JPH0623735Y2 - 車両用チャコールキャニスターの構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、キャブオーバトラックのフレームサイドに取
付けられる車両用チャコールキャニスターの構造に関す
る。

［従来の技術］ 周知のようにガソリン車においては、燃料タンク内の蒸
発生ガスを過するためのチャコールキャニスターが設
けられている。

すなわちボンネット型乗用車においては第３図に示すよ
うに、エンジンルームＲ内のフードリッジ２０にブラケ
ット２１を介してチャコールキャニスター２２を取付
け、その一方のコネクタ２３を燃料タンクに、他方のコ
ネクタ２４を吸気通路にそれぞれ接続している。そし
て、蒸発生ガスのオーバフロー分の排出及び外部空気の
吸入のため、キャニスター２２の底部に設けたドレンパ
イプ２５をゴムホース２６によりフードリッジ２０に設
けた透孔２７を介して外部に連通させている。

ところで、キャブオーバトラックにおいて、レイアウト
上からチャコールキャニスターをフレームサイドに取付
ける場合、前記した底部のドレンパイプからフロントタ
イヤによって飛散したスプラッシュが侵入するという不
具合がある。

燃料タンクに関し、本出願人は実開昭６０−９１５１９
号公報においては、タンク本体の上面に燃料供給口及び
戻し口のホースコネクタ部を突設し、このホースコネク
タ部を囲むように車両外方に向けて開く障壁を設け、洩
れた燃料が車両内方に進入しないようにする技術を提案
している。

また、本出願人は実開昭６１−１４３９２１号公報にお
いて、燃料タンク本体と空気室とを分離し、燃料タンク
と空気室との容量を大きくし、車体の閉断面構造の強度
を向上する技術を提案している。

これら提案技術自体は有効なものであるが、しかし、上
記のキャニスターに係るものではない。

また、特開昭６０−２３６８３４号公報にはキャニスタ
ーが開示されているが、この公知技術は乗用車用のもの
であり、フードリッジとカバー相互の遮蔽による防水構
造としており、フレームの外側に設けた場合に防水が不
充分である。

［解決する課題］ したがって、本考案の目的は、フレームの外側に設けて
も、内部にスプラッシュが侵入せず、かつカバーをチャ
コールキャニスターに容易に着脱できるチャコールキャ
ニスターの構造を提供するにある。

［課題を解決する手段］ 本考案によれば車両のフームの外側に取付けられる車両
用チャコールキャニスターの構造において、該チャコー
ルキャニスターの底面にドレンパイプが突設され、該底
面を覆うカバーを着脱自在に設け、該カバーはチャコー
ルキャニスターの底部にかぶせてクランプで締付け固定
する拡径部と本体とよりなり、該拡径部には複数のスリ
ットが設けられ、そして前記カバーの底面に外部との連
通孔を穿設してある。

［作用効果の説明］ したがって、蒸発生ガスのオーバフロー分は、カバー内
に排出され、更に、連通孔から外部に排出される。そし
てエンジンの始動後、キャニスター内にたまった蒸発生
ガスは、連通孔から吸入される空気と共にエンジンに吸
入され、燃焼される。そしてカバーの底面の連通孔はチ
ャコールキャニスターの底面のドレンパイプより下方に
位置しているので、仮りにスプラッシュが連通孔からカ
バーの中に侵入しても、キャニスター内にスプラッシュ
は侵入しない。

さらに本考案では、カバーの拡径部にスリットがあるの
で、チャコールキャニスターの底部にかぶせるときに拡
がりやすく、したがってクランプに締付け固定する作業
を容易に行うことができ、着脱が容易であり、カバー内
部の清掃が簡単である。

［実施例］ 以下図面を参照して本考案の実施例を説明する。

第１図及び第２図において、フレーム１１の外側には、
ブラケット１２によりチャコールキャニスター１が垂直
に取付けられている。そのキャニスター１の上面に設け
られた一方のコネクタ２は、図示しない燃料タンクに接
続され、他方のコネクタ３は図示しないエンジンの吸気
通路に接続されており、底面には、ドレンパイプ４が垂
設されている。

このキャニスター１の底部には、底部を覆うカバー５が
設けられている。そのカバー５は、本体６と拡径部７と
からなり、拡径部７には複数（図示の例では４個）のス
リット８が円周等配に刻設され、拡径部７をキャニスタ
ー１の底部にかぶせ、クランプ１０で締付け固定されて
いる。そして、本体６の底面はドレンパイプ４の下端部
より高さＨだけ下方に位置され、底面には連通孔９が穿
設されている。

このように構成され、蒸発生ガスのオーバフロー分Ａ
は、ドレンパイプ４から本体６に排出され、連通孔９か
ら外部に排出される。

また、エンジン始動後、キャニスター１内にたまった蒸
発生ガスは、連通孔９からドレンパイプ４を経て吸入さ
れる空気と共にコネクタ３からエンジンに吸入され、燃
焼される。

また、フロントタイヤのスプラッシュが連通孔９からカ
バー５内に侵入しても、ドレンパイプ４の下端部は、連
通孔９から高さＨだけ離れているので、スプラッシュが
ドレンパイプ４からキャニスター１の内部に侵入するの
は、確実に防止される。

また、クランプ１０を緩めてカバー５を取外し、カバー
５内に侵入したスプラッシュを容易に清掃することがで
きる。

［考案の効果］ 以上の通り、本考案によれば、下記のすぐれた効果を奏
する。

(i)カバーにスプラッシュが侵入しても、チャコールキ
ャニスター内にスプラッシュは侵入しない。

(ii)したがって、フレームの外側に取付けることができ
る。

(iii)カバーの着脱が容易で、カバー内部の清掃を簡単
に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す分解斜視図、第２図は
要部を示す側面図、第３図は乗用車のチャコールキャニ
スターを示す斜視図である。 １……チャコールキャニスター、４……ドレンパイプ、
５……カバー、６……本体、７……拡径部、９……連通
孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車両のフームの外側に取付けられる車両用
   チャコールキャニスターの構造において、該チャコール
   キャニスターの底面にドレンパイプが突設され、該底面
   を覆うカバーを着脱自在に設け、該カバーはチャコール
   キャニスターの底部にかぶせてクランプで締付け固定す
   る拡径部と本体とよりなり、該拡径部には複数のスリッ
   トが設けられ、そして前記カバーの底面に外部との連通
   孔を穿設したことを特徴とする車両用チャコールキャニ
   スターの構造。