JPH0142971Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は、種子を定量づつ播種するための播種機
の播種ロールの改良に関する。

例えば、育苗用播種機においては、播種ロール
はその外周面に溝又は凹状の繰出し凹部を多数周
方向等間隔に形成して、その上方の種子溜部内か
ら種子を繰出して、育苗箱内の床土上に落下する
ように構成されている。

種子溜部は播種ロールとガイド板とで形成され
ていて、その上方の繰出しロールから略定量づつ
供給される種子を溜めているが、種子がブリツジ
を生じて繰出し凹部内へ入り難くなつたり、種子
の方向性が極端に不揃いになつて、繰出し凹部へ
入る種子量が減少したりすることがある。

本考案は、このような従来の問題点に鑑み、播
種ロールの繰出し凹部間の外周面に凹凸を形成し
て、繰出し前の種子を若干撹拌することによつ
て、ブリツジを解除すると共に極端な不揃いを是
正して、繰出し凹部内に略所定量の種子が入るよ
うに構成した播種機の播種ロールを提供すること
を目的とする。

この目的を達成するための本考案の特徴とする
ところは、外周面７６に種子溜部７９の種子Ｃを
収納できるようにロール軸線方向に細長い繰出し
凹部７７を周方向等間隔をおいて複数平行に形成
し、各繰出し凹部７７の間に種子Ｃと当接する凸
部７７ａを形成した播種機の播種ロールにおい
て、 前記各凸部７７ａ表面に、繰出し凹部７７と平
行な溝を繰出し凹部７７の長手方向全長に対応し
て形成して成る種子撹拌用凹凸７８を設けた点に
ある。

尚、以下の説明において、育苗用播種機を例示
するが、本考案はその他の例えば直播用播種機等
にも適用することができる。

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図は育苗用播種装置１の全体を示してお
り、播種装置１は大別して、育苗箱２を往復移動
する正逆転切換可能な育苗箱移送機構３と、この
移送機構３を支持している支持枠４と、この支持
枠４上に載置され且つ移送機構３の育苗箱移送経
路５に跨つている土入機６、潅水機７及び播種機
８とを有している。

前記支持枠４は２本の平行な断面コ字形フレー
ム１１と、１対の支持脚１２とを有しており、一
方の支持脚１２には移送機構３のモータ部１３が
取付けられている。

移送機構３は前記モータ部１３と、フレーム１
１に間隔をおいて多数本枢支されたローラ１４
と、モータ部１３から全ローラ１４へ動力を伝達
するスプロケツト１５及びチエーン１６等から成
つている。これらのスプロケツト１５及びチエー
ン１６等は断面コ字形フレーム１１の溝内に納め
られている。

土入機６は床土供給と覆土供給とを行ない得る
もので、移送経路５と平行なベルトコンベヤ１９
とその上方のホツパ２０と、ベルトコンベヤ１９
の矢印Ａ方向前方の回転ブラシ２１とを有してお
り、ベルトコンベヤ１９及び回転ブラシ２１は移
送機構３により育苗箱２と同期して駆動されてい
る。

床土供給時は育苗箱２を矢印Ａ方向に移動して
床土を供給し、その後回転ブラシ２１で床土表面
をならし、覆土供給時は育苗箱２を矢印Ｂ方向に
移動して覆土を供給し、その際回転ブラシ２１は
上方へ退避させておく。

潅水機７は水道管に連通した給水管２３の下方
に散水板２４を揺動自在に枢支しており、この散
水板２４は横断面波形に形成されており、育苗箱
２内の床土に所要量の水を略均一に供給する。

第１図及び第２図において、播種機８はフレー
ム１１に固定された外フレーム２６と、この外フ
レーム２６内に上下動可能に配置された内フレー
ム２７と、外フレーム２６上に配置され且つ種子
ホツパ２８と繰出ロール２９とを支持している上
フレーム３０と、内フレーム２７に支持された播
種ロール３１、回転ブラシ３２及び余剰籾排出体
３３と、前記播種ロール３１、回転ブラシ３２、
余剰籾排出体３３及び繰出ロール２９を駆動する
駆動機構３４等を備えている。前記外フレーム２
６は２枚の側板で形成されていて、前後上下は開
放されている。

前記播種機８は育苗箱２を矢印Ｂ方向に移送す
るときに作動させるもので、従つて、床土供給及
び潅水時には内フレーム２７を上方に上げて、播
種ロール３１、回転ブラシ３２及び余剰籾排出体
３３を上方へ退避しておく。内フレーム２７の揺
動支点は外フレーム２６に支持された支持軸３５
である。

前記支軸３５並びに播種ロール３１、回転ブラ
シ３２及び余剰籾排出体３３の各軸には駆動機構
３４のスプロケツト３７，３８，３９，４０が設
けられており、これらにはチエーン４１が巻掛け
られており、テンシヨンスプロケツト４２によつ
てチエーン４１の張力が与えられている。

外フレーム２６の外側に突出した支軸３５の端
部にはギヤ４４が設けられており、外フレーム２
６の外面に設けられた回転軸４３に設けられたギ
ヤ４５と噛合している。回転軸４３にはスプロケ
ツト４６が設けられていて、チエーン４７、スプ
ロケツト４８，４９及びチエーン５０を介してモ
ータ部１３から動力が伝達される。

また、回転軸４３にはスプロケツト５２が設け
られており、繰出ロール２９の軸５３に設けたス
プロケツト５４との間にチエーン５５が巻掛けら
れており、播種ロール３１の駆動系統とは別の系
統で繰出ロール２９を回転するように構成されて
いる。

前記チエーン５５は外フレーム２６の上面にブ
ラケツト６３を介して固定支持された支軸５８上
のプーリ５９にも巻掛けられており、前記支軸５
８に設けたテンシヨンレバー６０によつて張力が
加えられている。

前記テンシヨンレバー６０は一端が支軸５８に
遊嵌され、他端６０ａがＬ字形に折曲されてチエ
ーン５５に係合している。６１はコイルスプリン
グで、テンシヨンレバー６０の他端をチエーン５
５を張る方向に弾圧している。

上フレーム３０は２枚の板で形成されていて少
なくともその底部は外フレーム２６側に開放され
ており、繰出ロール２９を回転自在に支持すると
共に種子ホツパ２８を繰出ロール２９の上方に支
持しており、その前後下部にブラケツト６３，６
４を溶着している。ブラケツト６３は前記支軸５
８に相対回動自在に嵌合しており、ブラケツト６
４は１本の係止棒６５を設けている。

６６は外フレーム２６の上面又はブラシ６７を
取付けた取付板６８上に設けられた板バネ製係合
部材であり、上フレーム３０を第１図及び第２図
の状態に配置したときに、係合部材６６に係止棒
６５が係合し、前記支軸５８による支持と相俟つ
て、播種作業姿勢が保持される。

上フレーム３０は支軸５８を中心に回動自在で
あり、係合部材６６から係止棒６５をバネ力に抗
して離すように上フレーム３０を回動することに
より、上フレーム３０は第２図仮想線で示す位置
まで傾倒することができる。

７２は種子ホツパ２８の仕切板、７３は種子繰
出し量調整ブラシ、７０は種子Ｃの落下ガイド板
を夫々示す。

第２図及び第３図において、播種ロール３１は
外周面７６に周方向等間隔に多数の繰出し凹部７
７が形成されている。この繰出し凹部７７は軸線
と平行で且つ播種ロール３１の軸線方向全長に亘
つて形成された長い溝であり、所要量の種子Ｃを
収納可能である。また、各繰出し凹部７７の間に
設けられ、種子Ｃと当接する凸部７７ａの表面に
は、細かい三角溝で形成された種子撹拌用凹凸７
８が形成されている。即ちこの種子撹拌用凹凸７
８は、繰出し凹部７７と平行で且つ繰出し凹部７
７の長手方向全長に対応して細かい三角溝が、周
方向に複数形成されて成る。尚、この三角溝は少
なくとも１本あれば良い。

前記播種ロール３１は傾斜状に配置されたガイ
ド板７１とで種子溜部７９を形成しており、種子
ホツパ２８から繰出ロール２９によつて略定量ず
つ繰出し落下されてくる種子Ｃを種子溜部７９に
略定量だけ溜め、この溜部７９内の種子Ｃを繰出
し凹部７７内に入れて、円弧状ガイド板８０で落
下を規制しながら、最下位置まで移動してから育
苗箱２内に落下供給する。

種子溜部７９内の種子Ｃは、播種ロール３１の
回転に従つて繰出し凹部７７内に順次入つてい
て、所定量以上の種子Ｃは回転ブラシ３２によつ
てはじき出される。種子Ｃはこのような繰出し凹
部７７内への流動の他に、凹凸７８によつて播種
ロール３１の回転方向に押動され又は径方向に振
動され、これにより種子溜部７９内の種子Ｃは撹
拌される。そのため、種子溜部７９内で数個の種
子Ｃがブリツジを形成するということがなく、ま
た種子Ｃがばらばらに並んでいても、互いに押し
あうことにより略同方向に配向されることにな
り、総ての繰出し凹部７７内に納める種子量を量
的及び方向的に略均一化することができる。

特に、種子Ｃが籾のような楕円形状である場
合、凹凸７８の凸部に当つて横長になり、即ち籾
の長手方向が播種ロール３１の軸線に沿うように
整列され、繰出し凹部７７の略全長に対応してそ
れが行なわれ、繰出し凹部７７には全ての籾が同
一方向になつて収納される。

尚、凹凸７８を形成する溝間の凸部は、繰出し
凹部７７の略全長（播種ロール軸線方向）に対応
して形成されており、長手方向に連続でも不連続
でも良いが、不連続の場合は、繰出し凹部７７間
に複数本形成し、不連続位置を長手方向にずらし
ておくことが好ましい。

以上詳述した本考案によれば、各凸部７７ａ表
面に、繰出し凹部７７と平行な溝を繰出し凹部７
７の長手方向全長に対応して形成して成る種子撹
拌用凹凸７８を設けたので、播種ロール３１の全
幅に亘つて、種子Ｃのブリツジ防止をするだけで
なく、種子Ｃを播種ロール３１の軸線に沿うよう
に整列させることができ、細長い繰出し凹部７７
の全長に亘つて均一な方向となつた種子Ｃを収納
させることができ、播種量の精度を向上すること
ができるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は育苗用播種装置の全体を示す正面説明
図、第２図及び第３図は本考案の実施例を示して
おり、第２図は播種機の縦断面図、第３図は播種
ロールの拡大斜視図である。 ２……育苗箱、８……播種機、２９……繰出ロ
ール、３１……播種ロール、７６……外周面、７
７……繰出し凹部、７８……種子撹拌用凹凸、７
９……種子溜部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 外周面７６に種子溜部７９の種子Ｃを収納でき
   るようにロール軸線方向に細長い繰出し凹部７７
   を周方向等間隔をおいて複数平行に形成し、各繰
   出し凹部７７の間に種子Ｃと当接する凸部７７ａ
   を形成した播種機の播種ロールにおいて、 前記各凸部７７ａ表面に、繰出し凹部７７と平
   行な溝を繰出し凹部７７の長手方向全長に対応し
   て形成して成る種子撹拌用凹凸７８を設けたこと
   を特徴とする播種機の播種ロール。