JPS6225879Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はチツプ型電子部品に関し、特に円柱状
のチツプ型固体電解コンデンサの外部引出し電極
端子構造の改良に関する。

従来のチツプ型固体電解コンデンサは、第１図
ａ，ｂ，ｃ，ｄに示すように、一般に実装のし易
い形状として偏平の角柱状のコンデンサ素子１の
両端の電極部に角型のキヤツプ状陽極端子３およ
び陰極端子４を電気的に接続し、コンデンサ素子
１の表面および陽極端子３、陰極端子４の間を絶
縁性の樹脂５で外装し直方体状の固体電解コンデ
ンサを形成している。またコンデンサ素子の成形
加工の容易さなどから第２図ａ，ｂに示すように
円柱状のコンデンサ素子８の両面に丸形のキヤツ
プ状陽極端子９および丸型陰極端子１０を角柱状
コンデンサ素子を使用し直方体に仕上げたと同様
な手段により、電気的に接続を行い円柱状のチツ
プ型固体電解コンデンサを形成している。

しかしながら、前者の直方体形状のチツプ型固
体電解コンデンサは、実装の際に転がることがな
いので取扱いにおいて安定であるが、コンデンサ
素子１が角柱状であるため、コンデンサ素子１の
プレス成型、帯板吊持等の製作工程を複雑にして
いるばかりでなく、さらに外装樹脂５を塗布した
場合には、第１図ｄに示すように素子の隅角部の
樹脂５−ａが薄くなり、コンデンサ素子１が露出
する場合が生ずる。この露出を補うためには、樹
脂を厚く塗布するか金型によるトランスフアーモ
ールドまたはエンジエクシヨンモールド等の手段
が採られているが、トランスフアーモールドでは
製造装置などの設備は比較的高価であり、かつ金
型のキヤビテイとコンデンサ素子の相対位置を精
密に設定する必要がある。したがつて能率も悪く
コンデンサ形成の製造原価を高いものにしてい
た。

後者の円柱状のチツプ型固体電解コンデンサ
は、コンデンサ素子８が円柱状に作られており、
素子のプレス成型は方向性がなく、また素子外装
の樹脂１１の塗布もむらなく容易に行なうことが
できるが、製品の取り扱い上およびプリント基板
等への実装の際に、転がつてしまい、載置しにく
く不安定である欠点があつた。

また、固体電解コンデンサは、極性を有してい
るため、従来の直方体および円柱状のチツプ型固
体電解コンデンサでは、極性を何らかの手段で表
示しなければならない。しかしコンデンサが小型
化されているため、表面部分への極性表示の捺印
などが困難であると同時に実装における極性の判
定を困難にしていた。

本考案の目的はかゝる従来の欠点を改良したチ
ツプ型電子部品を提供することにある。

本考案によれば円柱状のチツプ型電子部品素子
両端の陽、陰電極部の少なくとも一端に多角形の
キヤツプ状電極端子を設けたチツプ型電子部品が
得られる。さらに上記陽・陰電極部間に絶縁樹脂
層を設けたことをも特徴とする。

以下、本考案の実施例を第３図および第４図を
参照して説明する。

第３図は、本考案のチツプ型固体電解コンデン
サを形成する製造工程を示すもので、第３図ａは
タンタル、ニオブ、アルミニウム等の弁作用金属
粉末を同種の弁作用金属からなる陽極リード２を
植立し、円柱状に加圧成型した後、高温真空炉で
真空焼結したコンデンサ素子８を鉄またはアルミ
ニウム等の金属製の帯板１２に一定の間隔に溶接
手段により接続される。次にコンデンサ素子８の
表面に電気化学的に陽極酸化させて誘電体被膜を
形成した後、半導体層、陰極引出しのグラフアイ
ト層、銀ペースト層、半田層を順次形成させてい
る。次に第３図ｂの如く帯板１２に吊持されたコ
ンデンサ素子８をエポキシ等の樹脂液中に陽極リ
ード２の付け根まで浸漬し、コンデンサ素子８を
樹脂１３で被覆する。次に樹脂１３が硬化する前
に第３図ｃに示すようにコンデンサ素子８の底部
の樹脂１３ａをガーゼなどにより拭き取るか、ア
セトンまたはトリクレン等の適当な溶剤により除
去し半田層の施こされたコンデンサ素子８の陰極
部８ａの露出させた状態で樹脂１３を硬化させ
る。次に第３図ｄに示すように、洋白または半田
メツキ黄銅板等よりなるたとえば四角形のキヤツ
プ状の陰極端子１４を半田または導電性接着剤６
を用いてコンデンサ素子８の陰極部８ａと接続
し、陰極端子１４を付着する。この場合、樹脂１
３が硬化する前に陰極端子１４を導電性接着剤１
６で接続し、樹脂１４の硬化と導電性接着剤１６
の硬化を同時に行い、樹脂の粘性を利用し、樹脂
１３と陰極端子１４の境界部に発生する隙間を防
止することもできる。次に陰極端子１４と同種の
材質の半田付け可能な表面処理を施した四角形の
キヤツプ状または丸形のキヤツプ状の陽極端子１
５を陽極リード２側の端面に設置し、陽極リード
２の端部と陽極端子１５を導電性接着剤または溶
接により電気的に接続し、本考案のチツプ型固体
電解コンデンサを形成する。

第４図ａ，ｂは本考案にて形成されたチツプ型
固体電解コンデンサを示す斜視図で第４図ａは陽
極端子と陰極端子の両方を四角形のキヤツプ状端
子を使用したものである。また第４図ｂは陽極端
子に丸形のキヤツプ状端子を陰極端子に角形のキ
ヤツプ状端子を使用したものである。

陽極端子１５の設置は溶接の場合は第４図ａに
示すように、陽極端子１５に溝状の切り込み１５
ａが加工され、折り曲げ凸部１５ｂにて陽極リー
ド２と抵抗溶接または電子ビーム溶接等により接
続した後、陽極リード２の溶接部の外側の位置に
て複数個を同時に切断して作られる。また導電性
接着剤による場合には第１図ｃに示す従来例と同
様に陽極リード２を被覆する樹脂１３の外側に突
出させて切断した後、陽極リード２の切り口と陽
極端子１５の内面を導電性接着剤７を用い電気的
に接続し固定する。

本考案のチツプ型固体電解コンデンサは陰極端
子１４または陽極端子１５の少なくともどちらか
一方が角形の形状で形成されているため製造およ
び実装の際に転がることがないため安定である。

また、どちらか一方の端子を丸形にすることに
よつて、小型化されたチツプ型電子部品の極性判
別を容易にする。さらにコンデンサ素子８に絶縁
外装の樹脂１３を浸漬により塗布した場合には、
コンデンサ素子８の外形が円柱状のため、角柱状
の素子を使つた第１図ｄのように表面張力により
素子の隅角部の樹脂が薄くなることがなく浸漬法
によるバツチ処理ができる。従つて素子露出の少
ない絶縁外装されたチツプ型電子部品が量産でき
る。

尚、実施例では電極端子の構造を有底のキヤプ
状の構造で示したが本考案はこれに限るものでは
なく角板または円板を使つても良いことは勿論で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは、従来の角形端子のチツプ型固
体電解コンデンサを示す各状態の斜視図、第１図
ｃ，ｄは第１図ｂのＡ−A′断面図およびＢ−
B′断面図。第２図ａ，ｂは従来の丸型端子のチツ
プ型固体電解コンデンサの各状態の斜視図。第３
図ａ〜ｄは本考案の一実施例のチツプ型固体電解
コンデンサの製造工程の側断面図。第４図ａ，ｂ
は本考案のチツプ型固体電解コンデンサの実施例
を示す斜視図。 １，８……コンデンサ素子、２……陽極リー
ド、３，９，１５……陽極端子、４，１０，１４
……陰極端子、５，１１，１３……樹脂、６……
半田又は導電性接着剤、７……導電性接着剤、１
２……帯板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円柱状のチツプ型電子部品素子両端の陽、陰電
   極部の少なくとも一端に多角形のキヤツプ状の電
   極端子を設け、かつ前記陽、陰電極部間に前記円
   柱状の外形を有する絶縁樹脂層を設けたことを特
   徴とするチツプ型電子部品。