とするもの
である。

物品の収納、格納、搬送に利用される従来のコ
ンテナは、成形の容易な点、軽量な点等の利点に
鑑みて、合成樹脂によつて成形されることが多く
なつてきている。

ただ、合成樹脂による成形に際しては、周壁を
金型よりの抜きテーパー面に形成しなければなら
ず、従つて収納する物品として例えば牛乳箱の如
き直方形状のパツケージ容器である場合、この容
器の特に上部と周壁内面との間に間隙が生じ、整
列収納された容器がガタツいてしまう恐れがあつ
た。

また従来のコンテナは、コンテナ同志を相互に
180〔゜〕回転変位させて嵌合積み重ね姿勢から載
置積み重ね姿勢に切り換えることが出来るように
なつている。

そして上述の載置積み重ねは、側壁の一部に形
成された縦長となつた凹凸部を利用して達成さ
れ、嵌合積み重ねは上記した凸部が凹部内に嵌合
することによつて達成されるが、嵌合量を充分に
とつて嵌合積み重ねをした際の全体の高さを小さ
くしようとすると、凸部が凹部内に必要以上にき
つく嵌合してしまい、分離させるのに手間を要す
ることになることが多かつた。

本考案は、上述した従来例の欠点、不都合を解
消するべく考案された合成樹脂製のコンテナであ
つて、直角四角直線筒形状の側壁の一部を全高さ
範囲にわたつて外方に膨出させた凹部を側壁の周
方向に沿つて一定間隔毎に形成すると共に、この
凹部を型抜きテーパー面を有し下方に従つて幅狭
となり更にこの幅狭となつた下部を脚部とし、ま
た前記凹部間の側壁部分を開放して窓孔を形成
し、かつこの側壁部分の上端に乗載段部を形成
し、さらに前記凹部の下端部である脚部と乗載段
部とを夫々点対称に配列した構成であり、以下に
本考案の一実施例を図面に従つて説明する。

本考案によるコンテナ１は、直角四角直線筒形
状の側壁２と、同一直角平板形状となつた底板１
５とを、所望の合成樹脂により一体成形して構成
されている。

先ず側壁２は、直角四角直線筒形状であるの
で、上端から下端にかけて垂直になつており、底
板１５はその周端が側壁２の下端部に連設されて
いる。

この側壁２の外周面上端部には口縁フランジ３
と乗載フランジ５とが間隔をもつて平行に周設さ
れており、口縁フランジ３により上端面４が形成
されている。

また、乗載フランジ５は、コンテナ１，１同志
を嵌合積み重ねした際に、上位のコンテナ１が下
位のコンテナ１内に必要以上に嵌入するのを阻止
すべく、下位の上端面４上に載置するようになつ
ている。

側壁２の一部には、側壁２の全高さ範囲にわた
つて、すなわち上端から下端にかけて、外方に膨
出した凹部６が側壁２の周方向に沿つて一定の間
隔をおいて多数形成されており、この凹部６…の
形成により、隣り合う凹部６，６間の側壁２部分
が垂直部１０となる。

凹部６は、前記垂直部１０に一側端を連設して
外方に突出する相対向する一対の柱板７，７と、
この向い合う柱板７，７他側端を連結し、上端が
外方に傾斜した型抜きテーパー面を有する傾斜板
８とから構成されているが、この傾斜板８は下方
に従つて幅狭となつていて正面視に於て極めて縦
長な逆台形形状となつており、従つて前記両柱板
７，７はこの逆台形状の脚辺に沿つて相互に上方
にいくに従つて広がつた傾斜姿勢となつている。

この凹部６の下端は両柱板７，７の幅だけ底板
１５周端から外方に突出することになるが、この
底板１５周端から外方に突出した凹部６の下端
は、底板１５の一部を延長して有底として脚部９
を形成している。

次に、隣り合う凹部６，６間の側壁２部分であ
る垂直部１０には、柱板７に沿い、前記乗載フラ
ンジ５位置から底板１５の連続する下端に至るま
での部分を開放して窓孔１１が形成されており、
この窓孔１１よりも上部は、図示例では補強を兼
ねる垂直板部１２となつている。

また、隣り合う凹部６，６間の側壁２部分の上
端には、その全幅範囲にわたつて乗載平板部１３
と起立板部１４とから成る乗載段部が形成されて
いる。

この乗載平板部１３には、載置積み重ねの際に
上位のコンテナ１の前記脚部９が乗載するのであ
るが、この際、起立板部１４は、脚部９の傾斜板
８外面が当接することになる。

そして、乗載段部すなわち乗載平板部１３およ
び起立板部１４と脚部９とは、コンテナ１の中心
に関して点対称となるように、配置されている。

なお、底板１５の下面にリブ１６を配しておけ
ば、補強上好都合であろう。

本考案に係るコンテナ１は前記の如き構成とな
つているので、例えば牛乳箱の如き紙製のパツケ
ージとなつた比較的大きな高さをもつ直方体形状
の容器を底板１５上に整列して隙間なく収納した
場合、側端に位置する容器の側面は、側壁体２の
垂直部１０及び垂直板部１２に密接し、容器は間
隙を形成することなく且つガタツクことなく収納
されることになる。

また、側壁体２の一部分は外方に膨出した凹部
６となつていて、この凹部６を形成する傾斜板８
は型抜きテーパー面を有し、かつ柱板７も傾斜姿
勢となつているので、コンテナ１を合成樹脂で成
形する場合、たとえ垂直部１０が垂直であつて
も、この垂直部１０は、いわば柱板７の端面であ
るので、型抜き動作には何ら支障を生ずることは
ない。

特に凹部６，６間の側壁２部分には窓孔１１が
形成されているので、コンテナ１の軽量化と共に
上記型抜きをより一層簡単なものにしている。

さて、第６図に示すように同一方向姿勢のまま
コンテナ１，１を積み重ねると、上下のコンテナ
１，１は下位のコンテナ１の凹部６内に外方に膨
出して凸部を形成する上位のコンテナ１の凹部６
が侵入位置し、かつ下位のコンテナ１の上端面４
上に上位のコンテナ１の乗載フランジ５が乗載
し、上位のコンテナ１は、下位のコンテナ１内に
必要以上に嵌入することなく確実に保持されて積
み重ねられることになる。

この場合、上位のコンテナ１の凹部６における
傾斜板８外面は、下位のコンテナ１の傾斜板８内
面に面接触することになるが、夫々の傾斜板８は
型抜きテーパー面となつているので、嵌合及び引
き上げ操作が極めて円滑である。

この嵌合状態から、上位のコンテナ１を引き上
げて180〔゜〕回転変位させると、乗載段部と脚部
９とはコンテナ１の中心に関して点対称となるよ
うに配列されているので、上下のコンテナ１，１
は相互の乗載段部と脚部９とを上下に対向位置さ
せる。

それゆえ、第７図に示すようにこの状態のまま
コンテナ１，１同志を積み重ねると、上位のコン
テナ１の下端部が下位のコンテナ１の開口部に嵌
入した状態で、上位のコンテナ１の脚部９が下位
のコンテナ１の乗載平板部１３上に載置し、かつ
この脚部９の外面が起立板部１４に当接した状態
で両コンテナ１，１は載置積み重ね姿勢となる。

この際、上位のコンテナ１の脚部９は、下位の
コンテナ１の開口部に嵌入した状態で起立板部１
４に内方から当接するので、上下のコンテナ１，
１は相互にガタツクことなくその載置積み重ね状
態を安定したまま保持される。

以上の説明から明らかな如く、本考案は、側壁
の全高さ範囲にわたつて垂直面部分を有するので
比較的大きな高さを有する直方体形状となつた物
品を整列して隙間なく収納した際に、この物品を
ガタツクことなく収納保持することができ、また
上位のコンテナを下位のコンテナ内に無理なくか
つ充分に深く嵌合積み重ねすることが出来るので
物品を収納しない時の多数のコンテナの格納が小
さなスペースで済むと共に嵌合積み重ね状態から
のコンテナ相互の離脱が円滑であり、そしてコン
テナ同志を載置積み重ねした際には、側壁に沿つ
た多数の箇所で上位のコンテナを乗載保持するの
で、上位のコンテナを極めて安定した状態でかつ
強力に保持出来る等、この種コンテナとして優れ
た作用効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るコンテナの一実施例の平
面図、第２図はその底面図、第３図は第１図で矢
視方向より見た正面図、第４図は第１図に於ける
−線断面図、第５図は第１図に於ける円内部
分の内方より見た斜視図である。第６図は本実施
例に示すコンテナを同一方向姿勢にして嵌合積み
重ねした状態を示す断面図、第７図は同コンテナ
を反対方向姿勢にして載置積み重ねした状態を示
す断面図である。 符号の説明、１……コンテナ、２……側壁、３
……口縁フランジ、４……上端面、５……乗載フ
ランジ、６……凹部、７……柱板、８……傾斜
板、９……脚部、１０……垂直部、１１……窓
孔、１２……垂直板、１３……乗載平板部、１４
……起立板部、１５……底板、１６……リブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 有底直線直角四角筒形状体の側壁外周面上端部
   に口縁フランジと乗載フランジとを間隔をもつて
   平行に周設し、前記側壁の一部を全高さ範囲にわ
   たつて外方に膨出させて上端が外方に傾斜した型
   抜きテーパ面を有すると共に下方にいくに従つて
   幅狭となる凹部を前記側壁の周方向に沿つて一定
   間隔毎に形成し、前記凹部間の前記側壁部分を開
   放して窓孔を形成すると共に該側壁部分の上端に
   乗載段部を形成し、さらに該乗載段部と前記凹部
   の下端である脚部とを点対称に配列して成るコン
   テナ。