JPH0772381B2 - 毛皮調立毛織編物およびその製造方法 - Google Patents

毛皮調立毛織編物およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、優れた感触、外観、ふくらみ感、シルキーな
光沢をもつ高級な毛皮調立毛織編物及びその製造方法に
関するものである。
[従来の技術] 従来、高級な人工毛皮を目的とする研究は、少なからず
なされている。本発明者らの知る限りにおいては、その
動きの方向は二つに向いていると思われる。
その一つは、天然の毛皮を見て、それらが、さし毛とう
ぶ毛からできているとみられているのは当然のこととし
て、中でも特にさし毛に注目し、その毛が細くとがって
いて、中太であることに注目し、その人工的製作の方向
に向けられているようである。
中でも更に進んだものは、そのさし毛の根元が再び細く
なっていることに着眼点が及んでいることである。
しかし、そこまでを達成したシート状物の製法にはまだ
成功していないようである。
もう一つの動きは、わた毛タイプのものである。このタ
イプの不十分なものは、多数試みられており、アクリル
系繊維の立毛タイプの織物である。
しかしながら、これらの動きによって得られるものは、
まだ高級な人工毛皮であるとは認知するにはほど遠いも
のであった。
天然からのものは、さし毛のあるタイプに比べて更に混
み入っている。なぜならば、天然毛皮から、殊更にさし
毛の部分をピンセットで抜いて仕上げるという手の混ん
だ加工をほどこしているからである。そのために、驚く
べき高価であるのが、普通である。ミンクのような特殊
な動物は別として、さらに加工が必要であるから当然と
いえよう。
従来の人工物は、この天然素材の持つ素晴らしい特性、
外観、タッチの素晴らしさ、タッチの心地好さが欠如
し、エアーマーク効果、エアーバイブレーション効果が
みられず、いわゆる高級感のないものであった。天然素
材にも多くの欠点があり、重い、毛が抜けやすい、虫が
つく、かびる、臭いがきつい、寸法がまちまちで縫製収
率が低い品質むらが大きい、高価、動物保護に反するな
ど色々の欠点を持っていることは申すまでもない。
まして、本発明の目的とする諸項目をことごとく満足す
るものは、まだ見当らない。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明者らは、本目的とする毛皮調シートを得んとして
長期にわたり鋭意思考し、考察し、検討し、実験証明し
てきた。
その結果、本発明者らは、画期的ともいえる高級な毛皮
調シートを作り出すことに成功し、すでに提案した。例
えば、特公昭61−455である。この製法、及びそれから
得たものは確かに素晴らしいが、特に製法において、高
分子相互配列体繊維という特殊な繊維を用いること、ま
たその繊維の相互融着という特異現象とそのバイメタル
的効果による捲縮現象を利用してのものであった。
本発明はそのような繊維を用いず、また特異現象の活用
もせず、最近得やすくなった直接紡糸による極細繊維を
巧みに用いることによって、高級な毛皮調シートを提供
せんとするものである。
人間にはそれぞれ趣味があり、もっとふくらみ感を有す
るもの、より暖かみ感のあるもの、より毛が立ちやすい
もの、また少々の立毛が束状に集まって鱗片状に見える
立毛集団があっても高級な外観のあるものを求める人も
少なからずいる。
本発明の目的とするところは、既に提供した特殊な製造
方法によらずして、毛皮調の高級な長い立毛を有する布
帛であって、ソフトで極めて滑らかで、暖かみのあるタ
ッチ、高級な外観を有するシート、スェードとは全く掛
け離れた非常にふっくらとした毛皮調のふくらみを有
し、立毛の倒れ方に可逆性を有し、独特の外観を与える
鱗片効果、光沢効果、立体感を有し、チョークマーク、
エアーマーク効果、エアーバイブレーション効果を有す
る高級毛皮調人造シートを提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明の骨子は次の通りである。
捲縮が少ないか、または捲縮のない0.4デニール以下の
超極細繊維フィラメントと該繊維より捲縮の多い0.4デ
ニール以下の超極細繊維とのフィラメントからの混繊よ
りなる束状の立毛の群を有し、かつ長さ3〜30mmの立毛
を形成していることを特徴とする毛皮調立毛織編物及び
0.4デニール以下の超極細繊維からなるフィラメントと
該繊維よりも収縮率の大きい0.4デニール以下の超極細
繊維の混繊よりなるフィラメントを橋渡し部分をもつパ
イル形成性部に使用して、両面に該パイル形成繊維の根
元を固定する地組織をもつ二重織編物を作り、次いで熱
処理を加えて収縮性の繊維を収縮させてパイル形成性繊
維部分に収縮差による捲縮を発生させ、さらに熱セット
し、しかる後、該二重織編物のパイル形成部分をカット
して二枚の立毛織編物を形成することを特徴とする毛皮
調立毛織編物の製造方法。
以下、本発明を詳細に説明する。
直接紡糸による超極細繊維は紡糸の改良、工夫によって
得られるようになってきた。本発明ではそれらの改良や
工夫については触れる必要はない。本発明はそれらの繊
維の巧みな利用法に関するものであるからである。素材
はポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル系ポリマ
ー、などあらゆる繊維形成高分子が使用できる。一々こ
こで挙げるまでもないが、例えば、ポリエチレンテレフ
タレートやポリブチレンテレフタレートに対しては、高
収縮成分化するものとして、常法に従ってイソフタル酸
を共重合させたり、5−ソディウムスルホイソフタレー
トを共重合成分として高分子中にいれるなどとして高収
縮化することができる。
収縮率の差は、3%以上、好ましくは5%以上であるこ
とが好ましい。収縮率は原糸を処理温度で自由収縮させ
ることによって測定することができる。
超極細繊維フィラメントはよく混在している程好ましい
が、ある程度、集団化していても差し支えない。
繊維のふくらみは、上下にベースとなる織物または編物
があるので、両繊維を二つの点で固定した全体の収縮と
なる。そのため一方の繊維がよく縮み、ほぼ緊張状態に
なるが、収縮率の低い繊維は二点間で余った状態とな
り、緩むことになり、収縮率の高い場合は縮れた状態と
なり、それがヒートセットで固定される。そのため、フ
ィラメントは両方共十分にヒートセット処理されていな
い繊維であることが好ましい。そうなると収縮率は両方
とも一般的に大きい傾向がある。従って、収縮率の差が
重要になる。上下の織編物の二点間の距離は縮まっても
差が重要な意味をもつことは申すまでもない。
ここで特に注意し、よく区別されなければならないの
は、最も普通に行なわれる二重ベルベット織機でのよう
に、織りと同時にカットされるものとの比較である。
これは両端固定の繊維に対し(本発明)、一端固定
他端自由との差である。は両端固定のため、捲縮とな
るのに対し、一端が自由であると、収縮率の高い方が低
い方より直線的により大きく縮むので、結果として、長
短のある繊維立毛となるのみである。他端自由のため実
質的に捲縮のない立毛となるのである。二重織編物をカ
ットすることなく、収縮するところに重大な意味がある
ことに注意されなけれはならない所以である。このよう
にすることによって、比較的よく揃った表面立毛となる
のに対し、カットしてから、収縮すると繊維が完全な自
由収縮に近いものとなるため、立毛の長短差が極めて大
となる。かかる布帛も面白いものであるが、ここでは作
用、効果及びその程度から一線を画するものである。
かかる点で単に、収縮差混繊の普通パイルものとは異な
るのである。
フィラメント群全体が捲縮すると捲縮の山と山が重なっ
て、繊維間の嵩が比較的小さいのに対し、収縮率の小さ
い繊維が捲縮と捲縮の間に入り、一層嵩高性を増すこと
になることは、容易に理解できるであろう(特公昭61−
455との比較)。
本発明の秘訣は、例えば二重ベルベット繊維で織った
時、普通はカットしつつ、織りがすすめられるが、また
市販のマシンはそのようになっているが、先に二枚にカ
ットしてしまっては、収縮処理により、両方の繊維がそ
れぞれ自由に縮み、低収縮の繊維に暖かみや縮れを与え
ないので、本発明の方法での順序は重要である。ただ
し、物の発明すなわち、シートに関しては、方法の限定
はない。本発明の方法に限定されない。
本発明の思想を理解したものは、容易に織物や編物の構
造、換言すれば、織り編み機が特定のものに限定されな
くてもよいことが理解できるであろう。但し、織機とし
ては、二重ビロード織機とダブルラッセル織機(編み
機)が特に好ましい。
本発明に係る製法において、染色は重要である。特にサ
ーキュラー染色機が好ましい。中でも広幅の反物のとき
は、大口径のノズルのものが好ましい。超極細繊維の立
毛の時は繊維が一般に抜け易い。従ってシートの裏にポ
リウレタンなどのバインダーをコーティングしたり、染
み込ませることが好ましい。注目すべきはかかるバイン
ターを十分に毛の根元に立毛が立った状態で染み込ませ
ると、立毛が実用時良く立ったものとなり、倒れにくく
なるという優れた特徴をもつものになるということであ
る。
このシートは、染色後直ちに油剤を付けて、タンブラー
乾燥したり、もみ乾燥したり、振動乾燥することが好ま
しい。またコーミングなどを加えて立毛を分散させるこ
とが好ましい。
0.4デニール以下という繊度の規定は重要である。それ
は風合、タッチ、各種の効果などの他、フラッシュとい
う燃焼に対しても重要である。例えばポリエチレンテレ
フタレートおよびその共重合体の繊維からなる時、細い
と直ちに熱で縮むと同時に相互融着し、ポリマーの塊状
となって、フラッシュ状に燃えがたいという重要な特徴
を持つことである。もし繊維が太く、立毛していると難
燃性を付与する繊維仕上げ処理が必要である。本発明に
おいては、このような効果が伴っても、難燃化処理する
ことがある。繊維立毛の分散性と滑りとは重要な関係が
あるので、滑り易い油剤で処理しつつ、乾燥することが
重要であるが、滑り易い油剤は一般的にいって、燃えや
すいものが多いので、その選定には両者に十分配慮する
ことが重要である。
超極細繊維の束としての集団または群は織りや編みの時
の糸の太さに大きく左右される。またその分散は、その
糸の紡糸から一挙に紡糸したときと合糸してつくった時
とは大きく異なる。何故ならその時に分散の単位が既に
生成されているからである。細かく分けて、合糸した方
が好ましいのである。
これらの繊維の混合方法には、フィラメント混合と同時
紡糸による方法がある。前者は引き揃えや撚合せやカバ
ーリングによる方法がある。後者には、紡糸口金内混繊
と口金間混繊などがある。特に口金混繊が好ましい。口
金の各孔に対して高収縮率成分と低収縮率成分を良く混
合するように配置することにより、達成される。この方
法は前者を組合せることも好ましい。特超極細繊維は多
数吐出しても充分なトータルデニールに達しない時に好
ましい。孔数を超極細繊維の安定吐出に上げられない時
に有効である。
第1図は、二重織物におけるカットする前の構造を説明
するためのものである。二重構造に織ったり編んだりす
ると、第1図のような構造断面が得られる。図中、1及
び4は上下(両面)の地組織の部分を示している。この
ように、地組織の部分においては、必ずしも0.4デニー
ル以下の繊維である必要はない。この繊維の選定によ
り、地組織の風合をコントロールすることができる。2
は高収縮繊維であり、3は低収縮繊維である。これらは
ここでは1と4とを「橋渡し」部分を形成しているパイ
ル形成部である。熱処理を施すと2が緊張し、3が緩
み、捲縮となる。これをヒートセットして固定し、捲縮
繊維とするのである。拡大すると第2図のごとくなる。
3が捲縮し、2が緊張している。同時に引きつられて捲
縮が伴うことがある。5は高収縮繊維2と低収縮繊維3
のパイルをカッティングするナイフのコースである。
なお第3図は二重織機による実施例での織り組織図であ
る。この織物の断面構造との関係は第4図のごとくな
る。タテ糸A,B,C,Dとパイルになる糸Pに対し、ヨコ糸
6,7,8および9,10,11と組織図および横断図との関係は明
瞭となろう。
かくして得られた毛皮調立毛織編物は、コート、ショー
ル、マフラー、打掛け、帽子、チョッキなどの衣料、さ
らに、オーバー、ジャケット、ブルゾンなどの各種のラ
イニング素材、などを含めた衣料、椅子、壁装、敷物、
家具、寝具、カーテンなどのインテリア用品、靴、鞄、
袋物、ワイピングクロスなど多くの用途がある。
[実施例] 次に本発明に係る実施例を示すが、本発明の有効性は実
施例によって何ら制限されたり、また本発明が限定解釈
されるものではない。むしろ、次の応用展開をもたらす
ものである。
実施例1 下記のの糸をパイル糸としてタテ糸に、の糸を地
(グランド)の糸としてタテ糸に、の糸を地(グラン
ド)の糸としてヨコ糸にして、二重ビロード織機にて、
橋渡し長(パイル生成部)約20mmの二重織りを織り上げ
た。
A.糸の構成内容 のパイル糸 収縮率約7%のポリエチレンテレフタレートの約0.2デ
ニールのフィラメント(トータルデニール28)の糸と、
収縮率約18%のポリエチレンテレフタレートとイソフタ
ール酸共重合体の約0.2デニールのフィラメン(トータ
ルデニール約32)の混繊糸。
のタテグランド糸 50デニールの24フィラメントの仮撚加工糸(商品名、東
レテトロンブレリア加工糸を400T/Mの撚加工し、ワーパ
ーサイジングマシンで糊付けしたもの) のヨコグランド糸 糸と同じ。但し糊付け加工なし。
B.織り密度 の織り密度は47本/in(53羽/金尺寸) (第3,4図の組織図と織り構造参照) の織り密度は94本/in(織り上がり後の実測) の織り密度は146本/in(同上) 上記条件で得た分厚い織物を先ず140℃に加熱処理し、
しかる後、180℃にて処理して、捲縮をパイル形成部分
に発生させ固定した。
ついで、その織物をほぼ中央で二枚にスライスした。そ
の後95〜98℃の湯に入れて、リラックス糊抜きを行なっ
て乾燥した。
このものを加圧型液流染色機(サーキュラーマシン)に
かけ、12℃60分、茶褐色に分散染料にて染上げた。
更にハイドロサルファイトと苛性ソーダーを用いて還元
洗浄し、湯通しし、洗い落した。
なお、この湯洗い液に静電防止剤と柔軟剤(商品名、シ
ルスタット#1173とベビナー#S783)を加え、ついで、
タンブラー乾燥した。
このものは、茶褐色しており、極めて滑らかなタッチと
チンチラやミンクの毛皮を触っているかと間違えんばか
りのタッのチの良さを有していた。立毛は確かに繊維束
状の立毛ではあったが、高級な外観を有し、超極細繊維
の捲縮と超極細繊維のそうでない繊維との混合でなけれ
ば、得られないと思われる暖かみのある艶を有してい
た。
立毛をよく調べると捲縮とそうでない部分が混合してい
た。その他に、ふくらみ感を有し、洗濯可能で、嫌な臭
いもなく、エアーマーク効果が見られ、エアーバイブレ
ーション効果がみられ、手で立毛を押さえると心地好い
反撥性を有するなど目的とする諸特性を示した。
[発明の効果] 本発明は次のような顕著な効果が得られた。
(1) 極めて滑らかなタッチとチンチラやミンクの毛
皮を触っているのかと間違えんばかりのタッチの心地好
さを有している。
(2) 超極細繊維の捲縮による鈍い暖かみのある艶を
有する。
(3) 高級な外観を有する。
(4) スェードとは、全く掛け離れた毛皮調のふっく
らとしたふくらみ感を有する。
(5) 人造繊維でできているので、天然物に比して嫌
な臭いもなく(特に皮革の部分からも臭う)また、虫
(シミなどといわれる虫)に食われることも殆どない、
洗濯ができる、形状も定長、定幅に作れるので、継ぎ跡
不要、継ぎ合せて不要、収率が良い。
(6) 立毛をいずれの方向へも倒すことができ、それ
がほぼ可逆的である。しかしながら、捲縮の強い部分と
そうでない部分の混成ができているので皮較的立毛がよ
く立ち、かなり分散して立つ。顕著なチョークマークな
いしライティングエフェクトを有する。
(7) 製品の立体感と独特の高級感とを与える肉眼で
わかる鱗片状の集団の超極細繊維束群の立毛を有する。
捲縮が強い部分立毛とそうでない部分立毛の混合立毛に
より、高級感が付与される。また、立毛が束一本の如く
捲縮が付与されてはいないので、より一層ふくらみ感が
増す。
本発明においては、勿論立毛の根元、織編物の構造の
中、織編物構造の裏にいわゆるバインダーを付与しない
場合と付与する場合の両方を含むものである。もちろん
そうすれば、立毛は抜けにくくなったり、全体の風合が
堅くなったり、しっかりしたものとなったり、反撥性が
無したりする効果があることは申すまでもない。
(8) 製品に立体感と高級感を与える異方性捲縮効果
を有する。手で強めに押しながら、一回撫でつけた跡の
立毛状態に正方向と逆方向とに差を有する。これを異方
性捲縮効果という。
(9) エアーマーク効果を有する。エアーマーク効果
というのは、立毛に対し、上方から尖らせた口から空気
を吹き付けた時、空気を吹き付けた部分に跡が残る現象
をいう。
もちろん、手で撫でれば消せる。これをエアーマーク効
果、エアーマークエフェクトと呼ぶ。指で描いた軌跡が
残って見える効果をチョークマークとかライティングエ
フェクトとか言っているのに対応する意味の用語である
(本発明者の該発明における記載に挙げたもので、発見
により命名) (10) エアーバイブレーション効果を示す。
ここでいうエアーバイブレーション効果とは、立毛に向
かって、口を尖らせて空気を一点に吹き付けた時立毛が
四方八方に広がるが、その時立毛が明瞭にバイブレーシ
ョンの如く、揺れてたなびく現状をいう。
(11) 光沢効果を有する。
これは、立毛を手で押し付けながら、撫でつけることを
繰り返すこと20回、その時今までの立毛の感じが著しく
変って予想外に光沢を有する面(立毛が揃って倒れる)
が形成される。
この現象を光沢効果という。この現象は、手で逆方向に
撫で上げることによって、消失させることができる。
(12) 人造繊維から作ったものは、暖かさに欠けると
されていたが、これは意外にも触った時に暖かみを感じ
る。
(13) 捲縮の強いものと、そうでないものとの混繊で
あるので、超極細繊維にもかかわらず、触った時、手に
反撥するような暖かくて、心地好い弾性を感じ、しかも
倒れた時も立毛が早く立ち上がる傾向を有する。
(14) 高分子相互配列体繊維のような超極細繊維発生
型繊維を用いることなく、優れた特徴のある人造毛皮調
シートが得られる。
(15) 超極細繊維発生型繊維の特殊な融着挙動を活用
することなく、作りやすい収縮挙動の差でもって達成す
ることができる。しかもシートを一々カットしながら織
ることなく、跡でカットすれば良い。
(16) 後で超極細繊維発生型繊維を発生させる工程な
しで、目的とするものができる。
(17) 超極細繊維を発生させる時溶剤などを用いて溶
かし、その跡その溶剤を除く必要があり、その時強く絞
ることが多く、その時立毛が倒れてしまって、後でかな
り回復するのに困難であったが、本発明はそれが避けら
れる大きなメリットがある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、二重織構造の断面をモデル的に示した図で、
カット前にパイルになるべき繊維の収縮差混繊により捲
縮を発生固定させた図である。 第2図は、パイル立毛部分の収縮による緊張された繊維
部分と弛緩による捲縮状となる繊維部分をモデル的に図
示したものである。 第3図は実施例における織りの組織図である。 第4図は組織図に対応する織り断面構造を模式的に示し
た図である。 1,4:地組織部分 2:高収縮繊維 3:低収縮繊維 5:カッティングナイフのコース

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】捲縮が少ないか、または捲縮のない0.4デ
    ニール以下の超極細繊維フィラメントと該繊維より捲縮
    の多い0.4デニール以下の超極細繊維とのフィラメント
    からの混繊よりなる束状の立毛の群を有し、かつ長さ3
    〜30mmの立毛を形成していることを特徴とする毛皮調立
    毛織編物。
  2. 【請求項2】0.4デニール以下の超極細繊維からなるフ
    ィラメントと該繊維よりも収縮率の大きい0.4デニール
    以下の超極細繊維の混繊よりなるフィラメントを橋渡し
    部分をもつパイル形成性部に使用して、両面に該パイル
    形成繊維の根元を固定する地組織をもつ二重織編物を作
    り、次いで熱処理を加えて収縮性の繊維を収縮させてパ
    イル形成性繊維部分に収縮差による捲縮を発生させ、さ
    らに熱セットし、しかる後、該二重織編物のパイル形成
    部分をカットして二枚の立毛織編物を形成することを特
    徴とする毛皮調立毛織編物の製造方法。
JP61028943A 1986-02-14 1986-02-14 毛皮調立毛織編物およびその製造方法 Expired - Lifetime JPH0772381B2 (ja)

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