JPS6120664B2 - - Google Patents

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JPS6120664B2
JPS6120664B2 JP55131541A JP13154180A JPS6120664B2 JP S6120664 B2 JPS6120664 B2 JP S6120664B2 JP 55131541 A JP55131541 A JP 55131541A JP 13154180 A JP13154180 A JP 13154180A JP S6120664 B2 JPS6120664 B2 JP S6120664B2
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JP
Japan
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fibers
pile
napped
finite
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JP55131541A
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Seiichi Yamagata
Masaaki Sakai
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)
  • Knitting Of Fabric (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Automatic Embroidering For Embroidered Or Tufted Products (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はパイル布帛に関するものであり、詳
しくは立毛構造や触感が天然の高級毛皮に著しく
類似している毛皮調パイル布帛とその製造方法に
関するものである。
ミンク、キツネなどの天然の高級毛皮はそのす
ばらしい触感、光沢、および立毛構造などのため
に人工的にそれらを作ろうとしても近寄り難いも
のの1つである。そのため、天然毛皮は依然とし
て高価なものであり、ステータス・シンボルとし
て、あるいは超高級フアツシヨン衣料素材として
ゆるぎない地位にある。しかし、それだけに人造
毛皮を少しでも本物に近づけようとして数多くの
提案がなされているが、その多くは部分的または
中途半ぱな改善であり、全体的にみていかにも人
造の安物感を脱し得ないものがほとんどである。
最も大きな問題は毛皮構造をつくるためのプロ
セスにあり、とくに天然毛皮の立毛の繊維長分
布、繊維形状や立毛の密度、毛孔の密度、あるい
は1つの毛孔から生えている毛のさし毛、わた毛
の構成などを人工的に実現させる毛皮化の総合技
術が、その困難さの故に目標レベルからまだかな
り遠い位置にあるのが現状である。
この発明の目的は、上記のような点に鑑み、立
毛構造や触感を天然の毛皮に著しく類似したもの
となし得る新規な毛皮調パイル布帛とその製造方
法を提供せんとするものである。
かかる目的を達成するこの発明の毛皮調パイル
布帛とその製造方法は、以下の如き構成からな
る。
すなわち、この発明の毛皮調パイル布帛は、多
数のさし毛調立毛繊維とわた毛調立毛繊維を有し
てなるパイル布帛において、個々のパイルの根元
部がその根元断面構造において前記さし毛調立毛
繊維とわた毛調立毛繊維の混在構造となつてい
て、かつ前記さし毛調立毛繊維は、該さし毛調立
毛繊維を構成している有限長繊維の長さにほぼ等
しい長さからほぼゼロに近い長さまでの立毛長さ
分布を呈するとともにその先端部は尖鋭化してい
ることを特徴とする毛皮調パイル布帛であり、ま
たこの発明の毛皮調パイル布帛の製造方法は、パ
イル糸を、両端が尖鋭化しているさし毛用有限長
繊維が繊維端位相をずらして含まれかつわた毛用
有限長繊維が混用されてなる糸状物により構成せ
しめるとともに、地組織のパイル固定部からのパ
イル長さが前記両端が尖鋭化しているさし毛用有
限長繊維の繊維長にほぼ等しいかまたはそれより
も長いカツトパイル長さとしてなるカツトパイル
布帛のパイル面に、ブラツシング等してあるいは
パイル裏面側にバツキングした後ブラツシング等
して解繊させ地組織から離脱してなる立毛繊維を
除去することを特徴とする毛皮調パイル布帛の製
造方法である。
かかる本発明によれば、少なくとも立毛の表層
部、すなわちさし毛調立毛は先端部が尖鋭化した
毛で形成されてなるものであつて、立毛の長さも
一定長ではなく、適度な長さ分布を有していて、
しかも立毛の根元部においては多数のわた毛調繊
維と比較的少数のさし毛調繊維とが1つの束状等
となつて一つのパイル根元を構成しているという
高級天然毛皮に著しく類似した新規なパイル布帛
と該布帛を極めて合理的に製造し得る方法が提供
されるものである。
以下、図面等に基づき更に詳しくこの発明につ
いて説明をする。
この発明において、パイル布帛は、地組織と地
組織から密生する立毛とからなるものであつて、
該パイル布帛の製造に際しては、好ましくは従来
から知られているパイル織機、パイル編機、タフ
ト機などを使用できるものであり、また、これ以
外でも糸状カツトパイルを適宜な基布に接着せし
めるなど糸状物でパイルを形成する各種のパイル
布帛を製造する技術を有効に活用することが可能
である。
この発明のもつとも重要な要件は、まずカツト
パイル布帛の形成に関して第1図aに示すような
両端が尖鋭化している適当長さの繊維、あるいは
第1図bのようなさらにその中間部分に1個また
はそれ以上の細くくびれた構造をもつ両端尖鋭化
繊維、あるいはこれらと類似の形状の有限長繊維
が、さし毛用有限長繊維として用いられるととも
に該さし毛用有限長繊維の繊維端位相がずらされ
て糸状物中に含まれ、なおかつ該糸状物としては
わた毛用有限長繊維が混用されてなる糸状物によ
りカツトパイル布帛のパイル糸を構成せしめると
ともに、該カツトパイル布帛において地組織のパ
イル固定部からのパイル長さが前記両端が尖鋭化
しているさし毛用有限長繊維の繊維長にほぼ等し
いかまたはそれよりも長いカツトパイル長さとせ
しめるところにある。
図面により詳細に説明するならば、第2図a
は、この発明に使用される繊維長lの両端尖鋭化
さし毛用有限長繊維の糸状物内における配置構成
をモデル的に示した説明モデル図であり、糸軸方
向(矢印方向)に平行に個々の両端尖鋭化さし毛
用有限長繊維2が配列して糸状物1中にあるもの
である。該図において実際には、この発明では両
端尖鋭化さし毛用有限長繊維2のほかに、適宜の
わた毛用有限長繊維も混用されてパイル糸として
の糸状物が構成されるものであるが、説明の便宜
上図面中では該わた毛用有限長繊維は省略してお
り描いておらず、これは第2図bでも同様であ
る。第2図bはこのような糸状物1を前記両端尖
鋭化さし毛用繊維の繊維長lにほぼ相当するかな
いしはそれよりも長いカツトパイル高さ(長さ)
Lでパイル織物を織成した場合の糸状物の状態を
示すモデル図(このモデル図では繊維長lにほぼ
等しい場合を表わしている)であり、図において
A1A2,A1′A2′はそれぞれパイルの地組織での固
定部、B1B2,B1′B2′はそれぞれパイルのカツト位
置を示している。このようにして、カツトパイル
布帛を構成すると、両端尖鋭化さし毛用繊維につ
いて、固定部にて実質上把持されない繊維が一部
生じることになり、この発明では、かかる固定部
にて把持されない繊維(離脱繊維)を、ブラツシ
ング作用等によりあるいはその前にパイル裏面側
にバツキングしてから該ブラツシング作用等によ
り解繊させ除去するものである。すなわち、この
場合、第2図bからも明らかなように、糸状物中
に用いられているさし毛用有限長繊維の量のほぼ
1/2程度もの量が、解繊除去されることとなる。
そして、わた毛用有限長繊維は、通常の場合はさ
し毛用繊維の繊維長よりも短かいものを用いるも
のであるから、該解繊・除去作用により該わた毛
用繊維は、さし毛用繊維のそれよりも一般にさら
に高い率にて除去されることとなる。すなわち、
固定部で把持されない離脱繊維(さし毛用繊維と
しては第2図bにて細実線で示す)はブラツシン
グ等の解繊・除去作用によつて容易に除去される
が、固定部で把持されている繊維(さし毛用繊維
としては第2図bにて太実線で示す)はブラツシ
ング等の解繊・除去作用によつて除去されること
なくさし毛調、わた毛調の立毛を形成するもので
ある。
該固定部とはパイル糸の抜毛防止にもつとも効
果的に作用する地組織部分を意味しているもので
あるが、なおかつ、該ブラツシング作用等による
解繊除去作用の前に、バツキングをした場合に
は、該バツキングによる固定作用も加わるもので
ある。
この発明において、両端が尖鋭化しているさし
毛用有限長繊維の繊維長、さらにそれとの関係か
ら選定される適当なパイル長さ、さらにはわた毛
用有限長繊維の繊維長は、所望の毛皮様構造特性
に合わせて適宜定めればよい。該パイル長さは、
さし毛用有限長繊維の繊維長よりも必らずしも完
全に長くする必要はなく、該繊維はその両端が鋭
角的に尖鋭化しているので、パイル長さが該尖鋭
化繊維よりも多少短かい場合においても、繊維先
端の尖鋭が少しカツトされるにしろ得られる毛皮
調パイル布帛の外観を実質的に損なうおそれはほ
とんどないのであつて、この発明においてパイル
長さがさし毛用有限長繊維の繊維長にほぼ等しい
とは、そのように、本発明の効果が損われない範
囲内で、パイル長さが該さし毛用尖鋭化繊維長よ
りも多少短かい場合をも含むものである。なお、
これとは逆に、地組織の固定部からのパイル長さ
をさし毛用尖鋭化繊維の繊維長よりも十分に長く
設定すれば、得られるパイル布帛の立毛先端の尖
鋭はカツトにより損傷されるおそれは全くなくな
るが、ブラツシング作用等の解繊・除去工程にお
いて離脱する繊維が、さし毛用、わた毛用の双方
とも増し、つまりパイル立毛繊維のロスが著しく
増大するので、そして、たとえカツトパイル長さ
を、さし毛用有限長繊維の長さよりもいくら長く
設定したとしても、本発明方法によつて実際上得
られるパイル布帛自体は実質的に同一の構造を有
するものにすぎないのであつて、かかる点からす
れば、得られるものは同じでロスや布帛化の困難
さだけが増大するだけとも言え、必らずしも好ま
しくはないものであり、特にさし毛用繊維の繊維
長とカツトパイル長さとの関係については、適宜
これらのことを念頭において定めるのが肝要なる
点である。
この発明において、両端が尖鋭化しているさし
毛用有限長繊維が繊維端位相をずらして含まれて
なる糸状物とは、糸状物として構成さし毛用繊維
の分布をみた場合に第2図aにモデル図を示した
ようになるものであれば特に限定されないもので
あり、1例として該さし毛用尖鋭化有限長繊維を
用いてなる紡績糸が、該糸状物として用いること
のできるものである。すなわち、該尖鋭化有限長
繊維を用いて通常の工程で紡績糸を製造した場
合、モデル的に描けば第2図bの如くなる糸状物
が得られるものであつて、該紡績糸を用いるの
が、紡績工程が要されるにしろ、簡単であると言
える。このほかには、第2図aのモデルの如くに
さし毛用尖鋭化有限長繊維を島成分として含み、
その周囲には最終的には除去されることを前提と
した海成分を用いてなる海島型複合繊維からなる
糸状物を用いる等でもよい。この場合、紡績工程
は必らずしも必要でないという優位点があり、海
成分の除去は、パイル布帛形成後ブラツシング等
による解繊・除去を行なう前に行なうのがよい。
いずれにしろ、この発明では、さし毛用両端尖
鋭化繊維とわた毛用の両端尖鋭化あるいは両端非
尖鋭化繊維の両者を混合使用して得られる糸状物
をパイル糸として構成せしめるものであるが、紡
績糸であればそれら両者繊維の混紡糸としてパイ
ル糸にしてもよいし、またさし毛用繊維を含んで
なる紡績糸や前記複合繊維などの糸状物に、わた
毛用繊維もしくはわた毛用繊維を用いた糸状物を
カバリングさせたものや、引き揃えたもの、交ネ
ン糸としたものなどを該パイル糸として構成して
よいものである。
天然毛皮において、わた毛はさし毛よりも短か
い場合が一般的であり、わた毛用繊維はさし毛用
繊維よりも短かいものとするのが本質である。該
わた毛用繊維は、両端尖鋭化繊維としてもよい
が、必らずしもその必要はなく、通常の非尖鋭化
繊維でもよい。
この発明において用いられるさし毛用両端尖鋭
化繊維は、それぞれの長さが全て等しいスクエ
ア・カツトのものとする必要は必らずしもなく、
バリアブル・カツトのものとしてもよく、この場
合、該さし毛用両端尖鋭化有限長繊維の平均繊維
長にほぼ等しいかまたはそれよりも長いカツトパ
イル長さとし、さらに好ましくは、該さし毛用両
端尖鋭化有限長繊維の最大繊維長にほぼ等しいか
またはそれよりも長いカツトパイル長さとするの
がよいものである。
さし毛用繊維、わた毛用繊維の混紡糸を用いる
場合、該さし毛用繊維、該わた毛用繊維は紡績工
程上の都合からケン縮を有することが望ましい
が、最終製品においては少なくともさし毛調繊維
のケン縮はパイル布帛の仕上げ加工工程などにお
いて除去できる程度のものであることが望まし
い。また、わた毛調繊維は天然繊維、化・合成繊
維を問わず比較的細くてゆるやかなケン縮を有し
ていることがパイル布帛の保温性など機能性の面
から要求される場合が多いのでゆるやかなケン縮
を持たせるのがよい。また、さし毛用、わた毛用
繊維はそれぞれ適度な異デニール繊維の混合であ
つたり、中空、扁平などの変形断面あるいは異種
の断面繊維の混合であることも最終製品の風合、
光沢などの面から有効に作用するので、それらの
繊維を適宜用いるのが好ましい。
より緻密でより高級な外観の毛皮調パイル布帛
を得るためには、比較的細めの糸状物をパイル糸
として使用してパイル密度を高くするのが望まし
い。紡績糸をパイル糸として用いる場合、特に細
番手糸使いやパイル長の比較的長い場合では、パ
イル糸が甘ヨリあるいは無ヨリ紡績糸、解ネン紡
績糸などを活用すれば解繊・除去の後工程が容易
となる。
立毛部におけるさし毛、わた毛の2層化をより
クリアーにするためには原料繊維であるさし毛
用、わた毛用の繊維長差のより大きい繊維を混合
使用してパイル糸とすれば良い。あるいは、わた
毛用繊維として熱収縮性の比較的大きい繊維を使
用し、パイル布帛形成後適宜手段で加熱し、熱収
縮を発現させるのも有効な方法である。
また、得られるパイル布帛の地組織を薄くした
り、柔軟性を向上させたり、ある程度のストレツ
チ性を付与することは当該布帛のドレープ性を向
上させたり、縫製性を容易にしたりするうえで重
要である。このため所望に応じて地組織用糸とし
て易溶出性繊維、海島型繊維や極細デニール繊維
あるいはケン縮加工糸、伸縮性糸などを利用して
適宜な後加工をしたり、それら繊維、糸からなる
基布を用いることも可能である。また地組織裏面
の擬革化についても公知の加工手法を利用して容
易に達成できるものである。
上記した方法により得られる本発明の毛皮調パ
イル布帛は、第2図bからもわかるように、さし
毛調立毛繊維は、該さし毛調立毛繊維を構成して
いる有限長繊維の長さにほぼ等しい長さからほぼ
ゼロに近い長さまでの立毛長さ分布を呈するもの
であり、かかる立毛長さ分布を呈することによ
り、立毛長さが揃つてなるものと比べてより自然
らしさがもたらされるとともに、特に、短めの立
毛の存在が、立毛層全体に張りと腰、弾発性を与
えて、好ましい立毛層タツチを有するものとなる
ものである。
次にこの発明によるパイル布帛を図面により説
明するが、この発明はこれに限定されるものでは
ない。第3図aはパイル用糸として両端尖鋭化さ
し毛繊維とこれよりも短かく、かつ細い繊維のわ
た毛を混合使用して得られるこの発明のパイル織
物の例を示したものである。さし毛2、わた毛3
ともにそれぞれの略原料繊維長の長さを最大と
し、それ以下からゼロ付近までの長さ分布で立毛
を形成し、全体的にみて最大さし毛調立毛長さが
最大わた毛調立毛長さよりも大きい2層構造を呈
している。立毛の他端は地組織4に埋没している
か、あるいはさらに地組織4から突出して隣接す
る立毛を形成している。地組織4にはポリウレタ
ンなどの接着性重合体が含侵されているか、バツ
キング層5を形成せしめるかあるいはそれら両者
を形成せしめても良く、パイルの固定、さらに擬
革化など所望の目的に応じて適切なバツキングを
行なえば良い。場合によつてはバツキングを省略
することが可能な場合もある。第3図bはさし毛
2、わた毛3を根元部近くまでカツトした1本の
パイルを上面から観察したものであり、各々のパ
イルは多数本のわた毛3と比較的少数本のさし毛
2から形成されている。そして、また重要な点
は、より表層に位置する、立毛長さのより長いさ
し毛は、両端尖鋭化繊維の1端側により近い箇所
で地組織に把持されていることになるので、立毛
根元は細く、立毛中間部は太いものとなるのであ
る。これらの構造はさし毛とわた毛を有する天然
毛皮の根元部構造とほぼ同様のものであり、かか
る構造となることがこの発明の大きな特徴であ
り、この結果、この発明のパイル布帛ではわた毛
調繊維とさし毛調繊維のなじみが良く、立毛表面
をなびかせたり、逆なでした時の挙動も飛躍的に
天然毛皮のそれに近づけることができたものであ
り、かかる特性・特徴を得ることや前記のパイル
根元部構造、さし毛立毛構造等をうまく得ること
は従来技術ではきわめてむずかしかつたものであ
る。
以上、述べたとおり、この発明によれば立毛先
端部、立毛長さ分布、根元部構造などが大幅に改
善され、得られるパイル布帛の触感、外観および
立毛の動的挙動などが高級天然毛皮のそれに著し
く近い新規な毛皮調パイル布帛とその製造方法が
提供されるものである。
次に実施例に基づきこの発明を説明するが、こ
の発明はこれのみに限定されるものではない。
実施例 地糸タテ、ヨコにポリエステル・ステープル繊
維1.5d×51mmからなる紡績糸15s/2を使用し、
さし毛用繊維にポリブチレンテレフタレート・ス
テープル40d×40mmの両端部を鋭角的に尖鋭化し
た第1図aに示す形状の繊維35%とわた毛用繊維
にポリブチレンテレフタレート・ステープル1.5d
×20mm、65%からなる混紡糸8sをパイル糸として
タテパイル織物を織成した。地織密度はタテ×ヨ
コ:45本×60本/2.54cm、パイル密度はタテ×ヨ
コ:23本×40本/2.54cmである。パイル高さは40
mmに設定した。得られた生機をポリウレタン30%
DMF溶液でバツキングし、水洗、脱水後、ブラ
ツシングを繰返し行ない、パイルのヨリを根元部
まで解除してパイルを形成している繊維を解繊す
るとともに、地組織から離脱するさし毛繊維、わ
た毛繊維を除去した。次にポリシング処理して特
にさし毛繊維のケン縮や曲りグセを直し、光沢を
付与するとともに、毛並みを揃えた。得られたパ
イル織物は第3図a,bに示すような天然毛皮に
よく似た形態を有し、外観、触感および毛のそよ
ぎ性などにおいてミンクによく似た高級毛皮調パ
イル織物であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図a,bは、この発明に使用するさし毛用
両端尖鋭化有限長繊維の形状例を示した側面概略
図である。第2図aはこの発明においてパイル糸
として使用する糸状物中におけるさし毛用両端尖
鋭化有限長繊維の配置・配列構造をモデル的に示
したものであり、第2図bは第2図aに示した糸
状物モデルをカツトパイル高さLでパイル織物の
パイルに使用した場合の説明モデル図であり、
A1A2,A1′A2′はそれぞれ地組織でのパイルの固
定部、B1B2,B1′B2′はそれぞれパイルのカツト位
置を示したものであり、把持されるさし毛用繊維
を太実線、離脱するさし毛用繊維を細実線で示し
たものであり、矢印は糸軸方向である。 第3図a,bはこの発明による毛皮調パイル布
帛の構造を例示しており、a図はその側面概略図
であり、b図はa図に示すパイル布帛の1本のパ
イルについて、さし毛調繊維、わた毛調繊維を根
元部近くまでカツトして上方から観察した構造を
説明する概略図である。 1:糸状物(構成さし毛用繊維だけをモデル的
に描いたもの)、2:さし毛用両端尖鋭化繊維
(さし毛、さし毛調繊維)、3:わた毛(わた毛調
繊維)、4:地組織、5:バツキング層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 多数のさし毛調立毛繊維とわた毛調立毛繊維
    を有してなるパイル布帛において、個々のパイル
    の根元部がその根元断面構造において前記さし毛
    調立毛繊維とわた毛調立毛繊維の混在構造となつ
    ていて、かつ前記さし毛調立毛繊維は、該さし毛
    調立毛繊維を構成している有限長繊維の長さにほ
    ぼ等しい長さからほぼゼロに近い長さまでの立毛
    長さ分布を呈するとともにその先端部は尖鋭化し
    ていることを特徴とする毛皮調パイル布帛。 2 わた毛調立毛繊維も該わた毛調立毛繊維を構
    成している有限長繊維の長さにほぼ等しい長さか
    らほぼゼロに近い長さまでの立毛長さ分布を呈し
    ていて、かつ最大さし毛調立毛長さは最大わた毛
    調立毛長さよりも大きいことを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の毛皮調パイル布帛。 3 個々のパイル根元の断面構造中、さし毛調立
    毛繊維が複数本有ることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項あるいは第2項記載の毛皮調パイル布
    帛。 4 パイル糸を、両端が尖鋭化しているさし毛用
    有限長繊維が繊維端位相をずらして含まれかつわ
    た毛用有限長繊維が混用されてなる糸状物により
    構成せしめるとともに、地組織のパイル固定部か
    らのパイル長さが前記両端が尖鋭化しているさし
    毛用有限長繊維の繊維長にほぼ等しいかまたはそ
    れよりも長いカツトパイル長さとしてなるカツト
    パイル布帛のパイル面に、ブラツシング等してあ
    るいはパイル裏面側にバツキングした後ブラツシ
    ング等して解繊させ地組織から離脱してなる立毛
    繊維を除去することを特徴とする毛皮調パイル布
    帛の製造方法。 5 さし毛用有限長繊維の長さがわた毛用有限長
    繊維の長さよりも大きいものであることを特徴と
    する特許請求の範囲第4項記載の毛皮調パイル布
    帛の製造方法。 6 わた毛用有限長繊維として両端が尖鋭化して
    いるものを用いることを特徴とする特許請求の範
    囲第4項あるいは第5項記載の毛皮調パイル布帛
    の製造方法。
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