JPS6034658Y2 - コンベヤベルト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主として播種機の種子繰り出しに用いて有益な
コンベヤベルトに関する。

例えば、ベルト繰出式播種機における種子繰り出し用の
コンベヤベルトは、従来その軽量化のために発泡スチロ
ール等の合成樹脂材料から予じめの無端状に一体成形さ
れており、これを円筒形をなす一対のボビン外周面に捲
き付けて、循環回走させている通例である。

ところが、これでは無端の大きさや播種のピッチを変更
できず、これらを変更するに当っては別途に作成したコ
ンベヤベルトを捲着し直す必要があり、作業性に劣る。

又、ボビンの平滑な円形外周面に対する摩擦接触のみで
循環回走の駆動力を得ているにとどまること、並びにベ
ルト自身が気温変化、その他により膨張すること等に起
因して、スリップ現象を生じやすく、種子繰り出しの確
実や円滑を期し難い等という問題もある。

本考案は主としてこのような問題点の解決を企図してお
り、その具体的な構成を図示の実施態様に基いて説明す
ると、次の通りである。

即ち、図は豆類や穀類等のベルト繰出式播種機における
種子繰り出しに適用した本考案の一例を表わしており、
その第１〜５図において、１は種子繰り出し用のカセッ
トフレームであり、合威樹脂材から断面の略倒立Ｕ字型
に底形されている。

２はそのフレーム１の下端部（長手方向の一端部）に横
架された角棒型の支軸、３はその支軸２に挿着された左
右一対の駆動スプロケット、４はそのスプロケット３へ
一体回転するよう、ビス５により着脱自在に固定された
伝動ギヤ、６はフレーム１の外側方から支軸２の両端部
へ挿脱可能に螺入された一対のボルトである。

他方、カセットフレーム１の上端部（同じく長手方向の
他端部）には丸棒型９支軸７が横架されており、その支
軸７に一対の従動ローラー８が遊転自由に挿着されてい
る。

９はそのローラー８から張り出す鍔板であり、上記スプ
ロケット３から同様に張り出す歯板１０と正しく対応す
る。

１１は支軸７の突出両端部に螺着された一対の角型キャ
ップナツト、１２はフレーム１の両側面途中に上向き回
動のみ可能として、ボルト１３により枢着されたＬ字型
をなす一対のブラケット、１４はそのブラケット１２へ
進退操作可能に貫通されたネジ杆であり、これによりキ
ャ゛ツブナツト１１を押しつつ、フレーム１における両
側面のスライドガイド切欠１５に沿い移動させて、後述
するコンベヤベルトを緊張又は弛緩させ得るようになっ
ている。

又、１６・はカセットフレーム１のフラットな頂面中央
部に凹入生皮された長手方向に走る置溝であり、その溝
底にはベルト表裏支持用の平滑な座板１７が定着されて
いる。

１８は同じくフレーム１の頂面下部に突設された左右一
対のホッパー位置決め突起、１９はやはり頂面の上部に
突出された一対のホッパー吊持フックであり、台形樹脂
製の種子収容ホッパー２０はこれら突起１８とフック１
９に係止されて、上記フレーム１の頂面へ着脱自在に定
着されるようになっている。

そして、その定着セット状態では、ホッパー２０の底面
中。

央部に開放形成された帯状の種子供給口２１が、フレー
ム１の上記置溝１６と正しく連通合致することとなる。

２２はその供給口２１の周辺に臨むホッパー底面ｊｌｆ
添着されたゴムなどの弾性シールプレートであり、ベル
ト□のフラットな表面へ弾力・的に軽く接触して、ベル
トとホッパー２０との相互間における種子洩れ等を防止
する。

２３はホッパｊＪｏに取付けられた調量ブラシであり、
やｉジベル１表面へ軽く接触する。

□上記カセットフレーム１の駆動スプロケ
ット３と、従動ローラー８との相互間へ掛脱自在に捲き
掛けられる種子繰り出し用のコンベヤベルト２４は、ゴ
ム又は合成樹脂の可塑物、を素材として、次のような形
態に一体成形されている。

即ち、これを明らかにした第６図において、２５は一定
の幅Ｗ１厚みＴ並びに長さＬを備えた概して殉難状のベ
ルト単体であり、その径小幅の後部には左右一対の枢支
突起２５ａが横向き水平に突設されている。

２５ｂは同じく径大幅の前部に前向きとして延出された
左右一対の耳片であり、これには隣り合うベルト単体の
枢支突起を受は入れる挿入孔２５ｃが各々切り欠かれて
いる。

２５ｄは上記枢支突起２５ａから同一軸芯状として連続
一体に延長された係合突起であって、その周突起２５ａ
、２５ｄともベルト単体２５の厚みＴにおける同一横断
中心線上に配置されており、これによってベルト単体２
５．の複数を表裏の反転状態に連結使用するときにも、
その表裏両面が全体的に面一となって、ベルト単体２５
の相互に段差を生じないようになっている。

又、径小幅の後部は一対の耳片２５ｂにおける相互間隙
内へ挿脱自由な幅寸法として関係位置づけられている。

２５ｅはベルト単体２５の表面中央部に凹入形成された
種子受入れ用の凹溝であり、はぼ断面□Ｌ字型としてそ
の上側及び前側が開口されることにより、ベルト単体２
５のそれ自身を概してパケット状に形作っている。

ベルト単体２５の表裏両面は平滑なフラット面として定
められていると共に、その後端面と耳片２５ｂの前端面
は何れも円弧状に形成されている。

２５ｆは上記枢支突起２５ａの突出基部に切り欠かれた
前後一対の扁平段面であり、これに対して保合突起２５
ｄは断面円形を呈しているため、周突起２５ａ、２５ｂ
の境界部には段差が生皮されることとなっている。

つまり、１本の軸における突出先端の断面真円形部分が
係合突起２５ｄとして、同じく基端の断面略楕円形部分
が枢支突起２５ａとして各々定められているわけである
。

このような枢支突起２５ａを受は入れるべき、左右一対
の耳片２５ｂに明けられた挿入孔２５ｃは、該枢支突起
２５ａを前方から挿脱可能とする出入り口部２５ｇの開
放された全体的な略鍵大状の切欠形態として定められて
いる。

そして、上記断面円形の係合突起２５ｄは、耳片２５ｂ
の外側面よりも径大幅として横方向へ水平に大きく突出
し、以って駆動スプロケット３並びに従動ローラー８と
係脱自在に係合するよう対応されている。

このようｌベルト単体２５の複数は、第１，２図から示
唆されるように何れも同一形状として、その隣り合う一
方の枢支突起２５ａを他方の挿入孔２５ｃ内へ挿脱自在
に挿入させることにより、その枢支突起２５ａの廻りに
相互屈折自在な全体的の無端リンクローラー状に形作ら
れると共に、その係合突起２５ｄが何れもカセットフレ
ーム１における上記駆動スプロケット３の歯板１０並び
に従動ローラー８の鍔板９へ係脱自在に係合され、その
スプロケット３により循環駆動されるのである。

その場合、特に第１０．１１図から明白なように、隣り
合うベルト単体２５の相互を約９０度の角度θに屈折し
た時にのみ、一方の枢支突起２５ａを他方の挿入孔２５
ｃにおける出入り口部２５ｇに対して挿脱操作できるよ
うになっており、これによってベルト単体２５の複数を
着脱自在に連結できるよう構成されている。

つまり、ベルト単体２５のそれ自身について言えば、枢
支突起２５ａはこれに切り欠かれた前後一対の扁平段面
２５ｆによって、係合突起２５ｄと同一の比較的径大な
一定高さＨと、これよりも径小な一定の長さＤとを具備
した断面略楕円形をなしていると共に、その径小な一定
長さＤが枢支突起用の切欠型挿入孔２５ｃにおける出入
り口部２５ｇの開口径Ｓと符合するものとして、その挿
入孔２５ｃに対して枢支突起２５ａを出し入れできるよ
うに設定されているわけである。

その際、枢支突起２５ａの径大な上記高さＨは、この出
入り口部２５ｇの開口径Ｓよりも大きく、これによって
ベルト単体２５の複数を連結後、その相互を９０度以外
の角度に屈折すれば、挿入孔２５ｃ内から枢支突起２５
ａが離脱しないようになっており、その角度θ以外の角
度で使用する常態に支障を一側上じないよう工夫されて
いるのである。

上記のように、ベルト単体２５の複数は何れも同一形状
として、その片面に種子受は入れ用凹溝２５ｃが設けら
れているため、その凹溝２５ｅをすべて表向きとして、
ベルト単体２５を連結した第７，８図の使用例以外に、
第２図から示唆される通り例えばベルト単体２５を、１
つ又は２つ以上おきに裏向きとして、その表裏の反転使
用により、播種の間隔ピッチを変更することができる。

尚、凹Ｒ２５ｅはベルト単体２５における中央部に必ら
ずしも設ける必要はなく、例えば隣り合う単体２５の相
互において千鳥配列となる如く、若干偏倚位置に開口さ
せても良く、又その個数や深さ、開口形状なども、第１
２〜１６図に例示するように、種子の種類や大きさ、播
種数などに応じて自由に改変することができる。

種子の搬送方向は、耳片２５ｂの存在する側を逆に後側
として定めつつ、使用することも可能なことである。

無端なリンクローラー状に形作られた本考案のコンベヤ
ベルト２４は、駆動スプロケット３と従動ローラー８と
の相互間へ掛脱自在に捲き掛けられて使用されるのであ
り、このようにしてそのベルト２４と予じめユニット化
されたカセットフレーム１は、第１〜５図に示すように
その下端部が播種機フレーム２７から突設された左右一
対のカセットホルダー２８によって係脱自在に係止保持
され、同じく上端部が播種機のシュート２９へもたせ掛
ける如く保持固定されて、播種機フレーム２７に対する
傾斜設置姿勢のもとに、カセット式の着脱自在として装
填されるのである。

この取付状態のもとでは、播種機フレーム２７に軸支さ
れた駆動ギヤ３０と、カセットフレーム１の上記伝動ギ
ヤ４とが直接に、又は播種機フレーム２７に別途軸架さ
れたアイドルギヤ３１を介して、自動的に噛合連動する
ようになっているため、コンベヤベルト２４は播種機に
おける図外の接地駆動輪によって、その走行に伴ないホ
ッパー２０内の種子を上方へ繰り出す如く、第１，２図
の矢印方向へ循環回走され、種子のシュート２９へ供給
し、播種する。

その場合、ベルト単体２５の表裏両面がフラットに形成
されているので、その表裏反転使用の如何を問わず、ホ
ッパー２０の傾斜状底面及びそのシールプレート２２と
の相互密着性や、コンベヤベルト２４の回走円滑性が良
好となり、又上記のようにベルト単体２５における凹溝
２５ｅの前側をも開口して、該単体２５をパケット状に
形作り、その開口を隣り合うベルト単体２５の円弧状後
端面により遮蔽できるよう連結すれば、ホッパ−２０内
の種子に対する自動的なすくい込み作用と、シュート２
９に対するその吐き出し作用が極めて円滑・確実に行な
えることになり、同様な趣旨から凹溝２５ｅの溝底面を
第１３図■のように傾斜させでおくことも考えられる。

尚、第１図に示すその他の符号３２は播種機の作溝器、
３３は覆土板、３４は鎮圧輪、３５：は支支持ブラケッ
トであり、上記実施態様では搬送物として種子につき説
示したけれども、種子以外の粒状物や粉状物、その他め
ものに対しても、本考案のコンベヤベルト２４を広く適
用できること言うまでもない 以上のように、本考案のコンベヤベルト２４では、これ
を全体として無端なリンククローラ−状に形作るべきベ
ルト単体２５が、ゴムや合成樹脂の可塑物から一定の厚
みＴを備えた表裏両面の平滑な概して殉難状に成形され
ており、その片面に搬送物の受は入れ用凹溝２５ｅが開
口されていて、その複数のいくつかを表裏反転させて連
結使用できるよう設定されているため、その凹ｉ２１：
５ｅ”Ｉｔこ受容される搬送物の搬送間隔ピッチを自由
に変更することができるのであわ、従い上記実施例のよ
うな播種機の種子繰り出し用として、著しべ有益となる
。

そのベルト単体セ５の全体的殉難珍態は、そのゴムや合
成樹脂の可−物を素材どし゛つつも、気温変化などに対
する伸縮変化の防止に役立らと共に、それにもまして軽
量化や循環回走中の騒音防止などに有効である。

□ ′しかも、上記変更などに際して、
複数のベルト単体２５を連結するに当っても、別途な連
結枢軸や継手部品を要しないばかりでなく、工具類も用
いる必要が一切ないの、その作業現場において誰もが手
指の所謂ワンタッチ操作＾もとに、極めｔ能率良く作業
することができる。

即ち、そのベルト単体２５における搬送方向の一端部に
は、隣り合うベルト単体２５との屈折支軸となる枢支突
起２５ａの左右一対が横向き水平に一体突出されている
と共に、その各突起２５ａの円周面には前後一対の扁平
段面２５ｆ□が切り欠かれており、同じく搬送方向の他
端部には、隣り合うベルト単体２５゛の上記一端部を横
方向から挾み得る間隔を保弓て向かい合う左右一対の耳
片２５ｂが張り出□されており、その各耳片２５ｂはぽ
ぼ鍵穴開口型の枢支突起用挿入孔２′５ｃが切り欠かれ
ていて、そめ隣り合うベルト単体２５の相互を約９０度
の角度θに屈折させた時に、その単体２５における一方
の枢支突起２５ａと、同じく他方、の挿入孔２５ｃとを
挿脱操作できるようになっているため、上記作業性に優
れた効果をを得られるのであり、コンベヤベルト全体と
しての無端な大きさも、著しく容易に変更することがで
きる。

又、上記角度θ以外に屈折された状態では、隣り合うベ
ルト単体２５の相互が離脱しないようになっているため
、コンベヤベルト２４の全体を循環回走させるべく、例
えば播種機の駆動スプロケット３と従動ローラー８へ捲
き掛は使用する場合にも、その種子などの搬送物を一切
の支障なく円滑に搬送することができる。

特に、そのような使用常態との関係において、本考案で
は上記屈折支軸となる枢支突起２５ａから、駆動スプロ
ケット３との保合用となる左右一対の係合突起２５ｄが
、そのまま連続する横向き水平延長状に突出されており
、その係合突起２５ｄは上記扁平段面２５ｆの切り欠か
れていない丸軸形態に保たれているので、上記スプロケ
ット３からベルト循環駆動力を得るべく、枢支突起２５
ａと別途な係合軸などの突出構造を採る必要がないので
あり、従い可塑物からの成形品であることとも相俟って
、量産性にも著しく優れる。

搬送物受は入れ用凹溝２５ｅめ開口形態などを各種変化
させることも容易なため、その搬送物としての大きさや
種類が多岐に亘りやすい種子などの繰り出し用として、
特に実益大の考案と言うことができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案を播種機の種子繰り出し用に適用した一実施
態様に係り、第１図はその播種の使用状態を示す一部破
断側面図、第２図は種子繰り出し用カセットフレームの
全体平面図、第３図〜５図は第２図Ａ−Ａ線ＪＢ−Ｂ線
並びにＣ−Ｃ線に沿う各断面図、第６図はベルト単体を
抽出した斜面図、第７図は゛その連結状態の拡大平面図
、第８図は第７図の側面図、第９，１０図は第７図のＤ
−Ｄ線並びにＥ−Ｅ線に沿う各断面図、第１１図はベル
ト単体相互の着脱作用を示す側断面図、第１２図は第６
図に対応するベルト単体の第１変形例を示す斜面図、第
１３図Ｉは第１２図のＦ−Ｆ線断面図、同図■はその変
形例を示す断面図、第１４〜１６′図は同じく第６図に
対応するベルト単体の第２〜４変形例を示す斜面図であ
る。 ２４・・・・・・コンベヤベルト、 ２５・・・・・・ベルト単 体、 ２５ａ・・・・・・枢支突起、 ２５ｂ・・・・・・耳片、 ５ Ｃ・・・・・・挿入孔、 ２５ｄ・・・・・・係合突起、 ２５ｅ・・・・・・ 凹溝、 ２５ｆ・・・・・・扁平段面、 θ・・・・・・屈折角度。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数のベルト単体２５を可塑物から表裏両面の平滑なほ
   ぼ殉難状に成形し、その片面に搬送物受は入れ用の凹溝
   ２５ｅを開口させ、その搬送方向の一端部には隣り合う
   ベルト単体２５との屈折支軸となる枢支突起２５ａと、
   該突起２５ａからそのまま連続して横向き水平延長状に
   突出し、且つベルト循環回走用駆動スプロケット３との
   係合用となる係合突起２５ｄとを左右一対として設ける
   と共に、その各枢支突起２５ａの円周面に前後一対の扁
   平段面２５ｆを切り欠く一方、同じく搬送方向の他端部
   には隣り合うベルト単体２５の上記一端部を横方向から
   挾み得る左右一対の耳片２５ｂを張り出し、その各耳片
   ２５ｂにほぼ鍵欠開口状の枢支突起用挿入孔２５ｃを切
   り欠いて、その隣り合うベルト単体２５の相互を約９０
   度に屈折させた時にのみ、その単体２５における一方の
   枢支突起２５ａと、同じく他方の挿入孔２５ｃとを挿脱
   操作できるように定めて、その複数のベルト単体２５か
   ら全体として無端なリンクローラー状に連結すると共に
   、そのベルト単体２５のいくつかを表裏反転させて使用
   することにより、搬送物の搬送間隔ピッチを変更できる
   よう設定したことを特徴とするコンベヤベルト。