JPS6120736Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えばプリント配線基板の配線基板
に直付けされる筒状チツプコンデンサの改良に関
する。

従来のこの種のコンデンサは、第１図の側断面
に示したような構造となつている。すなわち先づ
筒状磁器誘電体１を用意し、これの内面のほぼ全
域、一方の端面および外面の一方の端部近傍に、
それぞれ連続する導電被膜２ａ，２ｂ，２ｃを付
与して第１の電極２とする。次に前記誘電体１の
外面のほぼ全域に、前記第１の電極２ｃとは一定
の間隔をもつて第２の電極３を付与する。そして
前記筒状誘電体１の内孔内面に、第１の電極２ａ
を被覆してしまうように第１の絶縁被膜４を付与
し、前記筒状誘電体１の外面にも、前記第１の電
極２ｃおよび第２の電極３の端部近傍に存する部
分を除いて、第２の絶縁被膜５を付与したもので
ある。これを配線基板１０に取り付けるに当つて
は、前記誘電体１の外面において露出されている
第１の電極２ｃおよび第２の電極３が、それぞれ
配線電極１１，１２上に位置されるように載置
し、半田などによつて導電的に固着させるのであ
る。ところがこの従来のものにあつては、直付け
用として小型化された結果、筒状誘電体１の厚み
は0.5mm以下となることが多く、その機械的強度
が最大の難点となつていた。従つて製作時や、配
線基板への取り付へ時等においてワレたりし、取
り扱いが極めて煩わしいという欠点を有してい
た。

本考案はこのような欠点を除去せんとしたもの
で、筒状誘電体の内孔内に絶縁性補強材を密に装
填させたことを特徴とする筒状チツプコンデンサ
を提供せんとするものである。

以下本考案の一実施例を、第２図に示した側断
面図を参照しつつ説明する。なお以下の説明にお
いては、第１図に示したものと同じ部分について
は同一符号を付し、その説明を省略する。

本考案の特徴的な点は、筒状誘電体１の内孔内
に、絶縁性補強材６を密に装填したことである。
この絶縁性補強材６は、例えば高絶縁性の樹脂を
ポツテイングすることによつて装填すればよく、
また柱状のものを嵌入させて装填したりしてもよ
い。前記ポツテイングする場合、筒状誘電体１の
内径が小さいことや、密着性の点から、できるだ
け流動性のよいものを用いることが好ましく、ま
た樹脂の硬化時における収縮率のできるだけ小さ
いものの方が好ましい。さらに柱状のものを嵌入
させる場合には、筒状誘電体１の内孔内面との間
にできるだけ隙間を生じさせないように接着剤等
で接着させるようにすれば効果的である。

なお図面に示したものは、本考案を具体化させ
るためのものであつて、本考案の趣旨を逸脱しな
いように種々変更されてもよいことはいうまでも
ない。例えば筒状誘電体１は、円筒状、角筒状等
いかなるものでもよく、第１、第２の電極２，３
の付与状態も任意である。また筒状誘電体１の外
面に付与される絶縁被膜５は、第１の電極２ａの
端縁とこれに対設される第２の電極３の端縁との
間を少くとも隠蔽するように付与されていればよ
いのである。

以上のように本考案筒状チツプコンデンサは、
筒状誘電体の内孔内に絶縁性補強材を密に装填し
たものであり、小型にしても十分な機械的強度が
得られ、取り扱いが極めて容易になるものであ
る。従つて自動機械によつて配線基板に装着させ
る方法も何らの懸念なく実施でき、量産性にもす
ぐれたものになる。また本考案では、筒状誘電体
の内孔内が空胴になつていないので、これを配線
基板に半田付けするような場合、半田が内孔内に
侵入することがなく、浮遊容量の発生などが防止
でき、特性の安定なものとすることができる。さ
らに半田付性が安定化される結果、製造上の管理
を容易にできるという効果をも併せもつ等、効果
多大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の筒状チツプコンデンサの側断面
図、第２図は本考案筒状チツプコンデンサの一実
施例を示す側断面図である。 １……筒状誘電体、２……第１の電極、３……
第２の電極、５……絶縁被膜、６……絶縁性補強
材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 筒状誘電体と、この筒状誘電体の、内面のほぼ
   全域、一方の端面、および外面の一方の端部近傍
   に、互いに連続させて付与された第１の電極、 前記筒状誘電体の外面のほぼ全域に、前記第１
   の電極と接触しないように付与された第２の電
   極、 前記筒状誘電体の内孔内に密に装填された絶縁
   性補強材、 前記筒状誘電体の外面に、少くとも前記第１、
   第２の電極の対向端間を被覆するように、その両
   端部近傍を除いて設けられた絶縁被膜、 よりなる筒状チツプコンデンサ。