JPS6033097Y2 - 自動車のサスペンションタワ−部の構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車車体のタイヤハウス部に連設したサス
ペンションタワ一部の構造に関するものである。

従来は第５図に示すように、自動車のサスペンション装
置のストラットを収容するサスペンションタワ一部は、
彎曲部ｄ、 ｅおよび一タワ一部ｆを具備するサスペン
ションタワ一部材ａをホイールエプロンｂのタイヤハウ
長細ｔの車体内側に連設して形成され、両彎曲部ｄｖ
ｅＭＥおけるホイールエプロンｂの欠落部分ｇに、断面
コ字形の補強板りを介装し、該補強板の両端部を前記両
彎曲部ｄ、 ｅの基端にスポット溶接して接合部Ｓを形
成し、前記補強板りによりホイルエプロンｂとアウタ部
材とで形成される閉断面構造のフレームｉを前後に連続
させて、サスペンションタワ一部材ａおよびフレームｉ
の接合部Ｓの強度の向上を図っている。

しかしながら、ストラットに急激な荷重が加わると、該
ストラットの傾きによってサスペンションタワ一部材ａ
が車体の内方に引かれる分力の作用をうけるために、接
合部Ｓが引張り方向の外力に弱く剥離し易い欠点がある
。

本考案は、かかる従来の欠点に鑑みてなされたものであ
り、スポット溶接した接合部は、剪断方向に外力をうけ
とるときにその接合強度か最も高いことに着目して、ホ
イールエプロンのタイヤハウス部に連設するサスペンシ
ョンタワ一部材ト、フレームを前後に連続させる補強部
材との接合部を剪断方向の外力を受ける面に組成してス
ポット溶接し、前記接合部に加わる引張り方向の外力の
一部を剪断方向で受けることにより接合部の強度の向上
を噛ることを目的とする。

以下、本考案の一実施例について詳述する。

１は車体のフロント側のホイールエプロン２に形成され
たタイヤハウス部であり、該タイヤハウス部には、車体
の内方（矢符Ａ）に張り出したタワ一部３に張り出し角
０で車体の内方に張り出した前壁４および後壁５を具備
せしめて形成したサスペンションタワ一部材６が連設さ
れる。

前記ホイールエプロン２には、アウタ部材７を連設して
フレーム部材８とともに車体前後方にのびる閉断面構造
のフレーム９が構成されている。

さらに、前記アウタ部材７には前記タワ一部３に接合さ
れてフレーム９の閉断面構造を前後に連続させる補強板
１０を設けられている。

該補強板１０は断面はぼコ字形で、前記前壁４および後
壁５に対応せしめる前膨出壁１１および後膨出壁１２と
ホイールエプロン接合部１３．１４から車体の外方（矢
符Ｂ）に彎曲せしめた中央彎曲部１５とを具備した膨出
部１６と、該膨出部の上下から車体の外方（矢符Ｂ）に
突出せしめたフランジ部１７．１８とが形成されている
。

前記補強板１０は、フランジ部１７，１８の端縁２０，
２１をアウタ部材７に、前記前膨出壁１１および後膨出
壁１２を前記タワ一部３の前壁４および後壁５にそれぞ
れスポット溶接して接続した各接合部Ｗが形成されると
ともに前記前膨出壁１１、後膨出壁１２および中央彎曲
部１５によす、前記フレーム９のタイヤハウス部１にお
けるホイールエプロン２の欠落部分（ＣからＤまで）を
補充してフレーム９の閉断面構造を前後に連続させてい
る。

２２はタワーキャップ部材１．２３はダンパであり、２
５．２６および２７はそれぞれカウルパネル、ダッシュ
パネルアツパオヨヒダッシュパネルロアーである。

なお、上記張り出し角θは溶接強度の面からは９０’が
理想的である。

また、タワ一部３は補強板１０の膨出部１６により車体
の前後方向にも補強されるので、衝突時のタワ一部３を
エネルギー吸収体として有効に利用でき、しかも膨出部
１６に中央彎曲部１５を設けることによって上記作用は
一層効果的である。

以上のように構成すれば、サスペンションタワ一部材６
は、タワ一部の前壁４および後壁５が補強板１０の膨出
部１６の前膨出壁１１および後膨出壁１２に接合してス
ポット溶接されて補強される。

したがらて該接合部を車幅方向に張り出したことにより
、接合部に加わる車幅方向の引張り作用の一部を、接合
強度の高い剪断方向でうけることができ、サスペンショ
ンタワ一部材６の補強強度を高くできる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を例示し、第１図は自動車のサ
スペンションタワ一部の構造をエンジンルーム側から見
た斜視図、第２図は補強板の外形斜視図、第３図は第１
図の一部を示した平面図、第４図は同第３図の補強板の
中央における縦断面図、第５図はサスペンションタワ一
部の構造の従来例を一部断面で示した平面図である。 １・・・・・・タイヤハウス部、２・・・・・・ホイー
ルエプロン、３・・・・・・タワ一部、４・・・・・・
前壁、５・・・・・・後壁、６・・・・・・サスペンシ
ョンタワ一部材、７・・・・・・アウタ部材、９・・・
・・・フレーム、１０・・・・・・補強板、１１・・・
・・・前膨出壁、１２・・・・・・後膨出壁、１６・・
・・・・膨出部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ホイールエプロンのタイヤハウス部に車体内方に張り出
   したタワ一部を有するサスペンションタワ一部材を連設
   し前記ホイールエプロンに接合され、このホイールエプ
   ロンとともに車体前後方に延びる閉断面構造のフレーム
   を構成するアウタ部材を設け、このアウタ部材に前記タ
   ワ一部で接合され前記閉断面構造を前後に連続させる断
   面はぼコ字状の補強板を設ける一方、この補強板に前記
   タワ一部の前壁および後壁に沿って車体内方に突出する
   膨出部を設け、この膨出部の前膨出壁および後膨出壁を
   前記タワ一部の前壁および後壁に接合したことを特徴と
   する自動車のサスペンションタワ一部の構造。