JPS605446Y2 - 車輛用灯具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輌用灯具に関するもので、特に合成樹脂製の
リムにより一体化した複数のレンズをハウジングに配設
した灯具に関するものである。

この種の灯具は、主としてリヤーコンビネーションラン
プで見られるように、尾灯、制動灯は赤色レンズ、方向
指示灯としては橙色レンズ、後退灯は白色レンズが用い
られることが多い。

そして、上記複数のレンズと一体に不透光性合成樹脂製
のリムを成形して、複数のレンズとリムを一体構造とし
、この一体構造物を光源バルブを内蔵したハウジングに
配設して灯具を構成し、車体パネルに取付けて使用して
いる。

例えば第１図に示すように、灯具の断面で説明すると、
異色の透明性の合成樹脂例えばアクリル樹脂で形成され
たレンズａ、 ｂの配設に際し、不透光性の合成樹脂を
用いてリム部Ｃ及び遮光壁ｄを一体成形することにより
一体構造とし、該遮光壁ｄの脚部ｆ及びリム部Ｃに設け
た脚部ｅを、それに対設されたハウジングｇの周縁の溝
部りにホットメルト等の接着剤ｋを用いて接着シールさ
せている。

更に前記リム部Ｃの縁端には、ゴムや軟質樹脂から成る
プロテクターｉを接着により固着させることにより、硬
いリム部Ｃが車体パネル面ｊを擦傷することを保護し、
かつ、リム部Ｃの外縁と車体パネル面ｊとの隙間のシー
ル作用を与えている。

前記の如く、複数のレンズと共に遮光壁並びにリムを一
体成形してレンズとリム部および遮光壁を一体構造とす
ることは、従来から行われているが、個々のレンズを一
次成形されたものを、二次Ｊｔ形において、レンズを金
型にインサートして、遮光壁及びリム部を一体成形した
場合に生ずる反りや変形を避ける事は困難であり、この
反り、変形を少なくするために何回ものトライアルと金
型修正変更の無駄が生じる。

また、この場合、−次威形されたレンズを型から取り出
さずに遮光壁及びリムを一体成形する多色成形法もある
が、射出成形機及び、金型が高額となる。

更に、リム部の周縁部に軟質ゴム等の別個に成形された
プロテクターを接着剤又は両面接着テープ等で組付ける
ために作業上の手間がかかり、自動化もむずかしい。

上述の事情に鑑み、本考案は、遮光壁及びリム部として
一体威形時の応力を吸収し得る軟質であって、しかもレ
ンズ材質と相溶性のある樹脂材料を用いて成形すること
により、一体構造化されたリムに生ずる反りや変形をな
くすと共に、リム自体がプロテクターを兼ねる事により
、部品点数を減らし、安価で、しかも実用性のある灯具
を提供することを目的とする。

以下、添付第２図および第３図を参照して本考案に係る
車輌葉灯具の実施の一例を詳述する。

第２図はコンビネーションランプの正面を示すもので、
複数のレンズの組合わせとリムの関係を示している。

第３図は第２図イーイの断面の一部拡大図である。

レンズ１及び２は、その周縁下部にそれぞれ脚部１１及
び２１を、レンズ３についても同様の脚部（図示せず）
を持ち、かつ各々のレンズの脚部周壁には楔状の係止帯
１２が周設されてアクリル樹脂等により一次成形されて
いる。

次いで前記レンズ群を１つのブロックとして集威し、か
つ隣接するレンズ相互間の光もれを防止するための遮光
壁の作用を与えるために、レンズ１．２及び３の集合体
の全周にわたりリム部４及び前記各々のレンズの境界に
於いて遮光壁５を、不透光性の軟質樹脂により一体に接
合するように成形される。

この場合の軟質樹脂は、前記レンズ１．２及び３の樹脂
と相溶性のもので、例えばアクリルの硬度ロックウェル
Ｍ８５〜１０５よりもはるかに軟らかい樹脂で、アクリ
ルと相溶性のあるエラストマーの軟質コンバンド材を射
出成形することによりレンズ１，２及び３の側壁に融着
形成させる。

上記の軟質樹脂は、射出成形に当り、流動性も良く安定
した状態で硬いレンズに接触融着して接合し、常温に戻
った後でも内部応力の残留がすべてこの軟質材により吸
収されてしまうので、反りとか変形を発生しない。

しかもレンズ１，２及び３とリム部４、遮光壁５はレン
ズとリム部および遮光壁とが相溶性のある樹脂材料であ
るので、互いに融着して強固に結合されている。

上記のような一体構造のレンズは、その各々の有する脚
部１１．２１を、複数の光源バルブ８を内設したハウジ
ング７の各々周縁に設けられた溝部７１中に挿入してホ
ットメルト等の接着シール剤６により固着される。

上記のような構成であるから、本考案の車輌用灯具は、
使用に当り、車体パネル９の面に、軟質のリム部４の端
部４１が弾接することになり、車体パネル９との隙間を
容易にカバーされると共に、従来のプロテクターの作用
をするために車体の塗装にきすをつけてさびの原因をつ
くることもない。

しかも、レンズ１，２及び３を軟質樹脂材から成るリム
部４及び遮光壁５を介して一体成形して相溶接合してい
るために、反りとか変形が吸収されて、トライアルと金
型の修正改造の手間が省かれる。

その他、リム部４がプロテクターを兼ねているので、部
品点数も減り、面倒な接着工程が省かれ、外観、品質の
良いものが得られる等の効果がある。

上述の実施例から明らかなように、本考案の車輌用灯具
は、複数のレンズ群の外周のリム部及び隣接せるレンズ
間の遮光壁を、レンズ材質と相溶性のある不透光性樹脂
材料を用いて一体成形により接合して成る一体構造の軟
質リム付レンズを、ハウジングに配設したことを特徴と
するものであるから、車体パネルに取付けた場合、リム
が軟質材でできているため、塗装面にすりきすをつけて
さびを発生させるようなことがないし、又、小間隙をカ
バーするので、別個にプロテクターを接着する必要がな
いので部品点数も手間も少なくてすむ。

しかも、レンズと相溶性のある軟質樹脂材をリム部及び
遮光壁として一体成形しているため、レンズとリム部お
よび遮光壁を互いに融着させて強固な一体構造物にする
と共に、成形後の反りや変形の発生がないので金型修正
等の無駄を省き、しかも品質の良い車輌用灯具を得るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の灯具の断面図、第２図及び第３図は本考
案の灯具を示し、第２図は正面図、第３図は第２図イー
イの断面の一部拡大図である。 １．２，３・・・・・・レンズ、４・・・・・・リム＆
５−−−−−−遮光壁、７・・・・・・ハウジング
、９・・・・・・車体パネル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 透明性の合成樹脂で成形された２種類以上のレンズ群に
   対して、該レンズ群の外周リム部及び隣接せるレンズ間
   の遮光壁を、レンズ材質と相溶性のある不透光性軟質樹
   脂材料を用いて一体成形により、前記レンズ群に融着し
   て成る一体構造の軟質リム付レンズを、光源体を有する
   ハウジングに配設したことを特徴とする車輌用灯具。