JPH0315433Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ 産業上の利用分野 本考案は不整地走行車両におけるエアクリーナ
の空気吸入口の防水装置に係り、特に前端部に空
気吸入口を有するヘツドパイプの下側に防水ゴム
板を配設するとともに、上記防水ゴム板の周縁部
を燃料タンクの下面に密着させ、前輪の跳上げた
水が上記空気吸入口に侵入するのを防止した防水
装置に関する。

ｂ 従来の技術 いわゆる鞍乗型の車体を有する不整地走行車両
等においては、エンジンの後方にエアクリーナが
配設されているが、このエアクリーナの空気吸入
口をエアクリーナの上部に配設した場合、浅瀬や
水たまりの多い路面等を走行する際に後輪の跳上
げた水が上記空気吸入口に侵入しやすいという問
題がある。

そこで、エアクリーナの空気吸入口をヘツドパ
イプ前端に配設するとともに、ヘツドパイプ後端
をエアクリーナに連結したインレツト構造が提案
されている。

このインレツト構造は、空気吸入口の高さが従
来よりも高くなり、また後輪の跳上げ水が空気吸
入口に侵入するおそれもないので一般に採用され
る傾向にある。

ｃ 考案が解決しようとする課題 しかし、上述したインレツト構造においては次
のような課題が新たに指摘されている。すなわ
ち、ヘツドパイプの上側に配設されれた燃料タン
クの下部形状がヘツドパイプを避けるためにほぼ
逆Ｕ字状に形成されているため、燃料タンクの下
部に前軸の跳上げた水が当たると、この跳上げ水
が燃料タンクの下面中央部に集められてヘツドパ
イプの空気吸入口に侵入するおそれがある。

本考案は上述の課題を有効に解決すべく考案す
るに至つたものであつて、その目的は浅瀬や水た
まりの多い路面等の過酷な走行条件の下において
も、エアクリーナに対する水の侵入のおそれがな
いエアクリーナのインレツト構造を提供すること
にある。

ｄ 課題を解決するための手段 本考案は上記課題を解決するため、燃料タンク
の下面に、車体前後方向に沿つて凹部を形成し、
この凹部内に、車体前方に向つて水平若しくは上
方に向けてヘツドパイプを配設し、このヘツドパ
イプの先端をステアリングブラケツトに直結し、
ステアリングブラケツトに連結されたヘツドパイ
プの前端部に、燃料タンクの下面に臨んで空気吸
入口を開口し、上記ヘツドパイプの後端部を、エ
アクリーナに連結し、上記ヘツドパイプの下側
に、上記燃料タンクの下面形状に符号して形成さ
れた防水ゴム板を配設するとともに、上記防水ゴ
ム板の左右両側部を、上記燃料タンクの下面に密
着させ、かつ上記防水ゴム板の前端部を、上記ス
テアリングブラケツトに密着させたことにある。

ｅ 作用 ヘツドパイプの前端部に開口した空気吸入口か
らエアクリーナに外気を吸入する、空気吸入口は
燃料タンク下面の凹部に開口しているので、走行
時に雨水等が侵入することはない。ヘツドパイプ
の下側には燃料タンクの凹部を塞ぐ防水ゴム板が
設けられているので、下方からの雨水等は完全に
防ぐことができる。

ｆ 実施例 以下に本考案を４輪不整地走行車両に適用した
一実施例を図面に基づいて説明する。第１図およ
び第２図において、１はヘツドパイプ、２はハン
ドル、３はステアリングシヤフト、４はステアリ
ングブラケツト、５は補強用の傾斜パイプであ
る。上記ヘツドパイプ１の上側には燃料タンク６
がまたがるようにして配設されている。ヘツドパ
イプ１の前端部上面には、燃料タンク６の下面に
臨んで開口した空気吸入口７が形成されている。
またヘドパイプ１の後端部は、エンジン８の後方
に配設された図示しないエアクリーナに連結され
ている。そして、空気吸入口７から吸入された空
気が、ヘツドパイプ１を通じてエアクリーナに吸
入されるようになつている。

ヘツドパイプ１の下側には、第１図〜第３図に
示す如く防水ゴム板９が配設されている。この防
水ゴム板９は、燃料タンク６の下面形状に符合し
て例えば第４図に示す如く形成されており、複数
のクランプ１０にてヘツドパイプ１および傾斜パ
イプ５に取付けられている。なお、第４図におい
て１１はクランプ挿通孔である。

防水ゴム板９の左右両側部は、第３図に示す如
く燃料タンク６の下面に密着し、また防水ゴム板
９の前端部は、ステアリングブラケツト４下端に
密着している。従つて、防水ゴム板９の上側には
水が侵入しない構造になつている。

ｅ 作用 エアクリーナの空気吸入口の防水装置は上述の
如く構成されてなり、エンジン８を始動すると外
気が燃料タンク６の下面後方の〓間からヘツドパ
イプ１の前端部に向かつて流れ、さらに空気吸入
口７から吸入された後、ヘツドパイプ１を通して
エアクリーナに吸入される。この際、空気吸入口
７の下側には防水ゴム板９が配設されているの
で、浅瀬や水たまりの多い路面等を走行する際に
前輪が水を跳上げても、この跳上げ水は防水ゴム
板９に遮られるので、空気吸入口７に対する水の
侵入が防止される。

また、空気吸入口７の下方および前方は、防水
ゴム板９とステアリングブラケツト４とによつて
閉塞されているため、走行風圧が空気吸入口７に
直接作用することがない。このため、キヤブレタ
における空燃比のセツテイングが走行風圧によつ
て影響されるおそれがない。

以上、本考案の一実施例につき説明したが、本
考案は上記実施例に限定されることなく種々の変
形が可能である。

ｇ 考案の効果 本考案は上述の如く、ヘツドパイプの下側に燃
料タンクの下面形状に符合して形成された防水ゴ
ム板を配設するとともに、上記防水ゴム板の左右
両側部部を、上記燃料タンクの下面に密着させ、
かつ上記防水ゴム板の前端部を、ステアリングブ
ラケツトに密着させたものであるから、浅瀬や水
たまりの多い路面等の過酷な走行条件の下におい
て前輪が水を跳上げても、この跳上げ水は防水ゴ
ム板に遮られるので、ヘツドパイプ前端部の空気
吸入口に対する水の侵入が防止される。

また、空気吸入口の下方および前方は、防水ゴ
ム板とステアリングブラケツトとによつて閉塞さ
れているため、走行風圧が空気吸入口に直接作用
することがなく、キヤブレタにおける空燃比のセ
ツテイングが走行風圧によつて影響されるのを防
止することができる。

さらに、本考案に係る防水装置は防水ゴム板を
ヘツドパイプの下側に配設するだけでよいから、
車体フレーム等の変更は一切不要であり、従来機
種に対し簡易かつ低コストで本考案を適用でき
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案を適用した一実施例を示したもの
であつて、第１図は不整地走行車両の燃料タンク
周辺の側面図、第２図は第１図の平面図、第３図
は燃料タンクの縦断面図、第４図は防水ゴム板の
平面図である。 １…ヘツドパイプ、４…ステアリングブラケツ
ト、６…燃料タンク、７…空気吸入口、９…防水
ゴム板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料タンクの下面に、車体前後方向に沿つて凹
   部を形成し、この凹部内に、車体前方に向つて水
   平若しくは上方に向けてヘツドパイプを配設し、
   このヘツドパイプの先端をステアリングブラケツ
   トに直結し、ステアリングブラケツトに連結され
   たヘツドパイプの前端部に、燃料タンクの下面に
   臨んで空気吸入口を開口し、上記ヘツドパイプの
   後端部を、エアクリーナに連結し、上記ヘツドパ
   イプの下側に、上記燃料タンクの下面形状に符合
   して形成された防水ゴム板を配設するとともに、
   上記防水ゴム板の左右両側部を、上記燃料タンク
   の下面に密着させ、かつ上記防水ゴム板の前端部
   を、上記ステアリングブラケツトに密着させたこ
   とを特徴とするエアクリーナの空気吸入口の防水
   装置。