JPH0127642Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、育苗用播種装置に組込んで、育苗箱
内に土を供給する育苗用土入機の土案内機構に関
し、ベルト上の付着土を剥離し且つ土塊を粉砕し
て、育苗箱に落下供給できるようにすることを目
的とする。

育苗用土入機は、機枠に固定のホツパからその
下方のベルトコンベヤ機構のベルト上に土を所要
量ずつ載置し、ベルトの前端部からその下方を移
送される育苗箱内へ土を落下するように構成され
ている。

ところで、ホツパからベルト上に供給される土
はゲートを通るが、ホツパ内で固まり、土塊とな
つて育苗箱に落下することがあり、床土に土塊が
あると播種時に種子がころがり、適正位置に播種
されなくなることがある。また、育苗用土は含水
量が多いものがあり、そのような土を供給する場
合は、土がベルトに付着して落下供給量に変化を
生じたり、ベルト前端から下側に連廻りして落下
位置が不規則になつて供給土表面に凹凸を生じた
りすることがある。

本考案は、このような従来の問題点を総て解決
するものであり、その特徴とするところは、機枠
に固定のホツパからその下方のベルトコンベヤの
ベルト上に土を所要量ずつ載置し、前記ベルトの
端部からその下方を移送される育苗箱へ土を落下
供給する育苗用土入機において、前記機枠には、
ベルトの端部前方に僅少間隙を介して位置する前
下り傾斜状の落下強制板と、この落下強制板から
落下してくる土を受けて後下方へ反射させる受板
とが取付けられている点にある。

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図は育苗用播種装置１の全体を示してお
り、播種装置１は大別して、育苗箱２を往復移動
する正逆転切換可能な育苗箱移送機構３と、この
移送機構３を支持している支持枠４と、この支持
枠４上に載置され且つ移送機構３の育苗箱移送経
路５に跨つている土入機６、潅水機７及び播種機
８と、土入機６の後方に配置された土ならし装置
９と、育苗箱２の押え装置１０とを有している。

前記支持枠４は２本の平行な断面コ字形フレー
ム１１と、複数本の支持脚１２とを有しており、
播種機８近傍の支持脚１２には移送機構３のモー
タ部１３が取付けられている。

移送機構３は前記モータ部１３と、フレーム１
１に間隔をおいて多数本枢支された回転軸１７
と、この回転軸１７に設けられたローラ１４と、
モータ部１３から全回転軸１７へ動力を伝達する
スプロケツト１５及びチエーン１６等から成つて
いる。これらのスプロケツト１５及びチエーン１
６等は一方の断面コ字形フレーム１１の溝内に納
められている。

潅水機７はフレーム１１に前後２組のブラケツ
ト２１，２１を取付けて夫々２本の給水管２２，
２２を支持させ、この２本の給水管２２に接続さ
れた管２３を給水ポンプ２４に接続しており、こ
の両管２３には圧力計及びコツク等が設けられて
いる。潅水機７は給水管２２から散水して育苗箱
２内の床土に略均一に供給する。

播種機８はフレーム１１に固定された外フレー
ム２６と、この外フレーム２６内に支軸３５を中
心に上下揺動可能に配置された内フレーム２７
と、外フレーム２６上に配置され且つ種子ホツパ
２８と繰出ロール２９とを支持している上フレー
ム３０と、内フレーム２７に支持された播種ロー
ル３１、回転ブラシ３２及び余剰籾排出体３３
と、前記播種ロール３１、回転ブラシ３２、余剰
籾排出体３３及び繰出ロール２９を駆動する駆動
機構３４等を備えている。前記外フレーム２６は
２枚の側板で形成されていて、前後上下は開放さ
れており、この播種機８は育苗箱２を矢印Ｂ方向
に移送するときに作動される。

土ならし装置９は１本の横軸ブラシ４３を有す
る横軸ブラシ機構４５と、この横軸ブラシ機構４
５と土入機６との間に配置され幅員方向に２本の
縦軸ブラシ４０を有する縦軸ブラシ機構４２とか
ら成り、床土の全表面を２本の縦軸ブラシ４０で
ならした後、横軸ブラシ４３で仕上げならしを行
なう。

土入機６は床土供給と覆土供給とを行ない得る
もので、移送経路５と平行なベルトコンベヤ１９
とその上方のホツパ２０を有しており、ベルトコ
ンベヤ１９は移送機構３から動力伝達手段１８を
介して又は独自の駆動機構により育苗箱２と同期
して駆動されている。

床土供給時は育苗箱２を矢印Ａ方向に移動して
床土を供給し、その後土ならし装置９で床土表面
をならし、覆土供給時は育苗箱２を矢印Ｂ方向に
移動して覆土を供給し、その際土ならし装置９は
上方へ退避させておく。

前記ベルトコンベヤ１９は機枠７６に枢支され
た２本のローラ７７と、このローラ７７間に巻掛
けられた滑り止め付きベルト７８とを有し、前記
ローラ７７の一方は動力伝達手段１８から動力が
伝達され、ベルト７８の上位は育苗箱２と移動方
向が同一となつている。

ホツパ２０は前後に上下位置調整可能なゲート
７９を有し、ベルト７８上に載置する土量を調整
可能となつており、ゲート７９ａは床土用、ゲー
ト７９ｂは覆土用となつている。

８０は左右１対の土案内部材で、ベルト７８の
両側縁上方で機枠７６にボルト８１を介して固定
されている。この土案内部材８０は第３，４図に
示す如く、１枚の金属板８２を２枚のゴム板８３
で挟んでおり、金属板８２は下部が彎曲されて下
端がベルト７８側に位置しており、表ゴム板８３
ａは金属板８２に沿うと共にその下端はベルト７
８上面に摺接し、ホツパ２０からベルト７８上に
落下載置された土が側方へ崩れるのを防止してお
り、裏ゴム板８３ｂはベルト７８上面に摺接し、
土がベルトコンベヤ１９と機枠７６との間にこぼ
れ落ちるのを防止している。

８４は左右１対の円弧状落下案内板で、下端が
落下強制板８５によつて連結されており、上部が
機枠７６又は金属板８２に固定されている。前記
落下強制板８５の両端は落下案内板８４より左右
方向に突出し、ボルトを介して機枠７６に固定さ
れている。

落下案内板８４はローラ７７に巻掛けられたベ
ルト７８の前部に沿つて配置され、ベルト７８上
から土が落下するときの側方案内をしており、前
記土案内部材８０と共に、土を育苗箱２の幅に対
応して落下供給させている。

前記落下強制板８５はベルト７８と摺接しない
ように僅少間隙を有し、前下り状に傾斜配置され
ており、ベルト７８から落下する土を当てると共
に、ベルト７８に付着した土を剥離して強制落下
させる。この落下強制板８５はローラ７７中心を
通る水平線に対して傾斜角度αを45゜前後に、上
端位置の角度βを15゜前後に夫々設定されていて、
落下土を粉砕可能に構成されているが、付着土剥
離のみを行なわせる場合は角度αは90゜となる。

８６は落下強制板８５より前方に配置された傾
斜角度調整可能な受板で、落下強制板８５から送
られてきた土の落下位置を設定し得ると共に、土
を衝突させることによりベルト７８による土送り
方向後下方へ反射させ、土塊を粉砕し且つ大土粒
を遠く小土粒を近くに飛散し、育苗箱２内に下層
大土粒上層小土粒の床土供給ができる。

前記落下強制板８５及び受板８６は主に床土供
給の際に有用であり、覆土は表面に凹凸があつて
も育苗に余り影響しないので、強いて設けなくと
も良い。但し、落下案内板８４は覆土供給にも必
要なので、ベルト７８の後側にも設けておくこと
が好ましい。

８７は移送機構３の各ローラ１４に付着する土
を剥離するスクレーパで、土入機６、ベラシ機構
４２，４５等の下方又は前後に位置するローラ１
４と僅少間隙を開けて対応して左右フレーム１１
に取付けられている。ローラ１４に土が付着して
径が大径になると、育苗箱２の移送速度が速くな
り、土供給量にむらが生じるが、前記スクレーパ
８７を設けて付着土を剥離することにより、これ
を防止することができる。

前記土入機６の内部及び前方には夫々押え装置
１０が配置されている。この押え装置１０は育苗
箱２の左右側縁上面と当接可能であり、育苗箱２
に土又は水が付着してスリツプしたり、床土供給
中の育苗箱が床土のために傾倒したりしないよう
に、移送姿勢を保持しており、また、育苗箱２の
正確な移送を可能にしている。

以上詳述した本考案によれば、機枠７６には、
ベルト７８の端部前方に僅少間隙を介して位置す
る前下り傾斜状の落下強制板８５と、この落下強
制板８５から落下してくる土を受けて後下方へ反
射させる受板８６とが取付けられているので、ベ
ルト７８に付着した土も落下強制板８５で剥離さ
せながら強制的に落下させることができ、この落
下強制板８５を設けることによつて土落下方向が
変つても、受板８６によつて修正して、育苗箱２
へ適正に供給することができ、しかも、土塊があ
つても、落下強制板８５と受板８６とに衝突する
ことにより粉砕することができ、育苗箱２に土塊
のない平坦な土表面を形成することが可能にな
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示しており、第１図は
播種装置の全体を示す正面図、第２図は要部の断
面正面図、第３図は第２図の−線断面図、第
４図は分解斜視図である。 １……育苗用播種装置、２……育苗箱、３……
育苗箱移送機構、６……土入機、１９……ベルト
コンベヤ、２０……ホツパ、７６……機枠、７８
……ベルト、８０……土案内部材、８４……落下
案内板、８５……落下強制板、８６……受板、８
７……スクレーパ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機枠７６に固定のホツパ２０からその下方のベ
   ルトコンベヤ１９のベルト７８上に土を所要量ず
   つ載置し、前記ベルト７８の端部からその下方を
   移送される育苗箱２へ土を落下供給する育苗用土
   入機において、前記機枠７６には、ベルト７８の
   端部前方に僅少間隙を介して位置する前下り傾斜
   状の落下強制板８５と、この落下強制板８５から
   落下してくる土を受けて後下方へ反射させる受板
   ８６とが取付けられていることを特徴とする育苗
   用土入機の土案内機構。