JPS609060Y2 - フユ−エルタンク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、主として車両におけるフューエルタンクに
関するものである。

従来のフューエルタンクでは、タンク本体内のフューエ
ルが減少したときに、急旋回や坂路走行などをすると、
サブタンク内にフューエルを貯溜しきれず、フューエル
サクションパイプの吸込端からのフューエルの吸込みが
不能となり、燃料切れによるエンジンの息付きやエンス
トを生じることがあった。

このことが特にディーゼルエンジン車に生じると、再始
動が困難となるため、その改善策が要望視されている。

そこで、この考案が目的とすることはフューエルサクシ
ョンパイプの吸込み不能を可及的に防止し得るフューエ
ルタンクを提供し、もって、燃料切れによるエンジンの
息付きやエンストの発生を解消することにある。

上記した目的を遠戚するためのこの考案は、タンク本体
１の隅角部には、サブタンク６を双方の底面４，７間に
空間９をもたせて設け、かつタンク本体１の隅角部と共
通するサブタンク６の底面には、前記の空間９とサブタ
ンク６の内部とが連通される連通口８を形成し、しかも
前記の空間９におけるタンク本体１の底面４には凹底部
５を形成せしめたことを要旨とするものである。

以下、この考案の一実施例を図面にしたがって説明する
。

タンク本体１の左前方の隅角部には、サブタンク６が設
けられている。

このサブタンク６は、その左面および前面をタンク本体
１の左壁２および前壁３と共用するもので、上面を開口
した四角箱状をなしている。

タンク本体１の底面４と、サブタンク６の底面７との間
には、空間９が設けられている。

しかして空間９は、タンク本体１の底面４におけるサブ
タンク６の底面の下方に該当する隅角部に凹底部５が凹
状に形成され、この凹底部５とサブタンク６の底面７と
の間に形成されている。

この空間９はサブタンク６の後下方より、タンク本体１
の内部と連通している。

サブタンク６の底面７における左前方の隅角部には、空
間９とサブタンク６の内部とを連通し得る連通口８が切
欠き形成されている。

一方、タンク本体１の前壁３より突出されたフューエル
サクションパイプ１０の吸込端１１は、サブタンク６の
内部のほぼ中央下部に位置されている。

なお、図中、１２はフューエルサクションパイプ１０の
吸込端１１に付けられた網状のフィルター、１３はフュ
ーエルサクションパイプ１０と並び設けられたブリーザ
パイプである。

上記した構成のフューエルタンクによれば、タンク本体
１内のフューエルＦが少なくなった場合における車両の
急旋回や坂路走行時などには、次のようにして、サブタ
ンク６の内部にフューエルＦをフューエルサクションパ
イプ１０の吸込端１１を沈め得るように貯溜することが
できる。

下り坂などの走行においてタンク本体１が第２図イに示
すように前下方へ傾斜したとき、あるいは、右旋回など
の走行においてタンク本体１が第２図ハに示すように左
下方へ傾斜したときには、タンク本体１内のフューエル
Ｆが空間９より連通口８を介してサブタンク６内へ流入
するとともに、サブタンク６の上縁を越してサブタンク
６内へ流入し、サブタンク６内のフューエルＦが増加す
る。

上り坂などの走行においてタンク本体１が第２図口に示
すように後下方へ傾斜したとき、あるいは、左旋回など
の走行においてタンク本体１が第２図二に示すように右
下方へ傾斜したときには、サブタンク６の後部あるいは
右部に、フューエルＦを三角状に貯溜することができる
。

上記したように、車両の急旋回および坂路走行などによ
り、タンク本体１が傾斜しても、サブタンク６内にフュ
ーエルＦを、フューエルサクションパイプ１０の吸込み
に対応することができるように貯溜することができる。

よって、フューエルサクションパイプ１０の吸込み不能
を防止することができる。

また、このことは、傾斜面に長時間の駐車をしても、エ
ンジン始動が困難となることがないので、好都合である
。

また、タンク本体１の底面４に凹底部５が形成されてい
るので、その凹底部５に水分および異物などの不純物を
貯溜することができ、フューエルサクションパイプ１０
への不純物の吸込みを防止することができる。

なお、実施例における空間９をサブタンク６の右下方よ
りタンク本体１に連通させてもよい。

また、サブタンク６はタンク本体１の左前方の隅角部に
限らず、右前方、左後方あるいは右後方の隅角部にも、
実施例と同様に設置することができる。

すなわち、この考案は車両の急旋回および坂路走行など
において、タンク本体が傾斜しても、サブタンクにフュ
ーエルを貯溜することができるので、フューエルサクシ
ョンパイプの吸込み不能を可及的に防止することができ
る。

よって、燃料切れによるエンジンの息付きやエンストの
発生を抑制し得る利点がある。

とくに、この考案は前記の空間９におけるタンク本体１
の底面４に凹底部５を形成せしめたものであるから、そ
の凹底部５に水分および異物なとの不純物を貯溜するこ
とができ、フューエルサクションパイプへの不純物の吸
込みを防止することができるという特有の効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１図はフュ
ーエルタンクの要部を後上方から見た斜視図、第２図は
フューエルの貯溜状態を示すもので、イおよび口は断面
で示す左側面図、ハおよび二は断面で示す背面図である
。 １・・・・・・タンク本体、４・・・・・・タンク本体
の底面、５・・・・・・凹底部、６・・・・・・サブタ
ンク、７・・・・・・サブタンクの底面、８・・・・・
・連通口、９・・・・・・空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. タンク本体１の隅角部には、サブタンク６を双方の底面
   ４，７間に空間９をもたせて設け、かつタンク本体１の
   隅角部と共通するサブタンク６の底面には、前記の空間
   ９とサブタンク６の内部とが連通される連通口８を形成
   七、しかも前記の空間９におけるタンク本体１の底面４
   には凹底部５を形成せしめたことを特徴とするフューエ
   ルタンク。