JPS6031893Y2 - 工作機械における回転テ−ブルの割出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は工作機械の回転テーブルの割出装置に関するも
のである。

本考案の目的は、回転テーブルに設けられた割出しピン
で割出し位置決めする場合、一つの作動シリンダ装置に
よって前記割出し動作と回転テーブルのクランプとの二
つの動作を簡単な機構で等間隔若しくは不等間隔に確実
に割出し位置決めすることである。

従来、回転テーブルを割出しピンによって割出し位置決
めする場合、割出し装置の駆動源と、回転テーブルのク
ランプ装帯の駆動源とはそれぞれ別個専用に設置されて
いる。

従って、配管や制御構成等の構造が複雑となり高価とな
るばかりでなく、エネルギーの無駄があった。

本考案は、上記従来の不具合に鑑み、簡単な構造で、省
エネルギー化した割出装置を提供するものである。

以下本考案の実施例を図面に基いて説明する。

第１図において１は工作物を載置する回転テーブルであ
る。

この回転テーブル１の下面には第２図で明らかなように
、回転円周線上に等間隔若しくは不等間隔で複数本の割
出しピン２が固設されている。

４は前記割出しピン２のストッパ部材であり、割出しピ
ン２の位置決め部位、すなわち、回転テーブル１の割出
し位置に揺動可能に設けられている。

その具体的な構成は次の通りである。ストッパ部材４は
、割出しピン２側の端部にはストッパボルト６が設けら
れ、その反対側の端部には当接ピン７が突設されている
。

そして、このストッパ部材４はブラケット３に枢支ボル
ト５によって揺動自在に枢支され、スプリング８により
ストッパボルト６側の端部を下方に引張している。

ストッパボルト６側の端部が下方に位置しているときに
は、その反対側の当接ピン７は上方に位置しており、ス
トッパボルト６は割出しピン２を通過回転させる位置に
あり、ストッパボルト６が上方に位置すると割出しピン
２が当接する。

前記ストッパ部材４と対向する位置に、所定の割出しピ
ン２と係合し、回転テーブル１を回転すると共に、スト
ッパ部材４を作動して割出しピン２の位置決めと回転テ
ーブル１のクランプとを同時に行う作動装置が設けられ
ている。

その機構は次の通りである。

ストッパ部材４の揺動方向と直交する方向に案内プレー
ト１１を固設し、これに移動体１２が進退可能に案内さ
れている。

移動体１２の進退はシリンダ装置９のピストンロッド１
０の進退ストロークによって作動されるようになってい
る。

前記移動体１２の上面には爪部材１３がピン１４によっ
て枢着されている。

この爪部材１３の先端は割出しピン２と係合して押動す
る当接面１３ａが形成され、移動体１２の前進移動方向
では後方回動を規制するよう移動体１２に設けられた段
部１２ａに当接している。

そして、常にこの段部１２ａに当接するように当接面１
３ａと反対側の端部をスプリング１５によって引張して
いる。

尚爪部材１３は前記したように第２図において時計方向
の回動は段部１２ａで規制されているが、爪部材１３の
先端に反時計方向の応力が加えられたときにはスプリン
グ１５の引張力に抗してピン１４を支点にして反時計方
向の回動を許容する。

さらに、移動体１２の側面にはストッパ部材４に突設さ
れている当接ピン７に当接し下方に押し下げる作動部材
１６が固設されている。

次に上記装置の動作について説明する。

図示は割出しピン２が割出し位置決めされ、且つ回転テ
ーブル１がクランプされた状態である。

この状態から次の割出し作動を説明すると、シリンダ装
置９により移動体１２を原位置まで後退移動させる。

これによって、爪部材１３の当接面１３ａによる割出し
ピン２の押圧力が解除されると同時に作動部材１６は当
接ピン７より外れるために、ストッパ部材４はスプリン
グ８の引張力によって枢支ボルト５を支点にして回動し
、ストッパボルト６側は下方に、また突出ピン７側は上
方に位置する。

従って、今までストッパボルト６に当接していた割出し
ピン２はストッパ部材４の部位の通過を許容する態勢と
なる。

一方、原位置に後退する移動体１２側では、次に割出す
割出しピン２に爪部材１３が干渉するが、爪部材１３は
前記したようにピン１４を支点にして反時計方向に回動
し、割出しピン２を回避して通過する。

通過後にはスプリング１５の引張力によって段部１２ａ
に当接規制する旧態に復帰するのである。

次いで割出し指令に基いてシリンダ装置９により移動体
１２は前進移動する。

このとき爪部材１３の先端の当接面１３ａは割出しピン
２に当接し、且つ押動して回転テーブル１を回動する。

移動体１２がストッパ部材４に接近した時点に、先ず作
動部材１６が突出ピン７に当接して押し下げ、ストッパ
部材４をスプリング８の引張力に抗して回動し、ストッ
パボルト６を割出しピン２の当接位置にセットする。

その後爪部材１３で押動している割出しピン２が前記ス
トッパボルト６に当接し割出し位置決めを行うと同時に
爪部材１３の押圧力により割出しピン２をストッパボル
ト６と爪部材１３とで挾持し回転テーブル１のクランプ
を行うのである。

従って、この状態で工作物の加工作業が開始され、加工
完了まで保持するのである。

以上のように本考案装置によると、一つのシリンダ装置
により回転テーブルの等間隔若しくは不等間隔の割出し
位置決めと、クランプ動作が得られるので、構造が簡単
となり安価に提供し得ると共に、駆動源の省エネルギー
化が計られる利点を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の側面図、第２図は平面図である。 １・・・・・・回転テーブル、２・・・・・・割出しピ
ン、４・・・・・・ストッパ部材、５・・・・・・枢支
ボルト、６・・・・・・ストッパボルト、７・・・・・
・突出ピン、８・・・・・・スプリング、９・・・・・
・シリンダ装置、１２・・・・・・移動体、１３・・・
・・・爪部材、１４・・・・・・ピン、１５・・・・・
・スプリング、１６・・・・・・作動部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 工作物を載置する回転テーブルの下面円周線上に固設し
   た複数本の割出しピンと、回転テーブルの回転中心を中
   心とするこの割出しピンの回転軌跡線下で、且つ割出し
   ピンの位置決め部位に、割出しピンとの当接位置並びに
   通過を許容する位置に揺動可能に枢支したストッパ部材
   と、このストッパ部材に対し進退可能に設けられた移動
   体と、この移動体に前進移動では割出しピンと係合して
   押動し、後退移動では他の割出しピンを回避するように
   枢着した爪部材と、前記ストッパ部材を前進移動で割出
   しピンとの当接位置に回動する作動部材とを設け、前記
   移動体を進退作動するシリンダ装置を備えたことを特徴
   とする工作機械における回転テーブルの割出装置。